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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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101.  常識はずれの新たな争い 《ネタバレ》 
メリエスのマジックもの。  二人の女性が黒いドレスに早代わりしたかと思いきや、その次には屈強な男二人が舞台に立つ。  先ほどの女性たちが男たちの後ろから出たり消えたり。 一瞬にして人形になったり紙になったり風船になってしぼんだりなどトリック撮影の冴えを感じさせる。  メリエスはこの後「Le Papillon fantast ique」等でよりトリック撮影を極めていく。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 21:37:55)
102.  ゴム頭の男 《ネタバレ》 
「幾つもの頭を持つ男」とプロットが似ている作品。  男が扉を開けた場所から机を持ってくる。箱の中から“首”を出し、空気のチューブによってそれを膨らませて遊ぶ。  最後はもう一人の男が現れ、急激に膨らませ爆発させてしまう。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 21:36:25)
103.  ロベール=ウーダン劇場における婦人の雲隠れ 《ネタバレ》 
メリエスのトリック撮影。 マジシャン、現れた女性に縞模様の布をかぶせて消し去り、ガイコツになったり元に戻したりする。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 20:54:28)
104.  幾つもの頭を持つ男 《ネタバレ》 
メリエスが自ら自分の頭をもぎ取ってしまい、頭だけになった分身が増えて会話や演奏をしたりする。  肝心の歌はマズいものだったらしく、メリエスはマンドリン?でその分身たちを潰してしまう。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-21 22:54:15)
105.  一人オーケストラ 《ネタバレ》 
後にバスター・キートンが「既席百人芸(一人百役)」でオマージュ&より進化させたギャグを披露した事でも知られる作品。  サイレント映画が誕生した当時は当然音楽は出ないが、音を視覚によって観客に伝えようとするメリエスの趣向(「音楽狂」とか)。  並べられた7つのイス、一人ずつ分身して別々の楽器まで用意してしまう分身たち。演奏が終わると、真ん中に座るメリエスに向かって分身は戻っていき、イスも中央で一つに“戻る”。  終盤でバックに出た巨大な扇は何だったんだろうか。あれの中央にイスが消えていく感じだったけど・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-21 22:52:59)
106.  日蝕と満月 《ネタバレ》 
ジョルジュ・メリエスが「月世界旅行」「不可能を通る旅(不可能な世界への旅行)」に関連するアイデアで撮った宇宙ものの作品の一つ。上記と比べるとSF色は薄く、ファンタジーの色合いが強い。  冒頭の授業風景、居眠りした生徒を叩き起こす様子、顔を持った太陽と月が重なり通り過ぎるまでのシークエンス、それを見つめる博士達の眼が心配(今の時代は日蝕を肉眼で見ると危険だという事がハッキリ解っているけど、当時はまだそれを知らない人間もチラホラいた事だろう)、星や流れ星、月たちに乗る人々の語らい、月に“乗船”した人々、星同士がぶつかり揺りかごのように揺れる星、流星群に夢中で落下してしまう会長(このシリーズは大抵何かが、誰かが必ず“落ちる”)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-21 22:38:44)
