21. アザーズ
《ネタバレ》 雑誌で「シックス・センス」の話を持ち出したニコールのインタビュー記事を読んでから観に行ったせいか、初めからああいうオチしか全く想像出来ず、損をしたな…という気はする。一緒に観に行った友人はどうやら全くオチに気付かず、感動したようだったけれど。特筆すべきはニコールのクラッシック・ビューティーぶり。まるでヒッチコックの作品に出て来る女優のようでした。展開については所々になおざりな箇所があるような気もするけれど、この作品に関しては全編を包むゴシックな雰囲気を買います。 6点(2004-02-09 19:44:01) |
22. あなたのために
「雰囲気の可愛さ」という武器だけでこの粗く大味なストーリー展開を押し切ってしまったある種の力技に何だか感動。いや、可愛いですね。全体的な雰囲気が。悲惨な話なのに。そしてそれまでは「シャワーシーンだって厳禁!」な姿勢だったナタリーが、ソフトタッチであったとはいえ、ベッドシーンにまで挑戦しているのに軽くびっくり。時は流れた…。彼女はいわゆる“演技派”ではないし、深みを出せる女優ではないけれど、可愛いです。もう、可愛いからいいや。相変わらず華奢で綺麗な人ですね。日本人好みかな。妊婦時代のワンピース&ロングヘアのスタイルがすごく可愛かった。 6点(2004-02-06 15:03:04) |
23. アンダー・ザ・スキン
私がサマンサ・モートンを好きになる契機になった作品。クリスティーナ・リッチ以降ずっと気になる外タレ女優は現れなかったのだけれど、彼女は久々にキた。彼女、当時まだ19歳だったのに、こんなに生々しい演技が出来るなんて。この女優は何やら色々と背負ってそうだな…と思ったら、結構波乱万丈な人生だそうで。とにかく彼女は、時には身をえぐる位の自傷的な勢いで痛々しく人生にぶち当たって行く女性を演じさせたら一品な女優。彼女を知ったことを添加して、私の中では結構高評価な作品。 8点(2004-02-04 17:37:30) |
24. ANA+OTTO/アナとオットー
映画自体がまるで青銀色の月の光のように静かに絶え間なく発光している。内省的な月の光のような、冷えた美しい詩の羅列のような、そんな情感に溢れた映画。まるでずっと北極線の上にいるような、一本ぴんと張った線の上で進行するような、危うく切なく美しいラブストーリーでした。私にとって、ずっと食わず嫌いだった恋愛映画もいいなあ…と思う契機になった作品。 9点(2004-02-04 16:04:48)(良:1票) |
25. アイズ ワイド シャット
この作品を観て何だか、恐ろしく磨き込まれて冷たく白光りする、石の床で出来た直線的な広い空間をイメージした。恐ろしく天井が高く、硬質で無駄のない排他空間。何だか入って行けない。全てが空々しく、熱を持たない。何者も属せず、あの夫婦だって属し切れていない。葛藤が生々しさを帯びる前に全てが空寒く弾き飛ばされて、全てが空回りするというか。「広く閉じられた眼」だって。しょっぱなから否定的で排他的で、何だか入っていけない。高尚な悪夢って感じ。そんな作品。 7点(2004-02-03 23:43:56) |
26. ア・フュー・グッドメン
見応えのある法廷劇。字の如く四面楚歌・孤立無援の背水の陣。肥大化し、巨大な力を蓄えたセクト主義に挑む“ア・フュー・グッドメン”。現実にああいうことは罷り通っている。世の中には嫌なことが溢れている。そして悔しいことに、その嫌なことをする人たちは、それを潰せるだけの権力を持っている。そういう世の中だからこそ、色々な人に観て欲しいと思う。この作品、一旦社会に出た人間には、絶対に考えるものがあるから。 6点(2004-01-31 16:48:07) |
27. アサシン(1993)
