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ゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 614
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

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1.  パワーレンジャー(2017) 《ネタバレ》 
 「パワーレンジャー」(1995年)「パワーレンジャーターボ/誕生! ターボパワー」(1997年)と併せて、三作連続で鑑賞したのですが……  前二作はテレビシリーズの劇場版という趣が強い為、予備知識無しで楽しめたのは本作のみでしたね。  単純に出来栄えとしても、三作品の中では一番良かったんじゃないかと思います。   ただ、それは「シリーズの中では一番面白い」というだけであり、純粋にコレ単品で評価するとなると……結構厳しいです。  学園物なテイストを盛り込んだのは悪くないと思うし、ちゃんと巨大ロボットも登場して「戦隊物に必要な事」は最低限やってくれているんですが、どうも物足りない。  映像のクオリティも高くて「本気でリブートする」「続編を何本も作れるような、人気シリーズにしてみせる」という心意気は伝わってきたんですが……残念ながら、その熱意が面白さに繋がっていないんですよね。  ちょっと酷な言い方をするなら「熱意は感じるけど、センスは感じない映画」って事になっちゃうと思います。   いや本当、悪い映画って訳じゃないんですけどね。  元々自分が特撮ヒーロー物を好きってのを差し引いても、一定のクオリティは有って、娯楽映画として及第点に達してると思いますし。  超人的な力を手に入れて喜ぶ姿とか、皆で焚火を囲んで絆を深める場面とか、若者達が主役ならではの「青春映画」としての魅力も描けてたと思います。   でもやっぱり、作り手にセンスが欠けてるというか……  例えば、絶体絶命の場面でブルー(元いじめられっ子)が主人公のレッドに「友達になってくれて、ありがとう」と伝える場面とか、演出次第で、もっと感動的に出来たはずなんです。  なのに本作は(えっ、何で?)と戸惑うくらい、そういうオイシイ場面をアッサリ流してしまう。  それはレッドが父親を助ける場面も然りであり「父親がレッドの正体に気付く」とか「喧嘩しがちだった二人が和解する」とか、いくらでも面白い展開に出来たはずなのに、ただ助けるだけで終わっちゃうんですよね。  本当に勿体無くて、観ていて焦れったい。   エピローグにて「新たな戦士」の登場を示唆する一方で、倒しそびれた敵などが存在しない辺りは「観客にモヤモヤを残さない、誠実な作り」と褒める事も出来そうなんですけど……  何か、さっきから「作り手の誠意」ばかり褒める形になっていて「映画の面白さ」を褒められないのが、寂しい限りです。   「好きな映画」とも「面白い映画」とも言えそうにない。  でも、絶妙に嫌いになれないという、不思議な感じ。   粗が有るのは分かってるけど、何とか肯定してあげたくなる。  「ヒロインや女怪人が可愛いってだけでも充分じゃん」とか、そういう軽いノリでフォローしたくなる。  まだ半人前だけど、頑張って戦ってるヒーローを応援したくなるような……  そういう「応援したくなる映画」っていうのが、一番的確な評かも知れません。
[インターネット(吹替)] 5点(2023-07-19 19:27:16)
2.  ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝 《ネタバレ》 
 始皇帝暗殺を題材にした「HERO」(2002年)を踏まえた上で鑑賞すると、今作でジェット・リーが始皇帝を模したキャラを演じてるのって、感慨深いものがありますね。  敵の強さや、スケールの大きさという意味合いでも今作がシリーズで一番だろうし、貴重な「悪の親玉であるジェット・リー」が拝めるってだけでも、一見の価値有りな映画だと思います。   ただ、面白さという点に関しては……正直、結構厳しいです。  エヴリン役が他の女優さんに変わってるとか、アレックスが幼児から大人に急成長してるのに戸惑うとか「続編映画ならではの違和感」も大きいんだけど、そういうの抜きで単品として評価しても(えっ、何で?)と思っちゃうポイントが多いんですよね。   上述のジェット・リー演じるハン皇帝にしたって、中盤で見せる三つ首の竜の姿が迫力満点だったのに、終盤では竜に変身せず、人型のまま倒されちゃうというんだから、もうガッカリ。  唐突に出てきて「雪山以外じゃ活動出来ないから」とばかりに、唐突に姿を消しちゃうイエティも、また然りですね。  せっかく魅力的なモンスターを登場させてるのに、それを活かし切れていなかったと思います。   他にも、前作と違って「死に際まで互いを救おうとする悪のカップル」を描いてるのは良いんだけど「彼らが強く愛し合ってる」という伏線が無いから、唐突で感動出来ないんですよね。  最後のオチが「ペルーでミイラが発見された」っていうのも、凄く微妙。  ガッカリした気分のまま映画が終わっちゃうので、何だか映画全体の印象まで悪くなっちゃいます。    そんな訳で、三部作の中では明らかに見劣りする出来なんだけど……  シリーズのファンとしては、文句ばかりじゃ寂しくなるので、以下は良かった点を。   まず「リックが二丁拳銃で戦う場面がある」って事に関しては、素直に嬉しかったですね。  時代設定に合わせ、主武装はマシンガンになっているのに、ちゃんと序盤で二丁拳銃姿も見せたっていうのは、ファンサービスとして正解だったと思います。  中華街を馬車で暴走したりとか、前作のようなカーチェイス場面があるのも嬉しい。  新たなヒロイン格となるリンも可愛かったし、特に「不死の命を捨てて」と言われ、嬉しそうに微笑む場面なんかは、胸がときめくものがありましたね。  アレックスと彼女の恋路が、悲劇に終わったりせず、無事に結ばれる結末であった事にも、ホッと一安心です。  やっぱり、このシリーズにはハッピーエンドが似合うと思います。   なお、2022年現在「ハムナプトラ」の四作目は作られておらず「ペルーのミイラ」がどうなったかについては、謎のままとなってる訳ですが……  きっとリック達なら、何時ものようにミイラを倒して、そして世界を救ってみせちゃうんでしょうね。   更なる続編があるのなら、アレックスとリンの間に生まれた子供。  つまりは、リックの初孫なんかが登場する事にも、期待したいものです。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2022-09-11 15:48:43)
3.  ナイト ミュージアム2 《ネタバレ》 
