1. アダプテーション
《ネタバレ》 今まさに書かれつつある脚本について語られるメタレベルでの語り口が新鮮で面白かったです。それだけでなく、『地下室の手記』に似た主人公(あれほど絶望的ではないにせよ)が、ドッペルゲンガーともいえる兄弟の死を通じて救済、他社→自己ではなく、自己→他者への変換を提示しているのも興味深いところです。また、映画の随所に挿入される作劇論なども、物書き見習としては身につまされるところもあります。 8点(2004-08-12 01:02:42) |
2. あずみ
原作未読ですが、原作もこんなにチープなんでしょうか。漫画や小説など原作のある作品において、ある種のキャラクター、ある種のシーンはうかつに実写にしないほうがよい、ということが多々あります。今作における美女丸がその良い例でしょう。見ているこちらが恥ずかしくなります。あずみの殺陣もひどい。動きにきれがない。体の芯がぶれてしまっているのを、カメラワークでごまかしている。主人公なんだから、もう少し頑張ってほしかったです。異様に引き伸ばされた殺陣も長ければ、ラストも長い。監督か、脚本家か、どちらかが切りあげどころが読みきれていない。豪華な脇役も勿体無いです。こんなだったら、原作を大胆に解釈して、あずみを男にしてもっと達者な人にやらせりゃいいのに。どうせ、今作だけではあずみが女である必要はほとんどないのですから。などということを、鑑賞中に考えさせるような映画は、やはり出来が良くない、ということだと思います。 2点(2004-06-03 11:23:52) |
3. アナザヘヴン
謎解きの解に突然SFを持ち出してくるのは往々にして駄作。今作もその例に漏れず。『ヒドゥン』の劣化コピー。 0点(2004-03-21 23:07:44) |
4. アイリス(米英合作映画)
「老い」を描いた作品というのはとてもやりきれない気持ちになります。こういう映画を見ると、「神に愛されるものは夭折する」という言葉を思い出します。どちらが幸福なのか、それは実際に生きた人にしかわからず、しかもそれが分かったところで不可逆であるという人生の皮肉。我々に出来ることは、一瞬一瞬を後悔なく生きること。それが不可能であっても、そのように意志することぐらいなんでしょうか…。いろいろ考えさせられますが、映画的には実在の夫婦を描いた分、ラストはすこし盛り上がりに欠けるかも。面白かったか、と聞かれればこの点数です。 5点(2004-03-17 01:15:03) |
5. アリス<TVM>(2000)
ルイス・キャロルかと思ったら違った。最後まで見ましたが、ナオミ・ワッツのファンの方以外にはあまりお勧めできないんじゃないかと。盲目の女の人はインパクトありました。 4点(2004-03-09 22:46:25) |