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彦馬さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 450
性別 男性
自己紹介 大阪府出身、岡山県在住、阪神・下柳と同年月日生

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1.  太陽(2005)
終戦間際の未知なる何かを迎える不安と焦燥を薄暗い室内空間と微音で綴っていく。コチコチという時計の音が一定のリズムを刻み、経過する時間の平等性、普遍性を画面に与えていく。時の平等性と普遍性は、あらゆる空間のみならず、全ての人間に与えられたものであり、天皇も例外ではない。天皇がローソクを消したり、皇后が登場し電灯を点けても、変わらない画面の明度は、人間という意味で天皇も一般人と「変わらない」ということか。しかしこの作品は単に凡なる人間仲間として天皇を平に整地しようとするのではなく、その立場を常に差別化し続ける。人間と立場、平等と差別、その落差の構造に巻き込まれたままに、ラストの天皇のお言葉を「天皇の人間宣言」などと呼んでもいいものかどうかと歴史をぶつけられる。
[映画館(字幕)] 7点(2006-11-24 17:04:04)
2.  理想の女
原作がオスカー・ワイルドの戯曲『ウィンダミア卿夫人の扇』といえば、ルビッチの『ウィンダミア夫人の扇』のリメイクということになりますが、この作品はサイレントと両極を成すかのように台詞が多い映画です。室内装飾、調度品の美術、屋内に差し込む光の揺らめきなどは見ごたえがありますが、「扇」の使い方があまりにも唐突過ぎやしないかな~と。ルビッチはシンボリックに「扇」のショットを巧みに処理していますが、この作品では伏線としての「扇」効果が弱い。序盤にアーリン夫人がウィンダミア卿に「こうすれば、キスしてよ、の意味よ」などと扇を使ったしぐさを解説しているんですから、そのしぐさを生かさない手はない。“要の扇”を生かせず“扇の要”を失しているように感じられたのでした。
[映画館(字幕)] 6点(2005-12-15 13:09:03)
3.  エレニの旅
旧の酒場での1シーン1ショット、演奏が中断と再開を繰り返す音の有無。その中断と再開は、民族紛争、大戦、内戦といった20世紀ギリシャの戦いの中断と再開の連続を縮図としているように聞こえました。音楽を奏でることができる=安寧、演奏できない=戦い、この構造を基本にこの作品では音楽とはまさに音を楽しむことである、と分からせてくれます。アレクシスの旅立ちを祝う白布の丘での演奏が、銃声一発で止まってしまうシーンなど象徴的でした。水を中心に火、木、また汽車や船が語る雄弁な映像美はもちろん、逆難民ギリシャ人としての公と難民内での個という二重構造のスケールの大きさ、ラストシーンに込められたエレニ=ギリシャの哀しみにはため息です。そして、あれだけの河沿いの街をセットとして築き上げ、ダムの水を流し撮影するというアンゲロプロスチームには白旗なのです。
[映画館(字幕)] 10点(2005-06-19 22:40:47)(良:3票)
4.  キングダム・オブ・ヘブン
これだけのセット、エキストラの壮大なスケールの映画にしては、あまりにもクローズアップが多く、またカットが目まぐるしく変わるのには個人的に少々うんざりしてしまいました。クローズアップはこう使うんですよという教科書のような「シナラ」を見たすぐ後にこの作品を見たせいもあるかもしれませんが、どうも勿体無い気がして仕方ありません。時折、引いた壮大な画も見せるのですが、チラッと見せただけでカットが変わってしまいます。エルサレム戦のシークェンスのラストも、門に対峙した双方を俯瞰したカメラが上昇するという神の視座として終えるのもどうも通俗的に見えました。とはいえ、スタッフやキャストに漲るエネルギーは十分に感じさせていただきましたです。
[映画館(字幕)] 6点(2005-06-15 23:40:36)
5.  アルジェの戦い
2時間のフィルムの凄絶な迫真性は一瞬たりとも気を緩めることを許しません。何万人もの現地人がエキストラ参加したアルジェ対仏戦線のリアルな映像は、モノクロが大成功しています。爆発シーンに巻き上がる白い煙は、カラーだとその白さが浮いてしまい煙の白さだけが一人歩きしてしまったのではないでしょうか。爆発の煙の生々しさも映画の一部に過ぎない、独立運動の一部に過ぎないと感じられます。打楽器が奏でるテロリズムのリズムが鑑賞後も余韻を残し、傑作と呼ぶ自分に「あなたはこの映画を評価できるような生き方をしていますか」と鋭利なナイフを突きつけてくるような傑作であります。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2005-05-16 00:29:43)(良:1票)