 「主人公のラリーが夜警を辞めて、社会的に成功してる」って設定、本当に必要だったの?  ……って思っていたら、ちゃんとラストにて「必要だった」と納得させられる作りなのが良いですね。   本来、ラリーが夜警を辞めているなんて設定、前作のファンとしては到底納得出来ないはずなんです。  でも、作中にて息子のニッキーやジェデダイアが「どうして夜警を辞めちゃったのか」と文句を言ってくれるから、観客である自分としても「そうそう、その通り」と頷かされて、映画との一体感を味わえるし、最後まで観れば (なるほど、博物館に寄付するオチの為に金持ちにしておいたのか)  と、大いに納得。  この「序盤にて抱かされた疑問と不満が徐々に薄まり、最後にはスッキリ消えて無くなる」って構成は、中々気持ち良かったです。   ただ、全体的に考えると……面白さって意味では、前作より見劣りしてしまうかな?  「ジェデダイアとオクタヴィウスの友情」とか「自らが作り物の人形であると悟る切なさ」とか、前作にあった長所はキチンと引き継がれてるんだけど「色々と説明不足なゆえに、観ていて戸惑うストーリー」っていう短所まで、しっかり引き継いじゃってるんですよね。  ヒロイン格であるアメリアとの恋物語は唐突過ぎて応援する気になれないし、ジェデダイアが敵の人質になる場面でも (そもそも彼は人形なので、砂時計に閉じ込められても死ぬって事は無いのでは?)  と思えちゃって、緊迫感が湧かない。  終盤の展開もグダグダで、巨大なリンカーン像が援軍に来てくれて一件落着と思ったら、なんかアッサリ帰って再び窮地になるし……  場面場面は悪くないので「こういう場面をやりたかった」っていう作り手の考えは分かるんだけど、場面の繋げ方が雑なもんだから、不自然さが生じてるんですよね。  パソコンを駆使してサポート役を務めていたニッキーが、途中から全然出てこなくなる(博物館改装後に、ようやく再登場)ってのも構成として如何なものかと思うし……  この辺に関しては、あまり誉める気にはなれませんでした。   とはいえ「1には無くて、2で新たに生まれた良さ」も、ちゃんとあったりするので、決して嫌いではないんですけどね。  ダース・ベイダーが出てくる場面や「携帯電話を拾った水兵が、後のジョセフ・モトローラだと判明する」オチには、ニヤリとさせられましたし。  棒術ならぬ懐中電灯術を駆使して敵を倒すラリーの姿も、正に痛快無比って感じ。   何より前作のラスト同様、今作でも最後は「楽しい博物館」を描いて終わる形になってるのは、凄く良かったです。  前作は「夜の博物館」という、閉ざされた楽園の中で秘密の祭りを楽しんでる感じでしたが、今作はそこに客を呼び込み、より「博物館らしい魅力」を打ち出す終わり方になってましたからね。 (この博物館、行ってみたいな)  と感じさせてくれたんだから、やはり良い映画だと思います。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2022-04-14 06:18:57)(良:1票)
4.  レッド・ブロンクス 《ネタバレ》 
 配給側が「ジャッキー・チェンこそが世界最大のアクションスターであると、世界中の皆に教えてみせる」という気概を持ち、並々ならぬ熱意で宣伝したという一作。  その甲斐もあり、ジャッキーの悲願であったハリウッド進出を成功させた、記念すべき作品なのですが……   所謂「ジャッキー映画」の中では、際立った傑作というほどではないというのが、少し寂しいですね。  (他にも良い映画は一杯あるのに、これを観るまで全米はジャッキーの魅力に気付かなかったのか)って、つい思っちゃいます。   とはいえ、商業的に成功しない事には始まらないんだとばかりに「米国でウケる為のアレコレ」を映画に盛り込んでいる辺りは、結構微笑ましく、また興味深くもありましたね。  この辺りは、ジャッキーの「芸術家」としての拘りとは違った「プロフェッショナル」としての懐の広さを感じられます。   アジア人以外の俳優も多く起用し、対話の大部分を英語にしてる辺りなんかが、特に顕著。  自伝によると、ジャッキーも「できるだけ国際的な香港映画」を目指していたようで「これは香港映画である」という信念は崩さないまま、可能な限りの配慮を行ったのが窺えました。   映画の完成度は高いとは言えず(香港に恋人がいるって設定、必要だった?)とか(最後ホバークラフトを使わなきゃ黒幕を逮捕出来ないって、無理矢理過ぎない?)とか、色々ツッコミ所は多いんだけど……  自分としては、そういった粗の数々も含めて楽しめちゃいましたね。   「アジア人の主人公が、治安の悪いブロンクスで生活している内に、美女二人と良い仲になり、車椅子の少年と友達になったりする」ってストーリー展開も、非常に好み。  「主人公はカンフーの達人である」と分かる場面を序盤に挟んであったりして、ジャッキー・チェンという存在を知らない観客に対し、丁寧な作りになっている点も良いですね。  これって、一見すると何気無い場面だけど、実は「ハリウッドで成功する為には、絶対必要な描写」だったと思いますし。  商業的な成功が、必ずしも傑作の条件という訳ではありませんが、こういう「目的の為に必要な事」をキチンと行ってる映画って、観ていて嬉しくなっちゃいます。   序盤、不良グループが好き勝手に暴れる件は陰鬱だけど、それだけにジャッキーが「お前らはクズだ!」と断言し、彼らを倒してみせる流れが痛快。  そこで悪い奴らを倒して「めでたし、めでたし」で終わらせず、彼らを改心させ友情が芽生えるって展開にした辺りも、ジャッキー映画らしい魅力があって好きですね。  欲を言えば、後半にその「和解」っぷりを活かし、彼らと共闘して巨悪を倒すような展開にしても良かったんじゃないかって思えるんですが……まぁ、それは贅沢な要望でしょうか。   終盤の、海から上陸して市街地を暴走するホバークラフトという展開に関しても、文句無しの迫力があって良いですね。  車に剣を添えて、擦れ違いざまにタイヤを切り裂くという「ホバークラフトの倒し方」も、恰好良くて好き。  本作が成功した理由としては、この場面も大きかったんじゃないかなって思えます。  つまり「ジャッキー・チェン特有のアクション」を求めていない観客でも満足出来ちゃうような「見せ場」が用意されている訳であり、それが客を呼ぶ一因になってくれたんじゃないかと。   それと、自分としてはスーパーの店主になったエレインってキャラが、凄くお気に入りなんですよね。  話の筋としては、ダニー少年の姉であるナンシーの方がヒロインっぽいんですが(エレインと結ばれて欲しいな)って、そう思えたくらい。  でも、ダニー少年も良い子なので、彼を喜ばせる為にはナンシーと結ばれた方が……とも思えるしで、そんな歪な三角関係が、妙に好きなんです。   ストーリー展開よりも「主人公周りの設定」「ヒロインや脇役」が魅力的っていう意味では、映画よりも、むしろ連続ドラマ向きの題材だったのかも知れませんね。  元々のプロットも「主人公は留学生で、スーパーマーケットで働いている」「様々な苦難を乗り越えて異国に馴染んでいき、周りの人々と友情を育んでいく」って形であり、一本で終わる映画よりも、何話も使えるドラマの方が面白くなりそうですし。  そうしたら、最終回にて香港に帰る主人公を、寂しそうに見送るダニー少年とか、向こうに恋人がいると理解しつつも諦めきれないヒロイン達とか、そんな展開に繋がったかもと考えたりするのが、何だか楽しい。   完成度も低く、粗も多いだけに、妄想で補う楽しみもあるという……  そんな一本でした。
