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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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61.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
自分にとっては毎度のことなのですが、またしてもやっちまったという感じでした(ToT)  ジョヴァンナがロシアまで夫を探しに行って一組のロシア人親子に出会った時、子供が「ボンジョルノ」と挨拶し、さらに、家に入ってダブルベッド(&枕×2)を見た時点で「ハハ~ン、成る程ねぇ・・・そういうことか~」と、その時点である程度状況を察していないといけない訳なんですよね。 ジョヴァンナが電車に乗り込み、号泣してるところを見るまで状況が掴めなかった自分には殺意すら覚えますよ全く。 こういう自分みたいな鈍感な人間がレビューすると、どんなに優れた作品でも必ず評価が低くなってしまう(-_-;) この映画の関係者の方々やレビューで高評価なされた方にはちょっと悪いなぁって思います。 さて、自分がこの映画で一番気になってしまったのが、最後の別れのシーンなんですけども、何か妙に過剰な演出に思えてしまうのです。ちょっと捻くれた考えかもしれないですが、映画の後半のストーリーを構成するためにわざわざあの別れのシーンを組み込んだ感じに見えてしまい、そもそもアントニオがイタリアに戻ってきた時点で、最後の見せ場を作ってるんだ、というハリウッドの映画によくあるようなわざとらしさみたいな感覚を覚えてしまって、あのシーンには特に何も感じることが出来ませんでした。 また、その一方、画面全体に夕陽を浴びたようなやや赤みがかった画面が終始非常に美しく、特に画面全体に果てしなく広がるひまわりの風景がとても綺麗で、あの印象的なテーマ曲と共にとても心に染み入りました。このテーマ曲とひまわりの映像だけでも十二分な価値があるのではないでしょうか。 ところで、オープニングとストーリー半ばで出てきたひまわりが堂々とした様子で咲き誇っているのに対し、エンディングで出てきたひまわりは、心なしかうつむいているような気がして、ちょっと切なくなってしまいました。
[映画館(字幕)] 7点(2006-06-07 22:55:28)
62.  ウイークエンド(1967) 《ネタバレ》 
何となく好きです、この映画。ストーリーがあるのかないのかよくわからないような感じなのですが、その道中に出てくる一つ一つの場面がみんなブッ飛んでいて面白いのです。中盤あたりになってくると、「おぉっ!また出てきたな(笑)」と変なヤツが出てくるたびに嬉しくなっちゃったりしてしまいます。 一番の圧巻はやはり300メートルと言われる渋滞シーンの長回しでしょう。この映画では長回しのシーンがよくあるのですが、このシーンには度肝を抜かれました。この渋滞の先には一体何があるんだろう・・・という風な、ちょっとドキドキさせられるシーンがある映画って好きなんですよね~。 あと、オープニングの「WEEK END」の文字のトリコロールカラーのタイトル画面が最高にカッコイイです。 個人的な好みとしては、出来れば、終盤におけるクライマックスをもう少し大胆にして盛り上げ所をつくってもらいたかったです。けど、この映画でちょっとゴダールが好きになったかもしれません。ゴダールってストーリーを無視して観た方が面白いかも・・・。
[映画館(字幕)] 7点(2006-05-27 21:48:40)
63.  ローラ(1961) 《ネタバレ》 
