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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  銀のエンゼル 《ネタバレ》 
公開当時は話題になる理由があったのだろうが今は昔である。ちなみに2018年1月にアイドルグループ「ももいろクローバーZ」を卒業した有安杏果という人が子役で出ていて、当時8歳くらいだろうが小賢しい児童の役をやっている(滑舌はよくない)。  北海道発の映画ということで、景観的には広々した平野部に斜里岳(1,547m)の山容が映えており、またJA系の製糖工場らしい白煙が特徴的に見える。冬の場面はそれほど壮絶に寒そうでもないが、積雪の状態からすると低温で湿度が低いように見えなくもない(要はサラサラした感じ)。家の造りが違うので寒いと思うことなどほとんどないと道民はいいたがるかも知れないが、そういうのを除けば基本的には単なる日本の一地方という印象で、コンビニ中心の映画ということもあって人々も一般の地方民に見える(変人はいる)。 物語的にも大して劇的なことは起こらないが、ただし突然の事故とか、外から来た人間が少々かき混ぜたことがきっかけになって変わるところは変わり(変わらないところは変わらず)、少し新しい状態に移行して終わった形らしい。主人公に生じた変化が、事故を利用した妻の企みだったとすれば夫としては忌々しく思わないかと言いたくなるが、結果は素直に受け入れるタイプの男だったようである。なお題名の意味はよくわからなかったが、5個なかなか揃わない状態で続いていくのが人生だと言いたいのか、あるいはただ待つのでなく主体的に選んでいけということなのか。コンビニダンサーの男が家出娘の挑発に乗らず、自らの意思を淡々と告げたのは少しいい場面だった。 そのように、見れば何がしか思うところもないではなかったが、基本的には長く感じる映画だった。北海道物とは相性が悪いのか。  なお別にコメディでもなく可笑しいところはほとんどないが、唯一「ホーマック」(北海道から関東まで展開するホームセンター)の駐車場で「ほんとあの子人見知りが激しくて」というのは少し笑った。この場面は斜里町ではなく少し離れた美幌町だったらしい。
[DVD(邦画)] 4点(2018-12-29 19:25:32)
2.  極限水域 ファースト・アフター・ゴッド 《ネタバレ》 
第二次世界大戦中のソビエト海軍の潜水艦長の話である。原題の“Первый после Бога”は英題と同じ意味で、邦題だけが誇大広告気味になっている。 劇中の潜水艦基地はフィンランドにあるとのことで、あえて特定するとすれば1944/9/19の休戦協定により海軍基地として租借されたポルッカラ半島のことかと思われる。劇中ではフィンランド語を話すフィンランド人やスウェーデン語を話すフィンランド人?が出ており、”HOTELLI”の看板とか製材所の喫煙禁止表示もフィンランド語のようだった。ちなみにフィンランド語/フランス語/スウェーデン語?の台詞の直後に音声でロシア語訳を被せていたのは非常に聞きづらい。 戦争映画としては、艦船の映像はそれなりに見えるがほとんど架空の戦記のようで、最後のドイツの大型艦など名前が変で排水量も半端な数字である(後述の客船に合わせたのかも知れないがあまり意味はない)。また最初の攻撃で輸送船を撃沈した意図はわかるとして、その後はどういう理由で潜水艦が出撃していたのか不明瞭だったが、それは邦訳がまずいせいもあるかと思われる。どうも基本的な軍事用語がわかっていないらしい。  ところで外部情報によると、主人公にはモデルになった実在の英雄がいたようで(cf.「ヴィルヘルム・グストロフ (客船)」)、要はこの人物を顕彰するのが目的の映画と取れる。しかしこの人物が英雄だと観客が自然に納得するよう作られているわけでもなく、初めから英雄扱いなのをそのまま受け入れろと要求されるだけである。 また片思いの少女も浮いた感じの人物で、出番が少ない割に全部見ていたかのようにナレーションまで担当していたが、実際主人公のことなど何もわかっていないのにFIRST AFTER GODなどという勝手な思い込みが痛々しい。まあそれは仕方ないとしても(まだほんの子どもらしいので)そんなことが主人公の顕彰につながるわけでもない。 どうも半端で独りよがりな映画のようで突っ込みどころが多いのは困る。そもそも難民船でも引揚船でも平気で撃沈して恥じることのないソ連潜水艦など称揚するわけにはいかない(cf.