[DVD(吹替)] 7点(2021-06-10 08:04:43)
5.  タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら 《ネタバレ》 
 イーライ・クレイグ監督のデビュー作にして、現在僅か二本しかない監督作の内の一本。   本当、こう書いていて自分でも「何故?」と戸惑っちゃうくらいですね。  これだけ面白い映画でデビューを飾った監督さんが、七年後に発表した「リトルデビル」(2017年)を除いては殆ど仕事していないだなんて、全くもって不思議。  名優サリー・フィールドの息子さんだし、経済的にも余裕があって、無理して働く必要は無いって事なのかも知れませんが……  自分としては「もっと色んな映画を撮って欲しいなぁ」って、切実に思っちゃいます。   で、この度、感想を書くに当たって久々に観賞したのですが、初見の衝撃を抜きにしても、やっぱり面白かったですね。  スラッシャー映画をパロった内容なんだけど、既存のスラッシャー映画を馬鹿にして笑いを取るような真似はせず、むしろ愛情を感じる作りになっているのが、実に嬉しい。  例えば、タッカーがチェーンソーを振り回す場面は「悪魔のいけにえ」(1974年)が元ネタだろうなと思えるし、唯一生き残った女性を殺人鬼が妊娠させるというのは「罰ゲーム」(2006年)が元ネタだったりするのかなぁと思えるしで、古今東西、メジャーからマイナーまで幅広く色んな品を研究して作ったのが窺えるんですよね。  作り側と観客側とで「オタク心の共有」「仲間意識」のようなものを感じられて、観ていて楽しかったです。   残酷な場面も多いはずなのに「よそ見して走ってたせいで串刺しになる男」にも「ウッドチッパーに自分から飛び込む男」にも、思わず笑っちゃうようなユーモアを感じられて、不愉快にはならないというバランスに作ってある点も凄い。  本作は「色んなスラッシャー映画を観ている人」ほど楽しめるように作られている訳ですが「殆どスラッシャー映画を観た事が無い人」が観ても、意外と楽しめるんじゃないかなぁ……って思えるくらい、その辺りの配慮が上手かったです。   本来なら主人公になってもおかしくない「キャンプにやってきた学生達のリーダー格」であるチャドが、殺人鬼に変貌するという捻った脚本なのに、裏切られた感じがしない点も良いですね。  序盤から「田舎者を見下す」「ヒロインに無理やり言い寄る」などの場面を描いておき、チャドが「嫌な奴」である事を匂わせておいたからこそ、急展開になっても納得出来た訳で、本当に丁寧な作り。   冒頭の「殺人鬼が暴れる後日談」にて、火傷したチャドの顔を見せておき、別荘が焼け落ちてチャドが火傷した場面にて(あぁ、あの殺人鬼はコイツだったのか……)と観客に覚らせる構成なのも、上手かったと思います。  彼の父親も武器を投げて獲物を仕留めるスタイルだった為、作中にてやたらと「チャドが武器を投げる場面」が挟まれていた事も、正体判明シーンへの、良い繋ぎになっていたんじゃないかと。   そんな殺人鬼側の描写だけでなく、主人公となる二人組「タッカーとデイル」の描き方も、凄く良かったですね。  巨大な鎌を持ったままで女の子に話し掛け、怯えさせちゃう場面とか「見た目は怖いけど、中身は純朴」と、観客に納得させる力がある。  「駄目男なデイルを、タッカーが色々フォローしてあげている」という二人の関係性を描いておいた上で、タッカーがデイルに「お前は本当は凄い奴なんだ」と諭し、奮起させる展開に繋げるのも上手かったです。  ボーリング場にて、デイルの知人であるB.J.も美女とトラブルを起こしてしまい(デイルみたいに、これがキッカケで彼女と結ばれるのでは?)と予感させて終わる辺りも、良い〆方でしたね。  ・「聞いたことは全部覚えちまう」というデイルの特技が「お茶の成分で急性アレルギーを引き起こさせる」くらいの使われ方しかしなかったのは残念。 ・チャドというキャラクターが「蛙の子は蛙」「殺人鬼の子は殺人鬼」というメッセージ性を秘めているように思える辺りは、観ていて居心地悪い。   といった感じに、気になる点もあるにはありましたが……まぁ、この辺りを突っつくのは「不満」「文句」というより「贅沢な要求」って感じですね。   そんな本作が「殺人鬼の子は殺人鬼」という形で終わってしまった事は、監督の次回作「リトルデビル」にて「たとえ父親が誰であれ、人はなりたい自分になれる」というテーマを扱っている事と、無関係ではないのかも知れません。  興味がおありの方は、是非「リトルデビル」も観賞して、その辺りについても確かめて欲しいものです。
[DVD(字幕)] 7点(2019-10-01 18:50:50)(良:2票)
6.  エスター 《ネタバレ》 
 「オーメン」という有名過ぎる先例がある事が、良い目晦ましになっていましたね。  それによって、悪役であるエスターの勝利エンドとなる可能性もあるのでは? と思えたし、最後まで結末を読めないまま楽しむ事が出来ました。  この映画が2009年製であり、三年前にあたる2006年には「オーメン」のリメイクが公開されていた事を考慮すると、作り手側も意図的に「オーメン」とは異なる「悪が退治されて、めでたしめでたし」エンドを選んだんじゃないかな……って気がしますね。  DVD特典の未公開エンドでも、エスターが逮捕される事を示唆する終わり方でしたから。   そんな具合に、基本的には「面白かった」「充分に楽しめた」という一本なのですが、ちょっと気になる点もチラホラ。  まず「襲われるかと思ったら、実は大丈夫だった」という肩透かし演出を何度も繰り返す点に関しては、正直キツかったです。  作り手の意図としては「本当に襲われちゃう場面」の衝撃を強める為、あえてブラフを重ねておいたのかも知れませんが、流石にこれだけの頻度でやられると(もういいよ……)とゲンナリしちゃいましたからね。  この辺りの「ハッタリの積み重ね」を、もっと少なめにしてもらえたら、より自分好みな映画になっていた気がします。   エスターのジョンに対する愛情が、本物だったのかどうか曖昧なのも、クライマックスにおける集中力を削ぐ効果があって、勿体無かったです。  「エスターなりに本気でジョンを愛していた」でも「単なる性欲に過ぎなかった」でも、どっちでも構わないから、ハッキリした描き方をして欲しかったんですよね。  仮に前者の場合なら、エスターが彼に惹かれるキッカケを丁寧に描くべきだったと思うし、後者の場合なら、彼に拒まれた際にあんなに泣く事は無いだろうと思えるしで、どうも中途半端でした。    翻って、良かった点はといえば……やはり、エスター演じるイザベル・ファーマンの熱演が挙げられそう。  劇中における「三十三歳の素顔」は特殊メイクなのでしょうが、本当にそちらが素顔なんじゃないかって思えるくらい、劇中のキャラクターと一体化していましたからね。  ジュースを欲しがって、それを拒否されたら寂しそうに俯き大人を騙す場面や「殴る?」