6.  火事だよ!カワイ子ちゃん
フォアマンのチェコ時代の作品ですが、これがまたなんとも愛すべき至極のコメディ。なんだなんだなんだ~~。消防士主催のパーティで起こる大騒動。画面内には大真面目でとぼけた消防士やパーティ参加者が跳梁跋扈したところへ、近所で火事が発生!焼け出された老人と見守る野次馬のシークェンスはシニカルな笑いに包まれる内に、舞台は再びパーティ会場に移り景品抽選会でもまたひと騒動。出ている人間が役者らしくなく、こんなおっさん姉ちゃんじいさんどこでもおるでとフィルムに切り取られていて、その空気が可笑しくてしょうがない。共産体制批判と受け取られチェコでは上映禁止となった作品のようですが、その禁止の不条理を体感する意味でも、是非レンタルで見かけたら「借りだよ!」と言いたいのであります。
[DVD(字幕)] 9点(2005-04-19 23:35:40)
7.  恋愛時代
「にがい米」から6年が経ち、イタリアの生活にも随分と余裕が生まれてきたのか、<働けど働けど我が暮らし楽にならざり>的な男女とその家族を描きながら、カンツォーネから高らかに始まる今作は、コメディタッチのウェルメイドな作品となっております。重苦しい雰囲気になると、ぐいっと引き戻すように軽やかな音楽が鳴りコミカルなシーンへと変わるところなど、〝もう戦後の苦しい時代には戻りませんよ、恋愛の時代なのですから〟と言いたげです。両家が喧嘩芝居をするところのタペストリーや、マストロヤンニとヴラディの納屋シーンでアヒル、ヤギ、ニワトリなど動物のアップが挿し込まれるあたり・・・見ている方も楽しいです。しかしその中にも、経済的にまともな結婚式一つ挙げられない男女(ヴラディが持ち歩いていた花冠のちらしを胸から出すところの描写は巧い)をしっかりと描き、ラストには両家を隔てる畑の溝を見つめる二人の晴れやかな表情、そこに被せるエンディングのカンツォーネ・・・う~んパスタが食べたくなってきたぞ。
9点(2004-12-06 22:00:43)(良:1票)
8.  にがい米
どこか「にがそう」なところが見る人を遠ざけているような気もしますが、<ザッツ・ネオリアリズモ>を作れば、必ずや入る見事な作品です。シルヴァーナ・マンガーノのはちきれんばかりの健康的、肉感的な姿は、私が天岩戸に隠れていたならすかさず戸を開けるでしょうな。そしてそのマンガーノの魅力を存分にフィルムに焼き付けながら、戦後のイタリア社会、田植えという女性の出稼ぎ労働の苛酷さを告発しております。妊婦が田んぼで倒れながらも周りが歌って励まし出すシーンでの、〝こんな社会狂っているわよ!〟といわんばかりのマンガーノの悲鳴などは強烈な印象です。マンガーノのダンスシーンが秀逸で、ダンスの動きで彼女を魅せるだけではなく、首飾りのショットとそれを見つけたダウリング、ガスマン、ヴァローネのショットでストーリィを進め、カットを徐々に素早く切り替えることによって、ダンスにリズムを与えるとともに、緊迫感を生み出しています。昇って降りてそこに人物を捉えるクレーンのショット、360度近く回転するショットなど、広がりを与えているカメラもまた見ものですね~。ラスト、これだけ哀しいライスシャワーを見たのは、レース中に骨折しこの世を去ることになったあの馬を見て以来でありました。にがい米・・・ぴったりのタイトルであります。
9点(2004-11-21 23:48:58)(良:1票)
9.  パッション・ベアトリス
「田舎の日曜日」「ラウンド・ミッドナイト」と斜陽な人物を見事な深みを持った演出で描いたベルトラン・タヴェルニエ監督の次なる作品がこの「パッション・ベアトリス」。今回は中世フランスを舞台に父娘の倒錯した愛憎を、キリスト教を背景に人工的照明をまったくもって排除したかのような、暗い画面にのせて描いてきます。屋内シーンは微かに射し込む光がようやく人物の輪郭を浮かび上がらせるほど本当に暗~い・・・です。そしてキリスト教的宗教観を持ち合わせていないと、正直わかりづら~い・・・です。中世ヨーロッパ、といった雰囲気は表われすぎるほどに表われているのですが、歴史感覚、宗教感覚、美醜感覚、それらが試されるような作品で、魂を揺さぶられなかった当方としては、まだまだ修行の足りなさを痛感した映画でありました。
6点(2004-11-10 22:13:28)
10.  鉄道員(1956)
