1. 銀河鉄道999
劇場公開されたのは自分が高校2年生の夏。「宇宙戦艦ヤマト」でブレイクした感があった松本零士氏だけど「男おいどん」あたりからのファンの自分にとっては、この「999」が彼のエッセンスを詰め込んだ初めての映画という印象でした。旅に出て、人に出会い、冒険を経て成長する。わずか2時間の枠の中で、その流れが破綻せずに納得できるストーリーに収まっているのは見事でした。アニメーションの背景の美しさに初めて感動した映画でもあった。ラストシーンは美しい弦の調べと共に、野沢雅子の熱演に涙しました。「いま、万感の想いを込めて汽笛が鳴る…」。城達也のナレーションが深い余韻を残します。若者が持つ未知なるものへの漠然とした憧れと、それを希求するエネルギーが実感できる時期に出会ったことで、自分の奥深いところに何かを刻んでいる映画です。大学入学に際し、故郷を離れる新幹線のシートに座った自分は、メガロポリスで999に乗り込んだ星野鉄郎でした。 [映画館(邦画)] 10点(2008-08-05 16:57:20)(良:1票) |