と挑発する場面など、幼い子供という立場を活用する「狡い大人」としての姿に、真に迫った説得力があったんだから、お見事です。   そんなエスターの正体が明かされていく流れを、丁寧に描いている点も素晴らしい。  最初の出会いや、養子としてコールマン家に貰われていく序盤の段階では「天使のような良い子」という印象を与えた上で、少しずつ「この娘、どこかが変だ」と思わせていく構成になっているんですよね。  特に感心させられたのが「パパに構って欲しがるダニエルと、そんな彼に見せ付けるようにパパに抱き付き甘えるエスター」という場面。  ここって、普通に考えれば「子供っぽい独占欲の発露」でしかないはずなのに、観ていて微かな違和感を覚えちゃうっていう、そのバランスが絶妙なんです。  ブレンダを突き落とす場面や、尼さんを殺害する場面で一気に衝撃を与える形ではなく、事前にそういった伏線を張っておき、猜疑心や恐怖心を徐々に高めていく形にしたのは、本当に上手かったと思います。   ケイトがアルコール依存症、マックスが聴覚障碍者であるという設定に、きちんと意味のある脚本だった点も良いですね。  特に前者は「ケイトが酒の誘惑に打ち勝った事を観客は知っているのに、酒を飲んだんだろうとジョンに責められてしまう」という展開への繋げ方が上手くて、本当にやるせない気持ちになるし、その分だけケイトを応援したい気持ちにもなる。  また、それによって「妻のケイトはエスターを疑っているのに、夫のジョンはエスターの言う事を信じている」という状況設定にも、説得力を与えていたと思います。   エスターが細かく肉を切り分けて食べる事すら伏線だった(歯がボロボロだから細かく切る必要がある)のには感心しちゃったし「薔薇のプレゼント」「万力で自らの腕を折る」場面なんかも、ショッキングで良かったですね。  白い雪原に、黒いコート姿のエスターが立っているコントラストの美しさには見惚れちゃったし「光を当てる事によって、絵の中に隠された別の一面が見えてくる」場面の衝撃も、忘れ難い。   自分は冒頭にて「オーメン」を「有名過ぎる先例」と評しましたが、この「エスター」もまた、今後「悪の子供」をテーマにした映画が製作される度に引き合いに出されるような……  そんな、スタンダードな品になっていく気がします。
[DVD(吹替)] 7点(2019-09-27 12:03:22)(良:2票)
7.  ロード・キラー マッド・チェイス<OV> 《ネタバレ》 
 かなり間を置いて作成された「ロード・キラー」(2001年)の続編。   ただ、自分が前作で好きだったのは主に主人公兄弟の方であり、ラスティ・ネイルという殺人鬼キャラには魅力を感じなかったもので……  「あのラスティ・ネイルが帰って来た!」と言わんばかりの内容にされても、今一つノリ切れなかったのが残念でしたね。  「雨が好き」という台詞に「顎を外す」という所業など、前作との繋がりを感じさせるシーンも出てくるんだけど、あんまり物語上の必然性みたいなのは無くて「とりあえずファンサービスでやっておきました」感がありました。    「ソウ」(2004年)や「ホステル」(2005年)の後追いをした形なのか、やたら拷問描写をしつこく描いてるのも困り物。  この辺りは「前作よりもショック描写がパワーアップした」と褒める事も出来そうなんですが「ロード・キラーは血生臭い描写が控えめであり、ライト層の観客でも楽しめるように作ってある点が良い」と感じていた自分にとっては、どうも受け入れ難いのですよね。  観る側の好みの問題でしかないのですが、本作に関してはパワーアップどころか、前作にあった長所を投げ捨てたように感じられました。   また、前作のフラー同様「余計な事をやらかして殺人鬼に狙われるキッカケを作る」枠として、ニックというキャラが登場しているんだけど、どうにも憎めなかった前作のフラーと違って、本当に(なんだコイツは)と思ってしまうくらい憎たらしいキャラであった点なども、観ていて辛かったです。  人が誘拐されている緊急事態なのに「これ買うのに二日も並んで待ったんだ」と携帯電話が壊れるのを嫌がったりする姿とか、本当にゲンナリしちゃったんですよね。  ラスティ・ネイルも「娼婦や窃盗犯に天罰を下す、カリスマ性のある殺人鬼」みたいに描かれているのが気になるし、どちらか片方ならともかく、主人公側にも悪役側にも観ていて嫌悪感を抱くようなキャラがいるってのは、流石にキツかったです。   それでも脚本がしっかりしているとか、演出が上手いとかなら観ていて楽しめたのでしょうが、そちらに関しても褒められず仕舞い。  例えば「死体の指を切り取る為に、遺体安置室に潜入する」パートでも、主人公が見つかりそうになってハラハラさせるだけさせておいて「職員と鉢合わせするかと思ったけど、たまたま上手くタイミングがズレて見つからずにすみました」なんて形で済ませちゃうもんだから、どうにも物足りないんですよね。  こういう場合は「主人公が機転を利かせて、上手く隠れる」とか「仲間が物音を立てて気を引いている隙に、その場を離脱する」とか、そういう要素があっても良いんじゃないかと思えました。   トラックが爆発炎上しながら崖を落下するクライマックスなんかは中々迫力があって良かったし「正当化が許される悪事は無い」という台詞には感心するものがあったりとか、一応長所も見つかるんだけど、短所の方が多かった気がします。  最後にはお約束の「実は殺人鬼は死んでないオチ」になるというのも、ひたすら後味が悪いだけで、爽快感無し。   ちなみに、本作には「ロードキラー デッド・スピード」(2014年)なる続編もあるのですが「今度はワイルド・スピードをオマージュして、カーチェイス要素増し増しにしてみたよ。残虐描写も更にパワーアップさせたよ」って感じの内容であり、これまた好みとは言い難い品だったのだから、困っちゃいますね。  もしかしたら「ロード・キラー」(2001年)が物足りなかった人の方が、スプラッター映画としての続編二つを、素直に楽しめるのかも。   いずれにしても、自分の好みとは言い難い、残念な一品でした。 
[DVD(吹替)] 3点(2019-02-27 21:51:34)
8.  カオス(2005) 《ネタバレ》 
