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 > にじばぶ さんのレビュー一覧
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プロフィール
コメント数 3226
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 40
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 34
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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1.  髪結いの亭主
アホか?この亭主は。働け!
[DVD(字幕)] 4点(2007-09-03 16:26:23)(笑:4票)
2.  素晴らしき休日(2007) 《ネタバレ》 
『キッズ・リターン』は最も好きな映画の一つなので、それが題材にされていた時点で、もう半泣き鳥肌モード。   モロ師岡が観客の役を演じているのだが、そこで映写される『キッズ・リターン』はビートたけしが映写をしている。  しかし、そこで映写される『キッズ・リターン』は、モロ師岡が出ている部分が欠落していたり、エンドロールでもモロ師岡の直前で切れるなど、イタズラ心満載なのだ。  この短篇の題材に、私の最も好きな武映画である『キッズ・リターン』を選んでくれたことに、ただただ感激!
[映画館(邦画)] 7点(2007-10-08 14:08:24)(良:3票)
3.  君と別れて 《ネタバレ》 
なんという切ない話なんだ・・・ 「別れ」をテーマに扱った映画で、これほどまでに哀しい映画は観たことがない。 切なくて哀しくて仕方ない。  主人公の青年の気持ちがよく分かる。 綺麗な女性に頼ってもらい、相談まで受けて、余計に好きになったところで、一方的な「別れ」の通告。 そして、その女性が大切にしろと再三言っている母親を捨てて、彼女と一緒に旅立てない事情。 切ない。 切なすぎる。  これより以前の成瀬作品にはない叙情的な作品で、それ以降の作品ともまた異なった、瑞々しさをも兼ね備えた逸品。 成瀬巳喜男のキャリアの過程で、この時期にだからこそ生まれたであろう奇跡的な作品で、心を鷲掴みにされた思いがする。  電車の中で、チョコレートを食べるシーン。 まるでチョコレートの甘い香りがしてきそうなワンシーンだ。 青春の一瞬の輝きを、見事画面におさめた奇跡的なワンシーンである。 成瀬巳喜男のサイレント作品としては、自分の中で最上位にくる作品。  もう一度、書く。 私はこれまで、ここまで切なくて哀しい「別れ」を描いた映画を観たことがない。 そしてこの作品は、そこに瑞々しさをも兼ね備えている。 あぁ、自分の辛かった頃の青春が甦る・・・
[インターネット(字幕)] 9点(2012-10-07 22:51:43)(良:3票)
4.  少女ムシェット 《ネタバレ》 
ううむ・・・これほどまでレビューを書くのが難しい作品は久しぶりに観た気がする。 言葉で表現するのが至極困難だ。まず、本作は間違いなくロベール・ブレッソンの最高傑作であろう。 淡々と繰り広げられる薄幸な少女の生涯。そこには、少女ムシェットにとっては日常的でありながら、普通に恵まれた人間からみれば、極めて非日常的な日常が横たわる。それをブレッソンは感傷に浸ることなく、冷徹なまでに静かに淡々と描写する・・・少女ムシェットの日常を描いただけの内容だが、そこには生まれもって不幸な境遇に置かれた少女の、静かな心の叫びがビシビシと伝わってくる。静謐でいて、荘厳さも伴った映像の数々。実に映画的な美しさと残酷さ、そして魅力にあふれた作品である。雨で濡れたソックスを履き直す少女、少女の前でズボンを下ろす少年、ミニスカートを履いて逆上がりをする少女たち。そこには、何気ないエロスが横たわり、少女にこれから起るであろう出来事を観る者に予感させる。又、ワナにはまり苦しみもがく野鳥や、猟銃で撃たれのた打ち回る野うさぎなどをじっくりと映し出すことにより、生命のもつ根源的な虚しさと残酷さを演出してみせるブレッソン。