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しったか偽善者さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 75
性別 男性
自己紹介 かなりゆっくりですが、気まぐれにぼちぼちレビューしていきます。文章がヘタクソで背伸びして書いてますが大目に見てください。ストレス発散のため感情の捌け口として、ささやかな自己満足でレビューしておりますが、結果的に皆様を楽しませ、映画鑑賞のお役に立てれば幸いです。安っぽい正義感をふりかざしたような偽善的自己陶酔レビューが多いです。
「すべての作品を尊敬する謙虚な姿勢を失うことなく」、楽しみながら、かなり感情的なレビューをしております。クソ映画の弾劾は覚悟と労力を要し、めんどくさいので、あまりする気がありません(すべきなんでしょうけど)。基本的にお薦め作品の賞賛です。

大島渚「悦楽」、オリヴェイラ「神曲」、若松孝二「処女ゲバゲバ」など自分が新規登録要望した作品をレビューしてません。申し訳ありません。内容あるレビューをしたいと思ってたら腰が引けて時間がたってしまいました。とりあえず形だけでもこれからレビューしていきます。

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1.  西鶴一代女
よく主人公の演技は絶賛されますし、たしかに凄いのですが、若い頃のお春は明らかに声が老けていて無理があると正直思いませんか?。田中絹代の容姿が好きでもないし、前半では「萌え」?というものを感じません(後半妙にカワイイ)。白黒で引きのショットが多いから成立した映画ではないか?とすら思います。しかし、本作を最後まで観ればそんなことはやっぱり些細なこととしか思えません。まあ、とにかく美しいです。/ この作品の世界では女性は人間扱いされません。受動的に生きることを強制され、まさに子供を生む機械として、あるいは男性の性欲処理の道具として利用されます。自由な恋愛は罪であり、女性が異性を求めることは「好色」とされます。そして男はというと・・・ひたすら醜い。なにやらフェミニズム批評っぽくなってきましたが、本作が表現するのはフェミニズムとは何か違う気がします。(むしろフェミニズム的には批判されたりして?)。本作は叙情的な女性の悲劇ではなく、背後にあるのは憐憫の視線とも単純な社会に対する怒りとも少し違います。人間らしく生きるとは?。幸せな人生とは?。そう問いかけながら、監督は真摯で冷徹な現代からの視点で主人公の人生を描きます。ミゾグチは、かくもこの世は生きにくいのか・・・と観客を打ちのめし、それでも生きていく主人公の存在そのものを希望として我々に示しているのではないでしょうか?。あの映像美は、それでも(だからこそ)この世界は美しい、という肯定に見えます。 
[ビデオ(邦画)] 9点(2009-03-09 01:37:34)
2.  山椒大夫
すでに技術に詳しい方々が映像の美しさ、構図の見事さにつきたくさん言及されてますが、私にはそういことができる能力がないので、自分なりに技術以外のことでこの映画を賞賛したいと思います。私は本作は冷静に観れません。メチャメチャ青臭いヒューマニズムに感動して泣きます。慈悲の心による自己犠牲を説き、人は平等で「幸せに分け隔てはない」という「父の教え」は普通なら口にするのも恥ずかしいようなクサい言葉ですが、でも、本作を観た後にこの教えをバカにするのは難しいと思いますよ。本作を観ると、日本の歴史は人権無視の世界で展開してきたんだよな・・・(まあ当然ですが)というラディカルな考えが湧いてきて、なんか能天気な時代劇全てに欺瞞を感じさえもします。たしかに現代の人権思想をあの時代に引き移しているような違和感は多少あります(見かけは御仏の教えからくる慈悲の心がヒューマニズムの根拠ですが)。でも、それでいいじゃありませんか。人権の親玉みたいな顔してるアメリカの映画でもこんなのなかなかないですよ。キャプラ映画の演説なんかより全然心を打つ迫力がありますもん。【りく&あん】さんがおっしゃるとおり↓わかりやすさ、面白さも負けてない、いや勝ってるし。それでいてこんな美しい映像の格調高い映画は奴らには作れんですよ。本作は外国(の評論家の間)で評価が高いのか外国人の評論家が褒めてる文章を何度も目にしたのですが(アメリカでは一般には全然知られてないらしいけど、日本でもそうか・・・)西洋人からすれば自分らの土俵で負けてる気がするんじゃないですか?。ヌーベルバーグは溝口監督の映像美や技術に驚いたのかどうか知りませんが、この映画が外国の人々を引きつけるとしたらその理由は何よりも強烈に各人のヒューマニズムを刺激し、普遍的に人の心を打つからでしょう。
[ビデオ(字幕)] 10点(2005-10-30 22:48:46)
3.  叫びとささやき