個人的にはブリジット・フォンダはこの作品の時が1番綺麗だったと思う。どうにもならない不良少女から凛とした大人の女性に成長して行く姿。その姿がかっこ良かった。実はオリジナルの「二キータ」は観ていない。そもそも当時はこの作品をリメイクと知らずに観た。おそらく味気も何もない焼き直しなのだろうけれど、普通に楽しめたのでこの点。 6点(2004-01-29 20:21:05) |
28. 愛と精霊の家
「グレン・クローズが泡吹いて倒れた」という話だけ聞いて観てみたけれど、想像したのとは随分違った(笑)。キャストが不思議な位豪華だけれど、何だか無駄に長い。シリアスで重厚な物語を描こうとする製作者の意図、その意は汲めるのだけれど、やたらに弱く印象が薄い。冗長なだけになっている。ちょっと失敗しちゃったかな。ただ、ギャロは当時から「只者ではないオーラ」を放っている。凄い存在感。見るからにヤバい感じでした。 4点(2004-01-24 14:43:23) |
29. I love ペッカー
可愛いっ!楽天的なエドワード・ファーロングも、ブスけたクリスティーナ・リッチも凄く魅力的。脇を固める数々の役者もみんなそれぞれにいい味出していてとってもグー。「こういうのも一応撮ったりします」と変化球で来たジョン・ウォーターズ。この作品は彼の“表代表作”の1つと言っても過言ではないのでは。社会から疎外されたマイノリティーの主張を描かせたら一流のこの監督。その作風に嫌悪感を抱いていた方も、これ位大衆レベルに引き上げられたものなら観やすいと思う。“裏代表作”の「ピンク・フラミンゴ」の世界にはどうしても入れない方も、これなら安心して観れるかも。 9点(2004-01-20 19:32:31) |
30. 姉のいた夏、いない夏
《ネタバレ》 邦題は結構良いと思うのだけれど、確か何かのパクリだと言われていたような気がする。原題は好き。「見えないサーカス」。何だか精神世界的でノスタルジックで切ない感じ。前編を包む霞がかった柔らかな雰囲気は良かった。でも決定的な問題として、キャラクター達に魅力を感じなかったし、感情移入も出来なかった。脚本が頂けないと思う。主人公と姉の元恋人の成り行きに、「は?そう来る?…いや、それはちょっと違うだろ」となんて思ってしまったり。とにかくあの流れはちょっと違うような気がした。 4点(2004-01-16 15:08:22) |
31. 悪魔の棲む家(1979)
やたらに平坦で山場のない作品だった。観ていてだらけて来てしまう。どこが山場なのかがまるで分からない。この作品はお化け屋敷ものの走りなのかも知れないけれど、今観るときついものがある。インパクト薄。これは確か実話を元にしているということで。こんな屋敷が本当にあるのなら1回は行ってみたい。お化け屋敷(遊園地のじゃないよ)はよだれが出る位好き。私は柴犬とお化け屋敷にはよだれが吹き出る。 3点(2004-01-15 21:12:00) |
32. Avalon アヴァロン
映画館に1人で観に行ったのだけれど、周りの人の雰囲気に「…あれ?私、ひょっとして浮いてる?」とそこでやっと、これはそういう系の方の為の映画なのだということに気付いた(黒髪にメガネのネルシャツ少年ばかりの中に、60年代の古着とウィッグとメイクに網タイツ履いた女がいるのだよ。びっくりですよ)。前提としてはゲーマーやオタクのための映画。そしておそらくその大部分も拒絶される類の映画。ここまで観客を突き放す作品とは思わなかった。監督の中ではちゃんと自己完結しているのでしょうか?もしここまで好き勝手やっているのに監督の中でも消化出来ていないのであればちょっと問題です。映像や世界観は流石に押井印で、その独自世界は素晴らしいけれどね。 5点(2004-01-10 22:27:02)(良:1票) |
33. アダムス・ファミリー2
確かにあのサマーキャンプは悪夢だとしか言いようがないですね。虫唾が走ります。ウェンズデーを見ていると、12歳位の頃の自分を思い出します。 7点(2004-01-09 15:26:30)(良:1票) |