過剰な演出を嫌ったといわれるブレッソンだが、本作ではその演出技法がいかんなく発揮されていた。「不幸な少女はこうもつめたく世をみつめているのか。」「不幸な少女から見たら、周囲の大人というのはこう映っているのか。」「こうした思春期を送っている少女は、いかに大人になっていくのか。」観ているうちに色々な興味が湧いてくるが、それらの興味の一切は、情け容赦のないラストシーンにより吹き飛ばされてしまった。少女は命を断ちさえしなければ、不幸なりにもそれなりの大人にはなれただろうに。それを思うと、何とも哀しくて虚しい気分に襲われた。ほんとの意味で、こうした苦しみにもがく少女を助けることのできる大人って、どれくらいいるのだろうか?いや、いないと悟ったからこそ、少女は自殺の道を選択したのではないだろうか。そう考えると、この世は無常で、どうにも救い難い。こうしていくら書いても、本作を観て感じたことの全てをうまく表現できないし、実際に自分の中でも咀嚼できていない気がする。本作は、そういう意味でも、何度も鑑賞すべき作品であり、何度の鑑賞にも堪えうる魅力と深さをもった作品である。
[DVD(字幕)] 9点(2008-09-15 22:13:57)(良:3票)
5.  ある映画監督の生涯 溝口健二の記録
溝口映画ゆかりの人達が、次から次へと39人も登場する。  本ドキュメンタリーは、 1.溝口作品の出演者達を、映画以外では知らない 2.溝口作品の出演者達の、その後の姿を全く知らない 3.溝口作品を沢山観たことがある の3つの条件を満たしていれば満たしている程、楽しめるに違いない。 それ以外の人が観ても、何てことのないドキュメンタリーか、もしくは、ただ単に古い人が沢山出てくるだけの退屈なインタビュー映像集になってしまうだろう。  また逆に、現在を起点に考えれば、本作は30年以上も前の作品となるわけで、現在は大半が亡くなられた人達ばかりでもある。 そういう点で考えても貴重なインタビュー集なわけで、特に宮川一夫、川口松太郎、依田義賢、増村保造等の映像を観れたのは良かった。  さてさて、本作を観る上で個人的に一番楽しみにしていたのが、溝口作品ゆかりの女優達のその後の姿をおがむこと。 特に、木暮実千代、山田五十鈴、入江たか子辺りのインタビュー映像は楽しみで仕方なかった。 39人のインタビューの中で、一番衝撃度が高かったのが木暮実千代。 『祇園囃子』でその妖艶さに打ちのめされた私は、すっかり木暮実千代の虜(とりこ)になった。 そして本作で60歳近くになった彼女と“再会”ができるわけである。(実際は、既に『男はつらいよ』で晩年の彼女を観ていたのだが、全く記憶にない) それはとても怖くもあったが、同時にそれ以上にわくわくもした。 そして、『祇園囃子』の過去の映像の直後に、“その後”の彼女が登場・・・ おぉぉぉ・・・・ うーん・・・ これが正直な感想。 でもとても嬉しかったのも事実。 何故なら他の女優達の“その後”が、妙に神経質っぽかったのに対して、木暮実千代のインタビューの受け答えは、とても明るかったから。 “妖艶さ”の面影は消えていたが、親しみやすいマダムな感じで、これはこれで楽しめた。  しかし、インタビューをした監督の新藤兼人さん、「祇園囃子は力の抜けたいい写真でしたね」って、それはないんじゃないの?? それを聞いた木暮実千代も、同意しかねていたではないですか! もちろん悪い意味で言ったのではないだろうけど、個人的には溝口作品の中で一番好きな作品なだけに、木暮実千代同様、私も同意しかねますねぇ~
[DVD(邦画)] 8点(2007-09-02 22:41:32)(良:3票)
6.  風船 《ネタバレ》 
『浮雲』と並び、名優、森雅之の男の魅力が存分に凝縮された名編。 ラストシーンの、娘である芦川いづみとの再会シーンは、鳥肌が立った。  表題の「風船」とは、男の生き様を表している。 同じ処に留まらず、常に新しきもの、人生の刺激を求め、自分の欲求に正直に人生を選択し、自らの意志で人生を切り拓いていく。 まさに、私自身の理想の生き様であり、私が思うところの男の生き様だ。  60に達しながらも、森雅之は惰性で生きることなく、やりたいことを貫き通す。 しかし、時にはそれは自分勝手な人生選択であり、妻や子供を振り回す。 それはそれで人間的欠点であるかもしれない。 