107.  呪われた城 《ネタバレ》 
ジョルジュ・メリエスによる1分にも満たない作品だが、今回見たカラー版の鮮やかな色彩が忘れられない。  基本プロットは「悪魔の館」とほぼ一緒。 後の「悪魔の館」にも出てきた白い布をまとった魔女やガイコツに甲冑の騎士。  次々と切り替わるシーンを綺麗な色彩で拝められたのは嬉しい。  メリエスの作品にはメリエス自ら着色したフィルムが幾つかあるが、この作品は最も色合いの素晴らしい作品ではないだろうか。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-21 22:36:32)
108.  ファンタスティック・プラネット 《ネタバレ》 
この作品は眼を背けたくなるほど絵がグロテスクというか、気味が悪い。 宮崎駿は「美しくもおぞましい。日本の映画は美術が不在すぎる」とか言ったらしいが、かといってこのアニメみたいにリアルすぎたりおぞましさが強調されたかのような絵も、とっつきずらすぎてどうかと思う。   地球人に良く似たオム族は原始生活を営み、それをペットにように飼い、虫ケラのように殺す巨大なドラーグ族は高度な文明を持つが、同時に大きな“欠点”も抱えている。 後の「マクロス」である(多分違う)。  そんなオム族も知識を得る事によってドラーグ族への反抗を初め、ドラーグ族もまたそれに脅威を覚える。  アメーバのようにとろけ拡がっていく瞑想、奇妙な植物や動物、巨大な人形による交わりの“ダンス”・・・。  オム族「リア充爆は(ry」
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-16 21:33:15)
109.  告発 《ネタバレ》 
俺個人は同じ刑務所&法廷劇なら「父の祈りを」の方が惹かれるが、この作品も一度は見ておきたい作品だ。 膨大なセリフと悲惨な場面で観客を殴りつけるこの映画は、「ザ・デッド/「ダブリン市民」より」の撮影を手掛けたフレッド・マーフィのキャメラによって観客に一切の退屈を与えず、画面に釘付けにする。釘付けにするが、落ち着きのない感じがイラつかせる。それだけマーフィもカメラを通して怒りに震えているのだろうか。 漆黒の画面から響く悲鳴、ニュースフィルムは看守を英雄として祭り上げ、人を襲った害獣のようにさらされる。 5分が10分以上に感じられるこの重苦しさ、刑務所の閉鎖的圧迫感が囚人を、看守たちをどんどん狂わせる。まして独房のすぐ外には家族がいる。家族には愛想を振りまき、そのストレスを囚人たちにブチまけざる負えないほど自分たちを追い込む。 髭剃りをミスッただけで鏡を割ってしまうほどキテいる連中ばかり。だが、独房に押し込められた囚人にはそれ以上の孤独と恐怖が圧し掛かる。裸で震えながら祈り、話し相手はクモとネズミとゴキブリくらい。 あれだけ痛められて必死に耐えて耐えまくり、裏切り者への復讐。だが本当に殺してやりたかったのは自分を痛めつけた看守たちだった筈だ。 脱走兵が自分達の家族に手を出したらどうなるのだろう。そんな危険はないとタカをくくる。護送中の看守が不意に子供に襲い掛からない保障など何処にもないというのに。その時点でアルカトラズそのものの傲慢を感じられる。 主人公を助けようとする弁護士もまた、助けたいという善意と大罪を暴いて勝利に酔いしれたいという欲望がせめぎ合っているようにも見える。 最後に主人公が見せる笑顔は、喜びと同時に「もういつ死んでもいいや」という諦めでもある。 あれほど高揚感を得られない勝利の瞬間があるだろうか。陪審員の描写の少なさも気になった。 弁護士と主人公がトランプをやる一時ももっと描いて欲しかった。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-14 20:15:19)
110.  ディーバ 《ネタバレ》 
