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1.  ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 
厳選された台詞と場面。余計なものも足りないものもない、映画として完全です。   「骨にまで達する傷の、出血を止めることはできない」  ◆ヒラリー・スワンクについて  マギーという役は、役者にとってかなり面白い役なのではないでしょうか。  もっとひねりを効かせて前に出ることも出来たでしょうに、スワンクは最もシンプルな形でマギーを演じているように思います。  それがマギーのファンタジー性を高めている。  なぜボクシングを始めることになったのか?フランキーがマネージメントするまではどうやって前座試合を取ってきたのか?ボクサー人生の背景がまったく語られないマギー。しかも遅咲きの彼女の圧倒的な強さは、才能とか努力だとかだけでは説明がつかないほどのものです。  画面に一度も登場しないフランキーの娘、ケイティはおそらくマギーと同年代。  マギーは償いを求めるフランキーの前に現れた天使のようにも見えます。  ◆モーガン・フリーマンについて  元カットマンのフランキーと元ボクサーのスクラップ。現在では立場が逆になり、スクラップがフランキーの女房役となっています。マギーに対しても、父親役がフランキーなら、ジムを守り、見てないようでちゃんと見てる母親役がスクラップ。  フランキーの理解者、代弁者として、近作で一番の熱演だと思います。 「俺はトレーナーじゃないが・・・」  往年の名ボクサーでありながら、なぜかトレーナーではなく雑用係としてジムにいるスクラップ。  彼にとってトレーナーとして後続を育てることは、リングを降りることを意味するのかもしれない。  片目を失い、老境に達しつつも、彼はあくまでもボクサー。   ◆クリント・イーストウッドについて  監督イーストウッドが作品をがっちり捕らえているのに対して、役者イーストウッドはまずフリーマン、スワンクありきで、流れのままにフランキーを演じているような気がする。  今までのイーストウッドにはあり得ないくらいエモーショナルな演技。   「どうしたらいいのかわからない」  フランキーは常に、どうしたらいいのかわからない。  教会へ足は運んでも、真剣に祈りをささげることはできない。  実の娘ケイティに宛てた手紙が戻ってきてしまうなら、他のアプローチもあったはず。でもしない。  努力しているふりで、実は全てを先送りにしていたフランキー。マギーに出会うまでは。
[映画館(字幕)] 10点(2009-10-11 18:01:42)(良:3票)
2.  アニー・ホール 《ネタバレ》 
「僕を入れるようなクラブには入りたくない」  ↑自己否定の極みのような台詞です。でも、共感してしまえる自分にビックリ。 恋愛中の濃密な時間、すれ違い、仲直り、別れの予感、別れの後に襲ってくるどうしようもない寂しさetc。地味な会話が延々々々続いていくだけなのですが、突然登場人物が観客に話しかけてきたり、会話の本心が字幕で出たり、空想や過去が紛れ込んだりだとか、次に何が起こるか全く読めない演出で楽しませてくれます。(そして同時に生臭さも緩和してくれる。) 誰にでも、忘れられない人がいると思う。特にドラマチックなことがあったわけじゃない。世の中半数は異性だというのに、どうしてこの人じゃなきゃ駄目だったのか?何度思い返してみてもさっぱり分からないけど、私たちはとても"お似合い"だったと思う。未練と言うわけじゃないけれど、思い出すとチクッとくるような想い。10数年ぶりに見たこの映画は、そんな切なさによく似ていました。 
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-05 21:47:03)(良:1票)
3.  ノー・マンズ・ランド(2001) 《ネタバレ》 
登場人物はわずか数人。小規模でシンプルに描かれる、戦争の始まり方と終わり方。 演出のキレの悪さは否めませんが、実際ボスニア戦争に従軍していた監督の手による脚本は、デビュー作と思えない完成度の高さです。 2人の敵対する兵士は同じ大地で生まれ、同じように自分の大地を愛している。お互いそのことに気がついて友情らしきものが芽生えるのだけれども、今日の今日までいがみ合っていただけに、そう簡単に相手を信用することなど出来ない。相手のささいな行動に過剰反応しては発砲。やられた方もやりかえせ!とばかりに発砲。そして結局…。 まるで子どもの喧嘩のようなこのやり取りが、戦争の現実なんでしょうか?なんて空虚なんだろうと思うと同時に、自分も同じようなことをしているのに気がついてゾッとする。「あらゆる暴力に対して異議を唱える」という監督の言葉が突き刺さりました。 また、戦争報道の受け止め方についても考えさせられる。 彼らが戦地で取材するから私たちは戦争の存在を知るのだけれども、彼らのカメラに写らなかった人々にこそ、本当の悲劇が降りかかっているんじゃないだろうか。 国連からも報道からも見捨てられた地雷男は、荒廃した地に取り残され困惑する民間人のカリカチュア。彼らを傍観することが罪なら、知らない事だって罪のはず。これだけ情報化された社会で、それでも一番大切なことは想像力を働かさないと知ることができないのかも。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-10-05 22:00:23)(良:1票)
4.  トゥモロー・ワールド 《ネタバレ》 
後半の長回しがすごい!とは聞いていたのだけど、前半にも長回しっぽいカットが数箇所。調べてみたら前半は長回しに見えるよう編集されたのだと言うことでしたが、いずれにしろ映像への拘りは一見の価値がある。映画館で見ておくべきでした。 物語はあくまでも主人公セオが知りえる情報だけで進行される。なぜ子供が産まれなくなったのか?ヒューマン・プロジェクトとは何なのか?なぜキーだけが?彼女をヒューマン・プロジェクトに送り届けるのは"正しい"ことなのか?見る人ほとんどが感じるであろう疑問への答えなんて全くなし。情報量が少なすぎ?でも現実ってそんなモノじゃなかろうか。誰が保証してくれるでないのを分かっていながら、信じる道を突き進むしかない。この新しい命は奇跡の始まりなのか、ただ一度の気まぐれなのか。それすら明らかでないのに、その希望にすがるしかない"普通の人"セオ。主人公である彼だけでなく、登場する誰もが不確かな希望のため危険に身を投じる。“死に至る病”とは絶望のことかと思っていましたが、人は希望のためにも死ねるのですね。
[DVD(字幕)] 9点(2008-01-07 21:07:53)(良:1票)

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