いや、少なくとも、一般社会的観念からみれば、間違いなく無責任な男だ。  しかしながら、何かを選択する時、その背景には必ず何らかの犠牲というものが並存する。 その犠牲をあくまで認識した上で、敢えて森雅之は自分の希望する生き様を選択し、決行するのだ。 そういう男の生き様を徹底的に描いたという点では、本作はまさに男のための映画である。  だが、森雅之は誰よりも深く真剣に娘の幸せを願っている。 理屈で全てをうまく整理できるほど、人生や社会は単純ではない。 それを考えれば、結局のところ、自分が望む人生選択を行うことが一番大切なことではなかろうか。 子供は子供としてどう生きるかを自分自身で決めていけばいいし、妻も妻で自分が良いと思う生活を選択すればよい。 自分が良いと思って選択した人生ならば後悔もしないはずだ。  まさにこれらの考え方は、私の理想とする人生論であり、本作はそうした自分の人生観と見事に一致した。 妻も息子も、結局は一家の大黒柱である森雅之に依存して生きてきたにすぎない。 それを考えれば、60になった森雅之は、そろそろ自分の自由を主張しても、ばちは当たらないんではなかろうか。 そう考えたりして本作を観ていたら、とめどもなく深い味わいのある作品であることに気付かされた。 最後の最後で気付かされたのだ。 なんという味わいのある奥深い作品であろう。  というわけで、私は本作を川島雄三監督の最高傑作の一つに推したい。   (P.S.)北原三枝の衣装と、そこから伸びる脚線美、そしてクール・ビューティな雰囲気にやられました!
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-10-05 15:00:20)(良:3票)
7.  男はつらいよ 望郷篇
佐藤蛾次郎氏に、つい最近、偶然その辺りの路上で出くわしました。 自分の名前の入ったTシャツに、奇妙な手押し車を押してました。 背丈が思っていた以上に低く、驚きました。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-04 22:59:12)(笑:3票)
8.  真空地帯 《ネタバレ》 
戦時下における、軍隊の内幕をリアルに描いた作品。 軍隊内部ではイジメや暴力が日常茶飯事に行われており、むしろそれが内部では当たり前のこととされている。 上層部は物資を横流ししたり、人事を不当に行ったりと、こちらも腐敗し放題である。  そういった軍隊内部の内幕を、嫌というくらいにリアルに見せ付ける。 これが本当にリアル過ぎて辛すぎて、観ていて嫌になる。  作品の出来具合としては、文句のつけようがない。 時間の経過を忘れる程の力作である。  しかし、先に書いたように、観ていてどうも嫌になる。 気分が悪いままに二時間が経過するのだ。 「良い物観た」ではなく、「胸くそが悪い物を観た」。 観終えた後、そんな気分になってしまう。 そこがこの作品の良い所であり、悪い所でもある。  いずれにしても、本作が非凡な作品であろうことは間違いない。 久しぶりに凄い邦画を観た気がする。 
[DVD(邦画)] 8点(2008-01-26 00:08:59)(良:3票)
9.  百万円と苦虫女 《ネタバレ》 
これ、結構良かったなぁ。 自分を探さないロードムービー。 若い頃、これと似たようなことやってたけど、結局疲れてリタイアしたなぁ。  若い頃の刹那的な移住旅。 客観的に見てる分にはとても楽しい。 自分はこんな旅、二度と経験したくはないけども。 とにかく孤独なんだよな。 移住先、旅先で人との出会いはあるけど、とても希薄なつながりな気がしてね。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-12 00:09:06)(良:2票)
10.  薄氷の殺人 《ネタバレ》 
もちろんグイ・ルンメイ目当てで見ました! 今までのイメージとは違った官能的なグイ・ルンメイを見る事ができて、それだけで満足です。 グイ・ルンメイを知らない人が見ても、本作は凡作の評価で終わるのではないでしょうか。 とにかく、グイ・ルンメイを鑑賞するための作品だと私は思うわけであります!  にしても彼女を助けたいとか言っておいて、観覧車の中で彼女に淫らな行為をする主人公、うらやま、、いや、けしからん!
