1. ガール・ピクチャー
《ネタバレ》 まあ、別に北欧ものだとかって全然関係も無く、地域性・時代性を超越して幾らでも存在する(し続ける)であろう、超・普遍的なティーン青春映画ではあります⇒なので、まずまずは、当然の如くに(ワリと高度に)性的であって、でもその意味では、主役の三人の女のコはその方の属性的にはやや「クィア」と言われるべき人々だ…とゆーのが、作品全体としてもポイントとなって来るコトなのかも知れません。で、だから逆に、他方で(青春)コメディ的には、ちょっとボケがキレキレで面白い…と言ってしまうのが今や完全に適切なのかはやや判り兼ねるトコロでもありますが、少なくとも(前述したような)今までのこの系統の作品との比較としては、個人的にはまずまず「尖ってる」な…という感覚は(同時に)抱き得るかと思われましたですね。またまた、別に&同時に、いつ観ても・何度観ても、たぶん一定以上には楽しめる=共感できるって作品かとは思います。お好きな方は是非。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-12-13 10:10:45) |
2. 怪奇な恋の物語
《ネタバレ》 モリコーネ氏の例のドキュメンタリを観て、観たくなって観てみたというヤツですが、そのドキュメンタリでの言及のされ方からも、かなりアート方面に寄った作品であるのは想像が付いてました。観てみると、音楽&画面のつくりは正に高度にその如く、かつ、内容としても主人公がドンピシャでソッチ系のアーティストってことでもあったのです、が、ストーリーの中身自体は翻ってワリとシンプルで分り易いとゆーか、その面からは単にホラー…だよなコレ?(Jホラーっぽいって言っても好いかもなコレ?)と言えるレベルかな~と思ったのですね。 しかし、オーラスは唐突に(て訳でもねーですが全体を通しての整合性からすればソコには反して)相当に奇天烈な終わり方をしてゆくのですよね⇒正直訳ワカメ。んで、Wikiを覗いてみたら「ジャーロ作品」の一言でそれが片づけられちゃってて…と言いますか、でもコレってジャーロなんすかね???少なくとも、前述どおり映像や音楽自体のアートみとゆーのは通常のジャーロよりはまま高度だったと思われますし、その上で、ソコに加えてお話の方も余りにメチャクチャだと流石にバランス崩壊する…て意図が透けて見える位には(重ねて)シンプルなホラー・サスペンスだったと思われるのですよ。やや、一種のインモラルな要素が強力+時代を鑑みれば血ミドロ具合も比較的エゲツない、とそれが為に本邦ではあまり普及して来なかったという作品にも思えておりますが、ジャーロと言ってしまうよりはもう少し広く、イタリア製のホラー・サスペンス&アーティスティックみたいな系統のクラシック作品として、多少更に評価されても好さそう…みたいな感想は持ちました。一点ダケ、これは素直にジャーロっぽい…?と言っても好いのかなとゆーか、中身も音も演技も至極不安(不安定)な上に、加えて撮り方も終始かなりガチャガチャっと観にくくて、ソコに関しては私の好みから…という意味ではだいぶ外れてた、てな感覚では居ります。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2024-11-24 19:15:39) |
3. 神の道化師、フランチェスコ
《ネタバレ》 個人的に、ネオレアリズモの映像的質感とゆーのにどこまでもシンパシーしか感じられない体質なのでして、また個人的にはその辺の質感って未だに邦画のドラマ映画の一部(⇒所謂ライト層から「(諸々と)暗くてボソボソ聴取り難くて嫌い」みたいに言われちゃうヤツ)の根底にも脈々と引き継がれ続けている様にも思われていて、ソコにも再びシンパシー=もはや「同志」と言って好い様な感覚まで覚えてしまうと同時に、だからコレは「経緯」を理解してないと中々分り合えないコト…だとも思ったり、ソレってまたどーしたって半ばは幼少時・若年期の映像的体験によってのみ培われるモノであろう⇒半ば越えられぬジェネレーションギャップなのかも知れない…と思ったりはしておりますね。 今作、そのネオレアリズモとしては確かに、更に非常にプリミティブと言いますかエッセンシャルだと言いますか、ちょっと既存の映画とは(=当時でも現時点でも)かなり異質な質感に仕上がっている様にも思われました。内容も内容とて、ただただ聖フランチェスコ&その弟子達の様子を淡々と事実のままにフィルムに写し取ってゆくダケ…とでも言いますか、作為的なモノが殆ど感じられないのですよね。ある種、本来「映画」に人為的につくり込むべき「内容」そのモノに関しては、ただキリスト教の歴史と価値観の側に丸投げしている…という様なコトにも見えました。しかし、ソレは当然事実ではなくて、その様に「見せている」と言う方が正しいのも確かだと思われて、その意味ではやはりコレって極めて高度な技術だとも思うのですよね。 私には、おそらく、前述の「キリスト教的内容」の本質に辿り着く術が備わって居ないので、本作の技術の真の意味についても理解するトコロまでには至らなかった…というコトで、評価としてはこの位が妥当かと思うのです、が、今なお観ておくべき価値の在る作品だとまでは容易に思うコトが出来ます。興味の在る方は、このタイミングで是非。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-09-22 13:21:12) |