 ジェイソン・ステイサムとウェズリー・スナイプスといえば、ヒーローも悪役も貫禄たっぷりに演じられるのが強み。   そんな二人の悪役っぷりを同時に堪能出来るという、非常に貴重な一本なのですが……  改めて観返してみると、二人が同じ画面に映っているシーンが殆ど無かったりしたもんだから、ちょっと寂しかったですね。  この後「エクスペンダブルズ3」にて本格的な共演が果たされた訳だけど、あちらでは二人ともヒーロー側だった訳だし、出来れば本作にて「悪役同士」ないしは「刑事と犯人の対決」という形での共演を、じっくり披露して欲しかったものです。   とはいえ、映画単品としては手堅く纏まっており、変に期待値を上げたりしないで観賞すれば、充分楽しめる出来栄えじゃないかと思えましたね。  粗野な中年刑事と、大学出のスマートな青年刑事によるバディムービーかと思いきや、片方が途中退場して真の黒幕だったと明かされる展開なんかは、この手の刑事物を沢山観ている人ほど騙され易く、新鮮に感じられるんじゃないでしょうか。  とにかくステイサム演じるコナーズが周りから悪口ばかり言われるもんだから、普通なら彼が強盗事件を解決し、周りを見返してやる結末になるはずなのに、本作に限っては全く逆で「彼を非難していた連中の見解が正しかった」と言わんばかりの結末を迎えるんだから、実に皮肉が効いています。  1:犯人が人質を殺した事を、コナーズが責める。 2:コナーズの出した紙幣をシェーンが財布に仕舞う。 3:押収品の紙幣には、特殊な香りが付けられている。   といった場面が印象的に描かれており、それらが伏線だったと明かされる流れも気持ち良い。  本作は「主人公が犯人だった」という叙述トリックを用いているのですが、バディムービーという体裁を取って、自然な形で主人公格を二人用意し、観客が感情移入させる対象をコナーズから青年刑事のシェーンへと自然に移行させた辺りも、上手かったですね。  バイクでトラックを追いかけるカーチェイス場面なんかも良かったし「観客を楽しませよう」という意思が伝わってくる、丁寧に作られた一品だったと思います。   不満点としては、コナーズが逮捕されずに逃げ延びて終わってしまうので、後味が悪い事。  事前に見せておいた爆破シーンと、その後の種明かしシーンとで、それぞれの時間経過に差があるのは(ズルいなぁ……)と感じちゃう事。  人質を誤射してしまった元刑事のローレンツが、今度は自らが人質を取るような悪党となってしまったのを自嘲し「お前ならどうする?」とシェーンに問い掛ける場面が劇的で良かっただけに、それに対する答えを示す場面が無いのは片手落ちに思える事とか、その辺りが該当するでしょうか。   バッドエンドである事も含めて、観賞後はモヤモヤも残ってしまうんだけど……  とりあえず観ていて退屈はしなかったし、途中経過は楽しめたので、自分としては一応満足です。
[DVD(吹替)] 6点(2019-01-18 20:34:09)(良:2票)
9.  U.M.A レイク・プラシッド 《ネタバレ》 
 数あるワニ映画の中でも、最も好きな一本。   「面白い」ではなく「好き」なタイプの映画である為、感覚的なものを伝えるのは難しいのですが……とにかく定期的に観返したくなる魅力があるんですよね。  監督さんが「ガバリン」や「ハロウィンH20」「フォーエヴァー・ヤング」という、自分好みな品を色々手掛けている人なので、波長が合うのかも?  何気ない場面や、ちょっとした音楽にも(あぁ、良いなぁ……)と感じてしまうんだから、とことん自分とは相性の良い作品なのだと思われます。   典型的な「誤解を招く邦題」である事。  作中での牛の扱いが可哀想である事。  メインとなる登場人物達が皮肉屋揃いで「良い子ちゃん」とは掛け離れている事。  などなど、欠点と呼べそうな部分は幾らでもあるんですが、それより長所の方に注目したい気分になるんですよね。    雄大な自然を捉えた空撮画面が美しくて、それを眺めているだけでも楽しいし、川辺でキャンプして焚き火したりと「レジャー」「アウトドア」的な魅力を味わえる辺りも嬉しい。  一応、作中で死人も出ているんだから、シリアスな空気になっても良さそうなものなのに、どこか皆ノンビリしていて「楽しいワニ釣り」めいた雰囲気すら漂っている。  それは「緊迫感が無い」という短所でもあるんでしょうが、自分としては「そこが良いんだよ」って思えました。   巨大ワニが実は二匹いたというオチにして「殺さずに捕獲出来た達成感」「ミサイルで派手に吹っ飛ばした爽快感」を、それぞれ一匹ずつ味わえる形になっているのも良いですね。  (そりゃあ無事に捕まえられたら一番だけど……保安官が持ち込んだ小型ミサイルの伏線もあるし、どうせ殺すんでしょう?)と予想していただけに、適度な意外性を味わう事が出来ました。   そして何といっても、最初は喧嘩ばかりしていた主人公四人が、一連のワニ騒動を通して仲良くなっていく姿が微笑ましいんですよね。  それも、物凄く強固な友情が生まれるとかじゃなくて「病院に付き添う」「一緒に飲みに行く」程度に留めているのが、程好いバランス。   最後も「まだまだ赤ちゃんワニが沢山いた」というバッドエンドのはずなのに、妙に明るく〆ているのも良かったです。  ワニを飼ってるお婆ちゃんは、そりゃあ道義的に考えれば「悪」なんだろうけど、彼女にとってワニは「可愛い子供達」な訳だし、それが全て奪われずに済んだという、一種のハッピーエンドにも感じられました。   この後、続編映画が色々と作られて、最終的には「アナコンダ」とクロスオーバーした「アナコンダ vs. 殺人クロコダイル」なんて品まで生み出す事になる本作品。  シリーズ化されるのも納得な、確かな魅力を備えた一品でありました。
[DVD(吹替)] 7点(2018-06-08 09:37:39)(良:2票)
10.  アイス・クエイク<TVM> 《ネタバレ》 
 ポール・ジラー監督作の中では、本作が一番好きです。  脚本にツッコミどころが多いとか、低予算な作りなのを全く隠しきれていないとか、欠点と呼べそうな部分は色々あるけど、長所も同じくらい備わっていると思います。   主人公一家のキャラ造形も非常に自分好みであり、それだけでも大分ハードルが下がっちゃいましたね。  父親と母親は、演者さんのルックスも中身も典型的な「主人公」と「ヒロイン」って感じで、安心して観ていられたし、子供達二人も可愛らしい。  この子達が「まだ幼く、無邪気にパパに懐いている息子」と「思春期を迎え、少し反抗的なお年頃の娘」っていう王道な組み合わせの時点で、もう自分としては白旗を上げちゃうというか、全面的に主人公のパパさんに感情移入しちゃうんですよね。  飼い犬も含め、一家から死者が出る事無くハッピーエンドを迎える辺りも「そうこなくっちゃ!」という感じ。  クリスマス用のツリーという小道具を活用して「無事に助かった」という安堵感だけでなく「当初の目的であるツリーもゲット出来た」という達成感を与えて終わる辺りも、中々上手かったんじゃないかと。   ビジュアル的にも「超低温ガスが地割れから噴き出し、それを浴びた男が凍死してしまう」なんていうシュールな映像があったりして、忘れ難い味がありましたね。  こういったTVMならではの「潤沢な予算のある映画では拝めないような、独特の映像」が見つかるのは、立派な長所だと思います。   プラスティックの瓶に雪を詰めてから、それを懐に仕舞いこみ、体温で溶かして水を作る場面なんかも印象深い。  主人公は冷たいのを我慢して水を作り、それを子供達に飲ませる訳ですが、そんな「自己犠牲」を「子供達の為なら当然の行いだ」とばかりに、サラッと描いちゃうのが良いんですよね。  そんな優しいパパさんだからこそ、ハッピーエンドを迎えても嫌味じゃないし、むしろ祝福したくなる訳なのだから「主人公の優しさ、良い奴っぷり」を示す場面として、非常に価値があったと思います。   欠点も多い為、手放しで絶賛する事は出来ませんが……自分としては「好きな映画」と言える一本でした。
[DVD(吹替)] 6点(2018-04-18 02:34:24)(良:1票)