「三船殉難事件」)。  なお若干面白かったのは艦内に「ケマルチュク」というのが住んでいるという話で、要は単なるホラ話だろうが、この後もこの潜水艦が生き延びていくとすれば都市伝説的に語り継がれていくのかも知れない。ちなみに劇中潜水艦(S-113)のモデルになったと思われるS-13は1954年に退役している。   [2022-05-14追記] 難民船を撃沈して悪名の高い潜水艦長を、忘れた頃になって引っ張り出して英雄扱いしようとする魂胆が気に食わない。最初は穏便にと思って4点を付けていたが今回改めて点数を落としておく。日本人も「三船殉難事件」や樺太(「氷雪の門」1974)や満州やシベリア抑留などのことを忘れてはいない。残った点数はケマルチュクの分だ。 なおそのケマルチュクКемарчукとはこの潜水艦だけにいるのでなく、“目に見えない乗員”として船乗りの間で共通認識になっているのかも知れないと思ったが、今回改めて調べてもネット上に情報が少なくわからないのは残念也。この映画で見た限りでは、勤務中に寝てしまった奴がいた場合のおとぼけや揶揄に使うもののようでもある。
[DVD(字幕)] 2点(2018-06-04 21:25:53)
3.  キル・鬼ごっこ<OV> 《ネタバレ》 
孤島に集められた連中が殺し合いをする映画で、宣伝では「バトル・ロワイアル」(2000)の流れをくむものとされている。今になればもうこの手のものなど見なくていい気もするが当時はまだしも新鮮味が残っていたものか。題名は「キル・ビル」(2003)と「リアル鬼ごっこ」(2001年発行)から借りたのかも知れないが、鬼ごっこにはなっていないので看板に偽りがある。殺戮の残虐度が低い上に緊迫感もなく、人間を盛大にぶち殺したい観客の意向には全く応えられないと思われる。 テーマについては監督本人がいろいろ語っており、作り手が何も考えていなかったわけではないことはわかる。一応紹介しておくと、17歳くらいの少年少女に生死の問題を意識してもらうこと、また欠点との向き合い方を考えてもらうことが重要だということで、要は17歳前後の観客が見る映画ということである。また出演者の言葉として、これを見る時は部屋を暗くして仲間と騒ぎながら見てもらいたいと言っていたのは本質をついている面もあるとは思うが、そういう場面で本当に有用なのかも若干疑問がある。 個人的感想としては登場人物の反応がいちいち鈍いのが非常に苛立たしく見えたが、映像的には絵として見映えのする場面も多いように思った。撮影場所は島ではなく静岡県とのことである。  登場人物に関しては、誰ひとりとして17歳には見えないがそれを言っても仕方ない。ヒロインはかろうじて18歳くらいだと思うが大人びているのでセーラー服が似合わない。また近年もあることだがダンスグループのメンバーが大挙出演しており、そのせいか劇中に特に必然性のないラップとかダンスの場面が入っていたりして、噂に聞くインド映画とはこういうものかと思わせる。その程度はまだいいとして、突然の剣劇などは若者向けの趣向とも思われず、こういうストーリーと無関係な演芸を披露するのはさすがに不可解だった。 またエンディング後の追加場面は、製作上の要請でやったとのことだが明らかに不要である。ただ明らかに不要な印象を受けることからすれば、逆にこれは無視して構わないという意思表示だったとも取れる。
[DVD(邦画)] 2点(2018-05-30 21:51:14)
4.  キトキト! 《ネタバレ》 
終盤で母親から子へ伝えられたメッセージは、親というものに共通の心情を素直に語っていたように聞こえる。それ自体はいいのだが、劇中でそのことをどう具体化しようとしたのかわからない。 富山方言の「キトキト」というのは場所柄に関係なく突飛な行動を平気でやらかす意味なのかわからないが、とにかく母親自体が堅実路線には全く見えず、そのため娘と息子が高校卒業もしないまま東京に出て、夜の業界に入っていたのも自然な流れに思われる。そういうことなら母親が語っていたとおり、どんな仕事であっても子が自ら望んだようにできていればいいという話になりそうなものである。 しかし最後は結局、地元で安定的な暮らしをしてもらいたいという、よくある地方在住の親の本音を代弁したかのような無難な終わり方をしたのが興醒めだった。これはストーリー上の要請というよりも、地方の定住人口維持に貢献しようという志でもあったのか? それにしても劇中ではそのような展開を可能にするための好都合な偶然が多すぎて見ていられない。ハッピーエンドなのはいいことだが割り切れないものの残る映画だった。 かろうじて最後の場面で伊藤歩嬢が幸せそうな顔をしていたのはよかった。主人公が東京にいた間、このキレイなおねえさんの姿が、自分にとっては最後まで見続けるための強い動機づけになっていた。
