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1.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
淡い恋心が愛情に変わりますがその愛は普通の恋愛ドラマの様な絶対的な価値観として表現されてはなく相対的なものとして扱われていて、その比較対象も友情や人の生死と言った高潔なものではなく仕事(出世)や他の恋愛感情であったりとかなり下世話なものになっていますし、心優しい主人公が上司の不貞の世話をするとか、男運が悪いと言っておきながら不倫相手の部長と別れられないフラン等、登場人物達の内面にも多面性が伺われたりとコメディ要素満載の話なのですが結構実世界に即した設定のような気がしました。  「非の打ち所がない男女が愛とそれに見合う問題の狭間で悩んでそれなりの犠牲を払って最終的に愛を勝ち取る」といった話でなく人を思いやる事は出来るが打算的な2人が今までの自分達の負の行動の精算をしながらお互いの幸せの為に相手の所に辿り着くと言った感じでしょうか。 一見すると主役の2人を含めてエゴに凝り固まった人々の取り留めの無い話になってしまいそうですが、飽きさす事なくプロップを効果的に使い何とも魅力溢れる作品に仕上げてハッピーエンドで纏めるビリー・ワイルダーの手腕は流石としか言えません。  パンフォーカスを多用している為にコメディ作品らしいすっきりとして分かり易い画になっていますし、カメラワークも極力控え目でストーリー中心で見せていますが最後の主役の2人がソファーに座りカードをするシーンでは正面からフルフレームに2人を捉えて力強さを感じさせるラストカットに相応しい画になっていると思います。  無駄と隙のない脚本とそつのない演出が作品全体をがっちりと固めているので、人として欠点の有る2人も彼等の優しさや可愛らしさといった良い面をフォーカスしながら非常に好感を持ってストレスなく最後まで見る事が出来ました。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2015-08-11 21:11:46)
2.  雨に唄えば 《ネタバレ》 
本作を見ていると今の時代に映画を作る事が気の毒にさえ思えてきます。 大袈裟に言うとほぼ一通り出尽くした感がある創作表現の世界では、如何に今までにない話にするかで脚本や設定で裏の裏の裏までかいて奇抜なものにしなければ認めて貰えない様にも感じてしまいます。 まるで隅々まで発見し尽くされたこの世界で現代の冒険者と言われている人達がリヤカーを引いての世界一周やエベレスト登頂の最年長記録等、自らにハンディを与えたり、本質ではない所に拘ったりしているのと同じに見えます。(それらを否定している訳では有りません)  本作が作られた1950年代等は映画そのものに開拓の余地がまだまだ残されていたようにも思え、本作の様にミュージカルを真正面から撮る事が出来た余裕のある時代に感じられます。 それは大航海時代にマゼランやバスコ・ダ・ガマが「とにかく船を走らせろ、そうすれば見た事もないようなものを見せてやる」といった様な時代にも重なります。(彼等がそんな事言った史実は有りません)  しかし勝利要因は時代に恵まれていたからというものだけでは決してなく作品そのものの質も非常に高く、それを裏付ける様に出演者達の表情や演技から「この作品は絶対に間違っていない、絶対に傑作になる」という自信が伝わってきます。 そんな自信に満ち溢れた彼等の演技が活き活きと表情豊かで魅力的になるのは当然です。 私自身も作中のそんな彼等に無条件で自分自身を委ねてしまいますし、その瞬間からG・ケリーやD・オコナー、D・レイノルズと一緒になって楽しむ事が出来ました。  作品を見ていて気が付いたのはハンナ&バーバラの初期のトムとジェリーに似ていると思った事でした。 勿論追っ掛けっこはしませんし、アニメと実写、猫とネズミと人間等違いは有りますが演出や音楽の使い方、音楽そのものが作品を通して結構似ています。 冒頭のレッドカーペットからドンがコズモとの捏造された下積み時代の回想シーンまではそれを彷彿とさせる演出(見せ方)になっています。 インストゥルメンタルの音楽等は同一人物がスコアを書いたのではないかと思う程そっくりです。 制作は何方もMGMなのでスタッフがリンクしていたのかもしれません。 何方が何方をマネをしたかどうかとかはどうでも良い事です。 大好きなトムとジェリー同様にお気に入りの映画が一本増えただけの事です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-06-27 01:40:56)
