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1.  ガス人間第一号 《ネタバレ》 
ほとんど透明人間のリメイクといえるだろう ガス人間第一号の能力はあまりにもチートでガスの持つ性質を大きく逸脱している 創意工夫が味の特撮作品であるのだが、考証を阻むような科学的説明の乏しさが全体を子供だましに感じさせてしまう。60年前だし、しょうがないか 「変身人間シリーズ」と銘打たれているが、後に円谷プロがブームにあやかって手がける怪奇ものの様相が濃い ガスになっても会話ができるのは実体のない亡霊が語っているのとあまり違わない。怪談めいているのだ 先に述べた通り透明人間のお話とほぼ同じなのだが本家と比べるとガス人間の見せ場は少ない 見えないことが見せ場だった透明人間と比べて光学合成など見せなければならない手間がかかるからかもしれない 悲恋で終わる人間ドラマが地味に良い…といいたいところだが、完全無欠のガス人間のほとんど唯一の弱点は女であり、 その女に冒頭からアシがつく謎の誘導とどうして警戒に引っかかったのかよくわからない犯人の車 導入部分はこうでもしないと捕まりっこないから無理やりヒントを与えているのが見え見えで残念ながらお粗末といわねばならないシナリオです しかし、ガス人間を野放しにすると全く関係ない横領までも全てガス人間のせいにする不埒な輩が出まくるので 必ず抹殺しなければならないとするのはまったくもって、ごもっとも。なんでかそこに妙に感心してしまった
[インターネット(邦画)] 5点(2020-05-25 01:15:20)
2.  カンゾー先生 《ネタバレ》 
肝臓病としか診断しない医者がヤブではなかった 終戦間近、食糧事情の悪化に伴う肝ウイルスの蔓延による国民病によって、日本の敗戦を危惧するアカギフウウの 患者への献身と医学への奉仕と身内の死と、軍部の無理解へのいら立ちと、やがて敗戦を確信するに至り、挫折して原点回帰するドラマ。 昭和は遠くなりにけり。二十世紀末にもなると、なかなか終戦前の画作りも苦労したことだろう。観た感じ、復讐するは我にありよりも美しい絵が少なく感じたのはいた仕方なしか カラッとしたコメディ調で終戦の凄惨さは控え目であったが、監督が大正生まれの方なので、その時代を生きた人の物の見方が反映されていると考えたい
[DVD(邦画)] 5点(2019-12-30 19:01:31)
3.  カポーティ 《ネタバレ》 
面白いという言葉を使うのはふさわしくない種類の映画なので 同じ意味のつもりで別の言葉でいいかえよう。見応えのある映画だった 自分はこの映画を見る前にカポーティ原作映画作品「冷血」を2タイプ観ていたが、 それらよりも本作は、より見応えがあった フィリップ・シーモア・ホフマンってすごいし、ずるい カポーティが大事なところでことごとく嘘をつくのだが 最後の最後泣きながら嘘をつきとおす姿を見ていたらこちらも激しく心が揺さぶられた 嘘か本当かなんてどうでもよくなってしまった この感情は言語化できない
[DVD(吹替)] 7点(2019-08-24 02:05:12)
4.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 
観る前から、前半がゾンビ映画で後半がそのメイキングということを知っていました (ただし、実際はテレビ番組でしかも生放送でした。微妙に違う情報が入っていました) 普通に面白い映画ですし、単純に撮影は努力賞モノですが 極度にネタバレを厳禁とされるのにはまた別の理由がありそうです もし仮に自分がこの構造に気付かずにアッと言わされたとしましょう そうなったら絶対それについて人と話したくなるし、共感を得るためには薦める相手にも自分と同じくアッと言わせるしかない そういう心理的メカニズムがあってのことです 個人的にはネタバレされても十分面白い映画なので(ただし、マナーとしてどんな映画もネタバレしてはなりません) 構造だけに頼ったただのびっくり箱ではなくてよかったです。ちゃんと面白い映画でした けれど、ネタバレを気にされ過ぎて構えてしまった分、メイキングのその先にもう一段階、 今までにないような仕掛けがあるのではと思っていたのでいささか肩透かしでもありました アッと驚く映画ではありません。特殊構造が生み出す笑いを味わう映画です。 当然のことながら、そこで生まれるハプニングは結局作為的なものであるので そのわちゃわちゃの連続にうんざりされる方もいると思います 映画撮影あるあるを楽しめれば吉でしょう
[ブルーレイ(邦画)] 6点(2019-08-19 02:02:51)(良:1票)
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