34. アダムス・ファミリー(1991)
ああ、素敵だ、何て隙のない家族なんだ。大好きだ。どこかにひっそりながらも堂々と棲息していそうな極濃ゴス家族。ゴスっぷり大全開。自分を堂々と貫ける人たちは大好き。自分は自分、他人は他人。私たち、おかしいことは何一つしてないわ、と毅然と振舞うその姿。「みんなやってるからぁ」的に回りに倣う人が多く、そこから外れる者を排斥したがる、非個性大国日本。もううんざりです。だから私は、その対極にいるこの家族が大好き。 8点(2004-01-09 15:13:04) |
35. 愛のコリーダ
衝撃。ここまで性愛を突き詰めた映画は、今の時点では他には知らない。実際に行為をしていることや派手な性描写を売り物にする作品は数多いけれど、この作品ほど本質的にグロいものはそうそうない。あの濃密な空間。吐き気がするほどの情愛がいっぱいに満ちた、爛れた愛の臭いのする部屋。美術セットの美しさも視覚に焼き付く。阿部定は、1997年位まで生きたらしい。90歳を超えるまで。愛欲や情念に生きる女はなぜか長生きするもの。恋愛に長けた女は生き賢い。やっぱり性と生は密接に結び付いているものなのだろうか…などとぼんやり考えてしまった。私が観たのは「愛のコリーダ2000」の方でしたが、ここに書かせて頂きます。 8点(2004-01-08 20:05:36) |
36. アラジン(1992)
ディズニーはやっぱりこういうのは上手い。素直に感動させる。映像の美しさにも見とれた。ついついビデオも買ってしまった。主題歌も好きだった。CDも買ってしまった。キャラも可愛い。ジーニーがモノマネをするシーンは、当然外タレばかりなので、全部は分からなかった。元ネタの分かるアメリカ人は楽しめただろうと思う。 7点(2004-01-02 23:22:59) |
37. アウトブレイク
ちょうどこの頃、アフリカにおけるエボラ出血熱感染拡大のニュースが頻繁に報道されており、何てタイムリーなんだと思った記憶がある。あまり映画に関する造詣が深い方ではないので、この映画以前にこのようなウイルス感染ものの映画があったのかどうかは分からないけれど、凄いな、新しいな、と素直に感動した。エボラをモデルにしているのだろうけれど、実際のエボラ感染者の死に様なんて、とんでもなく凄惨。細胞壁が破壊されてどろどろに溶けた臓器を、体中の穴という穴から噴き出しながら死ぬのだから。そういうのを娯楽にしてしまうというのは本当はとても不謹慎だけれど、基本的に「人類の破滅」的な話は何かもう凄く大好きなので、わくわくしながら観れた。 7点(2004-01-01 13:33:35)(良:1票) |
38. Undo “アンドゥー”
息苦しく重苦しく濃密で病理的な、歪曲した官能。そういう雰囲気はとてもよく出ている。とりあえず山口智子は女優として色々な引き出しがあるのだな、と感心した。連ドラでは見ることの出来ないダウナーな山口智子を見てみたい方に。 5点(2003-12-30 16:55:19) |
39. アモーレス・ペロス
愛だ何だとくどくどと語るのは野暮なこと。それでも、地べたに這い蹲って生きる者たちの語る「愛」は、何と説得力のあることか。「アモーレス・ペロス」=「犬のような愛」。ブラジルという地には、陰惨でありながらも乾いた不毛な愛が、何とも特別に映える。 9点(2003-12-30 15:48:13) |
40. アメリカン・スウィートハート
アメリカのバタ臭さ全開の映画。これはアメリカ人の為の映画で、日本人にはあまり分からないのでは。日本との国民性の違いを感じる映画です。日本にあんなカップルがいたら、ワイドショーにネタを提供してくれるキワモノカップル扱いでしょう。 3点(2003-12-22 20:23:48) |