3.  アウトレイジ(2010) 《ネタバレ》 
理数系監督の作品といった印象です。 閉じられた空間の中に「暴力上等」を伴った複数の因子を配置して、それらの一部にストレス(軋轢)を与え、各因子の相対的な反応を見ているようです。 空間内の視点から見れば因子同士の行動の目的はストレス問題の解決ですが、空間の外から見れば、単なる自滅とも取れる連鎖的因子崩壊です。 因子自体が持っている暴力的な特性上、極めて自然な結果です。 そして地球に人間が蔓延っている様に、最後に残るのは「知性派の謀反上等」の因子です。 ヤクザ社会のエントロピーの法則と進化に於ける自然淘汰論とでも言った所でしょうか。   話自体は難しくはなく、テニスのラリーのようにヤクザの報復戦の応酬が淡々と進んでいきますが、映像表現の迫力や、配役、役者さんの演技などのお陰でかなり見入ってしまいました。  特に椎名桔平さんのヤバい感じや、小日向文世さんの下衆っぷりは見ていて気持ち良かったです。   派手な画を撮ろうとして興醒めなCG映像に成ってしまったり、劇的な展開を目指し整合性のない脚本に陥ってしまう作品が目立つ中で、一方的な襲撃で銃撃戦(撃ち合い)は殆ど無かった事や、エキストラを多用した広い画のカットなども無く、話も単純かつ自然な流れでまとまっているので、作品的に広がりが余り感じられませんでしたが、失敗する要素を極力カットして出来る事を丁寧に撮っている印象があり、映像、脚本に隙がなったのでストレス無く見る事が出来ました。 作品をきちんと一本にまとめ上げる北野武さんの監督としての力量を感じました。 
[CS・衛星(邦画)] 9点(2015-04-15 17:45:50)
4.  アーティスト 《ネタバレ》 
 HDの中に録画されていたので取り敢えず予備知識などは全くなしで見ました。  モノクロサイレントは映画の導入部で、いつ色が付いて音が出るのかと思っていたのですが、そうではないと気がついた時には作品にかなり入り込んでいました。   とても可愛らしい作品でした。フランス映画とのことですがハリウッド映画の様に脚本、映像に高い整合性が感じられ、時間も約100分という事も有り、手の中にすっぽりと収まる良く出来た工芸品のようでした。   サイレントという事で、主人公の少し大袈裟な演技も作品に合っていましたし、脇を固める犬とヒロインも良かったです。出演者全員の演技やストーリーに、ほぼ重たい所がないので軽妙に進みます。   また、音がないという事で映像は丁寧に作っている印象でした。当時の町並み(ヒロインが車を運転して主人公の所まで行くシーンの派手ではないカーアクションや、カット割りも含めて俊逸でした)や、〇〇町のみなさんと言ったエキストラではなく、演技の出来ているエキストラは見ていてストレスがなかったです。   音も色も無く、加えてシンプルですが、良質のラブストーリーでした。 
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-04-13 15:27:39)(良:1票)
5.  歩いても 歩いても 《ネタバレ》 
阿部寛さんの演技は最近では褒めるのが当たり前になって来ました。 信夫を演じた高橋和也さんが役どころも良く作中では光って見えます。 特筆すべきは、孫達を演じた子役と言ってしまったら失礼に値する3人の役者さんです。 作品を通して大人達が作っている淡々と安定した世界観を壊すことなく、それどころか作中での夏という季節にシンクロするように作品に瑞々しさを与えてくれています。 3人の演技は勿論ですが『そして父になる』での子供達も同様の印象だったので是枝監督の演出や撮影現場の雰囲気作りが卓越していると考えるのが自然だと思います。 百日紅の紅い花を手に取って遊んでいるシーンは本当に素晴らしかったです。  家族だから言えない事、言ってしまう事、家族なのに伝わらない事、伝わってしまう事、家族の中で比較してしまう者、比較される事を否定する者、比較の対象として受け入れて貰いたい者等を親族の死を絡め、何気ない伏線を自然に回収させながら絶妙の距離感や台詞と丁寧な脚本、映像で厳しさや優しさとして小さくすれ違いながら表現されています。  