4. 河内カルメン
《ネタバレ》 さっき『肉体の門』の方でも仄めかしましたが、まず今作の野川由美子さんってナンか一瞬信じられないレベルのド級の美人に(何故か)見えちゃってまして、一方で内容も内容とてモ~「悪ふざけ」に近いって遊びっぷりで、演出もまた(善きにせよ悪しきにせよ)実に監督の「クセ」が超・強力に出捲っちゃってますし、また他方では中盤に一発野川さんと佐野浅夫さんの(諸々と)また意味分かんないケド意味分かんない位に凄い(全力で笑えて全力で泣けちゃうって)超絶演技の名シーンも在ったりして、ま~た正直「ナニこの映画???」と思ってしまって已まれなかったすよね。重ねて、先の『肉体の門』と点数の前後は付けておくのですケド、率直にそのコトに意味とゆーのはほぼほぼ無いのです。興味と機会と暇の在る方は、万難を排してでもご覧くださいませ。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-09-07 01:50:19) |
5. ガメラ3 邪神<イリス>覚醒
《ネタバレ》 1のレビューにも書きましたが、ココまで来るとかな~り「エヴァ」風味が増すな…とゆーか、まあ影響が無かったとゆーのは少々無理っぽい…みたいな感じではありますかね。ただ、それでもこの最終作は(私の感覚の中の怪獣映画としては)少しダケ「暗すぎる」とゆーのが言いたいコトの80%位になっちゃってますかね。取分け、前田愛ちゃんに係るナニもかもが暗くて辛くて湿っぽすぎると思うのですよ。あんなにカワイイのに⇒否、あんなに高度な「カワイイ系」のルックスだからこそ、ごくシンプルに暗い顔が似合わない・映えないのだよな~と、観てる間ソレばっかり考えてしまってました。マジでホントに、最後の最後で一瞬ダケしか「デレない」って始末なモノで…(コレも今回調べたら、例の「ツンデレ」って言葉が出始めたのは今作のちょっと後のコトらしーのですケドね…) 他、1作目と比べるとガメラの容貌自体もエラく凶悪になってるのとかだって、別に無理に気にしたりはしないですケド、でもちょっと「セコい」な…みたいな感覚でないコトもないかな~とは思ってしまいます。世界観自体は(個人的には一貫して)かなり好みな方のレベルのヤツではあるので、今回観直しても(三作目だって)全然面白く観れるジャン!とは再び思ったのですケドね⇒今作のみがやや突出して評価低いのは、コレもあくまで個人的なコトですが少~しアンフェアかな…という感覚では居ます。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-08-26 23:15:19) |
6. ガメラ2 レギオン襲来
《ネタバレ》 1より2の方が評価が高いのは、第一に物語の密度が高くてテンポや疾走感が優っていたと思われたコトですね。第二に、一方で話の辻褄もまずまず整っていて(+だが決して整いすぎても居ない…ケド、ソコも件の「質感」という意味ではむしろ好ましく感じられて)今今にも大人の鑑賞にも耐える…と思われたトコロですかね。プラス第三に、レギオンがガメラより単純にかなり「強い」というコト⇒それをどう倒すか…というトコロのアイデアも、作中の世界観・三部作全体の流れの中に上手く乗せられていたと思ったコトですね(少なくとも、あくまで青少年向けの範疇から逸脱せずにごく分り易いのが好い、と)。1作目(福岡)に引き続き、日本の地方都市(札幌&仙台)にフォーカスしたトコロも地味にポイントが高いです。札幌にはこないだ旅行で初めて行ってきちゃったので、今更ながらに感傷もひとしおでしたし。 [インターネット(邦画)] 8点(2024-08-26 23:04:25) |
7. ガメラ 大怪獣空中決戦
《ネタバレ》 今を去るコト30年前、95・96年辺りって、この手の「男の子向けコンテンツ」の分野に関しては個人的にヒジョーに思い出深い頃合いだったのでして、この平成ガメラは(実は)当時タイムリーに映画館で観てたってワケではなかったと思いますが、特撮だととにかく『ウルトラマンティガ』にドハマりしてた時分でしたし(⇒実はそのちょっと前から『ウルトラマングレート』にもだいぶハマってた)何より『エヴァンゲリオン』が社会現象になってたのもこの時期だったですからね。三部作をいま観直すと、まずはやっぱこの『ガメラ』もその辺の作品群とは「質感として」かなり似通ってるよな~とゆーのが如実に感じられるのと、他方で昨今の『シン・ゴジラ』『ゴジラ-1.0』なんかと比べてみてもこのジャンルの作品における「発展の方向性」とゆーのには再び何か強烈に一貫したモノを感じるな~というトコロでもありますね。