1. 第9地区
《ネタバレ》 実に、面白かった。現代の世界にエイリアンが普通にいます的な設定や、ヨハネスブルグという街とオランダ名の主人公も斬新だった。また、異種族の間に横たわるであろう緊張感が無いのも面白かった。それ以上に主演のシャールト・コプリーが実に名優だ。久しぶりに俳優らしい俳優を見た気がする。この人に仕事が来ないようであれば、映画産業も終わりだなと思えたほどだ。難しいことは何も考えずとも、純粋に心から「面白い!」と唸れる作品である。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-23 11:08:12)(良:1票) |
2. ピアノ・レッスン
《ネタバレ》 軟禁調教してたらいつの間にか従順な奴隷になってたというエロゲやギャルゲばりの過程に最後まで苦笑い。普通に真面目にピアノレッスンしながら堕ちたというのならまだ話はわかるだが……。中途の愛憎劇が秀逸すぎるので却ってギャグ映画に見えてくるというか、結局ただその一点の違和感があまりに大きすぎたので最後まで観るのは苦痛だった。カナメだけが泥で出来た黄金の扇みたいなものか。ピアノ曲は総じて素晴らしい。役者さんの演技も抜群。が、何度も言うように「カナメ」をどう受け止めるかで評価は確実に分かれそう。 [DVD(字幕)] 4点(2009-05-08 23:45:11) |
3. 紀元前1万年
《ネタバレ》 まず一見してCGに金がかかってるのがよくわかる。サーベルタイガーが二度目に出てきたときだけは環境・反射光などに違和感があったものの、その他の部分では文句なし。丁寧な仕事が素晴らしいリアリズムを生み、それが圧倒的な迫力を生み出していた。エンドクレジットを観て「おや?」と思ったのが、脚本にハラルド・クローサーが名を連ねていたこと。まさか、とは思ったが、調べてみるとどうやら本当に今作で初脚本を手がけたらしい。その中身についてですが、どなたかが「ファンタジー」と書いてらしたように、これはファンタジーとして観た方がすんなり入り込めるかも知れない。じゃないと最初から最後まで違和感だらけ。しかしながら「大きな鳥」が出てくるシーンや「神の山」のシーンなど、ため息が出るほど上手い編集と演出には脱帽させられた。歴史物として観るなら4点、ただの活劇として観るなら8点。間を取って6点に、今回もいい仕事をしている音楽に+1点で7点献上。ところでその音楽、どうしても「キング・アーサー」の旋律を思い出してしまう(笑) [映画館(字幕)] 7点(2008-05-05 21:16:39) |
4. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
とても素晴らしく、そして面白い映画だとは思うんだけど、やはりどことなく「作られた世界」という感じが否めなくもない。スメアゴルが終始醸し出す違和感と同じだろうか。それでもスターヲーズよりはマシだとは思うけれど。圧巻なのは攻城戦。素晴らしい描写力だと思う。CGのガチャガチャだけで終わらない見事な編集だと思う。それ以外はイマイチ。 6点(2003-12-11 01:00:34) |
5. ラスト サムライ
まず最初にナベケンに拍手を送りたい。これは皆さん言われているとおり、ナベケンでなければこの映画は面白くなかったと思う。彼の存在感に10点つけたいですな。そしてこの超一流スタッフの技術の粋を集めた芸術大作の本格さに大拍手。ズウィックの細部まで練りこんだ作りこみ、ナイラのあまりにも美しすぎる衣装、ローゼンの息を呑むほど美しいカット、そして何と言ってもミスター・フィルムコンポーザー・ジマーの音楽。これを見た後では日本の時代劇は見れない。戦闘シーンも大迫力、効果音も秀逸、少しジマーの音楽がくどすぎるキラいはあったが、劇中のこの構成力と本物志向は、日本では永遠に作れない。無理。不可能。 ただ惜しむらくは、あまりにも美術の方が様式美すぎたところか。もっと泥臭いものにしても良かったと思う。-1点というよりは-0.5点なんだけど、トム・クルーズという大嫌いな俳優も含めて-1点。だがそれでもオススメできる。本年度最高傑作。内容やアラ探しだけで見る人は勿体無いと思う。隅々まで堪能すべし。 9点(2003-12-10 23:48:23) |