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1.  ロード・オブ・ウォー
武器商人のお話。主演がニコラス刑事(ハゲ)だったので、またあっちょんぶりけ映画なのかなぁと思っていたんですが、アクションじゃなかっただけ良かったですね。淡々とした切り口でアレヨアレヨと話が進んでいきます。当然テーマは重いですよ。武器を売っても直接人は殺していない。外国に武器を売ることは法的には禁止された行為です。しかし、それで儲けているお偉いさんがいて許されちゃったりして…観ていてよくわからなくなってきました。なんでアメリカのガンショップは営業おっけー?って。アメリカ最悪とかそういうことが言いたいわけじゃありません(それは件のむさ苦しいブッシュ大嫌い監督が言うこと)。でも日本にだって包丁売る人だっているわけですよ。ま、包丁は人を殺すためのものではありませんが、それで死ぬ人がいることは事実。人を殺すわけではないけどパソコンでデータをやりとりするウィニーだってそうじゃない? 渡すのはダメ。だけど作るのは良い? 線引きが曖昧すぎますよ。正義と言うのは簡単。必要悪というのは詭弁? それは個人で判断することもあるし、しないこともある。誰かが決めるかもしれない。大勢に流されるかもしれない。それでも僕らがすべきことは善悪を簡単に決めることではなくて考えることじゃないかな。この映画は武器取引という限られたテーマだけどそれは全てに通じるような気がしました。
[映画館(字幕)] 6点(2005-12-22 22:05:59)(良:1票)
2.  ランド・オブ・ザ・デッド
ゾンビ神であるジョージ・A・ロメロがメガホンと聞いてはもう逝くっきゃないでしょ。作品は期待を裏切らない出来でした。『ドーン・オブ・ザ・デッド』を引き継ぐようなストーリー展開。「志村、後ろ~~!!」のゾンビ映画にあって今回はそのゾンビに更にアイデンティティを持たせたという(普通の人が見れば)わけわからない作品に仕上がっております。その着眼点に脱帽。そして花火が打ち上がり感動のフィナーレ!! もう、さすがやね。やっぱり神。
[映画館(字幕)] 3点(2005-12-11 15:32:30)
3.  キングダム・オブ・ヘブン
 十字軍のお話です。時期的には第2回と第3回の間ですね(間違っていたらごめんなさい)。大まかな流れは史実にしっかりと沿った歴史スペクタクルなので、興味のない人は本当にサッパリわからなかったりするかもです。しかし、わからないといってもヨーロッパ・教会・キリスト社会が「十字軍」というエルサレム奪還の軍隊をイスラム社会に送り込んだという事実はいちどぐらいは聞いたことがあるでしょう。当然この歴史的事件により、キリスト教がマイナスのイメージをより強く、中東のみならず世界に植え付けていることは事実です。たとえヨハネパウロⅡ世の謝罪がなかったとしてもね。でも、そういう部分はできるだけカットされていました・・・。それだけで「やるな、リドリー・スコット」っていう感じです。    十字軍が悪か善かはあんまり意味をなさないのです。特にこの映画の中でそんな宗教的カタルシスを前面に押し出されても興ざめするだけですよ。だってそんなことは言わなくてもわかっているんだもの。映画を観ていると「何のための戦争?」とか「キリスト vs イスラム」の構図は殆ど見えなくなります。やっぱり双方とも「神」を連発しているんだけど、その濃度は限りなく薄まってくる。たぶんこれはわざとなんですよ。だって死ぬか生きるかの極限状態で自分たちの神さまがどうだとか、アイデンティティですら怪しいですよ。あるのは戦争で死なないように・戦争に勝つようにという本当に純粋な「神にすがる姿」だけ。    キリスト教徒やイスラム教徒の人がこの映画を観るとどう感じるのかな。非常に気になります。    さて、そんな『グラディエーター』なんですけど(違)、戦闘シーンが圧巻ですね。  特にエルサレム攻防戦での篭城。まんま『ロード・オブ・ザ・リング』のような気がしつつも、どこからどこがCGでどこからどこが実写か、その区別が殆どわからないほど臨場感たっぷり。それと、レゴラスじゃなかったバリアン役のオーランド・ブルームは主役なのに気配を消し気味だった(?)けど、サラディンとボードワンⅣ世の存在感が出まくりでうまくバランスがとれていたのかもしれません。いやー、それにしても本物のふたりはもっとオーラに満ち溢れていたと思うとビックリですね。「英雄は英雄を知る」具合がなんとも。それだけでも観る価値はアリですよ。    ベリーショートの王女も全然OKです(意味不明)。  
[映画館(字幕)] 6点(2005-07-06 21:27:42)(良:1票)
4.  スイミング・プール
