1. サンクスギビング
《ネタバレ》 我らがイーライ・ロスの送る由緒正しき記念日スラッシャー。 元々グラインドハウスを意識した偽PVがもとになってる作品ですが、殺戮方法はそれらに準じてるもののグランドハウス風味はほぼ消え、スクリーム筆頭とした00年代以降の「綺麗な」スラッシャーという感じでした。 とはいえ、(ジャーマンゴアやブライアン・ポーリンのようなゴア描写にステータス全振りしてるような作品群ではなく)シネコンでかかる作品としてはゴア描写がかなり攻めている点や犯人探しの楽しさもありなかなか面白い作品で、殺人鬼の風貌もこれといって目新しさはありませんでしたが結構殺害時に格好いいシーンなどがあってよかったです。 ただ犯人も、冒頭のシーンでこいつじゃね?と見ていると見事それが当たったり、80年代のこうした作品の洗礼を受けている身としては意外性もそれほどありませんでしたし、もう少し攻めたシーンがあってもよかったのでは?という点と、あと10分は短くできたんじゃね?と思ってしまったので、面白いけれど絶賛、とまでは行きませんでした。 [映画館(字幕)] 6点(2023-12-30 16:55:35) |
2. 最後の決闘裁判
《ネタバレ》 中世ヨーロッパで実際にあった裁判を映像化、3名の登場人物それぞれの視点から1つの事柄を描くという手法なので、同じような場面が続きますが、ところどころ違う場所があります。 この辺りは、他者との見解の相違、男女での物の見え方、などいろいろなことが絡み合っているので、3つ目の視点が真実となっていますがまあ実際のところそれは「俯瞰で観ていたものがいない」ので結局のところどれが正しいのかわからないでしょう。 それを含めたとしても、当初は女性の地位が今よりもものすごく低いゆえに、声を上げることを許されなかった時代、このようなことがあったということを知るのは勉強になります。 映画のほうは、作品の空気感や、最後の決闘シーンの迫力などもあり、長い映画ではありますが飽きることなく楽しむことができました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-03-10 22:17:53) |
3. THE FIRST SLAM DUNK
《ネタバレ》 世代的にはドンピシャ、原作漫画というよりアニメ勢だったのですがそれでも「目で殺す」とか左手は添えるだけとかそうしたフレーズや主題歌を友達とともに盛り上がった身としてはなんで今更、というのが正直な意見でした。 声優にしても以前の声に慣れ親しんでいるため、変更については否の立場でしたが実際に観てみると全部「すいませんでした!」といえる出来でした。 正直リョーチンの過去についてはそんな壮絶でなくても、というか花道と一緒にあほ面しながら「彩ちゃん、、、」とか言っててほしかったのですが、全体を通してみれば確かにスラムダンクでしたし、今までは「いったいどんだけコート広いん?」てな感じの(アニメの)試合運びが、今作では手に汗握る、本作の魅力「白熱した」試合を十二分に描いていたと思います。 まったく知らない人からすると「どういうこと?」となってしまうかもしれませんが、そんな意見を気にさせない試合描写の数々が満載のとても面白い作品でした。 [映画館(邦画)] 8点(2023-01-27 20:21:20) |
4. ザ・メニュー
《ネタバレ》 高級ディナーに招待された成金どもに、腹に一物おありのご様子なシェフが腕によりをかけてついでに手間もめっちゃかけて究極の料理をお見舞いする話。 いったい何なんだ、というミステリーな感じから、人が死に始めてくるあたり、何が起こるかわからないといった面白さがりますが極論シェフのただの八つ当たりなのでそこでちょっと興ざめ、といったところでしょうか。もう少し「俺の味が分からねー奴は全員クズ」といった某速弾き王者みたいな横暴さというか狂気が欲しかったです。作風変わっちゃいますが。 ただ、主人公がチーズバーガーを所望して、それに応え、最後に「作る喜び」を見出して一人だけ退店することができたくだりはよかったです。 [映画館(字幕)] 6点(2022-12-04 19:57:36) |
