12.作品のタイトルからも予知能力のあるクララを軸にした、大人の御伽噺的な家族の物語と想像していたのですが、
そういった要素は抑えられたジェレミー・アイアンズ演じる男の一代記的なストーリーは意外でした。
予知能力を持つという設定が少女時代を除きあまり活かされていないと思うし、
クララの終盤の台詞「人生は奇跡」の通り、原作にはもう少し寓話的要素があったのかもしれません。
それにしても豪華なキャストが揃った作品です。前半にその存在感を見せつけるグレン・クローズ。
当時40代半ばのアイアンズ。複雑な設定の男の人生の最終盤までを演じる演技は見事。
この先スターになっていくヴィンセント・ギャロやアントニオ・バンデラスの存在も見逃せません。
原作未読なので何とも言えませんが、原作の世界観とは少し違う形になっているような気はするものの
140分を一気に見せる力強さがあり、ある男の一代記として見れば
アイアンズの名演もあり十分に見応えのある作品になっていると思います。