1. 紀元前百万年
《ネタバレ》 リバイバルらしき題名の映画に便乗してこの映画までDVDが出たようですね。科学的にも政治的にも正しくないとか言うのも戦前の映画だから野暮と言うものですが恐竜と現代人に近い人種が共存しているところは公開当時でも目が点になったものです。ボスとの親子喧嘩(エテ公なら当然でしょうが)から群れを追われた若者が王女を得て帰ると言うディズニー童話の世界みたいな話と言えば身も蓋もないけれど、そこに特撮の要素を入れた実験作みたいなものでしょうか。ゴジラとか各種の恐竜もの映画よりも現実感はあるにしても熊やサーベル虎とかもっと時代が近い材料ならそれほど悪評もなかったでしょうに。 [映画館(字幕)] 5点(2009-12-17 17:25:44) |
2. 禁断の惑星
この時代の宇宙船ってアダムスキが撮影したと主張したUFOの形を踏襲したものが多いですね。「宇宙戦争」がむしろ例外で、この映画以外でも「地球の静止する日」とか「宇宙水爆戦」とかどれもノッペリした円盤形で、「インディペンデンスデイ」のものみたいにごちゃごちゃしていません。最近のでは「マーズアタック」がパロディですからこの古典的な意匠を採用しています。撮影したと主張するからには意匠権などは主張できなかったのでしょうね。万事を記録するシステムが大きな移動する装置で放電するところとか、クラークの小説「太陽系最後の日」での描写にもあるけれど、当時は電子技術は真空管が支えていて、半導体時代の到来が予測さえされていなかったことが背景にあります。女性の立場や地位についても、それから10年ちょっとで変わっているのですからそれを考えるとこのSF映画は結構しっかりやっていると言えます。 [映画館(字幕)] 8点(2005-08-25 01:21:11)(良:1票) |
3. 危険な道
《ネタバレ》 第二次大戦中の太平洋における勇猛果敢な司令官(ジョン・ウェイン)が巡洋艦隊を指揮して劣勢の中を日本軍に戦いを挑むと言う馬を軍艦に乗り換えただけの西部劇です。豪華な配役陣を並べていますが全くの創作の戦争劇。少し歳のひねた士官(カーク・ダグラス)が若い女の子をレイプしてその償いに自殺的偵察飛行をするとか、意味不明な筋書きです。最後は日本の戦艦に戦いを挑み大敗北をするのだけれど、日本艦隊は謎の転針をするので命はとりとめる(これってレイテの栗田艦隊のこと?)と言う荒唐無稽とも言えるもので、何でこんな映画作ったのでしょうか? [映画館(字幕)] 3点(2005-05-10 00:14:03) |
4. キャンディ(1968)
《ネタバレ》 原作には当時の米国人の宗教と道徳の建前からの表向きのセックス観と現実の違いを表面化させると言う真面目な意図があったようです。60年代の初頭に日本で出版された翻訳は発禁の扱いを受けたけれど、その後にほとんど同じ内容で文庫本になりました。映画化の話は知っていたけれどやっとDVDで観ました。原作で面白かった病院の場面(医師の名前が「患者」と言うだけあって皆が「ビョーキ」であるのには変わりないのですが)が血まみれ手術と変貌しているのは少し変ですが。これを観て病院恐怖症のひとが増えそうです。ヨガのグルによる教育場面はトラックの中ですが、当時のヒッピー達の風俗とか今ではどこにでもあるような風景ですが映画化当時には斬新性があったのでしょうか?最後の「パパ」との再会で終わるのかと思ったらそのあと全登場人物の顔見世は田舎の芝居小屋みたいでちょっと興ざめです。 6点(2004-11-09 13:31:52) |
5. キル・ビル Vol.2
《ネタバレ》 これって「カムイ」や「あずみ」とかと同列の抜け忍ものですね。でもBillの意図が嫉妬みたいに思えるところは組織防衛よりも人間味があります。Brideのほうが優等生的で、確かに「L」のほうが共感を呼べるところは監督の意図するところとは違うかも知れない。結局実際に殺したのはBillだけで(Lも毒蛇に噛まれるのは間違いないだろうけれど)、それに前編にあったユーモアの要素が削ぎ落とされているのがよく判りません。どちらかと言うともっとハードに徹したほうがまとまりがあるように思えます。 6点(2004-05-01 01:25:53) |
6. キル・ビル Vol.1(日本版)
《ネタバレ》 オートバックスにあったパンフレットで興味を持って見にいきました。平日の昼だったせいもあったでしょうが観客は20名もいませんでした。映像はなかなかですが、劇画の影響かストーリーの解説しすぎです。特にアニメとかは余計。その意味で理屈なんか抜きのキレてしまっている女子高生gogoが一番怖そうです(特に眼がいい)。Vol.2を観てからDVD版で見直したのですが、オーレンのいかにも日本的(発音の変なのは別として)演出が目につきました。gogoが身体を張って時間稼ぎしているのにそれを見守るしかなくて、応援が間に合わなければ懐剣で戦う覚悟だったり、勝負の前に膝をつくような礼を行い、最後まで裾を乱さずに立ち回りなど。背中に傷を負わせたことで「サムライらしくない」と非難するけれど最後の勝負の前に両者は和解ができてその先はレズのLovaAffairになっています。 7点(2003-10-31 21:54:17) |