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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2013
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  穴(1960) 《ネタバレ》 
なんとかっこ良い映画だろう。一コマ一コマに無駄が無く寡黙にきびきび人物紹介を済ませ、隙の無い脱獄計画を行う。モノクロが映えるパリの巨大地下空間の画も圧倒的。縦横無限につながる通路、トンネルに吸い込まれ小さくなってゆく灯り。地図が作成不可と言われるほどの巨大な異空間が舞台装置として満点。 そしてつくづくと「脱獄に必要なのは根気と丁寧さ」を思い知らされる長ーい固定カメラ。コンクリの壁を破る、鉄柵をヤスリで切る。ひとつひとつの作業をじっと見守るかのように画を動かさない。この我慢強いことは他の脱獄モノの追随を許さない。 ことごとく「しっかり描き切る」んですよね。差し入れの品を検品する場面も然り、散った土砂を刷毛できれいに清める場面然り。外した扉をはめ直す時はがしゃん、と心棒がはまるまでちゃんとやる。熱量の高い描写に、絡め取られるように酔ってしまいそう。 隣の房から反対側の房へと物品を受け渡しする、あそこも鮮やかだったなあ。 各キャラクターの性格も五人それぞれが見事に描き分けられており、だからこそ観てる者はラストにやられてしまうのですね。誰に、ってガスパールに。リーダーのマチュー、ねえやっぱり新人は引き入れるべきではなかったのだよ。完璧に進んでいた脱獄計画。ただ一つの穴が新入りの彼だった。でも、四人の仲間も我々も「ガスパールを入れてやれよ」って思ってたんだ。あの衝撃のラストまでは。 ガスパールは見るからに誠実な好青年。差し入れられた食料も気前良く皆と分かち合い、育ちの良さが滲み出る。 だけど、観客はラストシーンを経てから思い至る。そんなに良い奴だったか?と。相続した財産を使い果たした後は金持ち女のヒモになり、あげく義妹に手を出す奴。痴話げんかの末に刑務所行き。ふと頭をよぎるは所長と面談した時の金のライター。エンドロールを観ながらワタシは叫んでしまった。あああれは袖の下だったのか・・。しょてから抜かりなく権力に取り入ってたなんて。ラストで冒頭の伏線を回収するなんて・・! 脚本も画も役者もなにもかもが凄い。半世紀以上も前にフレンチノワールは完成しているのだなあ。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2019-11-02 15:20:56)(良:2票)
2.  赤ひげ 《ネタバレ》 
一つ一つの人情話が庶民の悲哀や貧困の残酷に根ざしていて重い。けれどその重さを中和するのが三船赤ひげ先生の人間の深みであり、人の情けであり。清濁併せ持つ赤ひげ先生の魅力についてはもう言うに及ばず、三船敏郎の分厚さに唸るばかり。一番好きな場面はチンピラを片っ端からのしておいて、「医者がこんなことをやってはいかん」と大真面目に弟子に諭すところ。もう、参っちゃうなあ。 そしてこの映画、画力にも強烈な印象を受けました。山崎勉のエピソードでの風鈴の使い方。軒に並べられたガラスの輝きとその音色、その向こう、坂道で再会する男女。切ない美しさがもう、すべてこの1カットで語りつくされます。脳が痺れました。 子ども二人の話をこっそりと大人二人が盗み聞きするシーンの画も忘れ難い。布団が幾枚も並べ干されて仕切られた、劇場型な効果は抜群で、こちらも話を漏れ聞いた気分になり涙ぐむのでありました。 人物の造形、お話の濃さ、カメラワーク。どれを取っても一級品。ただ、少ーし長い、です。
[DVD(邦画)] 8点(2017-05-13 23:44:44)
3.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
ワイルダーの鮮やかな脚本が織り成す、キュートで洗練された至高の一品。こういう映画があるから、ハリウッドは世界一の映画の都なんだなあとまで思います。 各場面が次への伏線となって小気味良く展開するリズム感。J・レモンの好ましさ。けっこうみっともない役柄であるのに、この人が演じると品下れない。S・マクレーンが心ここにあらず、の横でせっせとカードの点数をつけ、彼女が早まったことをしないよう外したカミソリの刃を忘れて髭をそる。オジサンに使うには形容詞が違うかもだけど、愛らしいとも感じられる彼の魅力を最大限引き出したのも脚本の力でありましょう。 意地悪に配役された連中も、皆どことなく心底悪人ではなくて、こういうキャラ設定にもワイルダーの人間愛を感じてしまいます。心和むラストです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2014-12-30 01:18:44)
4.  明日に向って撃て! 《ネタバレ》 