ジャン=ジャック・ベネックスは「ベティ・ブルー/インテグラル完全版」が凄い面白かった。 この作品も、退屈な部分が多いが最後まで見てしまう仕掛けと魅力に満ちた映画だ。  独特な雰囲気が漂う「歌の花火(淀川長治さんいわく)」とも言うべきサスペンス映画。 ファーストシーンにおける「歌姫(ディーバ)」の熱唱から全ては始まっていた。  タイトルの「ディーバ」の如く、登場人物たちは様々な音に包まれて日々を暮らす。 己の歌に誇りをかける「歌姫」と呼ばれるオペラ歌手、「歌姫」に惚れ込んだ郵便配達員、「波の音」を聞くためにパズルを組み続けるギリシャ人、「シャンソン」を聴きながら仕事をする殺し屋などなど、音に支配されているとも言える人物模様。 物語は静かに進むが、徐々に複雑になっていく事件、一見無駄とも思えるシーンにバラ蒔かれた複数のガジェット(本当に無駄なシーンも多く退屈だけど)、驚愕の真相、二重、三重、四重の追走劇、そして予想もしなかった顛末。 時にはヒッチコック、時にはルネ・クレマン、時にはトリュフォー、時にはフリードキンと様々な監督の“音”が聞こえてくる。 それを包み込むベネックス流の世界観。 正に映画好きが練り上げた、映画好きのための映画。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 21:47:44)(良:1票)
111.  オーソン・ウェルズのフェイク 《ネタバレ》 
騙す事の楽しさ、騙される事の楽しさ。それが詰まった「フェイク(贋作)」。  細野不二彦の作品で「ギャラリーフェイク」という漫画があるが、90年代に描かれた漫画に先駆けて70年代にウェルズは「贋作」の醍醐味を映画で語っていたのだ。  ファーストシーンで手品を披露するウェルズ。この場面こそこの映画の全て。自ら「ペテン師」と称し、「嘘」を映像の中で「本物」にしていく作家としての、舞台俳優としての演目。  ファーストシーンが終わって1時間は、稀代の贋作家と稀代の偽作家のエピソードをインタビュー形式で淡々と語る。 やや退屈な1時間だが、ラジオ時代の「宇宙戦争」に関する面白いエピソードやピカソの情事は興味深い。 その後に訪れる17分間の「オヤ」のエピソード。今までの退屈さをなかった事にしてもいいくらい画面に吸い込まれる。どこまでが嘘でどこまでが真実か。 最後まで見ないと絶対に損をする映画です。  この映画のトリックはオープニングから既に始まっていた。 実在の美人モデル、贋作家、偽作家など様々な「フェイク」がインタビュー形式で出てくる。 そこから既に「騙し」が始まっていた。  歳を取っても若い頃の情熱は失わない。 最後まで少年の遊び心で映画を作り続けたウェルズのこだわりが感じられる。  それはラジオ時代の「宇宙戦争」の頃から変わっちゃいない。 白熱した実況で視聴者に「本当に宇宙人が攻めて来たのか!?」と騙くらかしたエピソード。後の猛抗議も、ウェルズにとっては「してやったり」。  映画デビュー作「市民ケーン」もそう。 実在の新聞王ウィリアム・ハーストの「偽物」チャールズ・フォーガスタ・ケーンを産みだした。 その偽物の新聞王を映画の中で「本物」にしていく面白さ。ケーンの壮絶な生き様が「本物」にした。確かに映画の中に生きていたのだから。  「黒い罠」はタイトル通り、観客を騙す「罠」。これも最後まで見ろないとアカン映画だね。  「オセロ」や「マクベス」は心理描写の騙し合い。自分自身すら「騙して」追い込んでいく人間の限界を魅せつける。  ともかく、この作品はウェルズのお遊び精神の結晶の一つ。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-07 20:25:05)(良:1票)
112.  レッド・サン 《ネタバレ》 
