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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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81.  GANTZ
ええと、オジサンにはついていくのがなかなか大変なのですが。 ●まず、GANTZってのはきっと、がんばれロボコンに出てたガンツ先生のことだな。辛口の採点だし。それがこんな、モノリスの球形バージョンみたいな変わり果てたお姿に。 ●さわやか田中星人、これはさすがに田中星児のことなんでしょうなあ。こんな暴力的ではないハズだが(子供の頃、テレビで田中星児を見かけるとそれだけで無性にうれしかったなあ。そのくらい、サワヤカでしたね)。 ●バトルの合間に、ボソボソと聴き取りにくいセリフの小芝居が挿入される、これは『大日本人』のパロディなのか?まさか? ●仏さんにあんなことさせたら、バチあたりまっせ。面白いけど(笑)。しっかし、戦いをやたらぐずぐずと引っ張る割には、何の作戦も何のアイデアもなく、結局は銃で撃って退治するだけって、どういうこと? ●内容的には、ゲームで淡々とステージをクリアしていくような感じ。行き当たりばったりで、物語が進行とともに深まっていく要素がほとんど無い(無くは無いが、あまりにモノ足りない)。こんな状況で、to be continuedって言われても。……大丈夫か? ●という訳で、続きが楽しみです(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-10-08 00:25:01)(笑:1票)
82.  仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
ヤケクソもここに極まれり。お祭りです。仮面ライダーと戦隊モノをぜーんぶ出しちゃえ、という企画案に対し、「解無し」という立派な解答を提示してくれた、製作陣の並々ならぬ努力に拍手。まず、半年少々しか放送されなかった仮面ライダーディケイド、コヤツが「歴代仮面ライダー」ありきの、非常にメタな性質をもった面倒なキャラ(その分、企画としては使い道が多い)。で、あの悪名高い(?)『オールライダー対大ショッカー』という映画が作られちゃうのだけど(アリンコみたいにライダーがうじゃうじゃ出てきても、なあ)。で、さらなる上を、安直に目指してしまうと、本作『仮面ライダー×スーパー戦隊』となっちゃう訳ですな。お誂え向きなことには、戦隊側にも『ゴーカイジャー』という面倒な企画が通っていて、コヤツらは過去の戦隊モノに色々変身できちゃう、明らかに“お兄ちゃんの世代”さらには“親の世代”へのご機嫌取りみたいなキャラなのですな(余談ですが、タイムレンジャーの最終回で、過去の戦隊を詳細に解説してくれていてなかなか面白かったと記憶しています。我々へのご機嫌取りは、アレで充分です)。お膳立ては揃った、あとはライダーと戦隊をテンコ盛り登場させるだけ! ライダーと戦隊が抗争を繰り広げる! 「次の獲物は?」「天装戦隊ゴセイジャーだ!」という訳で、どこかのド田舎でゴセイジャーが襲撃されている光景を観ると、スーパー戦隊というより、町興しの為のご当地戦隊にしか見えないのがトホホ(要するにコレって、テレビ放送が終わったヒーローたちは、日本各地でひっそりと余生を送っている、という設定なんですよね?? 違う??)。さてこの戦いの行方は、いかに。いかにってったって、最後は皆で手を組んで悪と戦うに決まっているのですが、ここでもアリンコみたいにうじゃうじゃヒーローを登場させるのは結構ですが、「実際に無数のヒーローが画面に収められているシーン」というのが意外に少なくて、背景の寂しい手抜きのような戦闘シーンになってしまっているのが、アカンでしょ。基本的にこういう“特撮ヒーローもの”というジャンルは、カット割りで見せることを身上とした楽しい作品であって、嫌いではないのですけどね。ちょっとお祭りバカ騒ぎが過ぎましたね。
[DVD(邦画)] 3点(2013-08-17 11:36:41)(良:2票)
83.  風とライオン