この映画、いろいろ解釈がありそうなラストはあまり重要ではないです。重要なのはリュディヴィーヌ・サニエの乳でしょう(断言)。しかしまぁ、なんというか彼女が脱がなかったらこの映画の魅力は半減以下ではないでしょうか(あ、別に僕が乳狂いなわけではないですよ)。僕の中ではフランスの女優は当たり前のように脱ぐ・・・って感じなんですけど、それが良い面と悪い面があると思うのです。じゃ、ここで女優が脱ぐ必要あるのか?と。多くの映画の中にはテレビの2時間ミステリーの濡れ場のようなものも、残念ながらあります。でも今年の映画では、このサニエの乳と先日観たナオミ・ワッツ(『21g』)の乳は作品を語る上で重要なものだと思うのです(『ジョゼと…』の池脇千鶴の乳は微妙ですが・・・)。女優さんは無駄な脱ぎ方はしては自分の価値を下げるだけだなーと感じます。なんかね「脱げば評価される」みたいな映画界の風潮もどうかと思うんですけどね。人間の生活の中ではセックスって当たり前のものであり、日常的なものであるわけじゃないですか。別に人間には繁殖期があるわけでもないし。でもそんな当たり前の生活の中に宗教(道徳観)が入り込んでセックスを隠してしまった。  それが良いか悪いかそういう話ではなくて、もちろん。またはエロか芸術か、なんてもう100年ぐらい論争してると思いますが、全く不毛なものであると思いますよ。悪影響を及ぼすようなところでは公開しない(この映画はR-15で良かったと思います)、それで万事オッケーじゃないのかな。自分の親と観たら確かに恥ずかしい映画でしょうけど。恋人同士で観れば映画館を出て、最後のラストをあーでもないと語る光景は目に浮かぶようですが、お互い結局残るのはサニエの乳なわけで(あれ?違う?)。恋人未満の関係だったら(僕は恋人未満の人とエロティックなシーンを観たことはないけれど)、とっても良い関係になれるのではないかと(含妄想)。わかりませんが。なんか、この映画と全然関係ない話になっちゃってますね。まあいいか。この作品は「エロい作品」と中学生のように感じることもできれば、大人ぶって「綺麗だ。芸術的だ」と言える作品でもあります。楽しみ方は人それぞれあっても良いのではないでしょうか(15歳以上であれば)。ちなみに僕はこれ、レイトショーをひとりで観に行きました。まわりは全員カップル。  
5点(2004-10-29 23:07:55)(良:1票)
5.  2046
とにかくトニー・レオンがカッコ良過ぎだわ。やべーよ。カッコよくてムカつくもの。エロい顔でニヤけているだけなのに彼に引きずり込まれます。『風と共に去りぬ』のレット・バトラーみたいですよ。男の色気っていいですね。「俺と一緒に行かないか」を連発している人。いえね、最初キャストを聞いたときには「エー?!キムタクなの??」と思ったんだけど、なかなかどうしてはまっているかな。棒読み具合が。この映画を観終わって、自分の好きな俳優さんを彼の役に当てはめようと思ってもうまくいかなかったもの。それって役を自分のものにしているってことなのかもね。フェイウォン、彼女はいいねー。衝撃を受けたのはもちろん『恋する惑星』だけど、何年経っても綺麗さは変わらないですよ。トニー・レオンはオッサンになってしまったけれど。そういえば彼とのツーショットは印象深かったなぁ。時間と共に映画も変われば観ている僕さえも変わっている事実を突きつけられた気がしてね(しんみり)。チャン・ツィイー。もー、モー、最高ですよ。かわいいですよ。どの辺がいいのかというと(以下4000字略)というわけです。彼女目当てに観ても良いかもね。あとはドン・ジエが一瞬だったなぁ。「え?これだけ?」って感じでした。でも久しぶりにスクリーンで拝めたのでヨシとする(ぇ。ストーリーにはひねりもなく、時間軸も複雑で、登場人物はビックネームの消化不良で過食気味。キレイな女優さん目当てでなければ映画の魅力も半減する人は多いかも。だけど僕は映画の中盤以降ずっと震えていたよ。言葉がひとつずつ心に刺さった。チャン・ツィイーの言葉。たしかに遊びなんて意味ないよ。好きな人と一緒に居たいと思うだけ。アンドロイドが感情を出さないのは時間がそうさせているわけではなくて・・・。主人公が哀しすぎる。自分はそんなに哀しい人間じゃない。報われない恋に縛られたりはしない。そんな彼を「バカだなぁ」と思っちゃうけど、なぜか彼に感情移入してしまう自分もバカだね。香港が返還されて50年、「何も変わらない」時間が終わろうとする2046年。自分が生きているとするならば、そのときの12月24日には誰と列車に乗っているのかなんて考えてしまったよ。
10点(2004-10-29 22:50:13)(良:1票)
6.  ぼくの好きな先生
ドキュメンタリー映画です。これ。脚本があったとしたらこんなふうにはならないはずです。もう最初っから号泣なんですけど。子供の表情をみているだけで泣けます。先生の言葉を聞くだけで泣けます。しかし別に場面は劇的な展開があるわけでもなく、ただ小さな(本当に小さな)小学校をカメラが追い続けるだけの映画です。だけど感動せずにはいられない。この映画の前では「感動」という言葉も、陳腐なものに変えられてしまう。それほど、たったひとりの先生と13人の生徒たちが美しすぎるのです。この先生はほんとうに素晴らしい。これほど生徒に慕われている先生はいるのかな?自分はこの先生ほど生徒のことを思っているのだろうか?(ぼくは教員です)。これほど愛情に溢れ、ただ怒るだけではなく諭し、時に厳しい言葉で毅然とした態度を示す先生はいるのでしょうか。ほんとうにすごいよ。僕が諭されたよ。教育の原点を見た気がします。何を観なくても、この映画だけは全ての大人に観て欲しい。そういう映画です。
10点(2004-02-05 18:49:48)
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