正に、平成期のゴジラとさっき挙げた2作品のちょうど「中間」だと言うべきシリアスさ・大人向けっぽさだと言いましょーか、んでソレこそが個人的にはこの三部作で一番好ましく思われる部分(=質感)だと言っても好いのであります(完全にノスタルジックそのモノなのでして)。先に結論を申し上げると、三部作の評価順としては2⇒1⇒3だ…とゆーのは確定として、各々を何点にするか=ベースが何点か、については相当に迷ったトコロなのですが⇒やっぱ心置きなく高めに寄せておきます。観直してみても素直に面白かったですよね。 「発展の方向性」が一貫している…とゆーのは、また個人的には「観る側」に原因を求めるのが自然かな…と(以前から)思ったりもしていたのですケド(有り体に言えば、少子化のせい?な~んて)、あくまで可能性の一つとして、また実は「つくる側」に原因を求めるコトも出来るのではないか…なぞとも今回思い直したりしました。金子修介監督は1955年生まれで、やはり子供の頃は怪獣小僧だった…とのコトで、だから『ウルトラマン』の方をタイムリーに観てた子供が大人になって、その記憶を掘り起こして+その時点で「自分が観たいモノとして」質感を調整してつくったからこーなった…というコトなのではねーかな、と(⇒ソコが、樋口真嗣さんだと10年位ズレてるから、起点が『帰ってきたウルトラマン』で平成ゴジラとかガンダムとかも経てのモノになって…と)。そーいうのって他にも例えば、スプラッタが昨今はどんどんどんどん過激になっていかざるを得ないコトなんかともリンクする様な気もしていて、ソレはまたこのジャンルにおいても、この『シン・ゴジラ』が流行ってから30年位も経った後って、一体どんな怪獣映画がつくられているんだろう?みたいな、ソコは楽しみでもあり(ある種)不安でも…みたいな感覚では(いまいま)居りますよね。その不安が残念にも現実になってしまった暁には、でも、私はきっと『シン・ゴジラ』ではなく、やはりこの三部作に戻って来るのだろう…とは思って已まれないトコロで居ります。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-08-26 22:51:46) |
8. carmen.カルメン
《ネタバレ》 ビゼーのオペラ版『カルメン』には(ソレこそ)親しみまくって居るのですケド、原作の小説の方には正直お付き合いがねーのでして、その上で(小説準拠の)今作を観てみるってーとマ~、かな~りジト~っと暗~いお話なのですよね……ただ、それ故にその深刻で深遠で不条理極まるって「人間の感情」のそのモノ自体は、より真に迫って我が心をも抉って来るとも思われたとゆーか、個人的には(オペラをあんだけ観てるってなら)コッチを観てみても全然好かったな…とは思えましたよ。中々に面白かったと思いましたのでこの評価としておきます。 で正直、中でナニが一番…とゆーなら、やっぱ主演のパス・ヴェガが筆頭な感じではあるのかとは思いますケドも、彼女のクオリティはフツーにやっぱ中々って以上だったかな、とは思いますよね。美人ですし、その上で(カルメンだ!てなら尚更に)非常に肝要なる「アバズレ」感+(間違い無く)アバズレで在りながらの魔性の魅力…とゆーのも十二分に醸せてたと思いますし、加えてナニより素晴らしい脱ぎっぷりの爆乳っぷり!てなモンで御座いまして。あと、流石著名なる名作小説…とゆーか、随所でお洒落な「地の語り」がイイ~雰囲気でしたよね。「女と猫は、呼んでも来ないが、呼んでも居ない時に限って来るものだ」とか、オーラスもまた「愛と苦しみこそが人生の支配者⇒貴方は、生れ変わってもまたこの人生を望みますか?」に対する主人公のシンプルな答え。ああ、このドロドロとした物語を、こんなシンプルな言葉とショットでこんなにアッサリと終わってゆく…な~んて、ナンとも洒落てんな~~~と思わざるには居られませんでした。もう一点加えるか悩んだ挙句、いったん変えずにおきます。 [DVD(字幕)] 6点(2024-06-29 00:28:35) |
9. カビリアの夜
《ネタバレ》 『道』はマイベストと言って好い作品なのですが、主演のジュリエッタ・マシーナの魅力の引き出し方、とゆーか彼女の本来のキャラに合っているという感じ自体は、今作の方が上回るかな、という気もします。元々が小柄なので、やはり若くも見えるものの、演者の実年齢として30台中盤~後半…というコトも含め、今作中の役柄としても20代後半~30凸凹という感じでありましょーかね。娼婦役として多少「酸いも甘いも」といった世慣れた感じ(だいぶまろやかな言い方をしてる気もしますが)も踏まえて、やはり役柄としては今作の方が、名優ジュリエッタの「本来の魅力」とゆーのをより大いに感じ取るに十分だったとも思うのです。改めて観直すと、驚くほどに・稀代のコメディエンヌだと言っても好いほどに、優れた喜劇俳優だったのだな…と思いましたよね。口調や表情、所作に至るまでどれも実にコミカルで、本当にどこを切り取ってもホッコリとクスクスと微笑ましく眺めてゆける作品でありました。