[DVD(邦画)] 5点(2015-12-31 09:31:19)
5.  恐怖(2009) 《ネタバレ》 
面白くないとはいえないが、面白いと言うにはわけがわからなすぎる。 外部情報によれば、側頭葉を刺激する実験はかつて実際に行われたことがあり、体外離脱とか光が見えるといった臨死体験に似た効果が得られることがわかっているらしい。ただし一般の臨死体験が死への不安を取り除くものであるのに対し、側頭葉への刺激は恐怖心とか幻臭をもたらすことが相違点のようである。またそれとは別に、人間が認識できる範囲外に本当の世界が広がっているという考え方も現に存在し、これと臨死体験を関連づける説もあるようで、この映画もそういったことを下敷きにしていると想像される。  その上でこの映画が何を言っているのかということだが(よくわからないが)、少なくとも自分としては台詞にも出ていた“死んだらどうなる”の問題が大きく扱われていたように思われる。伝統的には地獄に落ちるのを恐れたのだろうが、それは何らかの形で死後の世界があると信じられていた時代のことである。かつての俗信や宗教的認識が否定された現代日本では、死んで無になることをかえって恐れる風潮もあり、それは劇中でも説明されていたように、実はみな「あの世があると思いたがってる」ということだろう。 映画のラストはよくわからなかったが、個人的には変なものに食われるくらいなら人間のままで死んだ方がまだまし、という意味に感じられ、これはこれで救いのある終わり方に思われた。ただ、もし臨死体験が、死への不安を取り除くことで来世への円滑な移行(例えば生まれ変わりのような)を促すためにプログラムされているとすれば、これが正常に作動するよう心がけた方が無難ということはあるかも知れない。現実の報告によれば、自殺未遂者の臨死体験は一般と異なり不快感を伴うものとのことで、死後どこにも行けずに「ただ消えるだけ」にならないで済むためには、まともな臨死体験の過程を踏んでいわば円満に死ぬことが必要なのかと想像したりする。そこまでこの映画では言ってないかも知れないが。  なお劇中の処女受胎の人物は声が妙に愛らしいので和む(「何を見てるんですか?」)が、この役者はこれ以前に少女アニメの声優をやっていた人のようである。
[DVD(邦画)] 5点(2015-07-23 00:26:16)
6.  吉祥天女 《ネタバレ》 
誰も読まないだろうが、原作に敬意を払う必要もあるので真面目に書いておく。 まず原作が書かれた80年代前半での問題提起を、20年後にそのまま再現することが困難なのは理解できる。ジェンダーの問題や女性の身体的な不利性など、現代では一般に認識が浸透してきている内容もあり、またこれを消化した上で出て来る「人間の攻撃性」(文庫版の解説にある)の表現に関しても、娯楽映画の世界では既に日常茶飯事と思われる(女子高生がゾンビを殺しまくるなど)。本来のテーマを改めて映画の場に乗せるのは難しいものもあるだろうし、あまり真面目に描き過ぎても妙な反発を生じかねない気がする。  しかしだからといって、そういうことが骨抜きになったような映画にするのもどうかとは思う。原作では女であること自体に伴う宿命のようなものが通底していたのに対し、映画では家系に伝わるものを強調したうえ、金田一耕助役の人物まで出して土俗ミステリーの雰囲気を出している。その中で原作のテーマに通じるものも表現されていたかも知れないが印象には残らず、また最後に羽衣を散らしていたのも理屈はわからなくはないが観念的である。天女の“夫”や由似子の心境変化といった原作のオチを完全放棄した上で、この題材を使って何を描き、最後に何を残そうとしたのかはよくわからなかった。  また原作で小夜子が由似子と涼の両方に好意を持っていたのは共通の理由があったわけだが、映画ではこれも明瞭とは思われず、単なる個別の友情と個別の恋愛感情(それも唐突)にレベルダウンしていたように感じられる。由似子の方は見事に清純で可憐で可愛いので、こんな女の子に生まれたかったというのも説得力があるが、涼の方は観客が納得するだけの性質を備えた人物になっていたかどうか。原作では涼の人物像への共感がラストの感涙ポイントにつながっていたので、映画がそうでなかったのは残念だった。  以上、個人的には特別の理由(見たい女優がいるなど)がない限り、原作を読んだ上でさらに見なければならない映画とは思わなかったというのが正直なところである。 なお小夜子の外見は原作のイメージと明らかに違っており、特に背が低いのは違和感があるが、目や顔の表情などはこの映画なりの強い印象があり、それほど問題とは思わない。しかし天女の不可侵性のようなものはもう少し出してもらいたかった。
