1. カッコーの巣の上で
原作が好きで、映画もあると聞いて喜んで観たくちだから、このレビューに出すには邪道なのかもしれない。けっこう原作とは違っていて驚いた。主人公がチーフじゃなくてマクマーフィになってるし、死んでたはずなのに死んでないキャラがいるし。結論からいうと良い映画だったと思う。少なくとも今まで見た小説の映画化の中では最高レベルに入る。テーマの描ききり具合については原作に軍配が上がるが、いい男のくせにへたなサイコよりもサイコに見えるマクマーフィの演技には殺気すら感じるし(だからこそ活きるこのラスト。まさに映画の骨頂!)他の配役もそれぞれイメージぴったり。特にマティーニ、はまりすぎ……フレデリックソンも存在感があり、画面の隅にいるだけで怖い(いい意味で) セフェルトとのエピソードが切られたのが惜しまれる。あとほかに残念だったのは、ラチェッド看護婦とマクマーフィのぴりぴりした緊張感あふれるやりとりが減ったことだろうか。もっと増やしてもよかった気が。 8点(2003-05-01 13:27:23) |