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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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1.  ブルー・リベンジ (2013) 《ネタバレ》 
情念のぶつかり合いこそが復讐映画の醍醐味なのですが、本作にはそれがありません。冒頭20分にはほとんどセリフがなく、観客に対する状況説明もなし。虚ろな目をしたホームレスが人を殺すのですが、この時点で観客は誰が誰を殺したのかがよくわからないため、そこには何の感情も起こらないのです。その後の説明で、どうやらこのホームレスは親の仇を殺したということが分かるのですが、当のホームレス自身も復讐による高揚感や、人を殺したことへの後悔といったありがちな感情をほとんど表していないという点が、作品の異様さをより高めています。 本作のテーマは復讐の連鎖であり、対テロ戦争開始後のアメリカ映画ではさんざん扱われてきて若干陳腐化の傾向もあるテーマですが、本作ではかつてなかった切り口でこれが描かれています。主人公は両親を殺されたショックで精神をやられてホームレスとなっていたが、現在の淡々とした表情を見るに、親の仇に対する怒りも時間とともに薄れていたようです。しかし、事前にやると決めておいた復讐は一応果たしに行く、失うもののないホームレスだから刑務所に入れられることも怖くないし。主人公がやり場のない怒りや、どうしようもない使命感に突き動かされているのではなく、ただ何となく復讐に走るという点が異様だったし、そのドラマ性のなさにある種のリアリティを感じさせられました。 しかし、事は一筋縄にはいきません。復讐を果たした自分が服役して終わるだろうという見込みは外れ、加害者家族は警察に被害届を出すのではなく、主人公(と姉一家)に報復するという行動に出ます。ここに、被害者一家と加害者一家の血で血を洗う抗争が始まるのですが、ザ・ホワイトトラッシュといった感じのイカつい風体と重武装、しかも貧困層らしくやたら人数の多い加害者一家に対して、戦闘力ゼロに等しく不意討ちをかけるしか逆転の目のない主人公はモルドールに潜入したホビット同然の存在。この絶望的な戦力差が作品に大変な緊張感を与えており、特に姉宅襲撃場面では『ノーカントリー』を初めて見た時並みにハラハラさせられました。 その後、加害者一家側の事情も明らかにされ、序盤で主人公が殺した相手が実は親の仇ではなかったこと、両親殺害の犯人はすでに死んでいることが判明します。しかし、一度始まった復讐の連鎖は誰にも止められず、第一の当事者である親の世代が全員鬼籍に入っているにも関わらず、子の世代はもはや何の目的かもよくわからない殺し合いを延々と続けます。これを終わらせるには、どちらかの家族が全滅するしかない。アメリカの対テロ戦争やパレスチナ問題など、多くの国際問題に共通する論点を主要登場人物10名程度の小さなドラマに圧縮してみせた脚本の出来が素晴らしく、単なるバイオレンスの佳作に終わらせない含蓄ある作品となっています。 監督のジェレミー・ソールニアーは記事によっては驚異の新人扱いされているものの、実際には本作以前にも10年ほどのキャリアを持つ人物です。長い下積みに終わりが見えず本作を最後に引退しようと考えていたものの、その最終作がカンヌ映画祭で国際批評家連盟賞を受賞して映画祭の目玉作品のひとつとなったことから、キャリアが一転しました。人生とは分からんものです。次回作の”GLEEN ROOM”も引き続き高評価を得ており、今後、大化けする可能性のある監督として要注目なのです。
[インターネット(字幕)] 8点(2016-06-23 18:13:38)(良:2票)
2.  プリズン211
暴動が発生した刑務所に取り残されてしまった看守のサバイバルが描かれるサスペンス映画かと思いきや、思いも寄らぬ方向に話が転がっていくというサプライズに満ちた作品。よくよく考えればトンデモ展開ではあるのですが、キャラ造形がかなりしっかりしているので上映時間中は要らん疑問を抱くことなく見ていられるし、後半パートではサスペンスではなく友情ドラマへと映画の主軸が移っていくため、一粒で二度おいしい男気映画にもなっています。映画の印象とは事前の期待と実際の内容とのバランスで決まるものですが、B級丸出しのDVDジャケットからこれだけしっかりとした本編が飛び出せば、たいていの方は満足できるのではないでしょうか。