「Soliel Rouge」。  テレンス・ヤングと言えば「007」でおなじみの脳みそ「テレッテレー♪」な監督だが、「暗くなるまで待って」とかまともな作品もあるので油断できない。  だが本作は文句なしにテレンス・ワールド全開の映画だ。 からっ風吹き荒れる荒野にたたずむ日本の武士。 文化の壁を破壊するようなシュールな光景だが、そこに立つ侍の「黒田」には男の魂が宿る。 明治維新の使節団として派遣された黒田たち。 強盗団の襲撃に巻き込まれ、天皇からの授かりものである宝刀、そして同僚の命を奪われる。 上司の密命を受け、命懸けの行動に出る黒田。 移りゆく時代を受け入れようとする黒田と、時代に縛られずに生きる賞金稼ぎのリンク。 軍人とアウトロー。 どこまでもデコボコな二人が、死地をくぐる度に絆を深めていく。 話は突飛な描写や展開も多いが、時代考証は上出来(明治維新以後なら天皇が取り仕切る。でもわざわざ紋付き袴で来なくても・・・)。 テレンス・ヤングの荒っぽさと三船敏郎の知識が融合したような映画だ。 三船敏郎の殺陣、馬術、英語とポテンシャルを遺憾無く発揮。 髭面のブロンソンも悪党のアラン・ドロンも伸び伸びしている(ドロンの声だけ吹替なのが残念)。 ブロンソンの鋼の肉体、三船敏郎の無駄な肉が無い引き締まった体。 とことん男の友情が詰まった「雄」の映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-06 15:13:08)
113.  バイオハザードII アポカリプス 《ネタバレ》 
前作より好きな「アポカリプス」。 ここで終わっておけばなあ・・・。  「エイリアン2」と似た図式、 パワーアップしたアクション。 颯爽と現れるジル・ヴァレンタインには小学生時代スゲー憧れた。 セクシーな女戦士っていいよね。ドライなところとか。一匹狼的なところとか。キツそうで実は仲間想いなところとか。あとおっぱ(ry 劇場版「Zガンダム」のエマ中尉みたい。 劇場版のエマは性格丸いから好きだわ。可愛いし。あとおっぱ(ry  相棒のヘンケン艦長も拳銃もってジル中尉をサポートだ。 「艦長!ダメです、逃げてください!」 「く・・・済まない、感染したようだ・・・」 「ヘンケン艦長ー!」バキューンッ  パニックと化した街からの脱出、 徐々に仲間として集まる生き残り、 そして女戦士アリスの登場! バイクで教会のステンドグラスをブチ割って登場するシーン! 今見てもワクワクしてしまう。 ライター着火でドカーン、ジル涙目。
[DVD(吹替)] 8点(2014-12-06 14:41:05)
114.  トランスポーター 《ネタバレ》 
これまたどうしようもない馬鹿映画だが、嫌いではない。 どんな品でも命懸けで運ぶ運び屋フランク・マーティン。 自分に課した3つのルールで動くフランクだが、一度ルールを破れば何でも破る。 依頼主のドアをブチ破るのも朝飯前だ。 出会ったばかりの女がいきなり服を脱いで主人公と一緒にベッドへダイブ! 主人公も精力爆発! 馬鹿なのか。 ド迫力のカーアクションは見ごたえ満載。 「TAXI」シリーズのリュック・ベッソンも製作に関わる腕の冴えだ。 「依頼人」と「請負人」。 二つの立場の駆け引きは中々楽しめる。 愛車が吹き飛ぼうが水没しようがフランクは気にしない。  タフな野郎だ。 そこがいい。 美味しそうなオランジーナに免じて8点の佳作を献上。こういうのは嫌いになれない。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-04 23:34:59)
115.  黄金時代 《ネタバレ》 
「アンダルシアの犬」に続く前衛映画。 後のメキシコ時代におけるブニュエルは本当に凄いと思うが、やはり初期のシュルレアリスムを素直に賞賛する気になれない。相変わらずブニュエルの意味不明ぶりは凄まじい。 ダリですら最初だけ関わって逃げ出したほどだ。 ストーリーは一応メッセージがあるようだが、やはりメチャクチャである。 ネズミとサソリの戦いは何を物語るのか。 サソリの勇猛さか、飲み込まれる無謀さか。 骸と化した宗教は何を問いかけるのか。 現代宗教の空洞化?宗教に中身なんか無いって? 疲れ果てた兵士やならず者たちに宗教は関係なかっただろう。 骸と化した宗教に祈りを捧げる人間。 その横でS●Xをしようとする男女。 宗教ナメ腐ってますよ。そりゃこれだけバカ右翼にケンカ売ったら爆弾投げられますよ。 ブニュエルのその勇気に100点。 