1. トイレット
《ネタバレ》 難しい映画ですね。 意味はいかようにも取れるのだけど、何かメッセージ性があるのかと言うとそれも微妙なんだよね。なんだか、踏ん張りきれないものがある気がして。 例えば、ラストの大オチに関して言えば、物凄くブラックなオチなんだけど、そのオチを持ってくる上でのカタルシスが不十分な気がするんだよね。最後まで綺麗に流して観られるように作るのは日本の映画には多いのだけど、ここでそんな綺麗な流し方をしても爽快感を味わった気分になれない気がします。ばあちゃんの重要な一言も脚本上のキーワードとしてラストでもう一度使うチャンスがあったと思うのだけど、そこまでまくりきれなかったところが残念。(と、ここまではタイトルに引っ掛けた感想) 全体を通してみると、ちょっとストーリーにバランスの悪さがあるように感じられます。特に前半は後半と比べると、物凄く観ている側を引きつける様なものが無くて、ただ単に人物のプロフィール紹介に近いことしか出来ていない気がしました。だから後半のテンポの良さに比べて、前半部分がやたらと時間が掛かっているようなきがしています。それと登場人物の生かし方が勿体無さ過ぎ。かなり個性的なキャラクターを出しているのに有効な使い方が出来ていない。前述したとおり、キーワードの使い方が不十分だし、オタク(Geekと使われているけど、どちらかといえばNerdの方が正しい気がします)に対しても非常にステロタイプでその辺の描き方に監督自身があまり理解していないという印象が強く残りました。後半に進むに従って面白くなるのだから、前半でちゃんと観客に対しての心の引っ掛かりみたいなものをしっかりと作った方が良かったんじゃないかと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2011-05-22 17:41:46) |
2. ノーウェア・ボーイ/ひとりぼっちのあいつ
ジョン・レノンの青春時代を描いた伝記であるが、描かれているのは彼のビートルズに至るまでの家族について非常に良く捉えた怪作だと思う。ビートルズファンやジョン・レノンのファンであれば彼の家庭環境を知っている人も多いと思うが、そうでない人、或いは全くビートルズを知らない人が見ても楽しめるように出来ているのは好感を持つ。変な話だけど、ジョン・レノン役のアーロン・ジョンソンが非常にジョン・レノンっぽい顔立ちをしていて、それがまた感情移入させる結果に繋がっているように思う。音楽も非常にセンスが良く、どこぞの国のバンドをメインにした話なんて目ではありません。 [映画館(吹替)] 8点(2011-01-12 12:28:33) |
3. メタル・ブルー
この「アイアン・イーグル」シリーズの中でも、この2作目は正直出来が悪いと思います。音楽は非常にテンションが高くて良いけど、戦闘機のアクションはかなりチャチになっているし、ちょっと戦闘機マニアが観ると、機種にツッコミが入るんだよね。それも撮り方があまり芸が無い分、非常にちゃちななおもちゃを撮っている様な感じに見える事がある。それを考えると「空軍大戦略」って、もの凄く工夫をしてるよな、って思わず思っちゃいました。 [映画館(字幕)] 6点(2010-10-31 23:31:39) |
4. 300 <スリーハンドレッド>
アメリカ人がいかにも好きそうなマッチョな映画という所から抜けきらない気がしてならない。戦闘シーンは派手だが、血しぶきが飛んだり、首が宙を舞っても、いつもならこういうシーンが苦手なあたしが平然と見られたというところに、ちょっと薄っぺらさみたいなものを感じてしまう。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2008-12-23 09:49:20)(良:1票) |
5. マイ・ビッグ・ファット・ウェディング