この二人、考え浅くてまじめに働くことが嫌だっていう馬鹿野郎ですからね。P・ニューマンの人懐っこい笑顔と、レッドフォードの端整さが無ければこうまで人を魅了しないだろうなあ。刹那的な生き方とも言えるのに、筆致はあくまで軽やか。明るい旋律のrain dropsと、心が開放されるような大平原のショット。馬で駆け抜ける二人の、拘泥するものの無い生き方に憧れすら抱きます。アメリカンニューシネマの人物たる故、破天荒な人生の落とし前は即ち蜂の巣。悲劇的な幕切れではあるけど、画をとめて音のみ残したことと、直前の二人の会話のこの上なく気軽な感じが女々しい感傷を嫌っているようで、最後まで一本気なセンスの良さを感じる演出でありました。
[ビデオ(字幕)] 8点(2014-06-20 19:44:53)(良:1票)
5.  アラバマ物語 《ネタバレ》 
宣材スチール等ではG・ペックの姿が大写しなので彼が主役の話なのかと思っていたら、あにはからんや彼の子ども達の成長物語だったのですね。学校に上がりたての年頃の子の目を通して見る32年の米国社会。子どもだけど大人社会の諍いや差別などの現場に居合わせて社会の実相を学び吸収してゆく兄妹(とその友人)。 知的障害の隣人を事件の中心人物として世間に晒してしまうことはマネシツグミを殺してしまうこと。こんな高度な解釈を8歳やそこらで理解してしまうスカウト。彼女や兄を正しく導いてくれる父親が側にいてくれて本当に良かったです。強く正しく、そして頑迷ではない、”折り合う”知恵も携えた人物にグレゴリー・ペック。まあ前後50年にわたってハリウッド中を探しても彼以上にハマる役者はそういないのでは。当然のオスカーです。 スカウト役のメアリー・バダムも良いですね。おてんばな米国の女の子像はローラ・インガルスを彷彿とさせます。親子ともにアメリカの理想形が凝縮した良心溢れる名作であります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-09 23:01:42)
6.  アラビアのロレンス
横長のスクリーンの下から3/5が白い砂で上が水色の空。その端っこから、小さい小さいラクダに乗った人影が現れて、あまりの雄大さにおお、とため息がもれました。映画の映像の力が炸裂している前半はとても魅力的、アラブのキャスティングも存在感大。後半、人が変わったようなロレンスの心情が理解しきれなくてちょっと残念。後の評価が毀誉褒貶するロレンスという人となりを、もう少し良く知りたかった。
[映画館(字幕)] 7点(2012-09-30 01:21:04)
7.  アメリカ アメリカ 《ネタバレ》 
カザン監督、どれ自分の出自を皆に語って聞かせよう、と思っちゃったらしい。彼の叔父がいかに苦労してアメリカに渡ったか、を暑苦しいほどに重ねて描写してます。もう、力入っちゃって、主人公スタヴロスの境遇の悲惨なことといったらそこまでやるかーと言葉失うほど。旅の序盤そうそう悪魔みたいなトルコ人追い剥ぎに出会って一族の全財産盗られたくだりは、田舎モノの主人公の朴訥さがこちらも歯がゆくてねえ。絶対騙されると思ったよお、なんでもっと早く闘わないの。それから状況は厳しくなる一方ですから、そりゃだんだん顔つきも変わって口数も少なくなったでありましょう。ただ、この役者さん、物語のスタートからあまり表情数が多くなく、ずっとむっつりと無表情な印象。経験が顔に出る演技に至ってないのが残念でした。それと、やっぱり説明不足に感じるのが裕福な家の婿になる話を蹴ってまで渡米したがるエピソード。故郷の家族をもっと早く確実にラクにできたのに、とは誰でも思うところではないでしょうか。男娼になってまで貫くアメリカ愛とは相当ですよ。彼のその思いがもっと切実に伝わると良かったのですが。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-09-23 23:31:05)
8.  赤い砂漠
意識が遠のきそうになるほどのストーリーのツマラナサと、心がどんどん滅入っていく究極に寂しい画。汚染された川に鉄錆の浮いた船体、蒸気を上げる石油コンビナートのパイプ。誰にも笑顔が無くて、なんかもう勘弁してくださいと言いたくなるくらい心が寒いよ。にも関わらずこの映画が強烈な印象を残すのは、モニカ・ヴィッティがいるから。モニカが綺麗で、コートが素敵で似合っていて、脚のラインが見事で、髪形が古くさくなくて、声も表情も全部とんでもなく美しいので最後まで観れた。イタリアの至宝とは彼女のことかしら。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-02-21 00:55:10)
9.  甘い生活 《ネタバレ》 
結局のところ、「オレはこんなコトに甘んじている人間じゃないんだー」という鬱屈を抱えるゴシップ記者が刹那的になったりヤケをおこしたりする、そのエピソードがぼつぼつと語られるだけなんだけども。“誰とでも寝る”A・エーメの誘いやアメリカ女優のわがまま、聖母出現の大騒ぎにどしゃ降り、心通わせた友人の心の闇。正直、これらのひとつひとつに意味とか哲学とか感じるのはとても難しい。82/1同様、またもどん詰まりのマストロヤンニ。若い頃観たときは、バケツで水ぶっかけてやろうかと思ったけど、年を経ると人生のもどかしさとか、老いてゆく親の姿に胸を衝かれたりとか、彼の心情にちょっと寄り添えるような観方ができた。意外だった。
[ビデオ(字幕)] 5点(2012-09-08 17:27:53)
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