1. アドレナリンドライブ
《ネタバレ》 偶然ヤクザの事務所から大金を持ち逃げして逃亡する、という出だしだけで見てみたくなる魅力的な初期設定。しかしそこからは、それなりに安定して進行はするものの、いろんなネタを使いこなせなかったというか、もうちょっと上に飛翔しそうなところでそのまま高度維持で行ってしまったという感じです。主人公2人は、ありえない一歩を踏み出すのだから、もう少し前フリとか決断の瞬間とかが必要なんだけど、ただ何となく持ち逃げしてるし、途中で痴話喧嘩っぽくなるのは、逃亡から一段落ついて、今度はこの2人の間の関係の変化を・・・みたいにしたかったんでしょうけど、あまり機能していない。あと、あの6人組は、変にチンピラ演技がしっかりしていて妙にイラッとするので、兄貴分との区別という点でも、コメディ部分をもっと強めてほしいところでした(バーベキューのシーンみたいなのがもっと欲しかった)。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2023-05-28 00:30:53) |
2. アイス・ストーム
アン・リーともあろう者が、これだけ個性派の役者を揃えておいて、全然使いこなせていない。実は一番存在感があったのは、キー・パーティーなどという凄いものをニコニコ顔で当たり前のように仕切っているアリソン・ジャネイじゃなかったのかな・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2020-10-02 00:24:28) |
3. 愛に気づけば・・・
主人公の行動回路と思考回路がさっぱり理解できませんでした。男性関係は結局どうなったのかとか、赤ん坊の腕云々には何の意味があったのかとか、いろいろ手を出すだけ出して放置している脚本も粗雑。ジーナ・デイヴィスにこんな役をさせるとは、まったく無駄遣いもいいところです。 [DVD(字幕)] 2点(2020-03-27 00:44:10) |
4. アビス/完全版
危機の発生原因っぽいものがいろいろ挙がっている(というか、あれこれ詰め込まれている)割にはどれも中途半端で、登場人物たちがなぜそこまで大騒ぎしているのか、そして何を解決したかったのか、終わりまで見てもよく分かりませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-02-15 01:08:34) |
5. 青い目撃者
《ネタバレ》 主人公の検事が、性的虐待の被害児童と成り行きで逃避行していくお話。いきなりの法廷シーンからの掴みは巧いし、児童の被支配心理の描き方にも無理はない(20年前の時点で児童虐待にここまで正面から踏み込んだ映画って、あまりないはず)。後半に顕著な夕陽の草原をはじめとして、映像面にも頑張った跡が窺える。それでも何か物足りないのは、それぞれのシークエンスが今ひとつ浅くて、せっかくのドラマの機会が不完全燃焼で先に行っているからなのです。よって、サブキャラもいろいろ考えて配置していながら、それがあまり生きていない。 [DVD(字幕)] 5点(2020-01-04 01:44:28) |
6. 赤い航路
《ネタバレ》 ポランスキーがいかに映画的な意味で変態かがよく分かる作品。ごく普通の船上客の夫が、変なオッサンの自分語りを延々と聞かされるという構成なのだが、その構成自体もその内容も制作側の変態ぶりが堂に入っていて、潔さすら感じさせる。しかし、昔話が展開していくうちにいろいろ変化してきて・・・という流れを期待していたのに、結局終末近くまでそのまま聞かされるだけで、あまり奥行きが感じられないし、また例えばK・S・トーマス扮する真面目そうな妻こそが一番の鍵になりそうなのに、そこにもアプローチできていない(最後にいきなり一線は越えますが、それまで何も変化がないので、妙に唐突です)。何か、せっかく設定はいい感じなのに、いろいろバランスが悪くてもったいないまとまり方でした。 [DVD(字幕)] 5点(2019-11-27 00:30:59) |
7. アダムス・ファミリー2