クライマックスは、ウェスタンと戦争映画を足したような感じで、実に盛り上がるのですが、結局コレがやりたかっただけなんじゃないの、という気もします。北アフリカの砂漠とアメリカとを行き来する構成ですが、ベルベル人の長とルーズベルトとの対立軸が、必ずしも鮮明に描けているようには思えません。そもそも、「風」と「ライオン」という比喩自体、正直あまりピンと来ないんですけどね~。最後にドイツを悪者にでっちあげてアメリカをヒーローにしてしまったのも、対立軸をボカしてしまった一因。しかしここでは、タカ派と呼ばれるジョン・ミリアスが、力や強さにあこがれつつも、アメリカのそれに重ね合わせるのではなく、むしろアメリカ風の理知的なイマドキの「強さ」に対して、あくまで野性的で原始的な生命力としての「力」を、滅びつつあるものへの郷愁をこめて描いております。ましてやその題材としてイスラムを選択できたこの映画の時代背景に、ちょっと皮肉まじりの郷愁を感じてしまったりもするのですが、それは映画そのものとは別の話。いずれにせよ、このライズリなる文明批判者の魅力こそが、この作品の大きな魅力のひとつ。そして、ショーン・コネリーには、こういう頑固一徹さがよく似合います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-06 17:24:34)
84.  カッコーの巣の上で
冒頭の音楽からして、ノコギリと思しき楽器が奏でるメロディの背景にグラスハープと思しき音色が走り、ユーモラスながら不安も誘う、ヒト癖ある幕開けではありますが。映画自体はむしろ、やや単純な図式が目立ってしまっていて、拍子抜け。「抑圧」「反発」「自由」「挫折」という、アリガチなキーワードが配置された骨組、そのまんま、という感じ。精神病院の実態を克明に描こうとかいう作品でもなく(大熊一夫の「ルポ・精神病棟」でも読んだ方が、とりあえず衝撃は味わえます)、この映画で描いている“精神病院”は、社会の縮図、象徴としての場。そこに、あの「多数決」のくだりのような見え透いたエピソードが挿入されると、ちょっと辟易してしまいます。この映画のジャック・ニコルソンに感動するとしたら、それは、映画が描く「管理」だけではなく、この映画自体が「管理的」な図式に則ってエピソードを組み込んでくる中において、「自由」と言うものをオレが体現してやろうとばかりに、ひたすらハメを外し映画の枠を壊そうとし続けるところ、にあるのではないでしょうか。であるならば(多分違うけど)、こんなラストは願い下げ。スタインベックの「二十日鼠と人間」のパロディのような、いかにも仕組まれたラストは願い下げ。ここで流れる、「はいここは感動する場面ですよ」と言わんばかりのヌルい音楽も鼻につきます。せっかく、この特殊な舞台の中で登場人物たちをこれだけ活き活きと描き、よっていくつかのエピソードもまた活き活きと描かれていたのに、映画全体に関して言うと、どうにも計算高さのようなものに伴う「手加減」を感じてしまうのですが……。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-17 16:37:53)
85.  風と共に去りぬ 《ネタバレ》 
その昔、あまりの長さに辟易して、映画がようやく終わった時にはこの上ない安堵感に浸った(笑)記憶だけがあったのですが、これはこらえ性の無い自分が悪いんだろう、次に観たら楽しめるんじゃないか、と思っていた訳です。そう思いながらも敬遠し続けてきた訳です。で、久しぶりというよりは初心のつもりで今回観たのですが……初心どころか、ちょっと「昔の自分」に同情してしまいました、ハイ。いや、人物描写といい、壮大なスケール感といい、前半は間違い無く楽しめますよ。後半に入って物語の色合いが変わっても、しばらくは違和感が無い、のだけど……最後の1時間くらい、どうしてこうも投げやりなんですかねえ。とにかくギクシャクしていて、歯切れが悪い。レットと娘のロンドン行きのエピソードなんて、たったこれだけしか描写しないんなら、いっそ無い方がマシでしょう。娘の死に続くメラニーの死、ここも異様な程にメリハリが無く、一体どっちの死を悲しんでるシーンやら、と観てて苦笑すらしてしまいます。とにかく奇妙なまでに断片的で、ラストに至る肝心の場面で、スカーレットもレットも、その人物像が消し飛んでしまうのは、残念としか言いようがありません。結局、やたら長い映画のようでいて、実はこれでも尺が足りなかった、ということですかね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-17 08:15:11)