以前テレビで楳図かずおの部屋が紹介されてましたがどこもかしこも真っ赤でした。あんな部屋にいたら少しは精神的に影響があるかと思います(楳図作品から想像するに・・)。私は本作を観てる間、妙に不安で落ち着きませんでしたが、赤い部屋の影響かも?と思ってしまいました。本作は何事も起こりそうにないほど静かなのに、何が起こってもおかしくないと感じられる恐怖に近い緊張感が画面から伝わってきます。ベルイマンを観た後ではそこらへんの監督に対してセンスがあるなどと褒めるのは恥ずかしくなります。宗教や人生の意味などに関する思想については、私には語る能力がありませんので、以下、自分に引きつけた私的な感想を述べたいと思います。私は特に登場人物の徹底的な孤独に心揺さぶられました。妹に触れられることすら拒否するコミュニケーション不全のくせに人格同一化のような親密な愛を求め、偽善を徹底的に憎む長女。偽善を肯定し、愛に対する諦念が心にひそむ三女。凄まじいくらいの孤独を目にして心が痛いです。監督は愛や人間同士のつながりを徹底的に疑いながら、それでも必死に(次女が姉妹にすがりつくように)奇跡のようなものを追求しているかのようです。人間は普段こんな突き詰めたところで生きちゃいないでしょう。正常な人間は描かれてないのかもしれません。でも私は、私自身が人間失格なのかもしれないけど、この映画に真実を突きつけられてるような気がするのです。
10点(2004-08-03 22:38:38)(良:1票)
4.  サテリコン
冒頭の舞台劇っぽい超説明的独白が普通の映画でないことを宣言してます。普通のドラマではありません。退廃の末は男色に行き着くみたいな描き方は、キリスト以前のローマが舞台ながらキリスト教倫理が意識にあり、つまり、あからさまに現代社会の風刺です。本作はもともと風刺画家だったフェリーニによる大掛かりで物凄い風刺画と言えるでしょう。同じ現代社会風刺でも「甘い生活」では少女の微笑によって汚れなき彼岸のものが表現されてましたが、この作品はそういうものがちょっと見当たりません。主人公はとにかく生き残ろうとする。社会は退廃的なんだけど、もはや癒しを求めて「空しい」なんて言ってちゃ生存すらできない怖いものだということなのでしょうか?。本作は風刺であると同時に徹底的にビジュアルを楽しむためにあるような作品でもあります。これは退廃、欲望、快楽、エロ、グロ、の視覚化、映像化です。もともとそういうのを喜ぶ趣味はないですが、この映画を観てる間はドーパミンとか脳内に分泌されてるような気がしました。グロいのもああなると美術です。芸術です。気持ち悪さが何かの作用により不思議と美しいといった感じ。良いシーンは挙げればキリがないけど、例えば天を掴もうとするように差し出された手のショットなんかカッコイイ。私は創作に縁ないですが、クリエイターの方々には相当刺激のある作品ではないか?と想像します。
9点(2004-07-03 23:00:32)
5.  サクリファイス
私のタルコフスキー初体験はこの彼の最後の作品でして、その後「ノスタルジア」を鑑賞し、遡るように観ていきました。当時、これまでなんでこの監督の作品を観なかったんだと悔やんだものです。マニアの方はこの作品に10点つけるのはわかってねえな、とか思うでしょうし、嫌いな人は高尚ぶりやがってと思うのでしょうが、初体験の衝撃が忘れられないんですよ。すげぇ、こういうの観たかったよぉ~って感じ。「自分にはわかる」みたいな身の程知らずな自惚れた自己満足に浸っているのかもしれません(すべての芸術への感動にはこの自己満足が大なり小なりつきまとうと思いますけどね。)。しかし、そんな簡単に私ごときに理解できるわけありません。すごく感じるのはこの作品は(他のもそうだけど)監督のかな~り個人的な体験や思いと切り離せないということです。一個人にはおこがましい世界救済の誇大妄想なんてガキの頃はよく頭に浮かぶと思うんですが(そんなことないですか?)、この話はガキの頃見た夢の話みたいな個人的妄想に近いのでは?と思います。でも、私なんかも冷戦末期の少年時代にはよく頭に浮かんだ核戦争勃発という妄想は、冷戦を生々しく切実に生きてきた監督からすれば実体験に近いのかもしれません。差し迫った自らの死を見つめているかのようですし、鬼気迫るものが感じられます。語ると陳腐になるし、私みたいなバカはもうあまり語る言葉を持ちません。この映画の鑑賞は嬉しい未知の体験でした。よく眠くなるって言われるけど、そうかなぁ?。「理解するのではなく感じる」というのは思考停止の欺瞞だと思ってんですが、タルコフスキー映画はそういう鑑賞態度でつい観てしまいます(自分にはなかなかわかんないから。悪あがきはしますが。)。圧倒的な詩的映像美は私が語ると嘘っぽいし、私が語るまでもないですが、好き嫌いが分かれるようなレベルを超えちゃってる(分かれるでしょうけど)と思いますよ。ほんとに。
10点(2004-03-07 21:14:17)
6.  サーカス(1928)
個人的なことでしかありませんが、私はチャップリンの映画では基本的に笑えません。クスッとはしますが、腹かかえて笑ったことはないです。くだらんテレビタレントの下ネタで大笑いすることがあっても。お笑いってすごく時代的なものだと感じるんですけどね。本作品も腹抱えて笑ったわけではありません。しかし、しかし、しかし、うまく言葉で説明できないけど、この作品は笑えるかなどという次元で考えちゃ悪いような気がします。凄い。とにかく何が凄いのかわからないけど凄い。そのへんのタレントと比べちゃ失礼極まりない芸人根性と得体のしれぬ迫力のようなものが強烈に感じられました。ラストシーンは頭の中に焼きついて離れません。
10点(2003-12-05 21:09:51)(良:1票)
7.  さらば青春の光
ロックは聴かないし、映画の時代背景も知らないし、モッズって何?っていう自分なので、前半はなんてつまらん映画だろうと退屈して見てましたが、後半はせつなかったし、やるせなかったです。主人公のダメダメぶりが自分に重なってしまい結構つらかったです・・・・。
6点(2003-11-26 22:48:22)(良:1票)
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