1. ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏
アメリカの先住民に対する仕打ちを始めとする、この星誕生以来あちらこちらで繰り広げられた、「力だけが正しい」お話。文明の劣っている者に対する蛮族呼ばわり。どちらが蛮族なのかを澄ました顔のジョニー・デップが見せてくれます。マーク・ライランスはまり役ではありますが、予定調和であってテンポの悪い展開にウツラウツラしながら何とか完走。 広大な砂漠の風景が問いかけてくる、ラスベガスのような街並みになるのが幸せなのか、このままが幸せなのか、考えさせられたところに点数の全てを。 [DVD(字幕)] 5点(2022-03-15 16:20:20) |
2. 嘘をつく男
《ネタバレ》 お目当てトランティニャンは率直に言えば与えられた台詞を発しているだけなのですが、贔屓目で言えばこの無機質で淡々としたキャラクターに当てはまっています。自分は村の英雄ジャン・ロバンだと言ったかと思えばジャンの親友ボリス・ヴァリサだとも言う。ゲージュツ的な描写で描かれるジャンの帰還を待つ妻、妹、家政婦(三人とも微妙なお顔・・ゴメン)との絡みに辟易。嘘をつくというか矛盾まみれなオハナシが延々と続き、メチャクチャな時系列と併せて寝落ち寸前。当時のチェコスロバキアに於ける人間の本質、英雄か裏切り者かを問うたようにも思えるのですが、ついてゆけなかった作品です。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-08-31 11:37:43) |
3. 海を飛ぶ夢
《ネタバレ》 ラモンの一言一言から滲み出る聡明さに唸らされます。そんな彼だからこそマヌエラを始めとする家族に感謝の気持ちを一言も残さない事に許せないというか幻滅です。車を見送るマヌエラの万感こもった姿に泣けてしまいました。35歳というのが信じ難いハビエル・バルデム円熟の演技に+5点。 [DVD(字幕)] 7点(2020-10-16 01:18:05)(良:1票) |
4. 海の上のピアニスト
1900のタラップに佇む姿から、その世界に実際に身を置き味わう喜怒哀楽と頭の中で思い描く世界の喜怒哀楽は違う事を痛切に感じます。彼の決断に対し、非難はしませんが残念さで一杯です。他は、メリハリのない展開とジメッとした描写に物足りなさが募る作品。 [DVD(字幕)] 5点(2009-12-12 23:28:59) |
5. ヴェニスの商人
《ネタバレ》 パチーノとアイアンズの共演。自分にとっては夢の共演です。圧倒的な存在感はさすがです。夢のひと時を堪能出来、大満足でした。興奮冷めやらずの状態で、今日の所は取り敢えずここまでで・・・・箱を選ぶ時の思慮深さにうっかり騙されそうですが、自堕落な生活を送るぼんくらバッサーニオの厚かましい願いを聞き入れ、借金を申し込み、常識外れの証文であっても、甘い見通しを根拠に応じたのはアントーニオであり、証文通りの要求をするシャイロックに非は無いのです。ユダヤ人であるというだけで、ゲットーに押し込め、蔑むという慈悲のかけらもない行為をしておきながら、その相手に慈悲を乞うとは何事かと思います。 シャイロックは、鬱積した怨念を晴らそうとしますが、証文の盲点を衝かれた途端、要求を取り下げてしまったのは、刺し違えても言うまでには至らなかったようで自分としては、残念に感じました。財産没収はまだしも、改宗を命じるとは、驕るのも大概にしろと言いたいです。指輪の件もぼんくら振りを心配しての事かも知れませんが、執拗過ぎて不愉快でした。パチーノのぶすぶす燻り続ける怨念が裁判で一気に燃え上がる様子、アイアンズの破滅を覚悟するも、命の炎が細くなって行く事を怯える様子、共に圧巻で絶妙なキャスティングです。原作を読んでいましたが、見ごたえのある作品でした。未読の方は、読む前に鑑賞される事をお薦めします。 [映画館(字幕)] 8点(2005-11-09 19:56:35) |