それで居て、今作は(同時に)高度なネオレアリズモ作品であって、その微笑ましさを取り巻く環境・境遇というのはごく「悲惨」だと言っても好いモノでもある、でもそれ等をまた、このレベルまでの正統なる「コメディ」に仕上げられる・引き上げられるというのが(それこそ)フェリーニの技術と、そして重ねてジュリエッタの素晴らしさだと再認識できたのですね。やはり、紛うコト無き傑作だと思いますね。 時世がら、或いは時代の流れに依るトコロもあるかも知れませんが、ジャンル作品のみならず、最近はこーいう「社会を映す鏡」としてのドラマ作品なんかですら、特にネガティブな状況における描写の「ネガティブさ・過激さ」とゆーのは唯々エスカレートしてゆく一方だ…という気もしたりしてます。それはそれで大いに意味の有るコトではあるのでしょーが、こと劇映画に限るなら、私はやはり今作の方が(質感として)単純に好みですし、何より本質的にアプローチとしてもポジティブである、と思って已まないトコロではありますね。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-02-10 10:00:58) |
10. 枯れ葉
《ネタバレ》 引退するって聞いたときには、やっぱ(少しだけ)驚きもしたのですが、その時からも何となく復帰の可能性は在るかな…とは思ってて、んで5年で復帰ってコトなのでコレは正直「好い頃合い」だと思ったのです。が今作、そんな個人的期待や前評判の高さをも完全に凌駕してゆくがマデに、意外なホドに非常に素晴らしい作品に仕上がってたのですよね⇒短いタームの引退期間でしたが何かしらが(想定外に)好い方向に変化・進化しちゃったのか?とすら。まず、内容とゆーたら、直近の監督作と比べても実に全く何の変哲も無い超・ありふれた物語だとは思うのですよ。勿論、幾つかの親しみ易いテーマはしっかりと置かれては居ます。がしかし、率直にそもそも「やっぱそーいうコトじゃない」と思わされてしまったとゆーか、映画ってやっぱ(何を語るにしても)それをどう語るか、どんな画(色)で+どんな言葉(音)で彩るか、唯それだけのコトなのだ、と再度気付かされてしまった…と言いますか。思いがけず寧ろ、コレこそが映画だ(=映画の技術の粋と言うべきモノだ)とまで、もう唸らさせれてしまった…と言った方が好いかも知れません。 画ヅラと言うならまず、やっぱ何処も彼処も再び魅力に溢れて居る…のですが(⇒北欧の日常風景てのは、色んな他作品でも観るたび実感するコトではありますが、やはり少し風変わりとゆーかちょっと見慣れない感じが常に新鮮に感じられるとゆーか、それもまた今作でも効果的だったかな~とは思いますね)、今作は中でもその「色合い」とゆーか、ごく落ち着いて涼し気なハイソな感じもあるのですが、一方で非常に「鮮やか」だったなァ~という感覚が強かったのです。何となく、直近のカウリスマキ作品には「青い」ってイメージが有るのですが、今作はその青を非常に単純に「儘ならないという意味での憂鬱」の表現として使っている様に見えて、でその中 or 隣とかに(それと相対すべき何かとしての)赤や暖色が配されるという、シンプルなそのコントラストが非常に鮮やかに効果的だった様に見えました。コレも、誰でも出来そう・思いつきそうなモンだとも思うですが、それでも重ねて「卓越した」技術だったと思うのですよね(ココまで来ると)。 音楽的にも、今作はまたほぼほぼ歌芝居と言って好い様なレベルでモロに「歌う」シーンが多くって、かつ監督作の特徴としての台詞の少なさ(+しかも更に各々の本音はソコでまず言葉にならないコト)も相まって、それらの歌に登場人物の真の感情とゆーのがほぼ全て仮託されている…と言っても好い状況だったかと思うのですね。そもそもタイトルの『枯れ葉』とゆーのも、コレは私もどーいう意味だろ?と思って観に行ったら結局、ズバリ例の名曲シャンソンのコトだった様です⇒あの曲のイメージが骨格と成っている・あの曲を流しながら終わってゆくべき映画だった、という(コレも)シンプルな手法のよーで。でも、随所で流れる数々の曲ってのは、有名なのもあればそーでないのもあるし、音楽的なジャンルも様々…である一方で、実に心地好い調和の下でその「物語り」を各自見事に遂行していたとゆーか、コレとかもまた卓越した手腕だったな+とゆーかコレって単に映画の空気感の醸成と言うより、正に監督の価値観とゆーか(或いは)人生そのものの曝け出しの方じゃなかったかな…と思わされてしまいましたよね。こーいうのを、こんなカタチでモノの見事にやってのけられるとゆーのは、別に表現者でも何でもない私からしても、実に本当に羨ましいコトだな…と(また)唸らされてしまいました。傑作。 [映画館(字幕)] 9点(2024-01-28 22:53:09)(良:1票) |
11. 海上48hours-悪夢のバカンス-