[DVD(邦画)] 4点(2014-07-29 19:51:52)
7.  君のままで 《ネタバレ》 
一応説明しておくと、主題歌を歌う”DEEN”のライブツアーに合わせて制作されたショートムービーとのことで、メンバーも出演しているようである(顔を知らないが)。また長野県上田市(別所温泉)のご当地映画的な性格もあるようだが、そういったことに関心のない人間にとっては、要は坂井真紀の主演映画として捉えておくのが妥当と思われる。  内容としては、ヒロインが東京で不倫相手に捨てられて帰郷し、昔の彼とよりを戻したいと手前勝手に妄想していたが、その婚約者に東京へ帰れと言われてしまい、どうすればいいかわからなくなって酔っぱらってしまった、という痛い感じのストーリーである。しかしラストは少し意外性があり、人によっては(主に同年輩の女性)著しく都合のいい話とわかっていてもなお泣ける、ということも考えられるので、そういう意味では価値のない映画ともいえない。季節感としては夏が終わって最後の花火といった感じで、短い時間にコンパクトにまとめた見やすいお話になっている。  なお全くどうでもいいことだが、劇中では市役所が著名なイラストレーターに依頼して地元の風景をバックにした少女の絵を描いてもらい、これを市のPR用ポスターにするという話をしていたが、今なら「サマーウォーズ」(2009)のポスターでも間に合うだろうと思われる。
[DVD(邦画)] 4点(2014-01-13 18:27:44)
8.  北の零年 《ネタバレ》 
DVDの時間表示で02:48:58にも及ぶ長大な映画であり、物理的な大作感は十分である。欠点と思われることはここまでの間にほとんど書かれているが、特に自分としてはわざとらしく芝居がかった感じの人の動きや事件や展開が気に障る。序盤はまだしも後になるほど違和感が拡大して、終盤に至るともう嫌悪すら覚える。また、最初はさんざん嫌な奴に見せておきながら実はそれぞれ事情があり真心もあり愛もあって、最後は全員が都合よく”本当はいい人”の範疇に取り込まれていくような展開は、全ての人に暖かく優しい目を向けています、というようなことかも知れないが、個人的には安っぽく幼稚に感じられる。   一方、この映画で感動的だったのは何といっても中盤の「夢を見ているようだ」であり、これは具体的にそういう経験がないにもかかわらず激しく共感する。堰を切ったように号泣するなどというのでなく、娘を膝に抱いて微笑みかけようとしながらも感情があふれ出てしまうのが奥ゆかしい。「どうして泣いているの」と尋ねるこの子がかわいいから泣くのである。 しかし、そういったプラス評価を完全に覆してしまうのが終盤の展開である。この映画は男が生命を棄てて正義を回復し、妻子のために殉じようとするのを無益なものとして否定するのか。それだけの決意をした男を「死なないで」で泣き落とそうと思う発想が気に食わず、また「生きてください」という発言も“とにかく人は死んではなりませぬ”という程度の観念的かつ無責任な綺麗事のようにしか聞こえない。“下郎”の妻のように生物学的に生きて繁殖するのが第一義というなら随意にすればいいだろうが、個人のプライドなど全く頓着なく自分のペースに巻き込まなければ気が済まないというのはどれだけ能天気で傲慢であることか。  そういうわけで激しい憤りを覚えたので、当然ながら零点である。  なお知り合いの淡路島関係者が、劇中の稲田家当主の扱いが変だといって怒っていたのでついでに書いておく。それからどうでもいいことだが、見ているとまず戸を閉めろと言いたくなる場面が目立つ。北海道は冬でも温暖なのか。
[DVD(邦画)] 0点(2013-11-18 19:54:46)(良:3票)
9.  CUTIE HONEY キューティーハニー 《ネタバレ》 
