1. ゴールデン・ハンター
NATO将官でありカサノバ気取りのアンドレア。不能を自覚し精神分析医から生命に危険が及ぶ強烈な刺激が無いとコトに及べ無いという診断を受け、それならば、と色事に励む艶笑コメディ。ウットリする超二枚目のマルチェロ・マストロヤンニが伸び伸びと三枚目を演じるのは何処を切り取っても絵になる姿でした。お相手の女性陣も皆お美しく、鮮やかなオチも含めて楽しめた作品です。 演出なのか国民性なのか裁判における全員のけたたましさにアングリしつつも大笑いでありました。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-22 00:55:13) |
2. 荒野のガンマン
テンポの悪さが相も変わらないのに辟易ですが、御大デビュー作だったとは。話があっちこっちとっ散らかってないのが救いと言えば救いですが、高揚感も哀愁も無い展開で結末の陳腐さに失笑するところです。 [DVD(字幕)] 4点(2022-08-22 16:09:28) |
3. 古城の亡霊
《ネタバレ》 若き(26歳!)ジャック・ニコルソン出演の本作。観たいと思ってから40数年、prime 無料配信に出ているのに小躍りすると共にprime 恐るべし! ひれ伏します。 更に本サイトに登録されているというのに10000へぇ。 開始直後に登場したニコルソンのナポレオン軍中尉アンドレという後のキャリアからは考えられない役柄でのコスチュームに笑ってしまう。古城の謎に迫るホラーもので主演ボリス・カーロフ御大に劣らぬ存在感は流石ではあるものの、薄味な演技で物足りなさがありました。というか、脚本が辻褄があわないちぐはぐさで、荒れて見づらい映像も併せて全く興に乗れない怖くないホラーでした。 鑑賞後に分かった御大コーマン監督が古城(他作の使い回し)でのカーロフ(契約残り3日)のシーンを2日間で撮り終えて、あとは弟子達が代わる代わる9ヶ月かけて完成させたという、何ともはやな珍作です。 とは言っても中学時代に出会ってのめり込んだニコルソンの貴重な姿に観た甲斐は大いにありました。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-08-02 00:26:36) |
4. 荒野のみな殺し
《ネタバレ》 凄いタイトルに「パーッといってみようか」釣られての鑑賞。ストーリーは無理筋無くなかなかの見応え。クライマックス対決場面は悪玉ラモンによって善玉がノーマン以外皆殺しにされるというパーッといく筈がテンションだだ下がりの当て外れ。ガンマンらしからぬモッサリした身のこなしに白けてしまったノーマンが作品を盛り下げる。両手包帯ぐるぐる巻きで銃が使えずダイナマイトを放り投げている役立たず状態はヒーローにあるまじき姿。「新世界より」第三楽章をバックに現われるラモンが主役だったらと思った作品。 [DVD(字幕)] 5点(2020-02-02 00:07:14) |
5. 五瓣の椿
《ネタバレ》 原作未読。牢屋で針仕事をしている時の憑き物が落ちたような顔つきと丸梅の妻の自害に、復讐の虚しさを味わう事に。青木の人物像は山本周五郎作品ならではのものであり、「上意討ち拝領妻始末」に続いての加藤剛の若かりし姿に見惚れました。長さを感じさせない力作。 [DVD(邦画)] 8点(2018-11-28 02:31:40) |
6. 絞殺魔
《ネタバレ》 犯人の人物像、動機、逮捕までの過程に興味津々だったのですが。中盤であっさりと犯人が判明してからは垂直落下のようにトーンダウン。実話なので仕方ないとは言え超能力者やら二重人格やら脱力感が半端ない。被害者や遺族の無念さが押し寄せてきた自供模様に点数の全てを。 [DVD(字幕)] 6点(2018-05-02 21:28:57) |
7. 殺しが静かにやって来る
トランティニャン、キンスキー共演に惹かれての鑑賞は大当たり。どこまでもストイックな男とどこまでも卑劣な男の対決に手に汗握り、決着の衝撃に打ちのめされる。雪景色に流れるモリコーネの物悲しいテーマ曲に更に冷え冷えとさせられる。 [DVD(字幕)] 8点(2016-12-30 22:03:22) |
8. 殺し(1962)
川原の遺体から始まる物語、登場する容疑者達が揃って何だか情けない。しかし、最後まで飽きさせない作りになっていて結構惹き込まれ楽しめました。忘れられない名シーンがあります。罵り合いから包丁を取り出した母にすかさず傍にあったアイロンで身構えた娘。猛女のド迫力はイタリア映画ならではか。周りのオバサン達が割って入って事なきを得てホッとするやらガッカリするやら。 [映画館(字幕)] 6点(2013-04-30 22:06:18) |
9. 荒野の1ドル銀貨
マカロニウエスタンといえば思い浮かぶ本作。よ~く練られた脚本、哀愁に満ちたジュリアーノ・ジェンマ。子供時分の記憶が鮮明に残っている作品です。 [地上波(吹替)] 7点(2010-04-10 04:10:02) |
10. コレクター(1965)
屋敷内における犯人と被害者。被害者の心中「生きて此処から帰りたい」は手に取るように解るのですが、犯人の本心が奈辺にあるのかを読み取ろうとしても彼女同様に解りません。物語は二人以外のシーンは最低限にとどめ(各シーンの的確さが見事)進んでいきます。一瞬たりとも目が離せず緊張感に息苦しさが増していきます。解り得なかった犯人の本質が、相手が死ぬかも知れない状況でとった二人の行為の違いで垣間見え、ラストシーンで剥き出しにされます。ここで初めてタイトルの意味を思い知らされ、言いようのない恐ろしさを味あわされます。観る者を捕らえて離さない見事な作品でした。 [DVD(字幕)] 9点(2006-10-22 16:01:37)(良:1票) |
11. 恋人よ帰れ!わが胸に
無茶苦茶な邦題は別として、見応えのある素晴らしい作品でした。優しさや思いやりなど一銭の得にもならん、生きるのには不必要が信条のようなウイリーの、知恵を働かせ、絶対に引き下がる事無く何が何でも目的を果たそうとするえげつなさと、果たせなくても決して反省もせず落ち込みもしないド厚かましさは、何故か憎めない所があったせいか少し羨ましく感じました。人を疑う事を知らぬような、お人好しで純真な好青年ジャクソン。この両極端な二人が強烈なればこそ、どちらにもなりきれず、ご都合主義的に心が揺れ動くハリーの情けなさ、やるせなさが際立っていました。ジャック・レモンとビリー・ワイルダー監督の真骨頂を見せてもらいました。 9点(2004-08-14 01:08:34) |