この映画の製作された1960年といえば、カラー映画が台頭してきている頃ですが、初恋というノスタルジックな題材を描いたこの映画には、むしろモノクロで撮ったのが正解でしょう。 この映画のモノクロ画面の面白いところは、屋外だろうが家の中だろうが、撮影のための照明を一切使わずに、全て自然光で撮っているということ。人物の表情が捉えにくいシーンもありますが、あたかも自分が実際にその場所にいて、その場で会話をしているかのような妙なリアリティーがあります。夜8時のシーンにもかかわらず、部屋の中に太陽の光が差し込んできたりしますが、そういうとこはまぁご愛敬ということで(笑)。 この映画を観たのは2回目なのですが、1回目に観たときと同様、冒頭のカフェに来たおばさんの息子ミシェルのくだりがどうも弱すぎるような気がします。そのおかげで、映画中盤でローラの初恋の相手がミシェルだと言われても、しばらくその繋がりに気づかなかったりします。 ところでこの映画、女目線で見ればハッピーエンドなのかもしれませんが、自分は男なので、最後に一人トボトボと歩くローラン・カサールを見て、どうも不公平なエンディングのように思えてしまいます。ジャック・ドゥミがこんな映画を作るわけがない。こんな理不尽なエンディングがあってたまるかと思い、もしかしたらローラは本当は幸せを掴んだように見えて実はそうじゃないのかもとか、ローラン・カサールはどこかしらで幸せを掴んでるのかも、とかいろいろ考えてみましたが、この監督の後の映画でローラの行く末を語る場面があります。何もそんなにしなくても…というほどですが。
[映画館(字幕)] 6点(2006-05-07 22:47:54)
64.  美しき運命の傷痕 《ネタバレ》 
てっきり、映画を観ている最中は自分も、母の車椅子を引く女性が長女なのだろうとばっかり思っていたので、家に帰ってきて見てみてちょっとビックリしました。 自分はまだ結婚もしていないので結婚生活とか不倫とかって、イメージでしかわからないのですが、いずれのパターンにせよ、辛い思いをするのって女の方なんですよね。 男って、女よりもトラウマにつきまとわれにくかったりと精神的に強い分、女よりも人の痛みに鈍感なところがあって、それが浮気の根本的な原因なのかなぁなどと考えてしまいました。この映画以外の世界でも、そう言えば男って鈍くて身勝手だよなぁ・・・と、何かを悟ったような気になってしまいました(笑)。
[映画館(字幕)] 6点(2006-05-05 15:59:34)
65.  道(1954) 《ネタバレ》 
まず、フェリーニは人間がどういうものであるか、男というものが、女というものがどういうものであるかが非常によくわかってると思った。 例えば、ザンパノとキ印のトランペットの教え方。ザンパノは、ジェルソミーナが失敗すると鞭で叩き罰を与える。罰を受けまいと努力させる方法で、犬などの動物に教えるときによくある方法。それに対し、キ印はまず褒める。どんなに下手でもとにかく褒めてジェルソミーナのやる気を呼び起こす。褒められて自信をつけたジェルソミーナはさらにやる気を出して練習に励む。どちらが正しいと言うわけではないが人間性の違いがハッキリと表れているひとコマ。 そして、修道院の納屋で一晩を過ごしたときのジェルソミーナの言った「私のこと少しは好き?」というセリフ。当然の如く、ザンパノには軽くあしらわれるのだが、どうしようもなくなってザンパノの気を引こうとしてトランペットを吹いてしまうジェルソミーナ。愛されることによって自我を確立するという、女性にありがちな性質をとても上手く描いていると思う。 そして、これまでに多くの方が指摘なさっているので今更語るほどでもないが、ラストシーンのザンパノの慟哭もこれまた男性にありがちなパターン。 終始、ジェルソミーナの仕草がとてもチャーミングで、微笑んだ顔もしょげた顔も何から何までいちいち可愛い。多少頭は弱いのかもしれないが、一緒にいたらこっちまで笑顔になってしまいそう。こういう女性も魅力的であり、当然高得点である(笑)。
[映画館(字幕)] 8点(2005-11-12 10:16:10)
66.  そして船は行く 《ネタバレ》 
この映画は何故セットとわかるように撮ったのだろう??初めのうちはこのあからさまな雰囲気が凄くイヤで、何度席を外そうかと思った事か。最後のスタジオ全体とスタッフを映したのもどうもよくわからない。何故セットであることを前面に押し出さなければいけないのだろうか。何故ナレーションが必要だったのか。全くもって意味のわからない映画だった。
[映画館(字幕)] 4点(2005-11-06 20:25:43)
67.  いぬ 《ネタバレ》 
