1. クライマーズ・ハイ(2008)
《ネタバレ》 初めて予告を見た時「命を追った、あの夏」と言うコピーに、何故かしら柄にも無く怒りを覚えてしまった。原作は読んでませんので、どこまでが事実に基づいているのか、はたまた全くのフィクションなのかも分かりません。まるで戦場のような編集デスク、部署間や上下関係の確執、紙面トップを巡る人間模様。あの夏、あの日、ブラウン管の外ではギリギリの決断があった。でもなんだろう、日航機墜落と言う大事故を背景にして、描くのはそこなの?スクープを巡る駆け引きで、やたらドラマチックに仕上げちゃってるけども、実際に関わった方々はどう思うのでしょう?映画を通して、本当に伝えなきゃいけないメッセージは新聞社からではなくて、御巣鷹の尾根にこそあったんじゃないのでしょうか。実際に現場に赴いた堺雅人の現場雑感、全権堤真一の無神経な広告掲載に対しての激昂。大切な部分が希薄にスルー。ドキュメンタリーじゃないのは分かってる。史実の戦争映画だって、カッコいい主人公を立てて、そんなものはいくらでもある。けど、自分でも分からないけどこの事故に関しては、命を語ってこんな切り口に描いて欲しくなかったと強く思います。もしこれが架空の事件を追った内容だったら、報道・編集の現場が見れるとても面白い映画だったなーと、惜しい気分。あと現在とのリンク結構余計。演者方は最高。見方を変えると、まんねりで仕事に向上心を持てなくなった人にもう一度情熱を注いでくれそうな作品です。 [DVD(邦画)] 4点(2009-04-03 17:49:18) |