1. ゲット スマート
よくあるタイプのスパイ映画パロディのコメディ映画だろうなと思いつつも、方々から意外な程の好評も耳にする作品だったので、期待を膨らませてようやく鑑賞した。が、正直な感想としては、“よくあるタイプのスパイ映画パロディのコメディ映画”だった。 公開から10年間に渡って、無意味に期待感を膨らませ過ぎてしまったのかもしれない。 そもそも映画という娯楽においてほとんどのジャンルは、良作であればあるほど、国や文化の違いを超えて受け入れられるものだが、「コメディ」というジャンルだけは、時に良作であればあるほど、文化の違いによりウケ方が全く異なることは多々ある。 繰り広げられるコメディ描写に対して、愉快ではあったけれど、心から笑いきることができなかったことは、この映画の敗因ではなく、僕自身の敗因だろう。 映画の中で殆ど笑顔を見せない演技で観客を笑わせるスティーヴ・カレルは優れたコメディ俳優だと思うし、もはやスキンヘッドの印象しかないドウェイン・ジョンソンの“髪型”にも笑ってしまった。 そして、個人的には、この映画のアン・ハサウェイだけはずっと見ていたい。 [インターネット(字幕)] 6点(2018-09-17 01:15:57) |
2. 県庁の星
織田裕二が俳優としてなぜ一線に在り続けられるのかという、まあ基本的にはどうでもいい疑問を携えつつ、なんだかヒマだったので、丁度始まったテレビ放映を観た。 テレビで観たことで尚更だったかもしれないが、良い意味でも悪い意味でも「テレビで観るのに丁度良い」映画だったと思う。 スーパーでのくだりと県庁でのくだりのバランスが中途半端な感じがして、盛り上がりどころが今ひとつなところ。が、地方自治が注目されるこのタイミングで、しっかりこの映画をテレビ放映するあたりは、さすが商売上手な某キー局というところだろう。 地方行政の愚かさもシニカルに描かれていて、それなりに頑張って作ってはいるのだろうが、やはり「映画」にするほどの“パワー”は無いと思う。 [地上波(邦画)] 4点(2007-06-10 00:37:09) |
3. ゲド戦記
「ハウルの動く城」で著しく失望をした。が、それでも僕は、自分の「映画を観る」ということを構築してくれた“天才”の息子の処女作に期待せずにはいられなかった。 結論から言うと、映画作品としては「ハウル~」よりはよっぽど面白い。それは確実。でも、宮崎映画の他の傑作たちの内どれか一つにでも匹敵するか、もしくは何かそういう要素があるかというと、それもない。 テーマはあり、物語もある程度まとまっているが、映画としてそれほど大きな魅力がないという感じだろうか。 一番分かりやすい要素を挙げると、キャラクターにインパクトがないというところだろう。それぞれが様々な葛藤や想いを抱えてはいるが、映画のメインとして語るべきキャラクターにどれも達していない。だから、展開の起伏のわりにどうも抑揚が付かず淡々とした印象を受けてしまった。 まあそれでも。何といっても「処女作」なわけで、充分な及第点レベルだとは思う。 でもね。やはり「天才の息子」というレッテルは絶対に付いてまわる。どうやったって酷評は逃れられないだろう。 何度も言うが、「ハウル」よりは面白いがね。 [映画館(字幕)] 6点(2006-08-01 22:47:48) |
4. ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer
最近初めてテレビシリーズを全編観たので、「特別篇」に続いてこの「映画」を観た。 まあ、テレビシリーズの終盤から感じてきたことだけれど、「謎」を引っ張るだけ引っ張っておいて、結局、悪魔的な要素で半ば強引に結論付けてしまうのはどうかと思う。 決してその要素自体が悪いのではなくて、シリーズ通して、「呪いにみせかけた殺人」や「犯人が仕掛けた意外なトリック」を主人公が見破っていくという主旨であるはずなのに、シリーズ全体のクライマックスでサイキックな精神闘争を見せられても納得できるはずがない。 主人公らのキャラクター性や、個別に見たストーリーは面白いのに、全体的なまとまりが激しく欠如している。製作サイドのあまりにいい加減で幼稚な“構想”が見えてくる。際どい部分ではあるが、こういうのは「ノリがいい」というのとは違うと思う。 ただ、中谷美紀はこのシリーズでかなりスキになった。 [DVD(字幕)] 1点(2006-02-02 19:23:55)(良:2票) |
5. ケミカル51
サミュエル・L・ジャクソンによる悪趣味なノリの良さが、イギリスの犯罪映画特有の粗悪な空気感にマッチし、何ともジャンクフード的な映画世界が楽しめる。チープなストーリーではあるが、その悪ノリで何とか突っ走っている。 [映画館(字幕)] 5点(2004-02-05 19:29:27) |
6. K-19
原子力潜水艦モノというのは娯楽映画として人気の高いものであるが、今作は明らかに原子力潜水艦モノではあるが、他の娯楽映画とは一線を画すテーマをもった映画である。そもそも戦争自体が紛れもない愚行なわけで、その愚行を食い止めるため愚かであろうとも身を挺して発端となりうる潜水艦事故を修復しようとする乗組員たちの行為に胸が詰まる。スターであるハリソン・フォードが物語的にはあまり活躍しない艦長を熱演していたことも効果的だったと思う。何よりもこの骨太な作品を説得力を備えた作り出した女流監督の力量に驚く。 8点(2004-01-28 16:17:19) |
7. KT
ラストシーンで個人的には面白さが半減したのだけれど、映画全体の男臭い骨太さは見応えがあり、佐藤浩市、キム・ガプスの主演俳優陣の存在感はほれぼれするほどの濃密さがあった。事件当時の空気感がリアリティに溢れ見事だったと思う。 [映画館(字幕)] 6点(2004-01-13 15:47:35) |
8. 刑務所の中
日本を代表する個性派俳優がそれぞれ獄中の囚人たちをユーモラスに演じていて非常に楽しかった。忠実なまでの獄中の描写が逆に面白すぎる。これは体験者ならではの視点であり発見であると思う。ここ数年絶え間なく秀作に主演している山崎努の流石の巧さが光る。 [DVD(邦画)] 7点(2003-11-30 11:43:25) |