86.  間諜X27
クラシック映画=端正な映画、だなんて思っていると、さにあらず。例えばこの映画なんですけど……私だけですかね、観てて気持ち悪いというかコワイというか、妙な気分になるのは。とにかくショットの繋ぎが刻むリズムが、気持ちの悪い、不思議な変拍子。劇中で何度も有名曲が引用される、その音楽のリズムに対し、映像の「間の悪い」リズムが重なり、これはもう妖しすぎるポリリズム。ついでに調子ハズレの月光ソナタなど、音楽までもが変容していく。再三登場する二重写しのシーンなんかも気持ち悪くて気持ち悪くて、おいおいこの映画呪われてるよ、と言いたくなっちゃう。↓皆さんそろってディートリッヒに言及しておられる気持ち、本当によくわかる。この歪んだ作品の中を、ズバリ一本貫く存在、それが彼女なのだから。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-11-04 08:26:01)
87.  カウボーイ&エイリアン
タイトルと設定のぶっ飛び具合に比べて、まあ何と真っ当な西部劇。開拓史時代のカウボーイが、高度な文明を誇る異星人に太刀打ちできるのか!!とか云うような関心は本作にはあまり無くて(そりゃまあ西部劇の世界に宇宙船が出てくりゃ、それだけで充分ワクワクしますけど)、この程度の宇宙人なら確かにカウボーイでも勝てそう。いや実際、いい勝負なので、バトルにも見ごたえがありますナ。うん、基本的には、かつての西部劇で戦う相手が先住民だったのを、宇宙人に取り換えただけかも知れん。ああ、イイ西部劇を観たな、と納得している自分が居るその一方、何と図々しい企画の映画だと思わんでもなかったり。ハリソン・フォード演じる大佐、息子の無事を確認したその直後にはもう、戦友たるダニエル・クレイグ達の安否を問い、次なる戦いへと身を投じている、これにはもうシビレまくりました。これぞ、ヒーロー。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2012-10-10 23:28:14)(良:1票)
88.  ガン・ファイター(1961)
片や札付きの流れ者、片や彼を追う保安官。保安官にとっては個人的に恨みを持つ相手でもあり、しかも同じ人妻を狙う恋敵でもあり。しかし困難を切り抜けていく中で、二人の間には友情らしきものが芽生え、三角関係も無事解消し……と事態が良い方向へ向かうかと思いきや、最後に意外で残酷な展開が待っている。西部劇にこういう題材って、反則ですよ、まったくもう(笑)。という訳で、すべてを自らの力で切り開く男の中の男、といった感じの流れ者カーク・ダグラスが、成すすべも無く運命の渦に飲み込まれていくようなラスト、これはもう何とも言えぬ後味を残します。カーク・ダグラスの曲者ぶりに比べると、やっぱりロック・ハドソンは、クセが無いというか、どこかホモっぽいというか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-04 20:49:40)
89.  怪獣ゴルゴ 《ネタバレ》 
イギリス製のキグルミ怪獣映画。怪獣の微妙なサイズといい、“怪獣をとっつかまえて都会で見世物にする”というストーリーと言い、『キングコング』のパクリかと思えば、さにあらず。怪獣が微妙なサイズなのは、実はそれが“ミニラ”であったからでして、後半は、“ミニラ”救出のために巨大親“ゴジラ”がロンドンに上陸、破壊の限りをつくす、ってなオハナシ。キグルミ怪獣ってのは、前屈姿勢の最近のCG恐竜とは違って、背筋がまっすぐ立っており、ダサいと言わればそりゃダサいですけど、建造物を次々に破壊していくのはやっぱり、こういう怪獣の方がサマになります。破壊されるミニチュア建造物の作りも精巧で、見事なもの。