1. 言の葉の庭
《ネタバレ》 クライマックス、はだしで追いかけるシーンは良かったなぁ。 そうじゃなくっちゃ。「秒速5センチメートル」があまりにの、エンディングだったので これも同じかと思ってたら、ちゃんとしっかり追いかけてくれて、うれしかったです。 ただ靴職人を目指す上での覚悟みたいなものとか、病んでいるはずのヒロインの追いつめられた 感みたいなものは薄かったなあ。リアリティを犠牲にして、美しさを選びすぎている気はした。 また、ライティングの効果とかはちょっとやりすぎで、2Dアニメの絵をむしろそこねているように 感じた。 [インターネット(邦画)] 8点(2017-03-26 15:45:15) |
2. コクリコ坂から
吾朗さんの『ゲド戦記』を大プッシュしていたいきがかり上、ちゃんとその先を見届けねばと思って見てきた。がっかりしたわけではないし、それなりに楽しめたけれど、でも「コクリコ」公開記念でテレビ放映してた『海がきこえる』とかと比べてしまえば、深い感動は特になかったといわざるをえない。はじめてカルチェラタンに入るところとか、自転車で坂を駆け下りるところとか、見せるいいシーンはあったけれど、物語自体に力がない。だから『ゲド戦記』とは比較にならない。何がいけないのかって考えると、この物語の設定をリアルに考えれば、当然あってしかるべきな葛藤・対立が何もないことに気付く。血の葛藤は、自分が動く間もなく簡単に乗り越えられてしまうし、大人との葛藤なんて、ないも同然だった。きっとあるはずだった、校内の男女の間の葛藤もなくなっているし、校内のヒーロー俊をめぐる競争でも、海ちゃんが当然のように勝利して、誰も足をひっぱらない。うまくいきすぎて気味が悪いくらいだ。『ゲド戦記』は、あの4部作をたかだか二時間ばかりの尺に収めること自体が、とんでもない挑戦だった。当然無理があるんだけれど、それを無理やり達成するところに、吾朗さんにしかできないような、オリジナリティが生まれていたと思う。もちろん吾朗さんが、父に挑むこと自体が誰もが知っているドラマだったわけで、その自分自身の葛藤をちゃんと作品の中に昇華できていたと思う。でも、ここでは、お父さんに与えられた脚本を、見られるだけの一つの作品としてただこなせているにすぎない。お父さんが書いたのは、自分自身が青春をすごした時代へのノスタルジーに満ちたストーリーだった。まんまそれだけと言って良い。もし駿監督自身がこれを映像化したら、それを自ら対象化して、何かそこから新しいものを探し出したかもしれない。でも息子には、それを否定して、別のものに書き換えてしまうだけのものがなかった。そこには神格化されたオヤジのホームグラウンドで、アウェイで戦うというハンデだって大きかったろうし、『ゲド戦記』に対する世間の批判も大きかったろう。だから、生ぬるい話にしかできなかったのではないかと思う。 [映画館(邦画)] 5点(2011-09-06 18:01:01) |
3. 皇帝とわ・た・し
よくある「王子様のお姫様救出譚」の、大人なパロディー・アニメ。シュレックをもっとお下劣な方向に喜劇化した感じ。あのきまじめなドイツ人がここまでよくやったと思わせるものがある。 [地上波(吹替)] 7点(2010-03-16 23:50:09) |
4. コーラス
歌はきれいだけど、ストーリーに説得力があるわけではないですね。ふつうに楽しめるけれどそれだけ。似たようなノリなら断然スクール・オブ・ロックだなぁ。 [DVD(字幕)] 5点(2007-07-14 01:54:26) |
5. 黒衣の花嫁
ジャンヌ・モローは今ひとつだし、B級くさい感じをクールに決めようというのが狙いすぎな感じです。 [地上波(字幕)] 3点(2007-03-22 12:58:41) |
6. 五線譜のラブレター/De-Lovely
コールポーターの曲が好きなんでかなり期待していたんですが、がっかりですね。自分の一生をミュージカルにして回顧しているという枠組みの作り方が、話のリアリティを自ら妨げているように感じました。またそういうミュージカルの部分と映画っぽい部分の混ぜ方が中途半端。 [DVD(字幕)] 3点(2005-08-26 12:44:21) |
7. 恋人までの距離(ディスタンス)
続編ができたということで妻と一緒に改めて見直した。良い映画という印象は残っていたが、最初に見たときよりも一層深く感じるものがあった。 はじめて会ったときから不思議に話が合い、時間も忘れるくらい一緒に話し続けて、「好き」という気持ちがだんだんに高まっていくけれど、相手も同じように思っているのかわからなくて・・・、という不安と喜びに満ちた恋のはじまりの様子がとてもとても上手に描かれている。自分自身がそうした恋のまっただなかにあったときには、この映画は単にきれいな情景でしかなかったけれども、10年の時を経て見直すと、そうした記憶を強く刺激されるそんな映画に変わっていた。 僕の大好きな映画の多くは、心情の描写のために安易にBGMに頼ることをせず、その場の実際の音を効果的に用いながら、役者の演技にかけるという選択を取っているが、この映画もその代表例と言えるだろう。特にジュリー・デルピーの演技は映画的なドラマチックさとは別の意味での「恋の駆け引き」を見事に表現している。 また役者の演技にかけるという意味では、ひとつひとつには直接意味の無い会話を積み重ねることで、発言の内容よりも、発話行為そのものが伝える関係性に目を向けさせる技術も際立っている。イーサン・ホーク演じる男の「軽妙洒脱な台詞」も、そのように見ればかえってリアルである。 ウィーンを舞台にしながらも、あえて観光名所をはずしながらロケを行うことで、「どこにいるか」よりも「誰といるか」をこのうえなく重視させる恋愛の心理を表現するとともに、ウィーン的にはごく普通の石畳の風景のなかにその街の魅力を上手に生かし、自分のテリトリーの外での出会いという旅のエキゾチズムを演出しているところがいかにも粋だ。 これだけで完結したストーリーとしてあり、続編は不要だったように感じるが、作られてしまった以上、好奇心には勝てない。今からとても楽しみにしている。少し時間をおいて見てみたい。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-10 17:17:41)(良:2票) |
8. 恋の門
アンノ夫妻が出ているというので見てみたんだけど、まったくついていけなかった。こういう前衛小劇団系のネタというのは、映画というメディアに向いていないんじゃないかと思ってしまうんだが、でもこれを面白いという人もちゃんといるんだから、いちがいに否定すべきでもないんだろう。その手のものを映画に求めている人は、大はずれの覚悟もして見てみてください。 [DVD(字幕)] 1点(2005-05-30 21:59:34) |