1. g@me.(2003)
二人の恨み辛みが合わさり、するすると狂言誘拐にハマっていく様、そして成功してからのどんでん返しの連続は文句なしに面白い。ただ同時に進行していくラブストーリーが陳腐すぎる。展開が急すぎるために綺麗な台詞がどうしても歯がゆく感じられてならなかった。確かに二人とも美男美女なので絵にはなるが、とってつけたような感が拭えないのだ。ラブシーンを長くすればいいというものではない。むしろそのシーンを削っても、恋におちるまでの過程を丁寧に描くべきだった。しかしそれを除けば石橋の演技にはぞくぞくさせられるし、後半の展開もうまく観客を騙すことに成功しているので、サスペンスとしては非常に秀作である(素晴らしい原作のおかげではあるが)。主人公たちの抱える感情により全体が重く暗くなってしまいがちな内容だが、軽快な音楽を随所に使用することによってうまくカバーしていた。ガッツ石松と椎名の登場シーンは堤幸彦作品に通ずる柔軟さを感じた。 7点(2004-05-10 07:05:40)(良:1票) |