これって別にギリシャに限った事ではないなぁ、と楽しみつつ見てました。別にスペインでもイタリアでも成立するのだと思うけど、敢えてギリシャなのがまた滑稽に見えるんだろうね。でも、日本だって名古屋の嫁入りとかあたしの住んでいるとこみたいな田舎に感覚が似ているんじゃないかな。(笑)そう思うと余計に楽しかったですね。まぁ、表現としてちょっとばかり行き過ぎている感がしないでもないけど、これは映画なんだからOKでしょう。主演の女優はこれがまた演技が物凄く上手いなぁと思いました。凄く自然に見えて不自然な雰囲気を出したり、その逆を見せたりとこの辺の上手さは舞台出身者に多い気がすると思って調べてみたら、「セカンド・シティ」に所属してたっていうじゃないですか。なんとなく納得でした。大当たりする映画じゃないですけど、コメディとしてもちゃんと誰が見ても判る作りをしてあって、良質な映画だと思いますね。 8点(2003-08-05 19:41:19)(良:1票) |
6. ボウリング・フォー・コロンバイン
いやー、予想以上の反響だね。下手なコメディより笑えるし、下手な感動作より泣けるし、感動もする。これはドキュメンタリー映画の強みなのかもしれないけどやっぱり人に訴えかける力は他の映画よりもあるよね。一番驚いたのはエンドクレジットで席を立つ人が全然居なかった事。老若男女問わず100人くらい居たと思うけど、誰一人立ち上がろうとしなかった。過去にそういうことがあったのは12年前に一度あるんだけど、55席の映画館でわずか7人の観客だからあまり比較にならない。(笑)カナダの家では家に鍵をかけない、アメリカでは鍵をかけるというのはプログラムにも書かれている事だけど、日本の都市部と地方(田舎)の違いを思い出しますね。あたしんところも田舎だから鍵をかける家は少ないんだよね。なんかそういう構造的な部分を考えさせられたのがあたしには大きいですね。あと、マス・メディアの実態についても考えされられたね。実際にあたしの住む場所の近辺で最近大きな事故があって、そこに取材カメラと現場レポーターが来ていたのだけどそれが映画の中で髪の毛のセットを気にしていた取材陣とよく似ていました。【kikaiya】さんがチャールトン・ヘストンへのインタビューは鼻につくと言う意見にはあたしは疑問。ただの広告塔に過ぎないとしても、それはNRAの問題であって、外部の人にはまったく関係の無い事だからね。逆にNRA内部の問題を露呈した形になって、あたしは良かったような気がします。全体的にはエンタテーメントとしてもドキュメンタリーとしても間違いなく良くできていると思う。ただ、ちょっと気になったのが映画の中で時折使用されていた記録フィルムと同時に語られる言葉について、間違っている、もしくは誤解を生むような映像なんじゃないかというのが幾つかある。でも映画として問題にしたい事は間違えてはいないから問題は無いのかもしれないです。 10点(2003-05-23 18:39:53)(良:1票) |
7. X-ファイル ザ・ムービー
テレビシリーズを見ていないので、正直な所わけが判らない部分がありました。見てたら判ったのかどうかも怪しいですが。映画としてはテレビの影響かも知れないけど、時間内に纏まっていない感じがあって、じつはそれが一番不満でした。1本の映画としてもっとちゃんと見せたほうが良かったんじゃないでしょうか。 5点(2001-09-27 19:51:36) |
8. パラダイス(1982)
ブルック・シールズよりフィビー・ケイツの方が好きだったから、あたしゃこれ好きですよ。「青い珊瑚礁」の性描写よりもキツめなのもグー(笑)2番煎じを当時はかんじさせなかったなぁ。 7点(2001-09-14 20:05:55) |
9. トーク・レディオ
オリバー・ストーンの力作だと思う。日本でもこの様な形式のラジオ番組はあるけど、ここまで過激じゃないです。徹底的に憎まれ役をやり続け、聴衆からは非難の嵐。人間の狂気の一端を垣間見る事が出来たと思える作品でした。 9点(2001-09-04 18:40:55) |
10. アポロ13
これ、実話だけに結末は判っているんだけど、最後に通信が回復した瞬間、感動的でした。実話がネタにされてるといやがうえにも感動させられますね。この手の映画が出来ると押し付けがましくなるもんだけど、それも少なかったかな。時代背景がもうちょっと判るように撮られてたら良かった様にも思うけど、多分その辺を取ると無用な尺が出来て、間延びするんだろうなぁ。そういう意味で、後にトム・ハンクスが監修したTVシリーズでアポロ計画を補完した格好になったようで、物足りないと思った部分が多少解消されたカナ。 8点(2001-07-16 18:11:59) |