1. 死に花
コメディなんだけど、どこかに寂しさや懐かしさのようなものが入ってる。こういう感情は何だろう、と思うけど、まだ10代の私にはわからない。自分も同じくらいの年齢になればわかるかな、と思う。銀行強盗をするために、70を超えた老人たちが必死になって掘る深い穴。あの穴の長さは、みんなの歩いてきた長さを象徴しているんだろうか。時にはつらいこともあった。戦争もあった。それでもみんなここに生きていて、こうやってまた子供のように遊びながら人生を楽しんでいる。途中ビールを飲んだりふざけあったりしながら掘った長い長い穴は、最後にひとつの目標にたどり着く。誰があの計画を予想できただろう?そういう時はこの老人たちが羨ましい、カッコイイ、と思う。 10点(2004-05-13 13:39:42)(良:2票) |
2. ハンニバル(2001)
なぜか評価が低い、けどもういいや、好きなものは仕方がない。最高!原作とはかなり内容が違うけど、映画は映画でよく出来ていたと思う。画面を綺麗に撮っているので、何度見ても飽きない。音楽も綺麗で、美しさのレベルは「羊たちの沈黙」より圧倒的に高い。クラリスはジョディ・フォスターよりもジュリアン・ムーアのほうがよかった。原作と違うあのラストは、続編を計画しているため?もっとレクターの感情にせまるストーリーに力をいれて欲しかったけれど…。確かに原作がよく出来ていたからなぁ。まぁでもこれはこれ、それはそれ、で考えた結果。いい映画か、とか、完成度高いか、とか、あまり気にせずに、本人の独断と偏見で10点。 10点(2004-05-14 11:46:14)(良:2票) |
3. スリーピー・ホロウ
《ネタバレ》 内容がホラーでも猟奇殺人でも何でも、どこかあたたかなファンタジーっぽさを忘れないティム・バートンの作風が好き。原作も読んだけれど、あのまま映画にしたところでヒットするはずはない。変人で臆病なのに好感の持てるイカボッド・クレーンのキャラクター。スリーピーホロウの町並み。全部がとても監督らしくて、なんだかとても安心する。幽霊や怪物の仕業に見せかけて、実際は生身の人間が犯罪を犯している、というのが今ではあたりまえの筋書きだが、この映画では実際に首なし騎士が殺人を犯している。それが逆に新鮮で不思議さを感じて、科学を信じるイカボッドのキャラクターとも対称的で、時代背景にとてもあっている。 10点(2004-07-08 11:28:12)(良:1票) |
4. オズの魔法使
壁に描かれた空、テグスの見えるライオンのしっぽ。なのになんでこんなにも引き込まれてしまうんだろう。まるで舞台みたいなかぶりものをしたカカシやきこりやライオン、そのすべてがいとおしい。当時何人の映画人が、これをやりたいと思ったんだろう。何度でも観たくなる。また、ドロシーたちに会いたくなる。 9点(2003-12-22 13:39:24)(良:1票) |
5. GODZILLA ゴジラ(1998)
日本人はたいていゴジラ好きだから、これは受け付けないって。なんかもう愛嬌0パーセントの猛獣と化している。うーん、ゴジラってこんなキャラじゃなかったような。やっぱりピギャーとか鳴いてのしのし歩いてくれないと。顔もかわいくない。ただ、主役の二人は、なんだか日本人受けしそうなキャラだった気がする。ああいうのは、日本のゴジラシリーズにはあまり出てこないなぁ…。 5点(2004-07-14 18:54:45)(笑:1票) |
6. フロム・ヘル
「スリーピー・ホロウ」と比べられていることが多いようだけど、私は同じジョニー・デップ主演なら、「ナインスゲート」のほうが近いんじゃないかと思う。雰囲気や、妙な宗教観が。衝撃的な内容が多かった。切り裂きジャックの存在よりも、精神病院に入れられる、あの行為のほうが、何倍も何倍も恐ろしかった。エレファントマンも出てきたが、描きたかったのは切り裂くジャックそのものよりも、切り裂きジャックの存在した時代全体ではなかったかと思う。世紀末、何もかも混乱していた時代。そんなときに突然現れた謎の殺人鬼。切り裂きジャックをテーマに研究する人は多いが、出来れば映画内でも犯人をあかさず、正体不明のままのほうがよかったように感じる。 7点(2004-07-08 11:40:27)(良:1票) |
7. 初恋のきた道
《ネタバレ》 「スタンド・バイ・ミー」よりもこっちのほうがずっとずっと共感できる。チャン・ツィイーは表情で語る女優だな、と思った。セリフがなくても表情で演技をする。一途で経験がないからこそ、一生懸命に相手を思う主人公の心情が、誰もが経験したことのある出来事を思い起こさせる。空回りしながらも、先生のことを思い、先生だけをまっすぐに見つめる真面目な瞳。彼が死んで、世界は色あせモノクロになってしまったけれど、先生と自分がそこに存在したこと、また、愛し合った証である息子が、かつての夫と同じように教壇に立ち、自らが望んで子供に勉強を教える、親としてはきっとそれ以上の幸せなんてないのだろう。たぶん、生まれてきてから今までで一番泣いた映画。悲しいから泣くのか、嬉しいから泣くのか、分からないままに、心にのしかかってくるものを受け止めていると、何度も何度も涙がこぼれてしまった。何もかも奇麗事で済まされない世の中であっても、初恋の思い出だけは、美しい姿のままとどめておきたいものだ。 10点(2004-07-08 12:45:20)(良:1票) |
8. ディープ・ブルー(1999)
実はパニックものって偏見があって滅多に観ないけど、なんだかこれはまぁまぁよかったかな。サメの動きも異常だったけど、がんばってる感じがした。かなり無理のある設定も、映画だからまぁよかった。けっこう予想外の人が死んでゆくので、最初に予想を立ててみるのがいいかもしれない。あぁ、こいつ生き残る、こいつ死ぬ、って。 5点(2004-07-14 23:11:43)(良:1票) |
9. ハックフィンの大冒険
原作がそれなりに差別表現が含まれていただけに、ハックとジムのやり取りを映画で描くのは難しかっただろうと思う。割り切ってアドベンチャーものと言い切ってしまうには、多少内容が重い。それでもよくまとまっていた。イライジャ・ウッドのハック役も、なかなか様になっていた。 6点(2004-07-08 15:15:37)(良:1票) |
10. ニュー・シネマ・パラダイス
《ネタバレ》 ラストシーンって観てる間にけっこう予想がつくのに、実際そのシーンがくるとぐぐっと画面に引き寄せられてしまう。何十年もたって、やっとわかったアルフレードの想い、ゆめ。あのフィルムのシーンだけでも、何回も観たくなります。ああ、思い出してるうちに、また泣けてきそぅ…… 9点(2003-12-22 13:11:12)(良:1票) |
11. チャップリンの給料日
うーん、ママ怖い。なんだか現代日本にも通じるところがある。さすが捕らえどころが違うなぁ。「給料日」「怖いママ」をテーマに一本作ってしまうあたりが、さすが、いつまでも色あせない映画人なわけだ。 7点(2004-07-08 15:43:14)(良:1票) |