[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-24 19:48:49)(良:2票)
11.  アフタースクール 《ネタバレ》 
面白い! だが、観ている者をだます為の演出が、かなりわざとらしい。 常盤貴子の父親役が実は刑事だったわけだが、娘を心配する父親像が描かれる冒頭のシーンは、ただ単に観ている者をだます為だけに作られたものである。  この演出(ミスディレクション)に関しては、賛否が分かれるだろうが、ただ楽しめれば良いという点からはアリだとは思う。  社会的にずる賢く生きている者を、とことん破滅に追い込む怒涛の終盤は、確かに気分の良い側面はあるが、それこそ綺麗ごと過ぎではないか? ずる賢く生きている人間が得をし、真面目な人間が損をする社会こそが、現実の社会であって、本作の描く勧善懲悪な終盤は、それこそ監督の願望に過ぎない。 そう思うと、現実はこうじゃないよなぁ、みたいなやるせなささえ感じてしまう。  大企業の社長は、こんなに簡単には沈没しない。 そして、こんなに社会的視野の広い教師なども存在しない。 色んな意味で非現実的な内容で、映画にだまされることを単純に楽しむ為だけの作品だと思う。  かくいう私も、この作品にフツーにだまされたわけで、正直、それはそれで楽しかった。 まさしく痛快な作品である。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-23 01:27:40)(良:2票)
12.  打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
中学生時代の甘酸っぱい青春の思い出を実にうまく綴った短編。  好きな女のコに花火大会に誘われ、当日は浴衣を着て自分の前に現れる。 こんな経験をもし中学時代にしていたら、一生、自分の中で最も美しい青春の思い出として、死ぬまで心の奥底に眠り続けるだろう。 自分はそこまでの経験はないが、地域の盆踊りか何かで、中学時代の時分に似たような経験をしたことがあるので、恥ずかしいような身がとけるような、なんとも言えない気持ちになる。  大人になると色んな経験を積みすぎて、ちょっとしたことでは心を揺さぶられないし、何しろ中学生といえば、とにかく多感である。 中学時代に異性との関わりで起きたちょっとした嬉しい事が、人生の中でも一際輝いてみえるのはそのせいだろう。  中学時代に異性に好意を告白されたところで、大人のような関係に発展することはないし、本作のラストシーンが示すように、「また来年会えるといいね」みたいにアッサリ終わってしまう。 しかも、その来年とやらは大抵訪れない。 でも、青春時代のそういった甘い思い出が、一瞬のことであるからこそ、その場限りの、まるで花火のように散ってしまうものだからこそ、大人になってもずっと心の奥底にこれ以上ない美しい記憶として残り続けるのだと思う。  この作品は、そんなまぶしすぎる人生の1ページを鮮やかに描いている。 夏だとか、花火だとか、お祭りだとか、そんな一つ一つのシーンが実に活きている。 短めの尺でコンパクトに思春期の美しきシーンを映像化してみせた日本映画として、記憶に残る作品だ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-09-27 00:47:58)(良:2票)
13.  ピクニック(1936) 《ネタバレ》 
戦慄するほどの映像美! こんなにも美しくて詩的な映像は久しぶりに観た気がする。 なんという凄まじき美しさだ。  河の流れのまぶしさに目を細める。 流麗に流れる音楽に心潤う。 心地よいウグイスのさえずりに心癒される。 シルヴィア・バタイユの可憐さに息をのむ。 切ない幕切れにため息をつく。 そんなこんなな40分。  短篇ながら、個人的にジャン・ルノワール作品の中ではベスト。 一般的にルノワール作品として映像的に評価の高い『河』を遥かにしのぐ美しさだった。  しかし・・・ 本作のレビューが私一人とは・・・ あー、なんという哀しさよ。 勿体なさすぎる。 こういう映画をもっと沢山の人に観てもらいたい!  ジャック・ベッケルが10年後に完成させた作品とのこと。 ベッケルはお気に入り監督の一人なので、その点も嬉しい。 ベッケルはやっぱり凄い!
