1. クレオパトラ(1963)
【へちょちょ星人】さんがおっしゃるように,撮影中だか撮影後に,エリザベス・テイラーとリチャード・バートンができちゃったことと,巨額の制作資金のために制作会社が潰れたというエピソードのみが先行して語られる作品ですね。50~60年代を代表するハリウッド歴史大作の一つですが,「十戒」,「ベン・ハー」,或いは時代は異なれど「アラビアのロレンス」の域には達していない作品ではないでしょうか。大がかりなオープンセットと膨大なエキストラを使った戦闘シーンも,そこだけ見れば確かに凄いとは思うものの,視聴後は特に印象的な場面も残らず,悪くはないけれども,特に残すこともない,とBSから録画したVTRテープをついつい消しちゃいました。 6点(2003-08-02 20:45:38) |
2. クマのプーさん(1965)
これ,正しくは「プーさんとはちみつ」ですね。「保存版」と銘打たれたVTRには,本作の他に「プーさんとおおあらし」「プーさんとティガー」の2本が収められています。その他,「プーさんの森の学校」「プーさんと遊ぼう」「新・クマのプーさん」等のTVシリーズ,最近の「クリストファー・ロビンを追え(探せ,だっけ?)」「ティガー・ムービー」まで,子どもと随分見ましたが,やはり元祖であり草分けでもある本作の魅力は,今でも色褪せていないと思います。特に,吹き替え版では,何と言っても八代駿さんのプーさんの声が,ほんわかとした心地よい気分にさせてくれます。先週の新聞に,プーさんが今若い女性に大人気であることが報じられており,特に女子高生は,プーさんのアイテムは必須だそうですが,皆癒しを求めているってことでしょうか・・・。そう言えば,先日ディズニー・ストアの前を通ったら,フロア全面に色とりどりのプーさんのぬいぐるみが溢れていました(青やピンクもあった)。大ブレイクは結構だけど,A.A.ミルンの原作の雰囲気を歪めないでもらいたいな・・・。 9点(2002-10-21 00:16:30) |
3. グラン・プリ(1966)
モータースポーツの栄光の時代を思い起こさせてくれる貴重な作品。何せ葉巻型のフォーミュラーカーがまだ走っていた時代なのだから,それを見るだけでもマニアは感涙ものだろう。やがてアルミハニカムのモノコックになり,現在のカーボンファイバー製のものができると安全性は高まった(最も1994年のF1と近年のCARTの悲劇はやりきれないが・・・)。ディジタルな数値のみが積み上げられていく最近のレースより,やはり男の勝負・博打には,死ぬかもしれないという緊張感がないと・・・と何かに書いてあったが,本作を見てそんなことを想起した。1982年にはドキュメンタリー風の「ウィニング・ラン」なんて作品もあったが(それに伝説のドライバーG・ブィルヌーブを扱った「グッバイ・ヒーロー」も),今後ぜひモータースポーツを扱い,極限の世界に挑む骨太な男のドラマを製作して欲しいのだが・・・・・。 8点(2002-01-12 14:54:29) |
4. 空軍大戦略
戦争映画の中で,最も金のかかる空ものの傑作である。1940年の英国本土防空戦を史実通りに描いたばかりではなく,ほとんどが実機(Ju87はリモコンだ)という凄まじい作品でもある。乱舞するMe109E(スペイン製のイスパノエンジン装着で機種がずんぐり,「メンフィス・ベル」にも出ていた?)やスピットファイア(MkⅨ?だったが),そして何とHe111(何と飛んじゃっている!)にマニアは感涙したものである。ま,言ってしまえば「史上最大の作戦」や「遠すぎた橋」とともに史実ものとして位置づけられよう。メカニカルな素材感はピカイチだが,ストーリーを望むと失望するだろう。一発の銃声も効果音もなく,音楽(作中でウォルトン作曲による唯一の楽曲)のみに語らせる空戦シーンは全編の白眉とも言うべきか。圧巻である。 9点(2001-11-14 20:31:38) |