この映画はモノクロ映画独特のクールさがあると思う。シブい!玄関を開けたときにわざと影を作って顔を見えなくしたり、シリアンが宝石類を土から掘り起こすシーンなんかは、ストーリーの構成上(モノクロ画像によって)程よく影を作って映しているのが上手いと思った。走っている車を外側から映している場面の、あからさまに合成である部分を除けば、映像面ではかなりイイと思う。 ただ、やはりストーリー面をとってみるとかなり難解で、私にとっては完全にお手上げ状態。繰り返し観てみて大筋は把握できたけどこれは間違いなく難しい部類。最初に見たとき“花輪”とか“葬儀”とかの意味が解りませんでしたからね。そのせいで、最後にモーリスとシリアンが撃たれた理由が全く意味不明でした。 あと、ヌテッチオ役のミシェル・ピッコリは絶対に配役ミス。もっと存在感があってズル賢そうな顔の人の方が適していると思う。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-10-10 12:38:44)
68.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
初めて観てから約1週間。な~んにも感じない。書きたいことが思い浮かばない。 ラストのキスシーンのフィルムですが、何故あそこで感動するのかサッパリわからない。これは多分、親が転勤族だったので自分自身小さいときから何回も引越しを経験してきたせいだからだという結論に達した。生まれたときから高校卒業までに5回も住む場所が変わっているからでしょうか、本当にポカーンって感じ。同窓会も小学校中学ではゼロ、高校は卒業して1年後に1回あっただけでそれっきりだし・・・。催促の葉書は来るけど、別に昔の友達に久しぶりに会ってみたいとは思わないので、やっぱりこの映画の主題は自分には合わなかった気がします。 それと、この映画のキャスティングについて。幼少期と壮年期はともかく、青年期の配役がひどすぎます。サルバトーレ役の人もヒロイン役の人も全くと言っていい程に個性がなく、ただの一般人を連れてきただけじゃないのか、とまで思います。あそこまで存在感のない役者は初めて見ました。 けど、この映画の中の映画を愛する人たち(特に群集)には何か微笑ましい気持ちにさせられてしまいます。映画のワンシーンに一喜一憂し、感動を共にするということは現代でも出来ることですが、あそこまでみんなが一体となって盛り上がれるというのは本当にうらやましいものです。あの環境で観れたら楽しさも倍増すると思う、絶対。
[地上波(字幕)] 6点(2005-09-10 00:45:20)
69.  ぼくの伯父さん
オープニングの、看板に書かれたスタッフ紹介・ユロ伯父さんのアパート・魚とにらめっこするワンちゃんで「なんてセンスの良い映画なんだろう。こりゃぁ~期待できるぞ~」とウキウキしながら見ていたのも最初だけ。30分で飽きてきました。 登場人物のセリフを極力減らし、サイレントの映画のようにパントマイムだけでストーリーが展開していくのは好印象なのですが、どうも、ギャグがつまらない。ユロ伯父さんの余りの間抜けぶりに、正直のところ見ていてイライラしてしまいました。 シーン一つ一つのセンスのよさは私も気に入ってしまいましたが、この映画の中の大人達のダメ人間ぶりがとてもじゃないけど見るに耐えないのです。この映画の登場人物を見て、ほんわかとした温かみを感じたりほのぼのとした気分になるなんて絶対無理。 けど、ギャグがチャップリンみたいに面白ければこの映画のハイセンスな映像にマッチしないだろうと思うので、やっぱりこのくらいのレベルの笑いがちょうど合っているような気がしました。
[映画館(字幕)] 5点(2005-05-21 01:41:19)
70.  哀しみのトリスターナ 《ネタバレ》 