《ネタバレ》 邦題は『海底47m』を利用したモノでしょーが、系統としては完全に『ロスト・バケーション』の方に近いサメ映画ですね。序盤の展開が典型的なアメリカン・ホラーぽいコトも含めて、サメ映画としては『ロスト・バケーション』より寧ろ更にシンプルで分かり易い…とすら言える様な超・オーソドックスな方の作品かとも思われます。だから正直、オリジナリティやアイデアとゆーのは残念ながら見当たらない…という感じではありますが、逆に(サメ映画としては)ごく非常に鉄板な展開に終始してゆくので、コンパクトな尺も含めて暇潰しになら全く完全に十二分、という作品にも思えました。暇・かつ手頃にタダで観れるという状況なら完全に有用なヤツかな、と。 いちおう、たぶんワリとかなりの低予算映画にも見えては居りまして、CGとか役者の演技とかは率直に大したレベルではありません。あと、展開運びもテンポは悪くなく・かつ致命的と言えるホドの穴は無いとも思いますが、それでもツッコミどころ自体はまずまず豊富だとも言えますかね。ソコを念入りに考慮すると、これ位の評価が妥当かな~て感じではありますね。 [DVD(字幕)] 5点(2023-11-12 18:16:28) |
12. 怪人マブゼ博士(1933)
《ネタバレ》 大作『ドクトル・マブゼ』の続編として製作されたモノの、政権を掌握した直後のナチス(のゲッベルス)に危険思想を孕む作品と見做されて上映禁止処分となった、てなコトですね。このコトもあってか後にラング自身は、今作にはナチス批判の意図をも込めたのだ…と言っているらしーのですがコレは多分後付けだろう…とゆーのも(また映画史家からは)言及されているトコロのよーです。私はとにかく第一作『ドクトル・マブゼ』を観れてないのでソコはナンとも言い難いかも知れない…とも思いつつ、今作はやはり、根本的にはごく娯楽映画的な方にハイ・クオリティな方のサスペンス・スリラーの傑作…だとは思うのですね(⇒オーラスのカーチェイスや、あと工場爆破シーンなんか最早オーパーツに近い出来ですよね!と)。しかし、ソレでも随所に垣間見える(時代的に不相応にも思える)ごく猟奇的でグロテスクな恐るべき要素とゆーのが、物語の内容を超える(=もっともっと本質的な)スリルやホラーを感じさせてくれる…とも同時に思ったりするのですよ。 その恐ろしさの根源てのは、やはりこの時代のドイツ社会自体が孕む歪み・捻れなのかな…とも(どーしたって)思ってしまうのです。ドイツ表現主義の作品として『吸血鬼ノスフェラトゥ』や『カリガリ博士』の印象を継承してるからなのかも知れませんが、所ドコロに登場する精神を錯乱させた登場人物達の有様とてまた社会病理としての種々の「狂気」の顕れである様にも思えますし、その中でマブゼ博士が唱える「テロルへの信奉」とゆーのもまた、「力」のみに頼らざるを得ない様な=そーしなければ生き抜けないという様な道理や倫理が用を成さない壊れた社会を映し出した結果…という様にも見えるのですね。で本作はまたまた、そーいうモノの象徴としてのマブゼ博士に対して善なる力=(本作においては)警察機構が完全なる勝利を収めて終わってゆく…という様にはどーにも見えないのも確かだと思うのですよね(⇒ソコは、同時代付近のアメリカ映画なんかと比べるとコレもやや異色だな…とも)。ナチスが検閲して改変してれば好かった…とゆーコトでは全くないのではありますケド、その辺も含めて個人的にはやっぱかなり「怖い・不気味な」映画だって印象がどーにも強く在り続けてます(映画自体の内容のスリルなんぞより余程…)。 [DVD(字幕)] 8点(2023-11-04 17:57:53) |
13. ガザの美容室
《ネタバレ》 また非常に、シンプルに興味深い映画だったとは思うのですね。純粋なる映画的建付けとしても、前半は「ほぼ女のみの密室会話劇」というコトなので(コレもシンプルに)少し物珍しくて面白かったですし、更にまたソコから一歩外に出れば世界的にもごく非常に「特殊」な状況が広がっている(⇒しかもソレがまた刻一刻と変化してゆく)という点でもごくユニークな作品だったと思うのですし。 しかし、結論としては全体的に、ちょっと「焦点が絞り切れていない」作品だ…という印象に(個人的には)陥ってしまったのですよね。この手の作品って、コレって我々先進国の安全圏に居る極め付きに暢気な観客の完全なる「勝手」だとも思うのですが、ソレでもどーしたって我々に観せる為にも、何らか「社会的・政治的なテーマ」を多少は含まざるを得ない様な製作の状況にも押しやられてしまってる様に思われるのです。んで、今作も(だから)当然の如くに最終的にはそーいった方面へと帰着してゆくのであって⇒でも、前半はどー見てもコメディの方をやってましたよね?と、ソレが、そのチグハグさが個人的にはどーしたってごく強烈なる違和感として感じられてしまいまして、ですね…… まあシンプルに、個人的にだいぶ「苦手」な方の映画だった…というコトでもあるのですケドね⇒コメディと(高度な)シリアスの混ぜこぜが多分とにかく苦手なのですよ。しかし、観る価値の無い・少ない映画だ、なんてコトにゃあ全く完全に在り得ないのも(当たり前に)確かな作品です。少しでも興味の在る方は(このタイミングで)是非。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-10-21 09:52:40) |
14. ガンズ・アキンボ