[DVD(吹替)] 8点(2014-09-21 19:31:15)
3.  ファム・ファタール(2002) 《ネタバレ》 
【注意!壮絶にネタバレしています。未見の方は絶対に読まないでください】これは物凄かったです。デ・パルマがその持てる技術の全てを駆使したトンデモない映画。お馴染みのカメラワークのみならずストーリーテリングの技術、さらには「どうせデ・パルマだし、いつもの犯罪サスペンスなんだろう」という自らのイメージすらも総動員してラスト10分にすべてを賭けるという、人生で一回こっきりの大オチを仕掛けてきます。ヒッチコックの真似ごとだと見せかけておいて、実はシャマランだったんですね。このオチには完全に騙されました。お見事です。。。前半はあまりに強引な展開の連続に「んなアホな」とつっこみまくりだったのですが、実はこの時点でデ・パルマの完璧な計算はスタートしていました。本作を二度鑑賞すると、実は序盤からデビッド・リンチ並の不条理劇だったことに気付くのですが、少なくとも初見でそれを見抜くことはできません。これこそがこの脚本の巧いところで、前半に「ありえね~よ」という展開をいくつも仕込むことで観客の価値観をシェイクしてしまい、映画のジャンルを勘違いさせているのです。ストーリーテリングにおいてこんな凄い技は初めて見ました。ヒッチコックも「サイコ」で似たような技術を使っていましたが、本作の方がより大胆で効果的です。とにかくこの映画、隅から隅まで計算され尽くされています。こんな凄い映画を作ってしまったら、デ・パルマは金輪際犯罪サスペンスは撮れなくなるでしょう。今後どうやって生きていくんでしょうか。
[DVD(字幕)] 8点(2011-02-01 22:07:28)
4.  フライト・ゲーム 《ネタバレ》 
今やスタローンやセガールをも超え世界一の暴虐オヤジとなったリーアム・ニーソンが、アクション野郎・ジョエル・シルヴァーとのタッグで放つサスペンスアクション。1996年にシルヴァーが製作した『エグゼクティブ・デシジョン』とよく似たプロットなのですが、その後18年の間に同種の映画がいくつも作られたこともあって、脚本上の仕掛けはかなり高度に進化しています。次の展開はまるで予測できないし、犯人を当てることもほぼ不可能。それでいて、「そのオチはズルい!」と思わせるようなインチキもしておらず、なかなかよく練られた脚本だと思います。また、時に過剰となるシルヴァーのサービス精神も、本作では吉と出ています。ひとつのネタ、ひとつのシチュエーションに執着しすぎず目まぐるしく状況を変えていくことにより、観客に余計な推理をさせる時間を与えていないのです。ラストに思わぬスペクタクルがあったことも好印象でした。。。 さらに良かったのは、この企画にアクションもやれる演技派・ニーソンが加わったことであり、企画と俳優との間で見事な化学反応が起こっています。映画を振り返れば、主に事態を悪化させていたのは主人公の過剰な対応だったわけですが、ニーソンによる演技の説得力のおかげで、そのアラがほとんど目立っていません。また、乗客やパイロットから疑わしいと思われていた主人公が状況を反転させ、乗客を味方に付けるに至った演説場面でのニーソンの演技は非常に素晴らしく、脚本の要となる部分を演技で補強できているという点には感心させられました。。。 難を言えば、真犯人たちの動機や目的がさっぱり理解不能だったことでしょうか。また、彼らは爆破を控えた飛行機からパラシュートで脱出しようとしていましたが、戦闘機に追尾されている状況でパラシュート降下すれば、着地点で逮捕されて終わりでしょ。そもそも、旅客機にパラシュート降下可能なドアってありましたっけ?真犯人たちの言動にはまったく説得力がありませんでした。あと、爆発までの残り時間がデカデカと表示される時限爆弾はもうやめにしませんか?あんなバカみたいな見た目の爆弾を作る犯罪者やテロリストなんていないでしょ。
[映画館(字幕)] 7点(2014-09-22 01:17:25)(笑:1票)
5.  プレイ-獲物- 《ネタバレ》 