[CS・衛星(字幕)] 10点(2008-02-27 22:40:57)(良:2票)
14.  ゆきゆきて、神軍 《ネタバレ》 
私はこれほどまでに刺激的な映画を観たことがない。凄いの一言。奥崎謙三という人間は、類い稀なる人物だ。自らの暴力を「世間の間違いを暴くための暴力なら、それも必要」と、肯定する。キ印であることは、まず間違いない。しかし、同時にエンターテイナーとしても一流。カメラを意識し、常に最高のパフォーマンスをカメラの前で発揮してみせる。興奮しながらも、自分の言いたいことは、的確にしゃべっている。そして何より、もの凄い度胸の持ち主。「無理が通れば道理ひっこむ」まさにこれが証明されている感じ。戦時中、仲間殺しをしたと思われる人物をアポなしで訪問しては、ねじふせる。時には暴力、時には執拗なまでの詰問で。最初は相手方も口を堅く閉ざしているが、奥崎謙三の執念の詰問に、やがては重い口を割らざるを得ない状況に追いこまれる。この執念と技術が凄い。この人は、お金もうけをしようと思ったら、まず間違いなく成功するに違いない。このドキュメンタリーは、ものすごく良くできている。頭から最後まで、時間を忘れるほどにのめりこめた。暴力あり、暴言あり、泣きどころあり。そして反戦映画としての真面目な側面もありだ。とにかく観ていて血の騒ぐドキュメンタリーだった。正論をかざして正義感ぶったり、気が弱くて自分の言いたいこと言えなくて悩んでる人、綺麗なアメリカ戦争映画しか観たことない人、などなどは是非観てほしい。そして疑問に思ったのは、奥崎謙三氏の不思議なほどの喧嘩強さ。 痩せていているのに、何故だかめっぽう強い。喧嘩には度胸と喧嘩慣れが一番重要だと言うことを、奥崎謙三氏は体を張って教えてくれた。喧嘩に強くなりたいヤンキー諸君にも、非常にタメになる作品である。印象的なシーンを挙げてみる。それは、皇居でのお手製マークⅡによる街宣シーンだ。警官たちが車を取り囲むが、全く意に介していない。世の中で最強権力とされる国家権力を向こうに回しても、全く動じないのだ。この人に怖いものってあるんだろうか。私もこの人の様な度胸が欲しい。そういえば奥崎謙三氏、誰かに似ていると思ったら、ボクシング評論家のジョー小泉氏と軍事評論家の江畑謙介を足して二で割った感じの風貌である。どうりで喧嘩と戦争に強いハズだ。エンドロールで流れる激しい太鼓が素晴らしい。最後の最後まで完璧な演出。この映画を、知らぬ存ぜぬは許しません! 