長男の墓に水を掛けながら語りかけるとし子を死んだ兎に手紙を書こうと言った友達を笑ったあつしがじっと見ていますが、何年後かの墓参りで良多も同じ事をしています。 あつしの中に良多がじわじわと入ってくるというシーンを基に考えると、そんなあつしにも彼等の行動を理解する日が来るのかもしれません。 また、助けられた男性を長男の仏前に呼ぶ本当の理由を吐露するとし子の後ろで低く一定に鳴る換気扇の機械音は彼女の消える事のない怨念のような不気味さを増幅させる効果となっています。  登場人物が画の中にわさわさと居ても各人が的確な演技を見せてくれています。 しかし自然ではあるものの演技や演出に無駄や隙がなさすぎるので作品全体が無機質になってしまう箇所もあり、話の抑揚がかなり抑えられて各シークエンスもそれぞれに完結してまっている所が多く、そこからの発展が少ない為に見ているこちら側が委ねられるような大きな流れのようなものを感じられません。 この様な演出は監督の狙いだと思いますし私自身も劇的な展開やあざとい心理描写等を本作からは望んではいませんし程度の問題だと思いますが、話の本筋というものが掴みづらいと単なるサイドストーリーの集合体で成り立っている俳優や雰囲気で見せる作品という印象になってしまいます。 そこに少し上手過ぎる演出の弊害のようなものを感じてしまいました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-06-19 18:58:41)
6.  網走番外地(1965) 《ネタバレ》 
冒頭の如何にも顔見せ的な受刑者が順番に言う一言コメントや、風呂に入る前の一発芸大会や台詞等に違和感を覚えるシーンは多少有りましたが、本作を見ながらタイガーマスクや巨人の星を子供の頃に見た時にも「昔のアニメは言葉遣いや見せ方がヘンテコだなぁ」と感じた事を思い出しました。 制作されたのが共に昭和40年代前半という事なので、私が感じた違和感とは演出的な問題ではなく時代的要因から来る古さなのでしょう。  脚本自体のプロットは上手く出来ています。 回想シーンが唐突に入る等の印象は有りますが全体的にテンポは良く、如何にも弱々しい年老いた阿久田が鬼寅だったという一連の展開は俊逸です。 作品が始まる前の解説で鬼寅の正体を自称映画好きという元アナウンサーがしれっとネタバレさせていたのには本当にガッカリしました。作中の登場人物を軽く凌駕する一番の極悪人です。  俳優達も受刑者を活き活きと演じています。 田中邦衛さんはやっぱり田中邦衛ですし、嵐寛寿郎さんの前述のシーンには重厚な迫力を感じます。 権田の不愉快で気味の悪い人間性は見ていて本当に不快でしたが、逆に南原さんの演技力の高さという事だと思います。  モノクロというのも予想外でしたが、雪と対象物のはっきりとした強めのコントラストが美しく、ジム・ジャームッシュ作品の様なすっきりとした映像になっています。(勿論、本作の方が早く作られています) また、迫力溢れるシーンでの映像はこの作品を質の高いものにしている特筆すべき要素だったと思います。 トロッコでの追跡劇や汽車で鎖を切る一連の編集やカメラワークはスピード感や臨場感が有りましたし、食い入る様に見てしまうシーンは他にも多々有りました。 真っ白な雪の中でお互いに鎖で繋がれた、ある意味自由の効かない橘と権田が殴りあうシーンに、無限に広がる大空の中を自由に飛んでいるカラスが争っている様なカットが何度も差し込まれますが、まるで争う事は状況が原因ではなく闘争本能という逃れられない生き物の性が原因であると言っている様で虚しさすら感じてしまいます。  ラストでは大怪我をした権田を病院に連れて行ってくれるなら何でもすると人間的な良心を示す橘の要求に監察官の妻木が了承し、それに加え脱獄犯の2人に対して銃すらも携帯せずに同伴する妻木の行動に嬉しさが込み上げて来る橘が病院に行く為に馬を走らせる姿で終わります。 恐らく家族以外から信用を得た事のない橘が初めて他人から信用して貰えたであろう人間の根源的な喜びを、高倉健さんが子供の様な表情で見せているこのラストシーンはとても印象深いものになっています。 古くても時代を感じさせない優れた作品は有りますが、本作は時代の古さを感じつつも優れた作品になっています。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-06-04 20:00:56)