どのように撮ったのか全くわからない。ドン・ロペの生首、片足のドヌーヴの撮影トリックには舌を巻くしかありません。本当に想像もつかない。その映像テクニックにドヌーヴのリアルな演技がかみ合って実にリアルな映画に仕上がっています。 話の前半は、養父である筈のドン・ロペが「私はおまえの養父であり夫である」などと言ってトリスターナを束縛し、都合よく体を求めてきたりと息苦しさが伝わってくるような毎日。画家と結ばれて好転すると思いきや、病気を患い再び元の家に戻ってきてしまい、後半に入るとトリスターナの人生はますます転落していくのですが、圧巻なのは、ドン・ロペがホットチョコレートを飲んでいる間のトリスターナの廊下の往復シーン。ドヌーヴの表情を執拗なまでに何回も見せているところがとにかく気味が悪い! この表情も不気味で不気味で仕方ないのですが、街中で車椅子に乗っているときにその隣を乳母車が通り過ぎると、自分自身も乳母車の中の赤子のような気分になり、見せる屈辱の表情。そして、口の利けない若者に自身の裸体を晒したときの表情には思わず息を呑みます。 タイトルは“哀しみのトリスターナ”なのですが、実は哀しむべきはもう一人の登場人物ドン・ロペではないかという見方もできると思うのであります。というのは、この映画が作られたのがブニュエルが70歳の時。しかも、彼自身も無神論者とのこと。と言うことは、この映画のドン・ロペはまさにブニュエルそのものである、という解釈も可能なわけです。私は、彼は原作の中のドン・ロペに自らと共通する何かを見出し、映画の人物設定にも自分自身の姿を組み込むことにより自らの苦悩を描き出したのではないかと思いました。この映画にとても自虐的でマゾヒスティックな一面をブニュエルのプロフィールを見てから感じました。
[映画館(字幕)] 7点(2005-03-29 23:06:51)(良:1票)
71.  花咲ける騎士道(1952) 《ネタバレ》 
BS2で鑑賞。オープニングのナレーションからしてコメディの香りがプンプンしてきます(「その昔、フランスという国があった」←この時点でもう既にコメディ)。1回しか見てないので細かい部分は憶えてないのですが、フランスが製作したとは思えないくらいのフランスを茶化したナレーションや(確か、レースの鎧がナンタラカンタラで、フランスならではの華麗なナントカさばきがどうのこうの・・・ってやつ)、いかにもコメディチックとも言うべきアクションシーンなど、序盤からかなり飛ばしてきます。 前半の注目ポイントはやはり死刑台に上がるシーンでしょう。足元の台が外されるギリギリの瞬間まで本物のジェラール・フィリップが首かせをつけられていて、しかもあの台がものすご~~く不安定な台だったので、もうハラハラドキドキしてしまいました(^_^;)A   後半の注目ポイントは、助太刀に来た3人目の男(名前忘れたけど、ちょっと太った髭のオヤジ)でしょう(笑)。修道院でのバトルも見どころではありますが、それよりもアドリーヌの後を追いかけるために馬に飛び乗るシーンで、3人目の太っちょオヤジが馬に飛び乗るシーンは爆笑モノの超必見シーンです!馬が一瞬フラついたのであのシーンには笑わしてもらいました。 その後のジェラール・フィリップの追走シーンも“白馬の王子様”って感じで格好良かったし、再びアドリーヌがさらわれた後に都合よく地下道に出くわしその地下道が敵の参謀本部に通じていて、しかもファンファンたちが穴から出ても気づかずに会議を続けているという二重三重のありえないシチュエーションも非常に古典的かつ大胆なギャグだったので、十分に楽しませてもらいました。最後のシーンでアドリーヌが何故か勝手にルイ15世の養女になっていたのがよくわからなかったところですが、まぁいいや。※ 〔'04.12.22追記〕再びビデオで鑑賞したのですが、BS2で観た時とだいぶセリフが違ってました。BS2で観た時は“正直男”とか“ホラ吹き男”など、それぞれのキャラにも役名がついていたのですが、ビデオで観てみるとそれがなくちょっと物足りなさを感じました。しかし、ただのアクションコメディ映画と思いきや現代でも言われている“夢を叶えたいという強い意思を持つ者のみが夢を叶えることができる”という教訓のようなものが込められているところもこの映画のテーマとして良かったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2004-12-07 21:05:32)(良:1票)
72.  白夜(1957) 《ネタバレ》 