[DVD(邦画)] 9点(2008-07-06 23:19:59)(笑:1票) (良:1票)
15.  愛妻記
大好きなフランキー堺と、大好きな司葉子が共に主演ということで、最初から最後まで心地良く観ることができた。 それにしても、司葉子のなんという可愛らしさよ! その妻を愛するフランキー堺の何たる晴れ晴れしさよ! この夫婦は私にとっての理想の夫婦像である。 金でも地位でもない、フランキー堺のふんわりとした人柄に惹かれ、司葉子は結婚した。 これだけでも幸せな気分になれるじゃないか! いいぞ!この作品! ほんわかとした幸せな気分に浸れる。 こんな作品、ありそうでなかなかないよ!  司葉子は最初から最後まで噛み付きたくなるほど可愛らしいのだが、個人的に一番可愛いなぁ~~~と思ったシーンが一つ。 それは、司葉子が布団にもぐっていて、そこにフランキー堺が「おじゃまします」と入っていくところ。 この時の司葉子の反応が「いやん。」 ふぇ~~~、え~~~ん、これにはたまらない! もーーーー、うらやましーい!! ボクもこんな夫婦生活をしたーい! ふーふーふー♪ いやん♪
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-04 21:49:42)(笑:1票) (良:1票)
16.  知らない、ふたり 《ネタバレ》 
今泉監督に降参!参った! これは面白い。 レオンが最初に登場した時、なんだこのカッコつけた野郎は!と思って見ていたけど、終わってみると凄い良い奴に見えたりして、ハイ、わたし単純です。  時間軸がいったりきたりするのは『運命じゃない人』を思い起こさせるが、これが実に効果的。 イケメン揃いの為、男性陣の見分けがつきにくく、人物相関に関して少々混乱する部分はあったものの、なんとか話についていった。  でもそれはラストシーンでレオンの表情が一気に明るく変化するところで消し飛んだ。 あれは良いラストシーンだなぁ。 これは良い映画だ!見て良かった!と思えた。 ついでにエンディングソングも良い!  これから遅らばせながら、今泉監督の作品をどんどん見ていくつもりです。 素晴らしい監督に出会えて良かった。  男女の出会い、一目惚れ、もとさや、色んな要素が奥深く表現されていて、とっても魅力的な作品でした。
[インターネット(邦画)] 9点(2020-08-30 01:31:34)(良:2票)
17.  雨に唄えば
身体能力が高いだけの男と、線が太すぎて繊細さに欠ける女とが、踊って唄うミュージカルコメディ。  センスの悪い衣装、豪華が過ぎるセット、トーキーに順応できないリナを悪者扱いする差別的な内容、人生の悲喜こもごもが伝わってこない浅いストーリー、そしてミュージカルというリアリティを欠くジャンル、全てが私の肌に合わない。  私のミュージカル映画嫌いを決定づけた、偉大なるアメ公映画の決定版!
[CS・衛星(字幕)] 0点(2009-03-19 03:59:49)(笑:2票)
18.  Love Letter(1995) 《ネタバレ》 
大好きだった頃の酒井美紀が出ているだけで、もう嬉しいわけで、この頃がやっぱり一番透明感があって、瞳が綺麗で可愛かった。 松井秀喜と付き合ってから、瞳がくすみ、顔にブツブツができた。 だから、この頃の、白線流しより更に以前の酒井美紀が、何といっても魅力的! ラストシーン近く、柏原崇が「ご愁傷様です」と言ったことに対し、微笑んでみせる酒井美紀の可愛らしさと透明感ときたら、たまらない。 彼女のファンだったあの頃の自分を想い出す。   さて内容だが、似顔絵が裏に描いてある図書カードで中山美穂が涙するラストシーンが無かったら、多分、自分にとっては駄作の一言で終わらせてしまったであろう作品。  何がひどいって、まず豊川悦司。 彼の話す関西弁がとても気色が悪く、生理的に受け付けなかった。 豊川悦司が出ていなければ、もっと好きになれたかもしれない作品。  それと、中山美穂が一人二役をやっているのもダメ。 いくら映画とは言え、似ている設定だからといって、同じ役者が演じるのは、どうもなぁ。 おかげで、素敵な恋愛ドラマではなく、ファンタジーのような現実離れした話に感じてしまった。 異なる人間設定だとしても、同じ役者がお互いに文通をやりあうという流れが、自分のこの映画に対する感情移入を邪魔した。  それと、岩井俊二の書く脚本と台詞が、これまた肌に合わず。 狙いすぎの感が大有りの台詞、そしてあざとい演出の数々。 臭くて観てられない。 音楽も大げさ。  だけど~、やっぱり、あのラストシーンは良い。 悔しいけど、良いなぁ。
