1. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
なかなか洒落た"いかにもスピルバーグな"コメディーに仕上がっています。"いかにもスピルバーグな"というのは、原作ではアバグネイルが自分の鮮やかな詐欺テクとラッキーボーイぶりをこれでもかと披露する「どうだオレってかっこいいだろう的自伝(だから結末では捕まらない)」だったのに対し、映画は家庭崩壊(これは監督の実体験ですね)と父親との絆(過去には「インディ3」にもありましたね。ちなみに原作ではフランクは父親が気のいいのをいいことに金を騙し取っており、離婚の話には2・3行しか触れておりません。)を中心にすえているからです。 ストーリーもかなりいじっており、とくに追っ手(T・ハンクス)にも過去のエピソードが追加されている(原作にはほとんどない)のは"いかにもスピルバーグ"です。 要するに原作では"天才詐欺師フランク"、映画では"悩める青年フランク"が描かれているというわけなのです。どちらにしても最高に面白い(特に映画版の「ジェームズボンド」のシーン)のでぜひ両方を比べてみる事をおすすめします。 7点(2003-11-08 19:33:34) |