1. 喜劇 愛妻物語
《ネタバレ》 2022年、映画の中古DVDをたくさん買った。 でも買うだけで観ていない。 『喜劇 愛妻物語』(2020年)は2022年に観て、一番良かった映画。 主人公の男(売れない脚本家)は迷惑な男だ。 でも結婚して子供もいて、怠惰な毎日で、本当に迷惑な男だ。 男が怠惰な生活ができるのは、妻が稼いでいるから。 しかしこの男、画面の中にいるぶんには愛嬌があって楽しい。 映画の中で、最初から最後まで楽しませてもらった。 喜劇だけど、映画のスタイルとしてはコメディじゃない。 小説で、直木賞と芥川賞のどっちかといえば芥川賞である。 直木賞はエンタメで、芥川賞はエンタメじゃない。 さて、マイナスなのは一人娘の女児に個性がなかったこと。 でも、出しゃばりゼロだから夫婦二人に集中できて良かったのかも。 夫は、今の日本社会から見れば人間の屑だろう。 映画だから笑える。もし男の親や親戚だと笑えない。 しかし屑がいるから、世の中は面白いのだ。 暴力とか窃盗とかの犯罪者の屑は社会の迷惑。 しかしこの映画の主人公の男には子供がいて育てているし、犯罪者や不倫男と比べたら立派な男、かもしれない。 [DVD(邦画)] 9点(2023-01-09 18:06:40)(良:1票) |
2. 銀河鉄道999
《ネタバレ》 松本零士の世界、『999』原作を熟知してるかどうかで、評価が大きく変わるのかもしれない。臭い台詞が楽しめるかどうか、音楽のタイミングに痺れるかどうかでも、評価が大きく変わる気がする。少年向けだから、そうじゃない人には何も残らないのかもしれない。が、ここまで完成度の高いアニメ映画はめったにない気がする。ダイジェストなのに、そうなっていない奇跡のアニメ映画。 エメラルダスって誰? トチローって日本人で、設計技師で大金持ち? 二人は恋人? ハーロックはなぜ強いのか? ハーロックだから。 理由は他に全くないのだが、それが受け入れられるかどうか。 つまりムチャクチャな設定がいっぱい詰まってるから、知らない人には意味不明の気がする。「男なら、負けるとわかっていても戦わなくてはいけないときがある」など、松本美学がたくさん詰まってる映画。 エンディングの歌は、この映画と120パーセント「シンクロ」していて、「21世紀のジブリ、押井守、細田守などのなんちゃってアニメ」とは全くの別次元(時代もあるだろうけど)。これが少年向けファンタジーアニメの王道でしょう。さらに付け加えるなら「男のロマン」のアニメ映画。★10点差し上げる。 [DVD(邦画)] 10点(2018-07-22 22:05:40)(良:2票) |
3. 君の名は。(2016)
《ネタバレ》 大ヒット映画『スピード』(1994年)で、主役の男女は恋に落ちる。だが続編で二人は別れていて、男(ジャック)は出てこない。「吊り橋効果」の恋だったのだろう。この『君の名は。』の男女も同様の気がする。相性は最悪だろう。 たしか中盤以降の旅先で、少年が二人の時系列が違うことに(初めて)気付く。三年もズレていた。気付いた直後、スマホのデータが文字化けを始めて全データが消える。理屈は全く分からない(分からなくていいが)。 噂通り、脚本に穴が多い映画。楽しめたが、説得力がない部分が多かった。二人は何度も入れ替わった。計30時間以上あったと思う。3年もズレてるなら、ズレに気付かないわけがない。でもそれは映画の嘘として許容できる。ノートの文字が全部消えたことも問題ない。しかし二人が電話するシーンが皆無なのは「アレ?」と思った。「電話しようか」なんてシーンもないし。 映画大ヒットの理由は、広告の量と運だけの気がする。 登場人物たちの、苦しみも悲しみも喜びも薄っぺら。 だから高い点は付けられない。 「★6点」差し上げる。 [DVD(邦画)] 6点(2018-05-25 16:52:19) |
4. 機動警察パトレイバー