群衆パニックシーンや軍隊出動シーンと折り合わせてダイナミックな仕上がりに。怪獣の方も、キグルミとは言え、怪獣の耳を動かしてみせたりする芸の細かさ(あれって多分、耳だよなあ)。さらには実物大の赤ちゃん怪獣を登場させるなど、何かと気合いの入った作品になっているのですが。……では、そんな気合いの入った本作の、一体何が気に食わぬかというと、まあ、「上記した点以外、すべて」とでも言いますか。ワクワクさせるような冒険モノの要素も何もなく(そこが『キングコング』と全く違う点)、ひたすら単調な語り口。肝心のロンドン襲撃のシーンだって、「名所を破壊しておけばとりあえずスペクタクルシーンになるでしょ」みたいな安直なノリで、でも破壊とパニックが淡々と並べられているもんだから、無味乾燥な印象が拭えません。その挙句、「怪獣親子仲良く帰っていきましたとさ」っんだから、そりゃま、日活の某怪獣映画とか、それこそ某CG恐竜映画の第2作とかに影響は与えんたんでしょうが、「おいおい、駆け足の描写で辿り着いた結論が、これかよ」、と、まあ正直、何の余韻も残らない訳ですが。そんな作品でもいいから、怪獣映画の歴史のひとコマを見てみたい、という方は、どうぞ。
[DVD(字幕)] 5点(2012-06-17 08:21:56)
90.  帰らざる河
激流下りのアドベンチャー映画。生き別れた息子と再会した主人公。ある日、激流に呑まれそうになっている男女を救う。しかし男の方はとんでも無いヤツで、馬と銃を奪って去って行ってしまう。残された3人は、先住民の襲撃から逃れるため、筏で激流へと乗り出す。しかしその道中にも、先住民が襲って来たり、猛獣(これ何?)が襲って来たり、ヒゲ親父が襲って来たり。わざわざ筏にまで泳いできて襲撃する先住民のしつこさ、一体何が彼らをそこまで駆り立てるのか? もはやここまで来ると、これは襲撃などではなく、3人に何か用事があって追いかけているのではないかとすら思えてきて、これじゃまるで童謡の「森のくまさん」ですね。さてこの映画、画面の多層性にもコダワリを見せてまして、背景に手を抜かず人物を配置したり、時には複数の人物の所作をひとつの画面に収めたり。ただ・・・これが見ようによっては「せっかくマリリン・モンローを出演させたんだから、少しでも彼女を多くのシーンに登場させてやろう」というセコい意図であるように思えてしまい、ちょっとビンボーくさい気もしてきて。きっとこれがマリリン・モンローでなければ、そんな風には見えちゃうこともなかったのでは。と言う訳で、これは、「マリリン・モンローの映画」です。あと、ふんだんにロケ撮影を行っているのも良いのですが、ときどき、妙なシーンでスタジオ撮影になりますね・・・?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-15 08:43:21)
91.  カーズ2
マックィーンなんぞというキャラは脇役に回した方がよい、という点によくぞ気付いてくれました、おかげで抜群に面白くなったこの第2作。いや続編なんてことは気にせず、単独の作品としてこの“ミステリの傑作”を楽しめばよろしいか、と。もちろんこの、スピード感あふれるアクションも。
[DVD(吹替)] 8点(2012-01-03 12:21:16)
92.  影なき男(1988)
ハメットの小説とは全く関係ない作品で、変な邦題だとは思いますが(“影なき男”って一体誰のことだよ)、これが意外な拾いモノ。面白い。凶悪犯を追って雪山へと入っていく、山男とFBI捜査官の凸凹コンビ、サスペンスと冒険モノの融合。私が面白いな~と思って観ていると、ウチの子供たちも横で熱中して観ており、やっぱり面白いと感じている模様。私がお勧めしても誰も信用してくれないかも知れませんが、ウチの子供たちの観る目は私よりは確かだと思うので、この映画、お勧めです。シドニー・ポワチエも、人種問題を背負って優等生を演じ続けなければいけなかったかつてとは違い、肩の力を抜いてユーモアたっぷり、楽しんで演じているような役柄。一方のトム・べレンジャーの真面目くさった顔。これがまた本作の楽しいところ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-08-18 08:15:24)