7.  アウトレイジ ビヨンド 《ネタバレ》 
面白かったですが前作に比べると、少し張り切ってしまいガチャガチャした普通のヤクザ映画という印象でした。 元気に水中を泳ぐ魚より、水底で蠢いているドジョウやウナギの様な前作の雰囲気が良かったので少々残念です。 花菱会と、水原と、木村の下に着いていた若い2人がその要因だと思います。 花菱会の3人組は、もろステレオタイプの関西ヤクザと言った印象ですが、配役、演技は良かったです。特に塩見さんは引くほど怖かったです。 彼等をトーンダウンさせる必要はないと思うので、寡黙で不気味な第4の人物を花菱会の中に立てて、バランスを取って欲しかったです。(勿論、喋る時は関西弁) 水原は前作での雰囲気が良かった為にがっかりしました。 小物感を出す為だと思いますが、中尾さんを始めとする周りの組員の演技に対して、加瀬さんのあのヒステリックな演技は上手いとは思えませんでしたし、小物感に対する演出、演技の程度や方向が違っていたように思います。 重要な役どころだったので、1人だけビー・バップ・ハイスクールになってしまったのは残念です。 それに対して、清廉性はあるが口と態度が悪いマル暴の繁田は説得力が有り、演じている松重さんも役にハマっていました。   脚本は前作同様、設定や話の筋におかしな所が無かったのでストレス無く見る事が出来ました。 音楽が唯一前作を超えていたという印象でした。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-16 16:06:41)(良:1票)
8.  あなたへ 《ネタバレ》 
食堂の多恵子の旦那が南原だったとは最後まで判りませんでした。 私だったら多恵子に言われた通りに写真を海に流して「良い事したなぁ」等と思いながらまっすぐ富山に帰っていたでしょうから、誰の気持ちも汲めずに彼等をがっかりさせていたと思います。 気が付かなかった自分の事を頭が悪いと思いたくないのでポジティブに考えると写真を渡した時点で大体判ってしまうと最後のシーンでの感動が半減してしまう為にわざと判りづらくさせている演出と考える事にしました。  局留めの手紙が「さようなら」だけですが、その言葉の本当の意味が判った時には、英二の洋子への依存の大きさが理解できるのと同時に手紙を認めた時の洋子の気持ちを想像すると切なくなりました。 しかし、彼等2人の思い出は作中何度か出てきますが、2人の関係性がそこまで深いものだと感じさせてくれるシーンがないので感動が半減してしまいました。 このプロットが作品のテーマだと思いますのでここの演出はしっかりと機能するように判りやすく描いて貰いたかったです。  移動中に挿入される洋子との過去のシーンによって時間軸に幅が出来たり、各登場人物が健さんに追いついたり追い越したりしながら話が進む事により相対的な移動感覚の効果で実際に健さんが移動した距離と時間よりも変化に富んだロードムービーとなっています。 健さんのキャラクターを考慮すると彼自身がバタバタ動くよりも、健さんも動くけれども周りが彼以上に動くという本作の見せ方は良かったと思います。 しかし、ジャニーズと吉本が絡むと宣伝効果が有るとしても作品的にはあまり良い事が有りません。 また、長崎に着いてからの健さんの落ち着いた佇まいや大滝さんとのやり取りはやはり彼が演じた事によって説得力が有りました。  控え目で自己主張をしないという日本人の属性を主役としてスクリーンの真ん中で存在感と共に演じるという相反する事を見事なバランスで毎回こなして、見ている側を納得させてきた健さんには感謝します。 作品の中で英二は洋子の希望通り死んだ彼女の思い出を乗り越えて自分の時間を生きて行くのに対して、私自身が自分の時間を生きて行くのに色々な映画の色々な健さんに今だに依存しているのは皮肉とも取れますが、逆に映画スター高倉健の存在の大きさを感じさせてくれます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-07-08 21:52:00)
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