《ネタバレ》 前作に比べると、「人の良さそうなシッターが実は」とか、「サマーキャンプが家族を分断させる恐怖」とか、身近なところでの危機にシフトしているのが良い。とりわけ、人口スマイル満面のキャンプ指導者を、財産目当ての連続殺人鬼と対等に位置させているセンスはなかなかのもの。ただ、全体としては、露悪的に狙っている部分が狙いすぎなのが見えてしまって、ストレートに面白いとは言いがたいのだな。●あと、前作のテーマ曲だったハマー"Addams Groove"よりも今作のテーマ曲のTag Team"Addams Family (Whoomp!)"の方がはるかに格好良いという点は特記しておきたい。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-11-06 01:01:48) |
8. アダムス・ファミリー(1991)
ギミックに凝りすぎて、肝心の「骨」が存在しない。よって、いくらそれっぽくネタをちりばめても、ネタとして機能しないのです。コサックダンスシーンに3点。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-10-24 02:00:03) |
9. アシュラ(1993)
《ネタバレ》 インドの映画制作者の場合、「さー虐げられた美しいヒロインの復讐ものを作るぞ!まず、ヒロインをあんな目にもこんな目にも遭わせて・・・」と無駄に気合が入る→そこだけで完成版1.8本分くらいのボリュームを撮ってしまう→「あ!ここから復讐しないといけないんだった!えーい、超特急で撮ってしまうぞ!」みたいな作り方をしているんでしょうか・・・。だって、2時間50分のうち2時間10分くらい、延々とヒロインが理不尽な目に遭わされ続けるのですから。そこから待ってましたの復讐に入るのですが、これが何ともあっという間で、むしろ復讐としてちゃんとしているのは最初の所長くらいです。というわけで、見る側には、終盤までを耐え抜く精神力と、エンディングで「あれだけやられてこれだけかい!」と憤らない心の広さが必要。 [DVD(字幕)] 4点(2018-08-27 01:25:52) |
10. 愛について、東京
《ネタバレ》 奇妙な三角関係の設定はなかなか優れているのですが、そこから生じる面白みを展開することができず、むしろ最後の方はグダグダになっています。ヤクザの藤岡さんがいきなり主人公と筆談で会話するシュールなシーンとか、もっといじれば効果を発揮しそうな部分はあるのですが。加えて、主人公である留学生の言動や発想がどこまでもゲスなのも、作品の魅力を削いでいます。ただ、黒沢あすかは、まだ駆け出しの頃なのにいい存在感を放っていますね。 [DVD(邦画)] 4点(2016-06-16 01:34:36) |
11. アウトブレイク
《ネタバレ》 前半の忍び寄るウイルス拡大のスリルはなかなかだったのですが、後半が・・・何よりもまずいのは、ホフマンが突然スーパーマンになってしまったこと。変装して脱走するわ、テレビ局は占拠するわ、ヘリチェイスまでかましてしまうわで、ウイルスの恐怖もどこかに行っちゃってます。それに、最後に進路妨害というおいしい場面があるのだから、そこで初めて操縦素人のキューバが必死で操作して何とか対峙する、の方が良かったんじゃない? [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-05-09 00:46:01) |
12. アルナーチャラム/踊るスーパースター
《ネタバレ》 主人公のアルナーチャラムが(すなわちラジニカーント様が)いかに格好良く偉大な存在であるかということを語るため「だけ」の冒頭15分(笑)。そこでこの映画のミラクルワールドに入り込んでしまえば、あとはラストまで存分にその熱さと濃さと仰々しさを堪能するのみ。絵に描いたような悪人ももちろん出てくるし、そもそも自分のとこの婆様の方が悪人よりもはるかに怖かったりするのだが、ハッピーエンドなのは分かりきっているので、何の不安もない。30日間で3億ルピーを使い切るという設定には、ハリウッド・コメディ的な要素を感じなくもないが、この作品の重量感と突進力の前には、そんなことはどうでもよくなってくる。