この映画のどこに良さを見出せばいいのかサッパリわからん。自分より前に投稿なさっているほとんどのレビュワーさんがこの映画を褒めてらっしゃいますが、男の目で鑑賞してこのストーリーに理解を示すというのは、とてもじゃないけど自分には出来ません。 まず、ナタリアが惚れた下宿人というのはいったい何者で、何故1年もの間ナタリアを独りにさせているのか。しかも、約束の1年が過ぎてとっくに町に戻ってきているというのに彼女をほったらかしにするとはどういうことか(怒)。まぁ、男としてはナタリアのように一途な気持ちを持ち続けている女性にはたとえ自分がその人に惚れていたとしても応援してあげたくなるものなので(全ての男がこのように考えるわけではありませんので、悪しからず)やっぱりこの映画はどう頑張ってもマリオに感情移入せざるを得ないわけなのであります。 しかも、最後の男一人トボトボと立ち去るシーンですよ。あの撮り方はどうみても男の哀しさを語ろうとしているようにしか見えません。じゃなければ絶対、再会したナタリア達の後姿で締めくくられるはず。 自分にとってこの映画でよかったのは、ダンスシーンと終盤の雪景色くらいなものです。 そういえば、邦題の「白夜」というのは、ナタリアが下宿人に対して持ち続ける一途な気持ちのことなのかも。だとしたら、この映画の主人公はやっぱりナタリアなわけで、彼女の方に感情移入するべき映画なのかも?!?・・・いや、絶対無理だ(爆)!※
[映画館(字幕)] 5点(2004-11-18 23:17:37)
73.  熊座の淡き星影 《ネタバレ》 
初鑑賞から約3年ぶりに、観る機会があったので観て来ました。 映画が始まって間もなくのオープニングクレジットはやはり格好良かった。 2回目の鑑賞で、モノクロ映像の美しさを存分に堪能できる作品だということを再確認。この映画は、ストーリーがとにかく暗い。映像もまた、非常に暗い。地下室のシーンだったり、夜に散策するシーンだったりと、とにかく光のない場面のみを選んで撮っているかのように、暗さが目立ちます。しかし、顔をアップにして映すシーンでは、表情がわからないくらいの暗さでありながら、目の中の白目だけが表情を出し“演じて”いる。また、地下の螺旋階段の下で姉弟が出会うシーンでは、ジャンニの指に光る指輪を水溜りの水面に反射させ、巧みにその存在を強調することによって、ジャンニの異常さを醸し出している。モノクロ映像は白か黒か、である。画面が黒で満たされれば、おのずと白が際立つ。カラーの映画ばかりを観てばかりいると見過ごしてしまいそうですが、映像のみでその存在を際立たせるというのは、やはりモノクロ映画の真骨頂でしょう。 また、音楽の使い方も個性的で面白い。映画全体の半分近くのシーンにピアノのBGMが流れていたように感じられましたが、これが何とも言えぬ哀しげな旋律で、非常に美しく、これも印象に残ります。 ストーリー展開も、物語の中に存在する“過去の出来事”を最初にほのめかすことによって観客を引きつけ、話が進むにつれてだんだんとジャンニの本性が現れ、歪んだ姉弟愛が暴かれるラスト(特にジャン・ソレルの演技)は圧巻の一言。 ただ一つ、カメラのズームイン・アウトが非常に多かったのがちょっと違和感があったように思えます。ちゃんと普通にカットを割っても問題ない箇所ばかりだったので、ちょっとこれは勿体無いような気がしました。 この作品も貴族階級の廃退やそれぞれの人間模様が描かれていて、ヴィスコンティ監督のファンにとっては十分に楽しめる作品であると思います。自分としては貴族階級を描いた作品というのは肌に合わない気もしますが、監督したほとんどの映画に、テーマが一貫して存在するというのはやはりカッコイイですね。
[映画館(字幕)] 7点(2004-11-18 20:27:09)
74.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 
初めて観たときのあのラストの衝撃は今でも忘れられません。このまま完全犯罪がまかり通る結末なんて道徳的に絶対ありえない、とまで思っていたにもかかわらず、息が出来なくなるほどの見事なエンディングを見せてくれました。あの映像からほんのわずかな場面を見せるだけでfinishにもっていくその展開の速さ(その間たった2,3分)はもう、芸術品です。 それと、今回の鑑賞で気づいたのですが、この監督は女性に対しての視点の鋭さがあるような気がします。