[ビデオ(邦画)] 4点(2011-04-09 23:07:42)(良:2票)
19.  mellow メロウ 《ネタバレ》 
「好きです」と伝える事の大切さ。 だけどそれは、とても勇気がいる行動。 フラれたら怖いし、とっても勇気がいるけど「好きです」って伝えようよ! そんなメッセージが強く、そしてシンプルに伝わってくる映画です。  好きな相手に「好きです」と言う勇気がなくて悩んでいる人、この映画を見ている人たちの中にもきっといるはずです。 そんな人たちを応援してくれる映画、とっても勇気をもらえる映画です。 勇気をもらえる映画って、そうはないです。 そういう意味で、この映画はとても貴重であり、とっても魅力的な映画ですね。 あれこれ理由をつけて悩んでないで「好きです」って言っちゃいなよ! まるでそんな監督の声が聞こえてくるかのようです。  街中華屋を一人で切り盛りしている女の子を岡崎紗絵が演じています。 この映画で初めて知った女優さんですが、とにかくかわいいです、好きになってしまいました。 岡崎紗絵に実際に会って「好きです」と伝えたくなりました、、いや、それはさすが無理だしアブナイ人になっちゃうか。  この中華屋さんは繁盛していないのですが、そんなバカな事があるもんかい! こんなかわいい子が一人で中華屋をやっていたら、野郎どもがわんさか押し寄せて繁盛するに決まっているじゃないか! もちろんラーメン目当てではなく彼女目当てで。  田中圭が岡崎紗絵からラブレターをもらい告白されるが、これにはとにかく嫉妬した。 映画の中での話と分かっているのに本気で嫉妬した。 そんな私は頭がおかしいのかもしれないけど、この映画で岡崎紗絵を好きになってしまったのだから仕方ない。 そんだけこの今泉ワールドに引き込まれ、感情移入した証です。  今泉監督が岡崎紗絵をヒロインに抜擢したのが素晴らしい。 本作の内容もさることながら、今泉監督のキャスティングセンスに脱帽です。
[インターネット(邦画)] 9点(2020-09-11 01:08:26)(良:2票)
20.  あの頃、君を追いかけた(2011) 《ネタバレ》 
序盤の下ネタの嵐には、正直、この映画に不安をおぼえたが、その後は実にすばらしい内容で一安心。 メインに描かれている内容は、実に真っ当な青春映画なのだが、随所に下ネタが出てくる。 メインの部分が素晴らしいだけに、おふざけ下ネタの出し過ぎは逆にもったいない気がする。 コメディタッチの青春映画という位置づけにしたかったのだろうが、この素晴らしい内容なら、シンプルにただの青春映画で十分なのに・・・  だけど、そのどっちつかずなコメディ部分を考慮しても、これはアジアン青春映画の傑作だ。 もう戻らない、「あの頃、君を追いかけた」思い出。 そして彼女の存在。 あの時、あの場所、あのシーンに戻れたら・・・と、思いを馳せてしまう、そんな青春時代のホロ苦い思い出。 それが実に切なく素晴らしく、甘美に描かれていて、むしろこの主人公に嫉妬してしまうほどだ。  あんなに可愛い女子と青春時代に触れ合っていたら、きっと気がふれてしまう。 それこそ勉強どころじゃない。  だけど、その恋は成就しなかった。 成就しなかったから不幸だと短絡的にならず、「かけがえのない思い出」として、胸の中にしまい続けながら大人として生きていく。 切ないし、耐えられないけど、実現しなかったからこその輝ける青春。 実現していたらきっと、失望してしまう何かを目の当たりにしてしまっただろう。 いくら可愛い女子でも、欠点はあるし、オナラもする。 実現しなかったからこそ、そういった幻滅するような部分を知らずに済んだ。 知らずに済んだからこそ、かけがえのない思い出として、永遠に胸の中に残り続けるのだ。  そんな彼女の結婚を、心から祝福する主人公。 私はこんな立派な心境にはなれないだろうと思うけど、実際、そこまで素敵な思い出をくれた彼女の幸せなら、祝福できるのかな? 残念ながら私には、ここまで素敵な青春時代の思い出がないので、知る由もない。 だけど、この映画を観て、そんな青春時代を体験したかのような気分になれた。 それだけで胸いっぱい。  ヒロインの女の子のかわいさ、やっぱり制服を着ていた頃が一番良い。 大人になってからの彼女は、平凡にさえ見えた。 学校、制服、限られた時間。 そんな制約こそが、輝ける青春の条件か。
[DVD(字幕)] 8点(2016-03-10 23:42:20)(良:2票)

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