セクロスを邪魔されて怒る男。 「宗教なんてどうでもええんじゃバーカ」 いや場所は選べよクソ野郎。 犬は蹴るわ、虫は踏み潰すは、盲目の男は蹴るは、婦人を平手打ちにするわ、情事を邪魔する男を射殺するわ・・・ブニュエルの社会批判はご立派。 ただ劇中のこのDQN野郎だけはブチ殺してえ。 メイドが火に包まれても意に返さない上流社会、人間の薄情さ。 さっきまで子供と戯れていた男が自分の大事な物を壊されて豹変、発砲。 人間の内に潜む凶暴さを描くブニュエル。 家を爆破していく様子も人間の破壊に対する欲求を表すのだろうか。 女との情事に吐血するほどの喜びを表すDQN。 ただ女が求めていたのは男の愛では無かった。 マグマのように強すぎる性への執着は糞尿のように汚い。 男はそんな女に失望し、当り散らす。 いや女に当たれよ馬鹿なのかおまえは・・・でもフラれてざまあ。死ぬより辛い仕打ちだろうよ、死ぬほど愛した女に裏切られる気分は。 他者に対する思いやりが無い男が本物の愛を勝ち得る訳が無い。そこがこの映画の言いたいことでもあると俺は思う。 キリストだって女を手にかけちゃうし。 ヒトラーをDISったチャップリンに並ぶ男よ(難解すぎて伝わる人が少ないけど) この映画の「黄金時代」とは歴史の上での定義では無いだろう。 人間それぞれに訪れる絶頂の日々。この男にとっての「黄金時代」は女との愛を信じていた瞬間だ。それが無いと解った時、彼の「黄金時代」は終わりを迎えた・・・てな感じの映画だと俺は思う事にする。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-01 20:30:54)
116.  アンダルシアの犬 《ネタバレ》 
何を考えてんだかわけがわからない、でも何故か飽きないそんなブニュエルと言えば「アンダルシアの犬」。  個人的にブニュエルは「ビリディアナ」や「忘れられた人々」等メキシコ時代の傑作群で一目置く存在だ。 「よくこんな変な映画撮れるよ」と首を傾げながら拍手しちゃう監督だよ。  が、フランス時代の「アンダルシアの犬」はサルバドール・ダリ×ブニュエル・・・考えうる限り最高に意味不明な投げっぱなし映画が産まれないワケが無い。 ある意味映画を芸術(よくわからないけどとにかく凄いんだろうな)にしちゃったコンビです。 犯罪レベルで偉大な二人だ(きっと褒めてると思う)。  シュルレアリスムをテーマにした映画はジュルメール・デュラックの「貝殻と少女」を皮切りに マルセル・レルビエの「人でなしの女」、 ジャン・コクトーの「詩人の血」、 日本でも衣笠貞之助の「狂った一頁」などがある。 が、それよりも遥かに難解を極めた作品がブニュエルの「アンダルシアの犬」なのだろう。  映画は芸術?娯楽? 無論娯楽以外の何者でもない。 「映画=映像、無粋な言葉はいらない」という考えには大いに賛同する。  ただ、ストーリーを重視する俺は映画の芸術性や美しさというものは自然に生まれる存在だと思っている。 ダリやブニュエルも「自分の夢を映画にしたら面白いだろう」という発想からこの映画を作った。 だってブニュエル本人が剃刀男を演じてんだぜ? 100%本気でふざけています(褒めてる)。 ダリもそんな格好で何してんだwww  悪夢、手、乳揉みと後のブニュエル映画の要素が揃った短編。  眼球ぱっくり、 謎の手首、 虫がたかるほど臭い手、 おっぱい揉んで吐血、 謎のピアノにロバの死体、 掴んだ木の板を銃に変える謎能力、 脇ツルツルで感動、 とりあえず砂浜・・・意味不明すぎる。やりたい放題すぎだろ・・・(乳揉みも)。 凄まじい嫌悪感、病みつきになると抜け出せない魅力・・・それがルイス・ブニュエル。 「黄金時代」も酷い映画(賛辞)だったよ。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-01 20:28:24)
117.  ロゴラマ 《ネタバレ》 