《ネタバレ》 ずっと駄作と思っていたが、久しぶりに観直して、初めて良さが分かった気がする。 では、あらすじ。人型の大型マシン(レイバー)が工事現場などで使われてる時代に、そのOSにウィルスを仕込んだ天才プログラマーの帆場という男がいた。彼が自殺した後、OSの暴走を予期した警察のレイバー部隊が活躍して事件を解決した。 帆場はどんな男だったか。 ウィルスは本当にあるのか。 もし発病(?)したら何が起こるのか。 それらが、じわじわ、ジワジワと進行していく。松井刑事と後藤隊長(警部補)の二班に別れて。前者は帆場を調べ、後者はOSを調べる。その二つが中盤に合流し、クロと確信した後藤隊長がついに動き始める。 パトレイバー部隊で現場を指揮するのは篠原。レイバーを操縦するのは野明。二人の連係プレイで事件が解決し、ヘリで後藤隊長がかけつけて映画は終わる。お疲れ様でした。 [DVD(邦画)] 8点(2018-02-18 00:52:33) |
5. キリコの風景
不思議な映画。函館が舞台。 正体不明の男・村石が函館空港に降りる。 そして男三人がタクシーで、複数のマンションをまわる。 村石の目的は? のんびり観る映画。残る映画。 でもたぶんDVDは出ていない気がする。 [地上波(邦画)] 8点(2017-09-23 11:25:31) |
6. キック・アス ジャスティス・フォーエバー
《ネタバレ》 前作に「0点」を付けた私だが、この続編には「10点」を付ける。理由は「今回はキック・アスが主役」と思ったから。父親との葛藤、ヒーローの葛藤があったから。個人的に最後まで楽しめた。●ゲロゲリ棒いいね。欲しい。透明人間になって、テレビ「生」放送中に、人気の女子アナや美人女優に使ってやりたい。でも大勢じゃなくて数人「だけ」に使って楽しみたい。もし可能なら、テレビの生中継は終わるね。●映画の中で「悪人とは?」なんて話題が何度も出てきたが、この映画ラストのひったくり犯を観て、「こいつは悪人じゃない」と思った。どんな奴が悪人か。たとえばハードボイルド作家やヒーロー漫画を描く漫画家は、現実ではヒーローじゃない(ひ弱なオタクだろう)。実力派プロレスラーでも、武装したチンピラ数名に襲われる女性を腕力で助けたりしないと思う(隠れて通報するだけで)。つまりヒーローものの創作者やヒーロー気取りの奴は「悪人」と思う。むしろチンピラたちが正常と思う(人間の欲望に忠実だから)。現実に一人でチンピラ達と戦うには、『タクシードライバー』のトラヴィスのようにならないと無理(いろんな意味で)。私は「現実に」トラヴィスのように悪漢を倒した奴を「一人も」知らない。世界のニュースでも聞いた事がない。●それから、ネットで本や映画の感想を「上から目線で」書く奴は悪人と思う。自分では創作経験がなく、書こうとさえ思わないのに、偉そうに他者の創作物を貶す奴は「悪人」と思う。「あんたも創作すれば?」と思う。私はしている。●話を戻す。キック・アスの存在は「少し」だが現実味がある。しかしヒット・ガールは百パーセントが虚構。すごく楽しいが、なにか大きく違う気がする。アンビヴァレント。★面白い映画、面白い大嘘だった。ゲロゲリ棒を使ってみたい。10点! [DVD(字幕)] 10点(2015-06-17 04:31:44) |
7. キック・アス
《ネタバレ》 オタク青年が主役の『キックアス』が観たかった。ロリータが殺戮を繰り返す『ヒットガール』じゃねえか。タイトルが間違ってる。★もしタイトルが『ヒットガール』なら8点。でもそうじゃないので「0点!」。蕎麦が食いたい時、分厚いステーキが出てきても嬉しくない。アメコミ原作なのを忘れてた俺が悪いんだけどね。 と、いうことでちょーど三年たって再見(2018年5月18日)。 ゼロ点から10点にしよう(笑)。理由は面白かったから(なんやねん、笑)。 [DVD(字幕)] 10点(2015-05-24 13:31:09) |
8. 桐島、部活やめるってよ
《ネタバレ》 映画部じゃなくアニメ同好会だったら、もっと痛い映画だったと思う。よりカーストが激しいから。(海外は知らないが)日本社会は今も変わらず、「漫画にアニメにゲームにフィギュア」は馬鹿にする。●多数側はいつも、少数側を馬鹿にして楽しむ。区別じゃなく差別。差別ほど楽しい娯楽が、彼らにはない。それが日本社会の現実。つまりつまりつまり、多数派の人間たちは「差別が大好き、いじめが大好き、殺人事件が、戦争がとっても大好き」。本当にそう思うんだ。●映画部のリーダー前田は、戦争を起こす側じゃない。戦争はいつも桐島側が始める。そう思わないかい?■文庫を手に取ったら、最後に監督が文章を寄せていた。この監督は、いい映画を撮ることを確信。『腑抜け』もすごく良かったし。★10点! [DVD(邦画)] 10点(2014-08-15 20:33:06) |