1. カサノバ(1976)
小汚い感もあるんだけど、どこかコミカルで温かい。 そして世界観の凝り様は素晴らしい。 醜女を追い回し、美人には相手にされず、道化なカサノヴァはどこへ行くのかと思うと、 流石フェリーニは哀愁漂うクライマックスへと誘って行く。 どうも忘れがたい愛着深い素晴らしい作品だった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-04-21 16:04:06) |
2. サテリコン
あまりに生々しい人間という動物の描写の数々は鮮烈だった。 脇役達があまりにもカメラ目線ばかりなので、カメラの存在を意識してしまい、妙に安く感じてしまった感はある。 登場人物達のいやらしい目つきや、衝撃的なシーンの数々が頭から離れない。 ボリュームがある作品だが、満足感はあまり感じなかった。 [DVD(字幕)] 6点(2013-01-20 02:51:23) |
3. ギャング・オブ・ニューヨーク
《ネタバレ》 序盤の生温さと違って、後半のカオスの描写は凄かった。 ヒロインには物足りなさを感じたが、ブッチャー役のダニエル・デイ=ルイスは好演で、完全に主人公を食ってた。 締め方が残念だったかな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-10-15 19:35:11) |
4. NINE(2009)
《ネタバレ》 8 1/2が、何かを足したり引いたりできないほどのクオリティーであり、そんな映画をどうやってミュージカルにまとめるのか興味があったので鑑賞しました。 感想を言えば、音楽を含めた内容や役者が薄過ぎると思います。 混沌かつ濃厚なスープの灰汁のようでした。 元々8 1/2の内容がシンプルであり、色々な仕掛けや演出、音楽によって芳醇な厚みをもっているものだと私は思っているので、それが無い本作を浅い内容に感じてしまったのも当然といえば当然だと思います。 歌詞の内容もあまりに安過ぎて、少し残念。 わざわざミュージカルを映画にする必要があったのだろうか。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2011-03-24 12:00:18) |
5. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
《ネタバレ》 幼少期に鑑賞して以来、細かな演出は記憶に残っていながらストーリーは憶えておらず鑑賞。 ジャックとエンゾが絶妙。 両者のキャラクターの素晴しさが堪能できました。 深海も怖いが、その深海に魅せられた二人の憧憬も若干怖かった。 笑えるシーンも多く、終わりも綺麗に感じられるので良作であると思う。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-16 22:57:33) |
6. 気狂いピエロ
今までに観た事もないような表現の数々に驚きはしたが、面白いと思える部分は少なかった。 まさにやりたい放題といった感じで、ゴダールのイマジネーションはどうなってんのかと驚嘆した。 色々な物事が詰まってる映画だが、それぞれの要旨を抜き出し、端的にまとめて繋げるとこういった映画になるのかといった印象だ。 ただ、何かを感じた部分もあれば、逆に煩わしさ、面倒くささを感じられる部分もあって、少々疲れた。 目新しさ、新鮮さ、インスピレーションを与えてくれるものとして観るのには良いと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2010-05-27 06:06:09) |
7. 甘い生活
《ネタバレ》 あまりに膨大な事柄が含まれすぎていて、脳がクラクラと揺れている。 天使の笑顔。 天使の声が聞こえず、思い出せもしないマルチェロのやり取り。 マルチェロと父親の間柄。 まるでマルチェロ、そして己の転落を表しているかのようなステイナーのオルガン。 その音色を聴くことが耐えられずにその場を離れるマルチェロ。 などなど、あまりに象徴的なことが多過ぎて、どうやっても脳裏に焼き付く映画。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-11-05 03:53:48)(良:1票) |
8. 失われたものゝ伝説
砂漠の映像美は良かったです。 まあただそれだけって感じかな。 ストーリーも可もなく不可もなくです。 ソフィアローレンは良く分からないキャラでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-06-17 17:19:30) |
9. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
《ネタバレ》 追加シーンは蛇足でしかない。 完全オリジナル版を先に見てしまったことが最大の後悔です。 [DVD(邦画)] 5点(2009-02-10 01:31:29)(良:1票) |
10. 道(1954)
犬と同じ次元に生きていた男の魂の遍歴。 なんといっても天使かと思えるほどのジェルソミーナの純情さには心が震えます。 音楽が豊潤で素晴らしい。 ジェルソミーナも哀れだが、ザンパノもとても哀れに感じ、愛着を感じてしまう。 特に、海に二人で行くシーンは微笑ましく、私は一番好きだ。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-02-10 00:37:50)(良:1票) |
11. ニュー・シネマ・パラダイス
《ネタバレ》 完全版を先に観たことをとても後悔した。 あんなに美しい最後があるだろうか!!!!! エンディングに入ったところで、心の隅にあるのは、ディレクターズカット版の最後・・・・。 あれを思い出すと、一気に盛り下がる。 完全版なんてあんな改悪品出して欲しくなかった。 ディレクターズカット版は観ないほうが良いです。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-02-10 00:30:31)(良:1票) |
12. 8 1/2
《ネタバレ》 思うに、人生における「閃き」を経験した人なら誰でも涙を流しながら共感する映画じゃないだろうか。 凝り固まっていた考えや、思考に霞がかかり、右往左往するしかなかった状況から解き放たれ、幸福感や希望が満ち満ちてゆくあの瞬間と感覚。 グイドの頭の中は、切迫した状況からくる焦りや、男性としての欲望、幼少期のトラウマ、両親への思いなどで埋め尽くされ、まさに混沌。 ただその混沌は、クライマックスではなんとも美しく、平和で楽しいが、少しの悲しみと哀愁を伴って昇華していく。 よく観れば分かるが、この映画には、唐突に出てくる意味不明な出来事や妄想は存在しない。 初見の観客を混乱させる原因は、現実と妄想の区別がつかないことただ一点のみであって、区別がつくようになれば、構成がシンプルなものであると気付くはずだ。 決して難解な前衛映画などではなく、実は驚くほどあっさりと理解出来る内容であり、それに加えて多くの人生を変える力を持つ作品だろう。 初見の方に申し上げるが、一回の鑑賞で投げ出さないでほしい。 きっと、素晴らしい映画体験の一つとなるはず。 [CS・衛星(邦画)] 10点(2008-12-12 02:10:36)(良:2票) |