1. 8 1/2
難しいジャンルである幻想譚を見事に映像化した監督の手腕と、芸術性の高さは十二分に感じられた。だけど、それだけの作品だという印象。 象徴的な表現の数々も説明不足で、受け手が楽しんで解釈する、というよりは迎合することが前提であるかのような傲慢さが端々で目に付いた。 密度の高いこの作品には「余白」がなく、それが唯一にして最大の欠点に思えた。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-03-03 01:20:18) |
2. 息子の部屋
終始悲しい雰囲気に包まれながらも、穏やかな風景のカットが繊細に配置してあったり、人の温かさを感じられるシーンが随所に見られたりと、温かい気持ちで見ることができる。 ただそれが味といえば味なんだけど、あまりに起伏がなく緩慢な展開に何度も飽きそうになってしまった。診察のシーンは大事だと思うけど、果たしてあそこまで多く入れる必要があったのかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-01-14 21:09:32) |
3. レオン(1994)
《ネタバレ》 屋上からの射撃練習などのいくつかの場面と、刑事のキャラがちょっとアホらしかったのが残念。 それを除けば最後まで楽しんで見ることができた。 短い時間にうまくまとめてられていたので、どう違うのか完全版も見てみたくなった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-12 22:17:20) |
4. ユナイテッド93
これまでテレビや本で知った事実が、熱を持ち急速に揺れ動き、悲しみがこの作品の臨場感に伴って著しく増幅した。 四機のうち一機が墜落した国防総省だけダメージが少ない、実はアメリカ側の自演で、テロリストに支払った小切手が見つかった等、その真相を疑問視される9.11事件において、この作品も、事実を知る軍の人間が名前付きで証言した内容から、各所でプロパガンダだと揶揄されたのだが、大多数が納得するような明確な答えはいつまでたっても出ず、調査の結果、結局そんな人間は存在しなかったとも言われている。 プロパガンダか否か、その判断は不可能なほどに困難だが、知識を追い求め真相に近づくことは決して無意味ではない。 とはいってもこういったドキュメンタリー作品一つ一つで作品外の知識を求めようとすると、骨が折れるどころの騒ぎではない。だからプロパガンダ云々はまず置いといて、純粋に史実としてこの作品を受け止める必要が見る側の人にはあるのだと思う。 真実は藪の中でも、実際に亡くなった人がたくさんいることには違いないのだから。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-08 23:53:07) |
5. 天井桟敷の人々
第二部はすごく良かったけど、第一部が少し冗長で退屈してしまった。 ガランスはあまり好きになれなかったものの登場人物は魅力たっぷりで、 ロマンチックなストーリーと美しい名台詞の数々に引き込まれた。 喧騒に包まれたパリの街で、無言劇を演じながら夢や愛を追い求める彼らもまた天井桟敷の人々なのだと感じた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-08 22:25:35) |
6. やわらかい手
《ネタバレ》 難しい素材を、感情に訴えかけすぎることなくうまくまとめていた。 内容としては可もなく不可もなくといったところかな。 中だるみしたことと、時折見せるミキへの悪態が、 まぁ理解できなくはないもののテーマから少し逸れているように思え、そこが残念だった。 でも最後の三十分は、母として、女としての揺るぎない底力を感じ、かなり良かった。 それにしても日本はこんなところでも先進国だったとは・・・ [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-12-27 20:38:00)(笑:1票) |
7. アザーズ
《ネタバレ》 見終わってまずはじめに、とても完成度の高い作品だと思った。 投げかけられた謎の全てに納得のいく答えが出されているし、 伏線もちゃんと回収されている。 ある程度予測できちゃうところもあるんだけど、 ミステリーで全く予測できないなんて相当稀なケースだと思うので、 特殊な題材だけどこのジャンルの中でも上位に位置付けられる作品なんじゃないだろうか。 最後の方に出てくるおばあさんがいい感じに怖かったのと、 お父さんの登場によりここまでやるか・・・というぐらい暗くなったのが印象的。 他の方がご指摘されてるように、ここはいらなかったんじゃないかなぁ、とも思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-26 00:06:43) |