1. アクト・オブ・キリング
《ネタバレ》 アンワルは過去の虐殺をどう思っていたのか。悪夢を見るほどのトラウマを抱えながらも嬉々として共産主義者の殺し方を実演して見せる彼はこのギャップに苦しめられていたのだろう。映画を撮影する中で、過去の行いを追体験する。どの「役者」も迫真の演技を見せ、特に隣人が虐殺の体験を語った後の演技は凄まじいものがあり、アンワルに深いダメージを与えたのではないか。「よくない、いけなかった」という気持ちが虐殺シーンの撮影中に腹の底からふつふつと湧いてくる。キーンという金属音のBGMはこの時の痛みだ。終いには自らが自らの手法で殺されるシーンを撮影し、これを孫たちに観せてしまった。悪夢を見るほどのトラウマを辿っていく中で芽生えた感情と、過去を否定したくないが故に口から出る「仕方がなかった」という言葉の醜いギャップが彼に吐き気を生じさせ、映画は終わる。なんとも後味の悪い映画だが、マツコ似のデブが頻繁に笑わせてくれたし、色々と考えさせてくれたので文句はない。映画として面白いかどうかと言われると…下の方と同じような感じ。 [DVD(字幕)] 7点(2015-03-22 23:55:44) |
2. アメリカン・スナイパー
《ネタバレ》 とんでもない映画でした。内容については他のレビュワーさんに任せるとして、私が最も衝撃を受けた場面について書こうと思います。私が何よりも衝撃を受けたのはエンドロールでした。最近のハリウッド映画で無音のエンドロールは記憶にありません。イーストウッドは作曲もこなす天才ですから、鑑賞後の観客にどのような音楽を聞かせるのかを理解しているはず。それなのに無音なのです。「観客に考えを促しているのだろうか」とも思いましたが、ひょっとしたらあれは「4分33秒」だったのかもしれないと思ったのです。エンドロール中の場内の雑音も映画の一部であると。そそくさと席を立つ人、時間を確認するためにスマートフォンを確認する人、じっとスクリーンを見つめる人。これだけ衝撃的な内容の映画を見て、あなたの周りの観客はどのような行動を取っているのかということまで踏まえた上で考えろ、とイーストウッドに言われたような気がします。ずっしり重い映画でした。二度と忘れられない映画体験をさせてもらいました。イーストウッドには1本でも多くの映画を残して欲しいです。齢84にして離婚理由が女性関係だったのですから、まだ大丈夫ですよね。 [映画館(字幕)] 9点(2015-02-25 19:53:36)(良:2票) |
3. ある過去の行方
音楽・BGMの使い方はちょっとベタ。物語や演出は文句ありません。 [映画館(字幕)] 7点(2014-09-23 09:07:13) |
4. アジョシ
ウォンビンの鹿みたいな無表情が良いですね!肉体も素晴らしいですし、ほんとうに良い俳優だと思います。アクションもとても見応えがあります。他のアクション映画と違う所はナイフの使い方でしょう。一発刺してギャー!じゃなく、何度も何度も腹を刺して戦意喪失させるあたりがプロっぽい。殺人術のプロがアクションの指導を担当したおかげで背筋も凍るアクションの数々が生み出されたのですねぇ。話の決着の付け方に納得行かないのでこの点数ですが、アクション映画としては近年最高峰でしょう。韓国のアクション映画にはあまりいい印象がなかったのですが、一本取られました。日本でもこういうアクション映画を作れないのかな? [映画館(字幕)] 7点(2013-10-08 17:40:39)(良:1票) |
5. アイアンマン3
《ネタバレ》 2はなかったものとして考えて…楽しいシリーズでした。鑑賞前は結構な期待感を持っていましたが、ちょっと消化不良かな。お話はトリロジーで一番面白いですね。どこぞのガキとの交流はなかなか良かったです。しかし、たくさんのアイアンスーツがそこかしこを飛び回って最後には花火よろしくドーンと爆発するっていうのはどうなの?と思います。いくらトニー・スタークでもそればっかりは無理じゃないの!?と思いっぱなしでどうもノレず…舞台の港も特攻野郎Aチームみたいで違和感が。おそらくマーベルの映画シリーズは今後もこんなかんじの映画ばかりを作りそうなので、今作ほどの期待感を持って見るのはやめることにしました。あくまでアベンジャーズへの前振りにすぎないと思って見ます。 [映画館(字幕)] 6点(2013-09-25 00:59:07) |
6. アメイジング・スパイダーマン
完全にエマ・ストーン目当てに見ました。金髪のエマも美しい…お話はサム・ライミ版のほうが好きですけど。 [映画館(字幕)] 5点(2013-08-27 00:12:34) |
7. アベンジャーズ(2012)
《ネタバレ》 クライマックスの大格闘シーンで初めてアベンジャーズが団結するシーンを見せるわけですが、その前に「戦闘シーン」で咬み合わない彼らを見せるべきだったかと。なんにせよ、これほどアタマからっぽにして楽しめる映画はそうないわけです。悩みたい時はダークナイトを見て、ストレスを発散したいときはアベンジャーズを見よう。どちらもお望みのシチュエーションに連れて行ってくれます。 [映画館(字幕)] 8点(2013-08-25 13:34:19) |
8. 悪の教典
《ネタバレ》 マジモンの「三文オペラ」を見せられてしまいました。三文オペラをわざわざ劇中歌に起用する辺り、三池崇史の思い通りに見てしまったとも言えるのかもしれません。ちなみに、二階堂ふみが主役級のキャラを演じているはずなのに、全然出てこないなーと思っていたら映画が終わってしまいました。生き残った女の子が二階堂ふみだと知ったのは、家に帰ってレビューを見た時でした。すごい、のか?二階堂ふみ! [映画館(邦画)] 5点(2013-08-15 12:28:42) |
9. あぜ道のダンディ
《ネタバレ》 主演二人の演技力にボロボロにされてしまいましたが、長女の売春の話がどうなったのか気になって仕方がないまま放置されています。ど、どうなったんだ。 [映画館(邦画)] 6点(2013-08-15 12:13:51) |
10. アウトレイジ ビヨンド
《ネタバレ》 情報を一切入れずに見ましたが、まさか木村が大活躍するなんて思ってもみませんでした。こういうサプライズは大好きです。役者の演技は文句のつけようがないです。超一流の怖い顔俳優オールスターですから。冷えた空気感や張り詰めた緊張感がひしひしと伝わってくる撮影も素晴らしいです。バイオレンスシーンもなかなかでしたし、オチは最高でした。やっぱりたけし映画は面白いなぁ、次も娯楽映画撮ってくれないかなぁと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2013-08-07 19:05:42) |
11. アイアン・スカイ
《ネタバレ》 第四帝国が月の裏から攻めて来るなんて、素敵な設定じゃあないですか。数々のパロディがビシッと決まっていて、とにかく笑えます。こういうハチャメチャな映画は嫌いな方が多いでしょうが、僕は大好きです。有志の支援を得て作られたCGも十分な出来でした。セットのチャチさも愛せる要素の一つですね。こういう高い意志を持って作られた自主制作的映画がもっと増えてくれることを祈るとともに、この点数にします。 [DVD(字幕)] 7点(2013-08-04 17:15:46) |