11.  同居人/背中の微かな笑い声 《ネタバレ》 
 これ、元々はTV映画だったんですね。  確かに画面作りが安っぽいし、劇場で流す程のスケール感は無いかも知れませんが、個人的には中々楽しめました。   主人公である殺人鬼が「妊娠」の事実を聞かされてショックを受ける描写に「他人とは思えなくて」という台詞など「狙われた一家の婦人と、この主人公とは、実は母子である」という伏線が、キチンと張られているんですよね。  こういったタイプの映画だと、インパクト重視で唐突なドンデン返しオチを用意する事も多いだけに、本作には感心させられるものがありました。   幼児期に性的虐待を受けていたという過去に関しても(あぁ……冒頭に出てきた養父、如何にもそういう事やりそうな雰囲気だったなぁ)って思えて、妙に納得。  始まって五分程のエレベーターのシーンで「相手を陥れる為に、自分から壁に顔をぶつけて出血する主人公」を描き(コイツは危ない奴だ……)と、早めの段階で観客に分からせてくれるのも良かったです。   気になったのは、ドナルド・サザーランドの扱い。  エンドロールでも真っ先に表記されているし、実際自分も途中までは「被害者家族の中での主人公格」と認識していたんですけど、終わってみれば一家三人の中で、最も出番が少ないくらいだったのですよね。  しかも終盤に焼死して途中退場という形なのだから、何とも消化不良。  作中で一番の大物俳優であるだけに「撮影時間を確保出来ず、出番が少ない形になってしまった」「でも大物なので序盤に主役っぽく描き、エンドロールでも優遇して誤魔化しておいた」という大人の事情が窺えて、流石に興醒めしちゃいました。   後は、ラストに主人公が死んで直ぐに終わってしまう為、余韻もへったくれも無いのも困りものですね。  あそこは、もうちょっと時間を掛けて「殺人鬼とはいえ、色々と可哀想な奴だった……」と思わせるような、寂寥感のある描写が欲しかったところ。   そんな訳で、完成度が高いとは言い難いものがある本作。  でも、ウィリアム・マクナマラの端正な容姿、純真さと狂気とを内包させた眼差しは「異常殺人者の青年」としての魅力を、確かに感じさせてくれましたね。  彼の存在だけでも、一見の価値ありかと。
[ビデオ(吹替)] 5点(2017-11-29 04:04:20)
12.  テイキング・ライブス 《ネタバレ》 
 これは困った一品。   イーサン・ホーク演じるコスタの存在意義が「好青年と見せかけて実は犯人」という以外には思い付かないようなキャラクターの為、観ていて早々に犯人に気付いてしまうのですよね。  キーファー・サザーランドという大物を起用し、彼が犯人かと勘違いさせるべくミスリードを行っているのは分かるのですが「それで騙そうとするのは、ちょっと無理があるよ」という感じ。   最後の「実は妊娠していなかった」オチに関しても、事前に医者に告知されるシーンなどがなく、いきなり主人公のお腹が膨らんでいる展開なので、その瞬間からもう「本当に妊娠しているの?」と疑ってしまうんです。  だから、その後に真相が明かされても「あぁ、やっぱり」と嘆息するしかない訳で……本当に困っちゃいます。   そんな具合に、どうにも脚本が肌に合わなかったのですが、それでも何だかんだ退屈せず観られたのは、役者さんの力が大きいのでしょうね。  アンジェリーナ・ジョリーは前半の「出来る女」っぷりと、中盤以降の騙された「弱い女」っぷりの演じ分けが見事でしたし、彼女とイーサン・ホークの演技合戦を眺めているだけでも、何だか得した気分。  演出に関しても「相手を突き飛ばして車に跳ねさせる場面」や「エレベーターの中で犯人が母親の首を捥ぎ取る場面」などは中々ショッキングであり、良かったと思います。   低予算な映画が脚本によって救われて、傑作に仕上がる事がありますが、本作の場合は逆に、脚本の不備を役者さんの力によって補ってみせたというパターンではないかな……と感じられました。
[DVD(吹替)] 5点(2017-04-19 02:05:42)(良:1票)
13.  PUSH 光と闇の能力者 《ネタバレ》 
 クリス・エヴァンスとダコタ・ファニングの共演という、二人が好きな自分にとっては夢のような映画です。   彼らが画面に映って、動いて、喋ってくれるだけでも満足……と言いたいところなのですが、ちょっと厳しかったですね。  監督の前作は「ラッキーナンバー7」との事なので、きっとドンデン返しが好きな人なのだろうなと推測しますが、どうも自分とは相性が良くないみたいで、残念。  思えば、あの作品も「ジョシュ・ハートネットが主演なのは嬉しいけど、内容の方は……」という感想だった為、それと同じ現象が再び起こってしまったようです。   細かい粗を指摘し出すとキリが無いのですが、大まかに三つだけ。  まず一つ目は、ヒロイン(カミーラ・ベル演じるキラの方)に感情移入出来ないというか、応援する気持ちになれない事。  なんせ彼女、登場して早々に「二人組の敵の片方を洗脳し、相棒を弟の仇だと思い込ませた上で、殺させる」なんて所業を披露してくれますからね。  これは流石に、やり口が悪役過ぎるというか、観ていてドン引きしてしまいました。  恐らく「洗脳によって殺人を行わせる事も出来る」と事前に描いておき、ラストの伏線にする意図があったのでしょうが、それ以前の問題として(こんなヒロイン、嫌だなぁ)と思ってしまった以上、どうしても受け入れ難いものがあります。  二つ目は、銃の弾切れのお蔭でピンチを脱するという展開が二度ある事。  まぁ、気にする程ではないかも知れませんが、そこはせめて一度っきりに留めて欲しかったなぁ、と。  あるいは、それも超能力のお蔭だったのかも知れませんが、自分が観ている限りでは「また弾切れかよ!」とツッコんじゃいました。  三つ目は、作中でスッキリと話が完結していない事。  キャシーの母親を救出する事が出来たかどうか不明だし、ラストのシーンも相手を殺せたかどうかハッキリ描いていないんですよね。  続編を意識していたのかも知れませんが、何とも消化不良な感じ。   超能力の演出はベタだけど、決して悪くないと思うし、演者の力もあってか主人公ニックとキャシーのコンビは好きだっただけに、物語に入り込めなかった事が残念です。  「状況を変えるにはスキルアップが必要」との台詞通り、作中で主人公の超能力が成長している辺りも観ていて楽しかったので、欲を言えばそれに説得力を与えるというか、細かい修行描写みたいなのがあれば、もっと好きになれたかも。   面白かったから続編が観たい……というよりは「これじゃ満足出来なかったから、続編で挽回して欲しい」「キャラクターや能力設定などは魅力的で、面白くなりそうな可能性は感じるから」という理由で、続編が観たくなってしまいました。
[DVD(吹替)] 5点(2017-02-06 07:32:00)(良:1票)
14.  アローン・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 
