1. いまを生きる
《ネタバレ》 なんか教訓的映画という感じです。人間として当たり前にできていいことが、周囲の環境などで抑圧されてて、与えられた役割を演じているだけの生活っていうのは淋しいけれども、一定の人間関係を保つためにはそうせざるをえないこともあります。キーティング先生みたいな人は人間としての本質を解放してあげようとしてただけなんだけど、それが異端に感じられてしまうのは物事の過渡期においては仕方ないんことなんだろうね。死せる詩人の会の精神が生徒たちに受け継がれて、徐々にそれが浸透していった中での突然のニールの死。理想と現実の狭間でつぶされていったニールは、物事が進化したり、改革されていくときに生じる代償のようなものだったのでしょうか。言っていることはストレートだけれども、それが浸透するまでにはいろいろな障害があって、それを克服するためにはどこかで犠牲が出てしまう…しかし最後の彼たちの行動には希望が持てました。 7点(2004-02-26 03:04:08) |
2. 愛しのローズマリー
ファレリー兄弟作品にしては(失礼)けっこう落ち着いた温かみのある作品だったと思う。ハルは催眠術でローズマリーの外見だけじゃなくて心の美しさまでも愛してしまったわけだけど、結局彼女との出会いによって、純粋に会話をし、素直な気持ちで接することで心が美化され、外見なんて関係なくなっちゃったってことでしょう。偏見とか、固定観念を捨ててつきあうそのきっかけがまず大事ということを教えてくれたような気がするね。 だからこの作品ではたまたま肥満の女性が対象だったわけだけど、それなら盲目の人など障害者とかでも通じることなのでは? 社会的に平等でありながら意識の片隅に卑下する気持ちを持たれてしまう人たちの中で、単に肥満の女性というのがコメディとしても通用しやすいキャラだという意図を持った上で作られた作品ではないかな。 8点(2004-01-22 02:07:13) |
3. イグジステンズ
《ネタバレ》 まず冒頭のゲームコントローラーの肉感に脱力。別にグロテスク方面に話をもってかなくてもいいと思うのにね~。監督の作風が影響してるのかな。後半はなんだか展開が急で分かりづらかった。ゲームの世界と現実が幾重にもくくられてて、見ている人にも何が現実か推理させたいんだろうけど、ラスト急によく分からんくなって、結局放棄してやった。ゲームの中で自分が与えられた演技をし終わった人は、その後ゲームの世界ではどうなるの?すぐに現実に戻れるわけではないし、死んだりしたらその人の時間関係はどうなるんだろうな~。 3点(2004-01-11 21:48:27) |
4. イルマーレ(2000)
猟奇的な彼女を見た影響から、チョン・ジヒョン目当てで最初は借りた。静かな演技もいいね。しかし最初はタイムラグの設定を理解するのにしばし躊躇した部分もあった。しかし手紙ってところが今の時代新鮮だね。魔法のポストっていうファンタジーの部分の存在を問うより、地道に互いを知っていくその大らかな時間の流れというかね、そういうゆっくりした様子がよかった。それが静かな海の潮騒と、ポツンと浮かぶイルマーレの情景と重なって栄えてたね。 6点(2003-10-15 01:24:24) |