ドナルド「興奮するとつい殺っちゃうんだ」 2010年の米国アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した作品。これほど全方面喧嘩上等・あらゆるオマージュやパスティーシュ、やりたい放題でカオスな作品はないだろうねえ。 ま、ゴジラだって国会議事堂ブッ壊してたし問題ないだろう(多分)。 マクドナルドからTAMIYAまで世界中のあらゆるロゴが出て出て出まくる凄い作品です。 ドナルドがジョン・ウェイン・ゲイシー並みのアルカイック・スマイルで銃持って暴れ・・・いや、その前にミシュランの警官が銃で人質撃ったりとかしちゃうんですがね。 MGMのライオンが寝ているのには笑った。 ドナルドのテロリズムが何時の間にか地盤沈下やノアの洪水で大惨事、ありとあらゆるロゴが“消滅”していく。 星の如く存在する企業、企業、企業のロゴマーク。 ロゴマークの大パノラマ。 ロゴとそれに絡む事件もイチイチ意味がありそうで面白い。 これだけの情報量をあんな短時間にぶっこんでしまうのだ。 これは監督を務めたルドヴィク・ウープランやフランソワ・アロー、エルヴェ・ドゥ・クレシーだけでなく、キャストとしてクレジットされているデヴィッド・フィンチャーもその職人的手腕を振るったのではないかと思ってしまうほどだ。 
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-01 02:11:35)
118.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 
ジョン・フランケンハイマーの「影なき狙撃者」に次ぐ佳作。 ジンネマンだから見る気すら起こらなかったけど、「ジャッカル」とか言うクソリメイクを見てしまったのが間違いだ。ただジンネマンを少し見直せたという意味ではちょっぴり感謝していると言えよう。 「暴力行為」の一発屋という印象があったジンネマンだが、コレは中々面白かった。 いつものジンネマン特有と言えるピリピリした空気で緊張が保たれる。 「真昼の決闘」なんて勘違い西部劇は緊張が保たれるものの決闘が1回だけと解かってしまい極めて退屈な映画だったが、「ジャッカルの日」は殺し屋とフランス官憲たちの心理描写が面白い。 ドゴール将軍の暗殺を巡って繰り広げられる追走劇。 イギリス出身という事以外名前も解らず謎がジャッカル。彼の完璧と思われた計画がパリの習慣によって狂う瞬間は息を呑む。 キツネ(エドワード・フォックス)が“ジャッカル”というのも皮肉なものだ。 政治的に“黙殺”されていく暗殺者の孤独。ルベル警視はそれを悟っていたのかも知れない。 ジンネマンはやはり現代劇でこそ真価を発揮する男だ。「地上より永遠に」「ジュリア」も良い作品だと思う。 
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-06 14:08:27)
119.  勝手にしやがれ 《ネタバレ》 
個人的にゴダールは「はなればなれに」や「女は女である」、「男の子の名前はみんなパトリックっていうの」といった小品の方が好きだし、未だに「勝手にしやがれ」や「女と男のいる舗道」「気狂いピエロ」なんて退屈な映画の衝撃が延々と語られ続ける現状に違和感を覚える。 ジャン=ピエール・メルヴィルが長々とインタビュー受けるわ、「大人は判ってくれない」で助監やってたフィリップ・ド・ブロカがカメオ出演しくさるわ、この映画の監督本人が主人公を“殺す”キッカケを生むフザケ振り(短編でもジャン=ポール・ベルモンドの吹き替えを敢行した男)。ヒッチコックでもここまでやらんわ。観客をナメ腐った腹立たしいほど遊んでやがる。その遊び心にハマる奴はハマる中毒性。  ストーリーはシンプルかつ面白い。盗んだ車で走って逃げて殺して逃げて盗んで女ひっかけて逃げて盗んで逃げて盗んで逃げてを延々と繰り返す。盗みやっといてあーだーこーだ言い訳ごねる映画です(多分)。 帽子を被った主人公のミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)が颯爽と登場、様子を伺う顔・顔・顔、配線を繋いで盗んだ車で走り出す。 