 この手の「モンスターと戦うアクション映画」って好きです。  そして主演がクリスチャン・スレーターとくれば、否応なくテンションは高まるのですが……  冒頭のナレーションで「長いよ!」とツッコみ、その後「モノローグで自己紹介やったのに、何で台詞でも自己紹介するの?」とツッコみ、以降はもう何かを諦めた境地で、ただただ画面を眺めるだけでしたね。   物凄く退屈だとか、観ていて不愉快になったとか、そういう訳じゃないんだけど……  とにかく盛り上がりに欠けており、気が付けばエンディングを迎えてしまったという形。  自分は主演の俳優さんが好きなので、彼が主人公というだけでもある程度は楽しめたんですが、もし魅力を感じない人が主演だったらと考えると、空恐ろしくなりますね。   一応(おっ)と思わされる場面もあって、拳銃から発射された弾丸を追いかけるスローモーション演出なんかは悪くないし、無人と化した都市の風景も「現実では中々体験出来ない、映画ならではの味わい」があって、良かったです。  ラストシーンに関しても「あぁ、サム・ライミの『死霊のはらわた』をオマージュしているんだなぁ……」と分かって、微笑ましい。   ウーヴェ・ボル監督の作品って、観賞済みの中では「ザ・テロリスト」(2009年)と「ウォールストリート・ダウン」( 2013年)が例外的に面白く、それ以外は全滅だったりするんですが……  それでも何か愛嬌があって、憎めないから不思議ですね。  聞くところによれば、映画を酷評した評論家と、ボル監督とがボクシングで戦うドキュメンタリーもあるそうなので、機会があれば観賞してみたいものです。
[DVD(吹替)] 4点(2017-01-29 11:39:02)
15.  YETI イエティ<TVM> 《ネタバレ》 
 所謂「アンデスの聖餐」を元ネタとした作品。   飛行機事故で雪山に取り残され、生きる為に仲間の死体を食すべきか否かという極限状況の中で、イェティが襲い掛かってくるというんだから、余りにも無茶な組み合わせです。  作中にて「遺体を食べ続けるなんて、ケダモノにも劣る行為よ」なんて具合に、史実の事件を揶揄するような発言も飛び出すものだから、観ているこちらの方が(えぇっ……そんな事を言って良いの?)と不安になってしまいましたね。   肝心のイェティの描写はといえば、非現実的なジャンプを移動手段としているし、襲撃シーンでは男女が棒立ちのまま悲鳴をあげ続けて逃げる素振りを見せなかったりするしで、どうにも緊張感に欠けるという印象。  同じ遭難事故を元ネタとした傑作「生きてこそ」を意識したと思しき「生きる為に禁忌を犯すべきか?」と人間同士で言い争いする場面は意外と面白かったのに、本作の目玉であるはずのイェティが出てくると途端につまらなくなるという、非常に困った現象が起きている形です。   隠し持っていたチョコを食べていた事が仲間にバレて責められるとか、そういうシーンだけでも楽しめたのに、そこにイェティが絡んできちゃうものだから「来なくていいよ……」なんて思ってしまいましたね。  二通りの魅力を味わえるお得な映画、と言えない事もないのですが、自分としては「生きる為の究極の選択」「イェティの襲撃」どちらかに絞った作品を観てみたかったところです。
[DVD(吹替)] 4点(2016-12-21 10:44:00)
16.  サタンクロース 《ネタバレ》 
 クリスマスにサンタが人を殺しまくる映画といえば「悪魔のサンタクロース 惨殺の斧」などの前例があります。  けれど、あちらが「サンタの扮装をした殺人鬼」という扱いだったのに対し、こちらは本物のサンタという設定なのだから、よりインモラルですね。   煙突から家屋に侵入し、室内にいた人々を殺しまくる冒頭のシーンから、もう「掴みはOK」といった感じ。  こうして文字に起こしてみると、如何にも残酷な映画であるように思えますが、実際はといえば、軽快なBGMに乗せてスピーディーに、しかも様々な小道具を用いて楽しそうにサンタが殺していくものだから、どう見てもギャグにしかなっていないというバランスでしたね。  サンタクロースの恰好をスタイリッシュにアレンジして、さながらダークヒーローめいた趣きさえ漂わせている辺りも、実に効果的だったと思います。   ただ、それだけに終盤では上着を脱ぎ捨てて「サンタクロースの恰好」から外れてしまっているのが残念。  結末も「主人公達はサンタを倒す事が出来ず、北極に追い払うのが精一杯だった」という形であり、ちょっとスッキリしないものがあります。  まだまだ精神的に未熟な若者である主人公が、可愛らしいヒロインと共に「また現れるだろうけど、次も追い払ってみせる」と決意してみせた空気だったのは、成長を感じさせてくれるけれど、一応サンタを倒して決着をつけて「もし甦ってきたとしても、再び倒してみせる」という形にしても良かったじゃないか、と思えましたね。  続編を意識したのか、あるいはラストの空港でのやり取りを描きたかったのか、作り手の真意は不明ですが、もっと綺麗に完結させて欲しかったところです。   空飛ぶトナカイからプレゼント爆弾を投下するサンタの姿は、それだけでも「観て良かった」と思えるものがあるし「図書館では静かに」などのギャグも面白い。  ミニオーブン、胡桃割り人形などのアイテムの使い方も上手かったですね。  主人公とヒロインのコンビも「良い奴ら」であり、ともすればサンタ側に感情移入しそうになるのを引き止めて、素直に彼らを応援させてくれるのに成功していたかと思います。  ラストにて二人が結ばれる事も併せ、デートムービーとしての魅力を備えている辺りも素敵。   何もかも理想通りとはいかないけれど、全体的には楽しめた時間の方が、ずっと長かったという、それこそ現実のクリスマスのような映画でありました。
[DVD(吹替)] 6点(2016-12-13 20:00:18)(良:1票)
17.  ハウス・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
 同監督作の「ウォールストリート・ダウン」が、危険な内容ながらも中々面白かったので、期待を抱きつつ観賞。   ところが序盤、主人公が他の登場人物を紹介するパートにて(友達相手のはずなのに、悪口ばかり言っているなぁ……)と思ってしまった時点で感情移入が出来なくなり、以降も第一印象が覆る事はなく、残念でしたね。  「実は主人公こそが、後にゾンビを大量発生させる元凶である」という、2にも繋がる伏線である為、嫌な奴として描いておくのは仕方ない事なのかも知れませんが、それならそれで「最初は善人だった主人公が、事件を通して狂気に囚われてしまった」という形にしても良かったのではないでしょうか。  この手の映画の主人公は「駄目な奴」だったとしても「実は良い奴」だからこそ(生き残って欲しい)(頑張って欲しい)と思える訳なので、今作のように一貫して「嫌な奴」だったりすると、それだけで観るのがキツくなっちゃいますからね。  唯一、ヒロインへの愛情だけは本物だったのでしょうが、流石にそれだけでは肩入れ出来なかったです。   決定的に(これはダメだろう)と落胆してしまったのは、クライマックスの場面。  何故かラスボスが「主人公に首を斬り落とされるまで、剣を手にしたまま無防備に突っ立っている」という不自然な態度を取っていたりして、これはもう完全に興醒め。  背中を向けていた恰好なので、振り向き様に首を斬られるだけでも充分だったと思うのですが、何故ああも無抵抗だったのか、本当に謎です。  勢い良く突っ走るタイプの映画に、こんなツッコミをするのは野暮かも知れませんが(勢いを重視する作風だからこそ、こういう細かい部分で観客にブレーキを掛けさせるような真似はしないで欲しい)と、つい思ってしまいました。   とはいえ、ゲームの爽快感を再現した中盤の大袈裟なアクションシーンなんかは、結構好み。  作中で「ロメロゾンビ映画の四作目」が「多分やらないだろう」と言われているのも可笑しかったですね。  冒頭、ヒロインについて「フェンシングにのめり込んでいる」との情報があり(何その分かりやすい伏線)とツッコませておいて、終盤で本当にチャンバラをやらせてくれちゃうノリの良さも、嫌いじゃないです。   ゾンビ映画に必要なものが、面白さではなく愛嬌だとしたら、それは間違いなく備えている一品だと思います。