ヒロインとの王道ロマンスはもちろんとして、途中から出てくるちょっと欧米チックな彼女(ただし、ダンスの際の速射砲のような動きと腰回りの綺麗なむっちりぶりは、やはりインドだ)も、それなりにラジニカーント様といい雰囲気になってしまう都合の良さ、アクションにおいては下手な香港映画もぶっ飛ぶ切れの激しさ(しかしラジニカーント様は決して危機には陥らない)、挙げ句の果てには、ラジニカーント様を神の福音の伝道者に見立てる黄金の展開。そのブレのなさがあまりにも美しい。 [DVD(字幕)] 7点(2015-09-28 20:52:37) |
13. 天城越え(1998)<TVM>
《ネタバレ》 田中美佐子のハナには期待したんですが、裕子版ハナを意識したのか、えらく蓮っ葉な感じが美佐子さんに合っていなくて、かなり無理している感じでした。せっかく美佐子さんを起用したんだったら、もっと全然別の感じに作り変えてもよかったんじゃないかと思うけどな。ただ、回想終了後に追加されている現代パートは、この種の展開には珍しく作品世界の雰囲気を壊すことなく、上品にまとまっている。 [DVD(邦画)] 4点(2015-07-31 18:55:55) |
14. ANA+OTTO/アナとオットー
それなりにいろいろな変化を盛り込んでいるので、調理法次第でもっと壮大なドラマになったのではないかと思うが・・・いろんなところでシーンがするっと流れてしまっているので、やっていることの割に、淡々と当たり前に結論に至ったような印象を受ける。 [DVD(字幕)] 5点(2014-11-28 00:50:08) |
15. ありふれた事件
そりゃ導入部分はインパクトがあるんだけど、結局は同じような表現方法を延々と繰り返しているだけなので、途中からは退屈にしか感じない。ギミックとしての映像だけがあって、一番怖いはずの「人の心」が表されてない作品は、怖くないのです。 [DVD(字幕)] 3点(2014-06-11 20:45:36) |
16. あふれる熱い涙
設定からそれなりに期待したのですが、冒頭の主人公が家を出て行くシークエンスで、物語としては終わっていました。あとは思いつきで決めたような場面が連続するだけなのですが、輪をかけて、ほとんどの役者の無感情棒読み台詞が、テンションの低減を増幅しています。 [DVD(邦画)] 4点(2014-03-27 00:46:24) |
17. 遊びの時間は終らない
《ネタバレ》 設定は最高。ビデオを見直して銃弾の位置を確認する下りとか、空気札を下げたマスコミとか、その設定を最大限生かした凄い切れ味の部分もある。なので、他方でやたらださい部分もある(シュプレヒコールの執拗な繰り返しとか)のには目をつぶりたくなります。ただ、ラストはいかにも中途半端で、オチはきちんとつけてほしいところでした。 [DVD(邦画)] 7点(2014-03-11 01:07:54) |
18. あなたに恋のリフレイン
《ネタバレ》 キム・ベイシンガーのステージアクションは間違いなく頑張っているのに、作品としては何であまり面白くないんだろうなあ。やっぱり、制作側が筋を追うだけで手一杯になっており、それ以上の演出や人格造型に至っていないのが問題なんだろう。主人公の友人なんかはあんなに数はいらなかったし、ギャングのボスとか元の婚約者およびその父とか、もっと使いようのあったキャラもいたと思うんだけど。 [DVD(字幕)] 5点(2014-01-20 01:22:14) |
19. アンダーグラウンド(1995)
しかしやたらと長かった・・・。ただ、油断していると随所に顔を出す、謎のような暴走したテンションの高さは、強烈でした。いや、でもやっぱり長かった・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2013-04-27 18:43:54) |
20. あの子を探して
設定はこの上なく面白そうなのですが、やっていることをそのまま追っているだけで、各場面の必然性や表現というものがないので、平坦に感じてしまうのです。 [DVD(字幕)] 5点(2012-02-17 03:30:26) |