《ネタバレ》 迷惑系YouTuberのLv.120みたいな連中の差し金で、かのハリー・ポッターとアヴリル・ラヴィーンのバッタもんみたいな娘がメタメタに殺し合う…てな感じの話すかね(少なくとも前半は)。また極めて『キックアス』を想起させる様な(グロくて痛そうでかつおバカな)質感でもあります。プラス、私は知らんかったですが「アキンボ」がそもそも「二丁拳銃」という意味なのですね。。 とは言え、後半は多少(お話にも登場人物にも)展開とゆーのは存在しますし、別にアクション含めた映像面とてまあまあ悪くはなかった…とも思えますかね(あとテンポ自体もそんなに悪くはない)。しかし、結果として個人的にこのイマイチめな評価としてる理由は、明確に2つあります。まず、全般的にもごくごくテキトー・いい加減なお話ながら、特に主人公2人の「強さ=戦闘力」の在り方が超絶いい加減だと思えたコトっすね⇒取分け、やはり前半のマイルズvsニックスのグダグダっぷりが思いの外長くてダルかった…(=ニックスが強いんだか弱いんだかよー分からん…)とゆーのが個人的には痛いのです。 もう一点、シンプルに諸々と、またごく高度に「汚らしい」と言いますか、口汚いのは別に好いのですが非常に単純に「非衛生的」な映画だったとゆーか、何処も彼処もマ~とにかく薄汚い!(⇒心地好くない!)のですよ。でも、ニックスちゃんが(ワリとカワイイのに)一番口汚くて、でまた終盤はボッコボコに顔面イカれて血ミドロのボロッボロだったのは(逆に)イカしてた…とも少~しダケ思ったりしましたケドね。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-05-20 23:52:01) |
15. カリブの白い薔薇
《ネタバレ》 うーん…まあタイトルからしてよく見りゃあ、21世紀の映画とも思えない位にクソ程にもやる気の感じられない代物ですし、でお話の方も(結局また)クソ程にも内容の無い様なヤツでしたかね。舞台は娼館らしーのですが、にも関わらず主役のアナ・デ・アルマスちゃん以外の女のコには誰ひとりキャラも何にも付いてない…という有様でしたし、んで肝心な女衒の旦那+女主人もまた、悪人なんだか善人なんだかすらも判然としない様なペラ紙の如く虚無なキャラでしたし…… なので結論的にはタイトルどおり、アナちゃん=純潔の白い薔薇、を眺めてゆくしかない作品にも思えます(⇒重ねて、娼館が舞台ですがこの娘は要は「水揚げ」前ってコトらしく)。しかし逆に、ごくその分には(却って)まあまあ楽しめなくもねーかな…という様な作品でもあるのですよね(悩ましい…)。キューバ時代・ハタチ前・演劇学校の学生時分、における出演だってコトなんですケド、この娘、後々売れてから(むしろ多分)体形の管理が巧くなったのかな?と思いましたすね。でも、コレも逆にこの頃の方が健康的にムチムチっとしていて、ラテン風・バカンス的な色気ってのは(若いワリにも)実に高度でしたすね。あと、そのラテン的美意識の部分には(ややもすると)多少は好みが在るのかもな…とも思ったのですケド、ソレでも一つ、自信(確信)を持って言えるのは、彼女はとにかく眼(瞳)が超絶に綺麗だった…というコトっすね(私なんか、コレだけでモ~大満足でした)。ほか、エロシーンの具体的なトコロについては「ポルノ」と言えるレベルのモノは今作には含まれてなかったですかね⇒でも軽い濡れ場+トップレスのシーンは(チャンと)在ったので、まあ一般映画の一つのコンテンツとしては十分かな、とも。 ほか言い残したコトとしては、前述どおり「舞台が娼館」という設定が全く活かし切れていない…のが不満の一つではあるのですが、ソレでも一箇所、ラテン系の娼館だからこそ…?とゆーか嬢の待合室(けっこう広め)のつくりについて、そのド真ん中に正に「円卓のビデ」みたいな感じでソレがズラッと環状に並んでるのがちょっと面白かったですね。加えて1シーンは、ソコにまた「円卓のケツ達」みたいな感じで(ケツ丸出しで)雁首揃えて跨ってるのが、コッチはもはや笑えました(エロくはなかったすケド)。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-05-05 23:54:49) |
16. 風鳴村
《ネタバレ》 オランダ産ホラーとゆーコトで、意外にそんなん今マデ観たコトあったケ?とも思ったのですが、実は『ムカデ人間』て全部オランダ製だったんですね(シックス兄妹ってオランダ人らしくって……なんか急にイメージ悪くなってきたな……)。ただホラーとしては、根本的な建付け自体はまたごくオーソドックスだと言いますか、第一には所謂『悪魔のいけにえ』風・通り掛りのツーリスト惨殺系スラッシャー、ではありましたです。しかし、まず一点言及しておくなら、その旅行者共には総じて「ワケ」が在り、だからそのスラッシャー行為は一種の「お仕置き」的な要素を孕む…て設定も付いてるってコトみたいですね(まあ、ソレもなんつーかヨーロッパ人が昔から結構好きなヤツ…にも見えてますケドね⇒クリスティとかでも見たコトあるヤツだし)。 