1. 屋根
流石、デ・シーカ、ヴィットーリオ!!脚本、台詞もプロットも素晴らしい。カメラもロケも素晴らしい。役者も演技も素晴らしく、素直に感情移入できました。ハッピーエンドであー良かった・・・。 10点(2004-09-03 10:00:52) |
2. フェリーニのアマルコルド
思春期の主人公とこれをとりまく家族や悪友達、教師と司祭、逞しく美しいイタリア女性達、リミニの街を愛する哲学者、眼の見えないアコーディオン弾き、赤鼻の豆売り…、そして祭とお葬式と結婚式、ファシスト、ムッソリーニの演説、アラブの首長の訪問、豪華客船レックス号の寄港…、様々な出来事、また、季節感に溢れた美しい風景、すべてがノスタルジックな想い出とやさしさに包まれて描かれています。「フェリーニのアマルコルド」とは、天才フェデリコ・フェリーニの夢と想像の世界なのかも知れません。想い出のデリケートなモザイク、コラージュのような感じ。ニーノ・ロータの音楽も哀愁に満ちて美しい。至福の2時間でした。 [映画館(字幕)] 10点(2004-01-26 14:48:25) |
3. 地獄に堕ちた勇者ども
ミラノの貴公子、ルキノ・ヴィスコンティによる深遠で、荘厳で、感動的な作品。副題は(ニーベルングの指環)「神々の黄昏」。ヒトラーのナチズムが蔓延していく重苦しい退廃的な時代の空気の中で、宿命の罠に引きずり込まれていく人々のあり様を、窮極の映像美で、雄弁に表現し尽くした見事な作品である。エッセンベック一族を翻弄しつづけたアッシェンバッハもまた、破滅の道を歩んでいたのであろうか。流される宿命を超越するためには、多数の理性の力と勇気とが必要ではなかろうか(「理性が眠るとデーモン(悪魔)が目覚める」)。私にとって古今東西、No1の映画です。 10点(2004-01-05 16:41:28)(良:1票) |
4. 嘆きのテレーズ
「天井桟敷の人々」、「悪魔が夜来る」、「北ホテル」、「ジェニイの家」のマルセル・カルネ監督のもう一つの代表作。シモーヌ・シニョレ、シルヴィ(→「舞踏会の手帳」での名演も忘れられません)…、名優達の名演も光り輝きます。フランス第2の都市、リヨンでのロケ、カメラワークも素晴らしい。ラストにかけて一気に緊迫感は高まり、ラストシーンでは、はっとさせられます。原作は、「居酒屋」、「女優ナナ」の巨匠エミール・ゾラの「テレ-ズ・ラカン」、自然主義文学の傑作を映画のリアリズムで表現した傑作です。 [映画館(字幕)] 10点(2003-06-04 13:55:53) |
5. 自転車泥棒
あまりにも哀しく、胸に迫りくる映画。敗戦後の貧しい社会情勢をリアリズム(ヴェリズモ)の手法で、見事に描ききった名作です。敗戦国、日本にもリアリズム映画の傑作があります。黒澤明「酔いどれ天使」、木下恵介「日本の悲劇」etc 10点(2003-05-28 14:41:32) |
6. イングリッシュ・ペイシェント
力作です。ベルトリッチ「シェルタリングスカイ」のような見事な映像美、「ゴルトベルク変奏曲」によるメタファー、洞窟壁画の躍動感、インドの文化、寝たきりの主人公の心の葛藤、戦火の中のロマンスが最高の映像表現に昇華されています。もちろんジュリエット・ビノシュも…、オスカーの名演です。 10点(2003-05-28 14:09:47) |