手に入れた得物を乗り回してはしゃぎ、我が物顔で独り言をほざき散らす。 タランティーノといいホークスのマシンガン・トークといい、この手の映画は字幕を追うなどという退屈な作業は避けた方がいい。たとえ山田宏一や蓮實重彦といった面々がこさえた最高の字幕だったとしても、原語で聞き映像だけを追った方が楽しいし面白い。 フランスの田園風景を疾走するのどかさ、主人公も半分浮かれながら見えざる追っ手の存在に不安を抱き始める。ブツ切りの音楽、変な飛び方をするカットが気になる。最初はイライラするが、何時の間にか慣れてしまう不思議。 白バイとのジリジリした追いかけっこ。 ショートのパトリシア(ジーン・セバーグ)も良いが、途中出てくるセミロングの黒髪の女性の方がそそられる。男の誘いに服を一枚一枚脱ぐように折れてしまう女心。この一連のシーンは物凄く退屈だが、物凄く心地良い退屈さでもある。 ところどころで警察と入れ違うスリル、トイレでの盗み、妙に暗いエレベーターにおける緊張。 ラストシーンの何とも言えない切なさ。 徐々に弱々しくなり、力なく地べたに倒れる姿。最期の言葉はそのままの意味か、それとも自分に対しての言葉だったのか。それはミシェルにしか解らない。
[DVD(字幕)] 8点(2014-02-28 19:12:36)
120.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
こういう映画はねえ、子供の頃に見ないと絶対ダメ。大人になって「ケッ こんなもんか」って根性捻じ曲がってから見たら損だよ。そんなワケで、良い映画って奴は子供の頃から見せた方が良いよ全国のお母さんお父さん(誰に言ってだろうか俺は) 子供の時から映画に触れて育ったトトと、映画一筋に生きてきたアルフレードの交流を描いてく部分を始めとした密度のあるドラマ。 喜びと哀しみを交えながらトトの半生を覗いていく。 劇中の人物たちは子供から大人、老若男女まで映画に対する幅広い反応を示す。 寝る奴も居れば劇場で子作りまで始める大胆な奴らもいる。さすがイタリア情熱的。 それは我々が視聴者や評論家ではなく、子供心の純粋な感受性というか、ありのままを受け入れ楽しむという心持ちを思い出させてくれる。 この時代の映画は「見る」というよりは「そこにしかないから見に行く」という感覚の方が強かったのかな。 今みたいにTVやDVD、VHSのような媒体が無いのが当たり前で、映画館に行くのはお祭りみたいなもんだったのだろう。 そこに溢れる夢や希望といった「幻想」を糧にして、辛い現状に真正面から向かっていく心の支えとしていたんだろうな。それはどんなに媒体や時代が変わっても普遍的なものだと俺は思う。 映画と絡めて成長していく主人公の女性関係も面白い。 厳しくも優し気な美しい母マリア、 一目ぼれした可憐な少女エレナとの儚い恋。 「映画」を主題にしているだけに、絵で魅せる部分もたっぷりと詰まっている。 目が見えなくなったアルフレードの記憶の中には、まだ“幼い姿”のトトがいる。手を握り「大きくなったなあ」と画面が切り替わった直後・・・成長したトトがいるんだよなあ。粋だね本当。 意味深で解釈しづらいシーンも多少あるが、「視聴者に投げかける」のではなく「視聴者に問いかける」よう。 さすがにやたらめったらキスシーンが出てくるのは教会の神父じゃないが「カットした部分でやれ」と辟易したけど。 オマケに昔の恋人とはいえ人妻と「ズキューンッ!」(完全版は個人的に蛇足な印象、あの部分だけ恐ろしく退屈だった)。 イタリア人は恐れを知らない。素晴らしい精力だ(褒めてる) 劇中に多く現れる往年の名作映画を数えるだけでも楽しみがいがあることだろう。
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-21 23:27:17)
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