んで、結論的には全体的にも(個人的には)あまり嵌らなかった…と言っちゃいますケドも、最初にその建付け=二つを一つに混ぜ混ぜしたったコトについて、一言でゆーてまうとチョイと「雑」だったかな…と。やっぱそーいう「ワケ=業(しかも結構”重め”のヤツ)」を散々に背負った連中が、また偶々このバスにシコタマ乗り合わせてて…つーのは、ソレだけだとどーしたってご都合主義の方に見えてしまいますよね(⇒いや、なんとなくその辺の説明もされてなくもなかった様な気もしたりしなかったりするのですケドも、でも少なくともソレは「明解」ではなかったとも見えており、だからやっぱ少し雑だ…とゆーのがシックリくる表現すね)。加えて正直、ソレが大きな効果を産んでたかとゆーとソコもワリと微妙だったりするので、尚更…という感じでもありますかね。 しかし、ソレはソレで一種の「難癖」なのかも≒私は私で日常的にホラーばっか観てるからどーしたって「違和感」としての方が強くなる…のかも知れないじゃあねーですか、と⇒だから、実はソレはソコまで気になって(して)は居ないのです。とは言えもう一点、コレはより明確にスラッシャーとして「つくりが好くない」と思ったのが結局、今作ではその肝心な主役(の筈)のホラーモンスター君が率直に全然(全っ然)目立ってない!のですよね(⇒たぶん、生身の人間じゃあないデモニックな方のヤツ…なんですケドも)。コレもなんとな~く「不定形」な方のホラーモンスター=ワケ在り連中のそのワケに絡む形象に「変化」して出てくるから…ってコトでもあるとは思うのですが、コレまたシンプルにチョイ「分り難い」と思ってしまいましたよね(あとラスト、なんか結局かな~り「弱っちい」のも…イマイチだな~と……)。 重ねての結論、個人的には率直に「好みではない」方のホラーでしたです(⇒マイナー国産としては特に)。まあ、オランダだから、風車だ!位のサービス精神は(チャンと)在ったりもするのですケド、だから尚更に「要らないアレンジ」をしてもーたったな…という感覚が強くて、ですね。その意味ではもう一つ、この罪人地獄行バスツアーにはまた、海外の悪魔系お化けに対して恥しげも無く「九字」とか切っちゃう激レア(激イタ)日本人なる輩が(ま~た偶然)乗り込んでたりもして、ソコに関してはもはや「残念」を通り越して「怒り」しかなかった…てな感じっすね。 [インターネット(字幕)] 4点(2023-05-04 20:19:18) |
17. 彼女が好きなものは
《ネタバレ》 LGBTが主題の映画とゆーのは、昨今は数も非常に多くて、だからとゆーか内容の「高度化」もまた著しいと感じている中で、誤解を恐れずに言えば今作の内容とゆーのは正直「周回遅れ」な様にも感じられたのですよね。まずソレは恐らく、もう一人の主人公・山田杏奈ちゃん演じる三浦さんが「腐女子」だという(本作のユニーク面を司る)キー要素が、特に終盤までシナリオ的にイマイチ「効いていない」というコトだとも思われるのですね。また、原作は2016年のリリースとのコトで(ある種諸々と)時期的にもやや致し方無い…とも思ったりします、がもう一点、映画として(冒頭は)漫画原作には見えない様なちょっとハイソな感じで始まるものの、内容は(序盤~中盤は特に)かなり漫画チック or ラノベ的とでも言いますかね⇒コレもある種、間違いなく原作起因なコトではあるのでしょう。 んで、実に個人的な理由のモヤモヤとゆーのがあって、私はどーしても杏奈ちゃんが出て来てしまうと、もっと遥かに「文学的」な内容を期待してしまう…というトコロで、そーいうのも含めて結構に強烈な「違和感」がとにかく終始感じられて已まなかった…と言わざるを得ないのですよね(結局、ラスト付近までどーにも総じてナニもかもが「しっくり来ない」てな感じでグルグル唸りながら観てました)。だからそんな中で特に、物語が起承⇒「転」に入ったあたりのネガティブな急展開が実に超絶心地好くなくって、正直ココでいったん「一休み」入れてしまいましたですね。 とは言え、ラス前の超・スカッ!とするシーンは私も大いにスカッ!と出来て、ココで大幅に盛り返しはしましたかね。ソコからオーラスまでは特に文句なんか無い感じでしたし、正にその辺も含めて山田杏奈ちゃんは(また)やっぱ凄かったな…と思いました。そして、神尾楓珠くんだってまず全然悪くなかったと思いますし、何より役柄には超・ハマってて素直に好かったと思いました。結論、どちらかとゆーと確かに(言葉を選べば)「若者・ティーン向け」という感じのこのジャンルの作品かと思うのですが、俳優さんのファンとかだったら誰しも全然楽しめるのではないか…とも思いますね。 [DVD(邦画)] 6点(2023-04-04 23:52:52) |
18. ガンパウダー・ミルクシェイク
