1. ザッツ・エンタテインメントPART3
これもたぶん結婚前に銀座の映画館で女房と観たんだよな。 オイラなんて、のっけに"Overture(序曲)"って字幕が出て、真っ暗なスクリーンにミュージカルナンバーが次々と奏でられただけで、もうボロボロ泣きまくってたしまったのだけれど、それを横目で見ていた女房は、オイラのことを「可愛い奴」だと思ったらしい。...変な女。 しかも、ミッキー・ルーニーを見て、オイラに「とっても似ている」と思ったらしくて、腹を抱えてひとり大受けしていやがった。サノバビッチ! 閑話休題。下の方でさる女性がミッキー・ルーニー=えなりかずき説を唱えられているようですが、「日本には、白木みのる大先生がいらっしゃるだろーーがーっ!」と、申し上げておきたい。(ワイキキにて) 10点(2004-12-25 17:21:17) |
2. さらば愛しき女よ
「僕は、正しいことを発見できた場合は、正義の味方です。それが分からないときは、負け犬の味方になります。」(ロス・マクドナルド) 追記:この頃、私は、何が正しいことなのか、皆目分からなくなってしまいましたよ。 10点(2004-02-16 21:33:54) |
3. 座頭市物語
《ネタバレ》 《まことに申し訳ないが、以下、クライマックスシーン完全ネタバレにつき、未見の方はご遠慮ください。》 勝新太郎が演じただけでも座頭市シリーズはTVも含めて数多くあるが、その頂点に君臨するのがこの第1作である。座頭市の凄腕はろうそくや天井に投げつけられた一文銭のエピソードなどによって既に存分に観ることが出来るが、やはり、素晴らしいとしか言い様がないのは、平手造酒を演ずる天知茂である。池で釣りをしながらの市との会話のとぼけた味わいや、胸を患い寺で臥せっているところに、市が出入りに助っ人に行ったと聞かされるやいなやガバッと跳ね起き、小僧が必死に止めるのも聞かず、押っ取り刀で駆けつけるその姿は、それだけでも涙なくしては、観れない! そして、小さな橋の上で市との対決。市は造酒を斬りたくないのに、造酒はそれを許さない(この時の彼の台詞がまた泣けるんよ!)。勝負はもちろん一瞬にして決する。市の背中に覆われて、斬られた造酒の姿は画面からは見えないが、ここで、「勝新、日本一!」と観客席から思わず掛け声が飛ぶ位の一世一代の名演によって、死に行く平手神酒の(決して見えない!)満足げな表情と心の友をこの手で斬った座頭市の深い深い悲しみが、描かれる。嗚呼 10点(2003-10-17 20:52:46)(良:1票) |
4. サムライ(1967)
《ネタバレ》 ♪人を撃つ~のが 殺し屋な~ら~ば~ あの娘のハアト~が なぜ~撃~て~ぬ♪ と、侍おふらんす=A・ドロンがラストで心中つぶやいていたかどうかは、今となっては伺い知れぬが、徹頭徹尾己のスタイルを貫き通したその寡黙にして堅牢な姿勢には恐れ入った。ゆえにこれに免じて、あの大量の鍵束は、見なかったことにして進ぜよう。 9点(2003-05-30 20:36:34) |
5. ザ・ブルード/怒りのメタファー
《ネタバレ》 妖怪?or怪物?たちが眠りこけている部屋から、誘拐された幼い娘を取り返す父親(だったけ?)オリバー・リードの必死な表情が感動的な、クローンネンバーグの泣けるスリラー?orホラー?映画。 9点(2003-02-07 19:12:52) |
6. 秋刀魚の味(1962)
昨年は小津の生誕100年だったというのに水をさすようでなんですが、この作品が遺作なのは、ちと淋しすぎやしないか? 何度も観ているからこそ思うのだが、多くの人が指摘するように、やはり晩年の諸作には作家としての広がりがちょっと欠けているような気がする。当時の撮影所長だった城戸四郎に"小津は二人いらない"と言われて松竹を追われてからの成瀬巳喜男の作品群の充実ぶりと比べると、残念ながらそう感じてしまう。やはり、「山中貞雄がもっと生き永らえていたなら(あの戦争で若くして死ぬことがなかったならば)、山中と共に、彼の盟友である小津ももっと多様な傑作が数多く残せたのでは」と、とても淋しく悔しい気持ちになるのは、私だけなのでしょうか? 追記:とはいうものの、先日BSで再見(途中からだけど)したら、結構面白く観れてしまいました。まあ、難しいことは抜きにして、とにかく小津を楽しみましょうよ!(←って、おまえなあ) 9点(2003-01-18 18:20:21) |
7. 殺人者たち
片田舎の街の食堂にある男を訪ねて二人のやくざ者がやってくるというヘミングウェイの傑作短編小説の設定だけを戴いた犯罪映画の傑作。ヘミングウェイ作品の映画化としてもホークスの『脱出』に次ぐ出来栄えでは。とにかく、ドン・シーゲルのシャープな演出に応える主演のリー・マービンがすこぶるカッコイイ! そういえば、あのレーガン元大統領が出演していることでも話題になりましたなあ。 9点(2002-12-22 15:13:20) |
8. ザッツ・エンタテインメント
この映画によってミュージカル映画との本格的な出逢いとなったことを、映画の神様に感謝したい。疲れていたり、落ち込んでいるときにこの映画を見るだけで、元気がもりもりと湧いてくる。正に映画のユンケル皇帝液! Part2では、ジーン・ケリー自ら監督し、アステアと共にダンスを踊ってくれる。こちらも必見! 10点(2002-12-17 21:09:56)(良:1票) |
9. サクリファイス
タルコフスキーの作る"水”と"火"のイメージは、以前にもましてすこぶる美しい。にも関わらず、またもや睡魔に襲われてつい夢の中へ。ふと目が醒めたら、スクリーン上では、たしか男が広場で焼身自殺するシーンがあり、まるで小栗康平監督の『泥の河』の蟹のようにゆっくりと炎に包まれていくその様子に訳もなく涙してしまったのだが、あれは本当に映画のワンシーンだったのか?それとも私はまだ眠っていたのか?誰か教えてください。 【ゆたKING様へ】そうですか、『ノスタルジア』↑でしたか。それは大変失礼をしました。でも、どちらも途中で寝てしまったのは確かなので、これ以上言い訳はしません。必ずやきっと再見してコメント書き直させていただきます。もちろん、今度は寝ずに観ます。 8点(2002-11-29 21:03:22) |
10. 西鶴一代女
《ネタバレ》 ラストの方で、田中絹代演ずる主人公が、奪った我が子を抱き抱えて屋敷の庭を逃げ回るシーンでの、捕まえようとする家来たちの手をすり抜けていく彼女の軽ろやかなフットワークは、まるでNFLの選手のようで、いたく感動いたしました。 10点(2002-11-14 16:33:14)(良:1票) |