それは、船の中でも仕事をするというちょっと真面目な部分だったり、トムが一人で帰ってきたときにほとんどマルジュが一人で喋ってしまってトムが全然喋らないまま事態が片付けられてしまう所、バレエのおばさん達がレストランに入った時も一人で喋って事を済ませてしまう所や、終盤でトムがマルジュの部屋に入ってきた所でもそういうシーンが見られます。 また、ストーリー全体を見ると、初めて観たときはフィリップ殺害シーンの波のうねりやナポリの市場の散策シーン、ホテルの一室でサインの練習をしているシーンなど、見どころがいろいろあって中弛みのない展開のように思えたのですが、肝腎のラストにかけての盛り上がりがないため、全体としてややストーリーに起伏がないような気がします。  けど、テレビでやっていると必ず見てしまうし、リバイバル上映で3回も見てしまうくらいです。映画館のロビーで流れていたBGMに誘われてついつい観てしまったということもありました(2本立て上映の1本目だけを観て帰ろうとした)。何だかんだ言って、やっぱり好きな映画なんです。
[映画館(字幕)] 8点(2004-11-02 22:30:44)
75.  奥様ご用心
出ている女優達が多くて、しかも、個性がはっきりしていない人たちばかりだったので顔を覚えるのに精一杯でした。ベルト役のダニー・カレルが可愛かったので印象に残ったのはそれだけと言うのが正直な感想です。それにしても、じみ~なエンディングだったなぁ・・・。 〔'04.12.13追記〕上のコメントは映画館で初めて観たときのもの。いい加減なレビューではイカンと思い、ビデオを借りて再度鑑賞してみたが・・・それぞれの役柄はよくわかったのですが、付け足すことは特に何もないです(笑)。 仕方ないので、お金について考えてみた。ジョスラン家の年収が8000フランで、辻馬車の乗車料が2フランとなっている。もし仮に、日本でジョスラン家と同等のランクの家の年収を少なく見積もって8000万円と想定すると、あの辻馬車の乗車料はなんと2万円!バカに高い。ついでに、娘の結婚の持参金は5億円と換算できる。これは、ついこないだの紀宮様の持参金が1億5千万円であることを考慮すると、こちらも相当な額であることがわかるだろう。適当な金額設定なのか、それとも、1957年のフランスは本当にそういう世の中だったのだろうか・・・・・
[映画館(字幕)] 5点(2004-10-29 01:12:19)
76.  昼顔(1967) 《ネタバレ》 
個人的に大好きな映画で、DVDも買って家に置いてあるのですが、スクリーンで再度観てみたら、やっぱり面白い。改めて実感。 他の映画のレビューでも書いてますが、この時代の映画でよく用いられるテクニカラーだのイーストマンカラーだのといった色調が醸し出す画面のくすみ具合が最高に好き。アメリカ映画とは微妙に違った雰囲気の、独特の画面の質感だけで気分が高揚してきます。 冒頭に出てくる森のシーンのミステリアスな雰囲気やその静寂感。木の枝や茂みまでもが美しく感じます。その一方で、パリの街並みの喧騒もとても開放感があり、こちらも何とも気持ちが良い。仲睦まじく馬車に乗っていたシーンが一変したときの緊迫感は勿論、木に吊るされ鞭打たれるシーンの美しいこと。そして、ドヌーヴが娼館に向かって歩いている姿を真横から映すシーンなんて、自分が観てきた映画の中でも最高のワンシーンといえます。 ストーリーの肝は、一般的な解釈“セヴリーヌの内面に激しい欲望が渦巻いていた”というよりも、彼女自身の不感症による夫への負い目を克服するストーリーを彼女の頭の中で展開していたと解釈してみました。 で、何が面白いかって・・・ラスト、重体であるはずのピエールが一命を取りとめて自宅で安静にしているわけですが、銃で撃たれたのに車椅子にサングラスという出で立ち。銃で撃たれたのに目が良くなるようにと薬を飲ますセヴリーヌ。全てを洗いざらい話せば楽になるという自己都合も甚だしい程の妄想。馬車の音が聞こえ外に出てみると、そこはクラクションが鳴り響くパリの街ではなく、夢に出てきたあの林道。 やっぱりこの映画、面白い。
[映画館(字幕)] 10点(2004-10-17 14:16:25)(良:1票)
77.  穴(1960) 《ネタバレ》 
