1. パルプ・フィクション
《ネタバレ》 ひとこと、なにもかもすばらしい映画でした。ただひとつわたしが引っかかったのが、ブルース・ウイルスがマシンガンを撃ったけど、ボクサーが安全装置わからんだろうということでした。でも、トラボルタが車の中で拳銃を暴発させたところで、あっそういうことの伏線になっていたのかとか、あるいはトラボルタは暴発を教訓にできなかったから命を失ったということかなどと、一人で納得してしまいました。恐れ入りました。感覚的なところで1点減点ですが、私の中ではほぼ完璧に近い作品でした。 9点(2003-10-14 20:08:27)(良:2票) |
2. 男はつらいよ 私の寅さん
《ネタバレ》 前半の「とらやご一行様九州旅行」と後半「マドンナ登場と寅の片思い」という2つの作品を1度に見られたような得な感じがしました。しかも107分という尺で!山田洋次監督に感謝!感謝です! 前半の見所は【眉山】さんも書かれているように、寅さんが風呂の湯加減を見ているシーン。 寂しさ、反発、献身そして皆からの謝辞・・・寅さんは皆に目を合わせることもできずぶっきらぼうを装って、湯を掻き回すしかできない。自分の子供の頃に似たようなことがあったような・・・涙腺が緩みました。 後半は終盤りつ子の家の縁側で、庭に向かって二人が話すシーンがしっとりとして秀逸! ショパンの『別れの曲』が流れる中、りつ子が寅さんを恋人として受け入れられないことを遠回しに説明すると、「もういいよ。よく分かるよあんたの言うことは。」と寅さん。はじめてりつ子に「あんた」という表現を使ったのですが、寅の心が決まったことが良くわかりました。この後の寅さんの表情もすばらしかった。 そして寅さんがとらやを出る別れのシーン。今回はだれも強く引き留めない。皆納得の別れでした。この別れ方は珍しく、印象に残りました。 ほぼ9点ですが、後半にややすっきりしないところがあり8点と致します。 [DVD(邦画)] 8点(2013-10-14 16:36:39)(良:1票) |
3. マグノリア
《ネタバレ》 落下して銃で撃たれる人もいれば、落下して人を助ける蛙もいた。銃は反動でテレビを打ち抜くけど、確かにその人の人生は、テレビに支配された人生だった(クイズ少年も)。ふっと神の意志・愛をイメージする。それにしてもなんとも理解しかねる蛙の土砂降り。これは所詮人間ごときに神の意志・愛は理解できないと言うことか。つまり、愛は理解するものじゃなく、信じるものだというメッセージ?(陳腐だけど) 最後のカットは、薬におぼれていた娘がカメラ目線でにっこりとほほえんだ。ほっとする笑顔。全てはこの笑顔のための3時間だったか。愛を信じるものは救われる!(陳腐だけど) 3時間退屈せずに見ていました。いい映画でした。 8点(2003-12-09 22:35:10)(良:1票) |
4. 轢き逃げ 最高の最悪な日
《ネタバレ》 列車に乗るまでの時間つぶしで、時間の合う映画ということで鑑賞したので全く期待しなかったのですが、意外と面白かったです。 ネタバレ・・・ 色々突っ込みどころはあるのですがとても気になった2つ、 輝が秀一のために完璧な結婚式の司会をするというなら、祝電は全て目を通し、披露すべきものを選んで順番をつけていなければならないのに・・・輝が仕込んだという確信までには至らなかったけど、違和感がとても大きかったこと・・・ あと一つは時山光央が娘の初七日の夜に突然倒れていびきをかいていたが、あれは普通脳卒中を暗示する演出のはずだが・・・ なぜ妻や社長が笑顔でいられるのか、少し混乱させられたこと・・・ しかし全体としてはいい映画だったと思います。最後の秀一の手紙も良かったし、時山千鶴子が小林涼子の手をそっと握ったシーンなど、重い内容なのに後味が悪くならない配慮が感じられました。 輝の「犯罪」がどう裁かれるのかという興味と余韻を胸にホームに向かいました。 [映画館(邦画)] 7点(2019-05-18 22:00:43)(良:1票) |
5. 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
《ネタバレ》 嬉しかったこと:去年から待たされてやっと本日鑑賞できました。 安心したこと:3時間近い作品なので途中でトイレが心配でしたが、ぐいぐい引き込まれてしまってエンドロールまで余裕でした。 驚いたこと:まさか007シリーズで悲しみの涙が出るなんて・・・ ネタバレヒント:序章部分、駅のホームでボンドとマドレーヌが別れるシーン。列車が動く時のマドレーヌの小さな演技を見逃さないこと。 クレイグボンド、最初の頃は線が細い感じがしたけど、今は一番ボンドが似合う。寂しい・・・ [映画館(字幕)] 8点(2021-10-05 17:17:30)(良:1票) |
6. 続・男はつらいよ
《ネタバレ》 ミヤコ蝶々が階段の踊り場で息子に再会したときの表情、すばらしい演技でした。 「このひとね、寅次郎さんなのよ。」「えっ!」 ふわぁっと寅の目の前に進み、しげしげと顔を見つめ、さらにめがねをかけて、 一瞬懐かしさがこみ上げ顔が綻ぶが、すぐにそれを払拭してきっぱりと拒絶する。 この一連の流れ、一級品でした。 「一瞬の笑顔」これが救いで、最後の寅とのシーンを暗示しています。 今回は東野英治郎とミヤコ蝶々の存在感が大きく、また短いシーンでしたが笠智衆の寅を一喝する演技もすばらしかった。怒られるかも知れませんが、マドンナの影がやや薄いと感じました。 ところで、盲腸の手術で入院していた財津一郎は、あれだけではもったいないと思いました。 寅さん、2作目も絶好調でした! [DVD(邦画)] 9点(2013-06-20 17:44:29)(良:1票) |
7. レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―
《ネタバレ》 原作に固執すると皆さんの不満もわかるのですが、ジョン・ウーがハリウッド受けを考慮した味付けの「赤壁」、と割り切って観れば高得点を献上したい。 原作にはない小喬や尚香など女性陣のエピソードが、ストーリーとの違和感もなく見事に散りばめられ印象深い。ただ、曹操のプライドを徹底的に踏みにじるきっかけを作った小喬に対して、曹操の怒りがあまり伝わらなかった点が不満で減点。 そう言えば曹操を悪者に描ききらなかったジョン・ウーの意図はともかく、観ていたわたしも曹操を憎みきれなかったのは、演じたチャン・フォンイーが志村喬に似ていたからかも知れない。 [映画館(字幕)] 8点(2009-04-19 17:22:44)(笑:1票) |
8. ラストスタンド
《ネタバレ》 久しぶりのシュワルツェネッガー、年齢にふさわしい無理をしない演技で好感が持て、この老保安官役でさらに何作か観たい気がしました。もっとも田舎の町に頻繁に大事件が起こることはないので無理かも知れませんが。作品のテンポは適度なゆったりさ(緩さ)があり、わたしには許容範囲でした。CGを駆使しアップテンポで作り上げていく映画も良いのですが、たまにはこういう作品も観たいものです。ただ気になったのは、主人公がかつて麻薬組織の捜査で仲間を多数失い、激戦区から田舎に退いたという説明があるなら、若い男女の部下が敵組織の作業場所に近づいたとき、引き返すようにもっと必至になる演技が欲しかったことです。あとのことは笑って許せるんですがね。ガスマンがいい味を出していました^^ [映画館(字幕)] 8点(2013-04-30 17:39:50)(良:1票) |
9. オペラ座の怪人(2004)
《ネタバレ》 オペラではなくロックの歌い方だったからということよりも、涙はともかく鼻水が見えてしまったがために、ファントムが「怪人」にしては俗っぽく、今ひとつ感情移入ができなかった。しかし、結局年甲斐もなく涙してしまったのは、エミー・ロッサムの切ない表情と歌声のせいだ。もちろん、朽ち果てたオペラ座のモノクロ写真から、シャンデリアが上がってかつての美しいオペラ座を再生するまでの見せ方に圧倒されていたからこそだが。ところでクリスティーヌの墓にバラを届けたファントムはいったいいくつになっているのだろう。ラウルの老け込み方からいくと、年上のファントムは一人で歩けたのだろうかなどと、つまらないことを考えさせるのも、ファントムの鼻水を見せられたからなんだぜ、シューマカーさんよ。 8点(2005-02-06 17:55:29)(良:1票) |
10. 男はつらいよ 望郷篇
《ネタバレ》 久しぶりの山田洋次氏の監督・脚色作品、寅さんユニットの面々がこれほど生き生きと仕事をしている貴重な作品です。「死」や「労働」が重要なテーマとなる喜劇の完成作品というと言い過ぎでしょうか。 でも、隠されたテーマがあるからこそこの作品に深みがあるのではないかと思います。 その隠されたテーマは「妹への恋情」ではないでしょうか。 豆腐屋の娘を演じた長山藍子は、ご承知の通りテレビシリーズで妹役を演じていました。 山田監督はその女優を第5作にしてマドンナにしたわけですから、とてもわかりやすい。 しかも井川比佐志(テレビでは「博役」)を婚約者にしていることからもそのストーリーが出来上がっています^^ 監督はこれが最後という気持ちで制作したという話も聞きますが、 これからの作品での寅さんの女性関係における危うい立ち位置を見事に描いている秀作だと思います。 倍賞千恵子(さくら)の絶妙の演技が光る作品でした。 おいちゃんの「だめだこりゃ」も完成形でした! それにしてもSLの存在感がすごかったですね^^ [インターネット(字幕)] 10点(2013-09-12 22:18:52)(良:1票) |
11. オリーブの林をぬけて
そうだ、ポットとグラスはそこに置いてタヘレを追いかけるんだ。君の人生で最後のチャンスなんだから。なにがなんでも今返事を聞かなくては。ホセインは丘を駆け下りる。オリーブの林を抜けてひたすらタヘルを追いかける。つんのめって転びそうになっても乾いた赤土の小道を走り続ける。やがてタヘレに追いついて、息を切らせながらホセインは聞く。「ねえタヘレ、ハア、ハァ、どうしても君の返事が、ハア、ハァ、欲しいんだ。」「・・・」「タヘレ、ハア、ハァ、お願いだ。」「・・・お茶を飲んだら?わたしものどが渇いたわ。」「!、とってくるよ!」ホセインは今来た道を小躍りしながら戻っていく。・・・ いや、違いますね。ポットは空のはずだし、ホセインが戻ってくると確かタヘレは先に進んでいましたから。でも、ハッピーエンドですよね。デイ・アフター・トゥモローを映画館で見た翌日、偶然テレビで見たんですが、ほっとする映画でした。最後のホセインが追いかけるシーンは、二人に純白の衣装を着せて見やすくはしているのですが、なにせテレビの小さな画面では白い点が動いているだけでやや物足りませんでした。未見の人はぜひ映画館でご覧下さい。デイ・アフター・トゥモローとは違う意味で。 7点(2004-07-03 09:38:30)(笑:1票) |