《ネタバレ》 諸々と、中々「オツな」と言いますか、レナ・ヘディ+アンジェラ・バセット+ミシェル・ヨー+カーラ・グギノ、んで主役がカレン・ギラン…ですからね。その彼女らの歳の頃合いも中々オツな…とゆーか、カレン・ギランも(実は)そんなに若いワケでもなくて他は紛うコト無き美熟女…ですし(⇒その上に味方には幼女すらも混ざって来るのですケド)。ただ、暗殺者ものとしては(前半は独り目立ちな)カレン・ギランはまずかなりオーソドックスにイイ感じだったとゆーか、その「無感情な」感じがかなりハマってたと思いますかね(あと見事にスポーティなスタイルも好かったですよね)。とは言え重ねて、だいぶ風変わりなとゆーか、非現実チック・漫画チックなとゆーか、ごく面白い雰囲気が全体に行き渡っていましたですね。アクション自体もワリとユニークなモノ(武器の種類、状況設定、等)が多かった気もします。そもそも今作ってアメリカ映画なのですか?(スタジオカナル製作だからフランス映画…なのか?⇒私にはどっちにも見えませんでしたケド) でも、総じてその外見的な部分がかなりユニークだな!とは思うモノの、まずお話の内容自体は(流行りの女性ものアクションであるコトを加味しても)相当に薄くて在り来りだとは思います。あと、ソレ自体も「オツな」コトだとは思いますが、アクションとしては(ある意味)ローテンポ指向に振り切っているとゆーか、全編実にまったりはしているのですよね⇒前半は多少フツーのアクションぽいアクションシーンも在りますケド。私の個人的な好みを言わせて貰えるならば、今作の後半のこの感じよりはもう少し「緩急」の効いた感じの方が好きではあります(殊、シンプルなアクションであるならば)。色々と思い悩んだ末のこの評点で。 [DVD(字幕)] 6点(2023-03-09 00:14:05) |
19. カリガリ博士
《ネタバレ》 話の内容や演出の意図が隅々まで分かり易い・伝わり易いというサイレントではない…とも思いますが、ソレでも一点、サイレントならではの「演技の質」とゆーのには、また大いなる見ドコロが在るという作品かと思いました。やはり、音・台詞に頼らないという意味ではある面で非常に「高度な」とゆーか、少なくとも現代のソレとはかなり「異質な」という意味での面白さ・興味深さとゆーのが(サイレント映画の演技には)存在していると思うのですが、今作は、まず状況設定からして異常なコトもあり、かなり独特・独創的なソレを観るコトが出来たという実感はごく強力でした。やっぱり、兎に角はチェザーレ、でカリガリ博士、そしてラストにかけてはフランシスとジェーン…この彼らの「狂気」の表現は、間違い無く実に高度で普遍的な演技の仕事だったと思います(+そしてまた高度に異質で「ココでしか観れない」という感じも在り)。コレまでも、またコレからもずっと、永く観て損は無い作品として在り続けるのではないか…と思いますね。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-03 20:44:24)(良:1票) |
20. カラダ探し
《ネタバレ》 ホラーなのは確かにホラーなんですケド、まァ~実に見事に唯々「物理的に」怖いダケのホラーとゆーか、マジで単なる血飛沫スプラッシュなビックリ箱!でしかねーのですよね。でもまァ、特に序盤は(流石に映画館で観てれば)多少はビックリはせざるを得ない…と言いましょーか、否むしろ最初15分位で超絶ザツに状況設定を叩き込んどいて⇒スグさまかな~り派手にオッ始まった時には「…この調子で残り1時間半はちょっとダルいな…」と心配までしてしまいましたですね(+撮り方もなんかガチャガチャしてウザかったので)。が、暫くすると程無くループに陥り、かつそっから先はモ~完全にアクション寄りの青春もの、という感じなのですよ(『グーニーズ』みたいな)。しかも基本、その青春の方のお話は終始、超・ポジティブにしか展開してゆかないのですよね。。。重ねて、ホラーではありますが私の好みだとは到底言い難い質感ではあるのです、がしかし、私とて橋本環奈ちゃんがこんな感じで実に明るく楽しく青春してる!のを見てるってのは何処か確実に心地好い…とも言えるのでして。結論から先にゆーと(散々迷いはしたモノの)評点は高めに寄せておきます。プラス、ホラー(アクション)部分の映像のクオリティも(=コレもごく物理的な意味のみでは)まあまあ頑張ってたかな、とは思いましたのでね。 ただね~まずはゆーてその青春ものとしての内容だって、重ねてホントに唯々ポジティブつーか鬼の様に単純とゆーか、質感としてはたぶん精々中学生くらい向け…てな感じだとも思うのですよね。コレとて、ハタチ過ぎの役者に高校生役を演らせて、で描くハナシが中学生レベル…てのはモ~ちょっとダサくない?とも思ったりね(むしろ私の様なおっさんだからこそより刺さったんじゃねーか?なんて)。んで、コレも重ね重ねホラーとしても特にその内容(or 裏側・背景・整合性)とかってのは洒落や冗談ではなくマジで皆無(=完全に未整理)なので、コレはモ~頭に来ちゃう…て人もまま大勢居るってレベルだとも思うのですよ(私もコレ後で小説原作だ…て聞いて結構ブッタマゲ!ましたですよ=嘘だろ~!?と)。もう一つの結論、今作もまた「ツッコミだしたらキリが無い」て映画ではありますね。是非、心の瞳を全開にしてご覧くださいませ。 [映画館(邦画)] 6点(2022-10-22 21:55:36) |