93.  華麗なる一族
「心臓に毛が生えている」とはどういうことかが、よーくわかる3時間半。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-08-07 14:13:13)
94.  カリブの熱い夜
一見単純な物語の裏には複雑な真相が・・・ってな作品を期待しがちですが、本作、いやあ見事にそれとは正反対。なんやかんやと複雑そうに見せながら、実際にはなーんにもない、そのまんま。ミスディレクションが無いことが最大のミスディレクション、と言えなくもないけど、まあ、トホホですな。まさかこんな内容で、ミステリ映画ではなくロマンス映画だったとは(ラストシーン)。このあつかましさはちょっと衝撃的でした。ムダにちりばめられたBGMのダサさは、80年代臭がプンプンしますな(ちょっと懐かしい)。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-06-14 23:51:39)
95.  家族ゲーム 《ネタバレ》 
この映画はBGMが無い。無いけど有る。過剰なまでに取り入れられた効果音こそはまさにBGM、いやBGM以上に訴えかけてくるもの。肝心のセリフの方はむしろ、ボソボソと聴き取りにくく語られ、例えば食事中の食器の音など、挿入される効果音の方が鮮明に響いてくる。コミュニケーションの欠落、空虚さ(これに比べりゃ、“食卓の横並びの構図”なんて、はっきり言ってどうでもよい。茶番じみている)。メチャメチャな家庭教師がメチャメチャやって、でも何故か物事うまくいってしまい(成績向上・志望校?合格)、でもでもそのメチャメチャはさらに暴走、その挙句、「チャブ台返し」にて騒動は終焉する。家庭教師が巻き起こした嵐の後、残された家族はボー然と後片付けをするシーン、それまでバラバラだった家族が初めて一体化したような、しかしそれは全く一時的かつ表面的なものに過ぎないような。そして再び舞い戻る、弛緩した日常。………という、力作なんですけれども。うーんゴメン、やっぱりつまらん。長廻しの力演も、工夫を凝らされたカメラも、確かにスゴイとは思いますけど、何だかそれが、表に立ち過ぎているとでも言いますかね。“詩情”というオブラートで包み切ることのできなかった、そのクドさ。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2011-06-08 23:55:40)
96.  カクテル 《ネタバレ》 
トム・クルーズ演じる主人公がニューヨークで様々な企業の面接を受けると、面接担当者の後ろの壁には大抵、絵画が飾ってあって、しかもその多くが抽象画だったりする。大学で経営学を学んでもこれまた抽象的な内容ばかり。そこでまあ、やっぱり何と言っても実践第一でしょう、と、バーテンのバイトに精を出し、たちまち大成功。という、この「何の努力もせずいきなり激戦区ニューヨークで名バーテンダーになっちゃう」ってのがすでにもう、実に抽象的。金銭をとるか、自分らしい生き方をとるか、がテーマとなれば、いともたやすく“金持ち女性”が現れて逆玉の輿、という、明瞭極まりない図式。たまたま知り合ったオネーチャンまでが、実はお金持ちの箱入り娘でしたとさ、というオチには、もはや唖然とするしかない(そりゃまあ、エリザベス・シューと言えば、ハーバード卒、かつて「全米・息子の嫁にしたいナンバー1」にも輝いたとか何とか)。予想以上にトンチンカンでアンポンタンな世界に、かえって、よくぞここまで「予想通りに」期待を裏切ってくれました、と感心した次第。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-05-08 15:22:11)
97.  華麗なる賭け