[DVD(吹替)] 4点(2016-11-21 09:33:06)
18.  モンスター・トーナメント 世界最強怪物決定戦 《ネタバレ》 
 プロレス映画だなぁ、というのが率直な感想。   一応、ゾンビが肉を食い千切ったり、サイクロプスが目からビームを出したりもする訳ですが、そういった非現実的な描写はオマケという感じで、あくまで「モンスター達にリング上でプロレスをやってもらう」というのが目的だったみたいですね。  基本的な戦い方も、トップロープから飛び掛かったり、ドロップキックをかましたりで、如何にもプロレス的。   それを象徴しているのがウィッチ・ビッチの扱いで、魔術の類は使わずに素手で戦い、ようやく道具を使ったかと思えば包丁だったりして「魔女である必要ないじゃん!」とツッコませてくれます。  試合前にトレーナーから「魔女として虐げられ続けた怒りをぶつけろ」「呪いも黒魔術も全て忘れて戦士になれ」と言われ、素手で戦う特訓を続けてきた訳だから、魔術を使わないのは納得なのですが、それなら包丁も使わないで欲しかったし、何だか中途半端なのですよね。   優勝者となったフランケンシュタインの扱いに関しても同じ事が言えて、彼のストーリーとしては「父と呼び慕っていたイゴール博士が殺されてしまい、その仇であるクロックシャンク大佐と戦う事になる」という流れな訳ですが、その博士が殺された理由も「セコンドであるにも関わらず、乱入してフランケンシュタインを助けるという反則を行ったから」なので「それって博士が悪いのでは?」と思えてしまい、どうも筋が通っていない感じ。  にも拘らずフランケンシュタインが殺された博士に手を伸ばす描写は、如何にも同情を誘うような描き方だし、オマケにフランケンシュタインVS大佐が始まるところで映画が終わってしまうしで、最後まで消化不良。   世界中からモンスターを集めて、誰が一番強いのかリングで決めるという浪漫溢れる設定に関しては、文句無しで好きです。  その馬鹿々々しいノリならではの面白さは伝わってきたし「放送事故」の演出や「ハデス、次はお前だ!」という台詞には、クスッとさせられるものがあったのも確か。  それでも、全体的には退屈に感じる時間の方が長かったので……  多分、もっとプロレスを愛する人こそが観賞すべき映画だったのでしょうね。
[DVD(吹替)] 4点(2016-11-17 14:46:41)(良:2票)
19.  赤毛のアン/アンの結婚〈TVM〉 《ネタバレ》 
 シリーズ三作目は、まさかまさかの「戦争モノ」で吃驚。   前二作の監督さんが制作と脚本を担当しているので、もしかしたら、元々こういうジャンルの品を作りたかったのかも知れませんね。  直接アンが人を殺めたりするシーンは無いし、戦争行為に参加していても目的は「行方不明となった夫のギルバートを探す事」「医薬品の購入代金にする為の宝石を運ぶ事」「乳児を無事な場所に送り届ける事」などに限られている辺りは、作り手の配慮が窺えます。   ただ、前作に続いてアンと男二人との三角関係が描かれており、これには思わず「またかよ!」とツッコんでしまいましたね。  不倫という要素もプラスされて、ますますメロドラマ的な色彩が濃くなっており、自分としては非常に残念。  終盤の夫との再会シーンなどは、それなりに感動的に仕上がっているし、戦地を慰問に訪れた女優二人組とのやり取りは中々楽しかったりもしただけに、勿体無く感じられました。   マリラおばさんが既に死去した設定なのは、時間経過を考えれば納得なのですが、死に際の台詞が作中で語られるでもなく、幻影となってアンに話しかけてくれる訳でもなく、回想シーンで過去作の映像が流れるくらいの扱いだった辺りも、寂しい限り。   そんな本作でさえも「上述の乳児を養子として引き取って、夫婦一緒に故郷に帰る」という、明るいハッピーエンドで〆てくれた事は、嬉しかったですね。  戦争という暗い影さえも、アンを決定的に不幸にする事は出来ず、少女期から培われてきた「周りを幸せにする力」に打ち払われてしまったのだな……と思えば、何とも痛快な映画でありました。
[DVD(吹替)] 5点(2016-09-02 10:34:26)
20.  赤毛のアン/アンの青春 完全版〈TVM〉 《ネタバレ》 
 内容としては「教師モノ」に分類されそうな本作。   舞台も田舎から都会へと移り変わり(これは前作とは異なる面白さを与えてくれそうだ……)と期待が膨らんだのですが、終わってみれば、良くも悪くも前作と殆ど変らない品という印象を受けましたね。  主人公のアンが、気難しい老婦人の心を解きほぐして仲良くなる件なんて、特に既視感を覚えます。   新しい要素としては、生徒達との心の触れ合い。  生真面目なオールド・ミスであるブルック先生との友情。  そして「地元の幼馴染」と「都会で出会った紳士」に挟まれたアンの三角関係が挙げられるのですが、こちらは前作で自分が苦手としていた「女性向けの恋愛ドラマ」成分が、より濃くなったように感じられて、少し残念でしたね。  ちょっと意地悪な見方かも知れませんが、作風やら何やらを考えればアンが後者と結ばれる事など有り得ない訳で「どうせ幼馴染のギルバートと結ばれるんでしょう?」と、達観した気持ちになってしまいました。   前作に比べれば出番は短いけれど、マリラおばさんが相変わらず素敵なキャラクターであった事は、嬉しい限り。  終盤、地元に戻ってきたアンを出迎えて、嬉しそうに抱き締める姿を目にすると、何やらこちらの心まで温かになってくるのだから、不思議なものです。   紆余曲折はあったけれど、やっぱり最後にはアンとギルバートが結ばれて、二人が幸せになるという、予定調和な結末。  でも、この作品に関しては「それで良い」「それが良いんだ」と思えましたね。   全編に亘って落ち着いた空気が漂っており、安心して観賞しているこちらの期待を裏切らない、平和な映画でありました。
[DVD(吹替)] 6点(2016-09-02 10:29:26)(良:1票)
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