チャオ~。といった軽い感じで始めるには合わないかもしれませんが、この作品は素晴らしいといっチャオ~。出ている役者もみんな素晴らしい・・・。鉄道員という仕事への一途さが子供たちとの軋轢を生み出している様子、そしてストライキでも列車を動かすシーンから、鉄道員としての誇りがひしひしと伝わってきました。彼を理解する同僚のジジ、彼を尊敬する幼いサンドリノを周りに置くことで彼の苦悩や悲哀を浮き立たせています。このジジのアンドレアとの距離感がまたいいんです。突き放すところは突き放し、けっしてべったりではなくそれでいて共に鉄道員として同じ機関車で育んできた友情を感じさせる・・・いいですね~。そしてアンドレアが目が合ってしまったという線路内の男、アンドレアはこの男の目の中にこの男の人生や家族といった背景が見えたのではないかな~。よってこれまで子供たちと真摯に向き合っていなかった自らの姿が見え、家族との接し方がより不器用になっていったのではないかと思うのです。クリスマスのラスト、ジジがみんなを招き賑やかなるアンドレア家のシーンは、その後みんなが帰り、妻と彼の二人の静かなる会話、それを一層静かに余韻を残すための伏線ではないでしょうか。ここでアンドレアが妻に漏らす「きれいだ」・・・ここで私はやられてしまいました。その一言にアンドレアの妻に対する想いがすべて詰まっているように聞こえたのです。マルチェロとサンドリノを見送る母、けっして微笑みを浮かべないその表情、その余韻にしばし浸らせていただきました。♪線路は続く~よど~こまでも、野を越え山越え谷越えて・・・人生をいろいろ越えるとあんな表情になるのでしょう、きっと・・・。
10点(2004-10-19 23:20:10)(良:3票)
11.  トスカーナの休日
タイトルからイタリア、トスカーナのロケーションを存分に生かした、太陽の光あふれる眩く爽やかな映画のようなイメージを与えています。が、実に消化不良・・・胃にもたれる結果に。カメラにおもしろみがないのもおもしろくないが、トスカーナのロケーションの美しさが映像にのせられていなーい。人生やり直し、再生の地としてあえて風景の描写をおさえ、当地での人間関係に重きをおいたのでしょうが、タイトルにうたうからにはここは両立させるべきだ、と思いますぞ。イタリア男との肉欲的な描写も含めどこか軽薄で、どうも人生なんていつでもリセットボタンを押せますよ、と言いたげで、ありのままの人生を粛々と受けとめ黙々と生きる静かな感動からはほど遠い、作品でありました。
3点(2004-09-09 23:59:48)
12.  マーサの幸せレシピ
まばゆい厨房を人物構図などを緻密に計算し、時にはじわーっと、時にはすーっとカメラを移動させています。格子状の窓越しにマーサとマリオを窓のサンで分断した映像などは、2人のギクシャクとした間柄を巧く表現していますねー。さてさてマーサさん、自分が作った料理を姪っ子のリナは食べてくれません。がマリオの作ったパスタを食べるリナ。シェフとして自らに足りないものを少しずつわかっていくのかと思いきや、また客に当たってるー!姪っ子を引き取られた喪失感、焦燥感などを現す演出だと理解しますが、大きくマイナスー!塩と砂糖を間違えたような舌触りになってしまったような・・・。ラストのカウンセリングもあまり効果的とは思えんなー。しかしカメラワークを主に、サンドラ・ネットルベック監督の次作以降は是非見てみたい、と思わせるものは十分ありました。ということで期待を込めて7点です。
7点(2004-08-21 21:23:18)
13.  ぼくは怖くない
黄金色の麦畑に見とれていたら、どひゃー!のシーン登場。ぼくは怖くないことはなかったです。さてイタリアのベストセラー小説の映画化です。大人の階段を昇る10歳の少年、その切なさにどれだけ感情移入できるかが勝負だ!と見る前から「感情移入するぞ」と意識し過ぎたのがいけなかった。少年を意識すればするほど、村ぐるみでいったい何をやってんだ、ばかりが気になってどうもずるずると完。ただ少年の妹には見える犬がもはや少年には見えないシーンは、階段を昇っているのだなーと象徴的でした。あー、私ももう一度犬が見える頃に戻ってみたい。
7点(2004-04-19 23:47:32)
14.  たそがれの女心
カメラの動きが流れる曲線美。この作品でキーとなる耳飾りがそのカメラの動きにシンクロするように流れる。転石はいつしか真の宝石に。宝石商が同じ耳飾りを将軍に売りに来た四度目には、さすがに「またかい!」と笑ってしまった。タイトルそのままにマダムの姓が臥せられているのはなぜだろう。宝石に輝きを与えるのは高貴な身分や血筋などではないのだ、ということだと解釈しておこう。 
8点(2004-04-13 21:49:44)
15.  ライフ・イズ・ビューティフル
パーフェクト!
10点(2004-02-26 22:14:10)
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