刑務所からはじまるこの映画、冒頭30分のウルトラバイオレンスには身を乗り出しました。派手さや爽快さではなく、ひたすら痛いバイオレンスの連続。フランスで北野武がやたら支持されていることにも、何となく納得がいきました。しかもその間にてきぱきと話をまとめていき、本編への筋道もきっちり作るという手際の良さ。うだうだと設定をまとめきれない映画も多い中、息をもつかせぬ暴力描写とともにたった30分で下準備をすべて終えてしまった本作の冒頭は、アクション映画の鑑のような出来だったと言えます。そして、本編の内容もかなり興味深いもので、主人公は娘をさらった殺人鬼カップルを追うこととなるのですが、彼もまた、警察やマフィアから追われる身。さらには殺人鬼カップルの罠によって連続殺人犯にまで仕立て上げられ、彼を仕留めるために警察は最高の捜査チームを送り込んできます。果たして彼は、娘を取り戻すことができるのか?どうです、面白そうな話でしょ。。。 しかししかし、本編に入ると映画のテンションはガクっと下がります。理由は簡単で、冒頭のバイオレンスが、本編ではただのアクションになってしまうのです。武装した3人のチンピラから不意を突かれても素手で返り討ちに遭わせていた人間凶器が、街に放たれた途端にただの逃亡者に成り下がります。ただ逃げるだけ、警察に追い込まれても反撃は必要最小限に留め、不可抗力以外の理由で他人を傷つけることは皆無という穏健ぶり。冒頭での期待は一気に崩れました。ビルからのダイブやカーアクションなど派手な見せ場も準備されてはいるものの、私が期待したのは冒頭で繰り広げられたリアルな暴力描写、人間凶器が一心不乱に暴れ回る姿であって、ぎこちないジェイソン・ボーンを見せられるくらいならハリウッド映画をチョイスしますよ。オードブルは高価な珍味だったのに、メインディッシュはファミレスのハンバーグプレートになったかのようなガッカリ感でした。さらにガッカリだったのが、主人公を演じるオヤジの走り方がめちゃくちゃカッコ悪いということ。アメトーークの「運動神経悪い芸人」に匹敵するレベルの走り方であり、冒頭でこのオヤジに心酔した私のハートは一気に冷めました。
[DVD(字幕)] 4点(2013-02-06 18:34:38)
6.  ブリッツ
ジェイソン・ステイサムが刑事を演じるということで、またいつものB級アクションかと思っていたのですが、内容は事前の予想とかなり異なっていました。彼の母国イギリスが舞台ということで刑事も犯罪者も銃を常備しておらず、刃物や棒っきれが主な武器となるという何とも地味なアクション映画となっています。と言うか、アクション映画と呼ぶことすら不適切ではないかと思うほどに見せ場がなく、『トランスポーター』や『メカニック』のような内容を期待するとかなり失望させられます。。。 本作には原作があって、それは映画版でステイサムが演じたブラント刑事と、ホモでインテリのロバーツ警部がコンビを組むというシリーズだったとか。その原作は読んだことがないのですが、恐らくは、男性的すぎる暴力刑事と、中性的なエリート警部が、お互いにないものを補い合いながら難事件に立ち向かうという内容なのであろうと推測されます。一方でこの映画版ですが、そうしたバディものとしての面白さはまったく追求されていません。狂犬・ブラント刑事が抜群の存在感を示す一方で、ロバーツ警部が空気同然の存在感。演じている役者さんは悪くないのですが、ステイサムというカリスマ的な俳優と並べられると、完全に見劣りしてしまっています。彼の存在を際立たせるためのサブプロットでも挿入しておけば良かったのですが、脚本にそうした工夫が一切なされていないために、ステイサム一人で事件を解決したかのような印象を観客に抱かせるに至っています。。。 敵も敵で、かなり小粒。警官を狙うシリアルキラーということでどんな知能犯かと思いきや、過去に自分を逮捕した警官に復讐しているだけという、何ともスケールの小さな男というのがその実体でした。犯人の正体は早々に暴かれ、マスコミを巻き込んだ劇場型犯罪へと発展するという展開は『ダーティハリー』を想起させるのですが、スコルピオと比較しようもないほどチンケな犯人では完全に役不足でした。ステイサムに勝てないことは一目瞭然であり、こんな弱々しい敵が相手では何も盛り上がらないのです。。。 主要登場人物が無闇に殺されていないという点や、本筋と関係ないのにやたら顔を出すキャラクターが何人かいたという点から察するに、本作はシリーズ化の構想があったものと考えられるのですが、第1作がこの出来では、2作目以降の製作は難しいのではないかと思います。
[DVD(吹替)] 3点(2014-02-24 00:43:09)(良:1票)
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