昔こういうTVアニメがあったことは当然のように知っているが、当家では下劣でエッチな番組は見ないことになっていたためほとんど憶えがなく、特別な思い入れなどもない。しかしそれにしても、この女優が適役なのかどうかは正直疑問である。素材としては決して悪くないわけだし、本人も結構その気になってやっているのだろうが、丸顔というか縦横比の関係でハニーのイメージに合致しないのは非常に残念である。 それから普段の性格が天然というのも実写のせいか苛立たしく感じられる。映画では最後にみんなが友達になってハッピーエンドだったが、自分だったらそうはならず、うるさいあっち行け、と言って終わりになりそうなキャラクターである。  一方、映像面では序盤が面白く、特に敵の戦闘員がふっ飛んでいく可笑しさは実写ならではだろうと思う。またオープニングのアニメではハニーのかわいさが絶品で、もう全編これでやればいいのではないか、という気もする…というか実際には、まずネット上の某所でアニメ版「Re:キューティーハニー」のOP部分を見て惚れ込んでしまい、その後にアニメ本編を見て(DVD)、それからこの実写版を見た、という順になっている。アニメ版の方はエッチ度が高いし、またいかにもこの監督風のアニメとして出来上がっている(少々ベタだが)と感じられるので、それに比べると実写版はやはり少々残念な結果だったといえるかも知れない。  ただし自分としては基本的にこういうのは嫌いでないので、原作との兼ね合いは度外視した上で、サトエリと市川実日子(と片桐はいりほか悪役女優の皆さん)に敬意を表する意味を含め、ここでの平均点を少し上げる程度の点は付けておく。
[DVD(邦画)] 6点(2013-07-28 18:47:29)
10.  危険な斜面<TVM>(2000) 《ネタバレ》 
ストーリーは原作をほぼ踏襲しているが、犯人探しの情報提供者がたまたま人事課所属かつ鉄道愛好者という点は少々都合良すぎという感じである。 またこのドラマでは殺した男・殺された女とも、打算で動くだけでなくそれぞれの思いを抱えているという点で、無彩色の印象だった原作よりも少し色付けされているように見える。しかしそれが必ずしもストーリーに生かされているとは思われず、理屈はわかるが心を揺さぶられるまでに至らない。特に殺した男を変に情けなく安っぽい男にしたことで、“タフでしたたかな壮年の男 対 純粋で一途な若者”という対立軸が成り立たなくなり、結果として若い男は単に話を進めるための駒のようでしかなくなっている。この若い男が殺した男を前にして憤ってみせているのも白々しい。  一方で、殺された女が本来の夢だった文房具屋ではなくブティックにしたというのは、業界の実情に照らして新規の開業は無理と会長が判断したということだろうか。最初の方でグループ企業の独立採算の話が出ていたが、愛人に対しても経済的な自立性を付与することで一方的な扶養ではない関係を作ろうとしていたかに見える会長は、ここに出ていた男の中で最もオトナだったということかも知れない。 なおこの女に関しては、とにかく女優が適役でたまらなく魅力的な人物になっており、それで見ている側も少し肩入れしてしまうところがある。ドラマ版で加えられた設定(三角定規の件など)を見ていると、個人的にはこの人のために泣いてやりたくなったのだが、残念ながら最終的にはそうもならなかった。TVドラマならもっとベタに泣かせてもらいたい。
[DVD(邦画)] 5点(2013-07-15 18:49:00)
11.  奇談 キダン 《ネタバレ》 
原作は「新世紀エヴァンゲリオン」に元ネタの一つを提供したマンガだが、映画もそのストーリーを基本的に尊重しているのは評価する。期待していた「三じゅわんさま」もちゃんと出てきたので嬉しかった。ただこの場面の神父の発言には、原作にあった微妙な可笑しさが感じられなかったのが残念である。 また原作の短編を長編映画にするためか、もとの話と直接関係のない要素がかなり加えられており(同じ作者の「天神さま」から取ったか)、「7歳」で無理につなごうとしたようだが、どうも本筋との統一感がないので困る。 それでもヒロインが年齢のわりには(昔の女性らしく?)清純そうで可愛いのは高評価で、これは原作よりずっといいかも知れない。稗田センセイも、あくまで堅物というか紳士なので安心して見ていられた。マンガのとおり尊敬できるお方である。 なお、自分としては特に原作者のファンとは思っていないのだが、DVD特典で初めてご尊顔を拝することができたのは感激だった。
[DVD(邦画)] 4点(2012-05-14 22:36:17)
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