どうです洒落た映画でしょ、スタイリッシュな映像でしょ、的な主張の強い演出にいささか辟易するのですが、まあ、ド変態映画であることは間違いないですね。直接的な描写は無くとも、例えばチェスのシーンの思わせぶりなところなど、相当エゲツないと思います。スティーブ・マックィーンが富豪の役なんて似合わんのにこりゃどういうキャスティングなんだ、思ってたら、これまたエゲツないキスシーン。はい確かに、ミスキャスト以外の方法でこれだけの絵ヅラを作り出すことは不可能です、参りました。この作品では、スリルを楽しむために銀行強盗を計画するお金持ちの男と、彼の犯罪を暴こうと彼に接近する女との、“華麗なる駆け引き”が描かれますが、ストーリー性よりも、二人の間の微妙な空気が作品の中心。二人の所作こそが見どころであり、いわばマックィーンとフェイ・ダナウェイの“舞い”の映画です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-30 15:49:29)
98.  海外特派員
アイデア満載の超オモシロ映画。第2次大戦開戦にまつわる陰謀劇を描くサスペンスで、これもまた、戦時下に作られたタイムリーな作品ですが、作品を見る限り、そういうキナ臭さは全く感じさせず、いつでもどこでも誰でも楽しめる娯楽作品に仕上げているのは、さすがです。雑踏の傘を縫う追跡劇、風車の中のカクレンボ劇、その他その他、工夫の凝らされた映像を観て楽しく、洒落た会話を聴いて楽しく、二転三転する展開を、ご堪能あれ。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-04-27 23:23:07)
99.  戒厳令(1972) 《ネタバレ》 
ロメロ監督の某ゾンビ映画を観た直後に本作を観ると、戒厳令下の冒頭シーンが何だかゾンビ映画にソックリだなあと。むしろロメロ映画が政治映画にソックリというべきなんですかね。それにしてもこれまた力作のこの映画。南米の某国にて、あるアメリカ人が殺害される。そこから映画は過去に遡り、彼が反政府組織に誘拐されてからの一週間が描かれる訳ですが。ただ、その描かれ方が、単純に「物語」として、事件の顛末や登場人物の感情を追いかけるものではなくて、ドキュメンタリ調の断片的なシーンがパッチワークのように錯綜的に積み重ねられていき、その中では、拷問シーンも会議のシーンも同レベルの扱い。そしてその描き方は、まるでキュビズムのように各部をデフォルメして強調し、状況のグロテスクさをえぐり出していきます。最後はまた主人公の葬儀のシーンとなり、流されるオルガン曲(バッハの幻想曲とフーガ)が感傷的な気分を醸し出すけれど、それは突然に断ち切られ、事態は何も変わっていないこと、また同じことが繰り返されるであろうことが仄めかされて映画が終わります。「これは感情の問題ではない、政治の問題である」と言わんばかりに。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-01-23 08:51:28)
100.  ガンジー
ガンジーと彼を支援する牧師が列車に乗っていると、走行中の列車の屋根の上から「上がっておいで」と声がする。牧師は自分も屋根に上がってみようとするけど、車内のオバチャンが「危ないからヤメナサイ」と牧師の足を引っ張り、牧師は宙ぶらりんになってしまう。そこでガンジーがオバチャンに「止めようとするのはかえって危ないのだよ」と諭す。このシーンにも見られるように、本作は、単なる歴史再現ドラマではなく、象徴的なシーンがさまざまに織り込まれています。確かに列車の屋根の上は危険には違いないのだけど(トンネルに入る時にぶつかりそうになったり)、命がけでそこに向かおうとしている人を無理に止めようとすることこそ、もっとも危険を孕んでいるのだ・・・。また本作は、ガンジーという人、個人を描く映画でもなくて、彼をその象徴として歴史のうねりを描いた映画でもあります。だからこの映画のガンジーは、くよくよと個人的に思い悩んだりはしない。あくまで象徴的な存在、「信念の人」であり、その彼ですら苦悩する時のその苦悩とは、もはや人類の歴史の苦悩そのもの。「信念の人」ですらどうにもならない、民族間の対立による悲劇。やがて苦悩から徐々に希望の光が差してくるのだけど、いずれカタストロフが訪れることは、映画冒頭ですでに予告されている・・・。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2010-08-05 23:30:18)
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