「大脱走」、「アルカトラズ~」と見てきましたが、ウワサ通り(笑)やっぱりこれが一番面白い。この2作品は看守の甘さなどが原因でやや不満もあったが、本作においては不満のつけ入る隙が全くといって言いほど存在しない。 他の脱走ものと決定的に違うのは、囚人たちの真剣さが見ている側にもひしひしと伝わってくるところであり、ストイックなまでにひたすら穴を掘り続けることによって映画全体に並々ならぬ緊張感が生まれているところだ。床に穴を掘るところを見ると文字通り“力作”だなぁと感じてしまう(終盤の下水道の壁に穴をあけるシーンにカットが入ってしまっているのが非常に惜しい。2時間半の映画になってもいいからあのシーンはぜひ長回しで撮って欲しかった)。 また、小物の使い方も極めて秀逸であり、柱を影にして看守の目を逃れたところは、あれが映画の演出でなく本当にあれで難を逃れたのだとしたら驚愕ものである。 そして、最後にロランが放った「情けない奴だ」のセリフ。これは極めつけのセリフだ。 ガスパールは裏切ったのか?ということを後から考えているようではダメである。 これは無知な自分に向けられているようであり、非常に痛かった。※
7点(2004-09-19 20:00:27)
78.  欲望(1966) 《ネタバレ》 
私もあのジャケットの表紙の絵に惹かれて見た人間の一人です。しかし、自分には合わなかった。そこにあるものが本当に実在するのかということを訴えかけているということはわかるような気がします。それを表現する為に写真という媒体を使ったのはナイス。評価できるところは、写真を引き伸ばしていくところ。しばし無音の状態が続き、ここが見せ場だという感じは伝わってきて私の目も覚めてきたが(笑)、それほどの緊張感はなかったと思う。それに、あの写真を見て死体の存在に気づくことも不自然・・・。いや、やっぱりあれでいいのかも。我々には見えなくとも主人公には見えていたのかもしれません、そこにある何かが。なるほど、確かにあのシーンに集約されていますね。さらに突き詰めていくと、盗み撮りされた女の人も本当に実在しているのか怪しいですよね。電話をかけても繋がらなかったし。あのライブのシーンにも特に意味は無いように見えるかもしれませんが、やはり、何か訴えるものがあるように思えます。あのライヴハウスの観客たちは異様なまでに見入っていましたけど、それは観客が聴いてる筈の音の存在、そしてアーティストの存在までも現実にそこには本当に存在しているのかを言い表したかったのかもしれません。また、ギターの一部が観客に投げ込まれても平然とした様子で、さらに言えば観客が存在していないかのように淡々と歌いつづけるヴォーカル。では、プロペラは?家に帰ってきて足で触った。動いた。間違いなく、確かにそこに存在している。プロペラはこの世で確実に存在しているものの象徴なんでしょうか? ラストは【月子】さんのご指摘で初めて気がついたのですが、音が出てたんですね。もっとはっきり聴かせてくれればよかったのに。 まぁ、いずれにしろこの悠長なストーリーは私には合わないですね。【STING大好き】さんのおっしゃる通り、起承転結映画に慣れた人間がいきなりこの映画を見るとどうしてもこんな点数になってしまいます(笑)。中途半端に明るい音楽もいいと思わないし。 今になってふと思ったんですけど、実はこの悠長なストーリー、それさえも存在していないかのように見せたかったのかもしれませんね。ストーリーの進みが異常なまでに遅く、進んでいるのかもハッキリしない。無駄な部分がやたらと多く組み込まれているのは、飲み物に水を入れて薄めるかの如く・・・って考えすぎかな?
7点(2004-07-03 21:41:50)(良:1票)
79.  羊たちの沈没 《ネタバレ》 
羊たちの沈黙のパロディのはずなのにサイコがメインになってるところがダメ。笑える場面はいくつかあったけど、大爆笑するほどの場面はひとつもなかった。いや、「F・B・ア~~~~~~~~イ」のところはウケたかな。最後のどんでん返しのところ(自分の顔の特殊メイクを剥いでいくところ)は、まあ、評価に値する…かも。ちなみに、この映画でマーティン・バルサムは“探偵バルサム”役で出ています。おい!自分の名前をそのまま使うか普通・・・?
4点(2004-06-04 12:46:00)
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