5. 貞子DX
《ネタバレ》 かつて邦画最恐hホラーの称号をほしいままにした「リング」から考えるともはや500億光年以上離れてしまったような本作ですが、公開前から「コメディ」と言われていたのと、長いシリーズゆえにこうした舵切りも必要なのかな、と思いました。 作品としては、一応「リング」っぽい要素アリ、怖いシーンもありますが、「チャトラン」や「来てます!来てます!」の小ネタ、役者のオーバーなリアクションなど完全に「TRICK」のそれ。純粋にホラーを期待すると肩透かしなのですが、時代に合わせた進化や、昨今の某感染症禍のような設定は時代を皮肉っていてうまいなぁと思いました。 エンドロールの、with貞子mみたいなのは完全に今のそれですし(笑) と、思ったら最後にしっかりと観客に語り掛けて(襲い掛かって)くる仕組み、これも良かったです。 ジェイソンやフレディらと並んで、ホラー界最強(最恐)モンスターの一柱を担うまでになった貞子からすれば、これもしっかりと計画のうちなのかもしれません(笑) ただ、一ホラーファンとしては、願わくば本気で怖い貞子をもう一度見てみたい、とも思います。 [映画館(邦画)] 7点(2022-10-30 19:31:56) |
6. サマーフィルムにのって
《ネタバレ》 映画づくりがテーマというより、映画づくりが隠し味になっているジュブナイルもの、という感じを受けました。 そう考えると、ラスト、自分の作品を無かったことにして新たに演じるくだりも、「想いを伝えるための一手段」と感じられて納得ができました。 事実、そこ以外、というかそこでさえ、青春っていいよな、って思わせてくれるような部分がたくさんあり(夏休みのバイトや体育館で集まること、文化祭など)なんだかんだ楽しく観ることができました。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-04-22 01:16:38) |
7. THE BATMAN-ザ・バットマン-
《ネタバレ》 個人的にヒーロー映画は明るくて単純明快なものが好きですが、これはこれでアリだと思いました。 終始暗い画面、ホラーやサイコサスペンスを思わせる凄惨な殺人描写などもそうですが、「恐怖の象徴」としての蝙蝠のモチーフ、世界最高の探偵という通り名の通り、バットマンとゴードンがサイコパス野郎、リドラーの悪行を」止めるために奔走する姿はなかなか面白かったです。 展開の爆発力、という意味では最後の大立ち回りや途中のカーチェイスくらいしかなく、終始青白い顔のバットマンことブルース・ウェインが辛気臭い顔をしながら事件に挑むので場面によっては変わり映えのしないシーンが続いたり、展開がもっさり、という点もなきにしもあらず、そしてキャットウーマンとの関係もなんだかとってつけたように感じてしまうのはあれど、殺陣などは格好いいと思いましたし、中盤のカーチェイス後の、炎を背にマントを翻しながら迫ってくるバットマンのシルエットなど好きだなと思う場面も多かったですし、なにより3時間という長さを感じなかったので、今回はこの点ということで。 [映画館(吹替)] 7点(2022-03-13 02:09:58) |
8. ザ・ファブル 殺さない殺し屋
《ネタバレ》 まずアクション。冒頭の一連の殺しから車のアクションの流れまで一気に進んでいきここで映画の世界に引き込まれます。個人的に前作の「弾道と急所の狙いどころ」のような演出にあまり乗れなかったので個人的にはこちらのほうが好きです。 そして中盤以降のマンションから足場を使った一連のアクションは、これだけでもスクリーンで観てよかったと思うレベル。 少しカット数が多いのは気になりますが派手さ、スピード感ともに申し分なく、邦画でも海外のアクション映画のようなものが作れるんだと思わせてくれてうれしい限り。 ただストーリーは、前作の登場人物が絡んでいる、と思わせておいて中盤以降ほとんど出てこなくなってしまっていたのでそこが残念なところ。原作漫画がそうなのかもしれませんが、もう少しストーリーを単純化してもよかったのかな、と思いました。 でもこれは自分が「アクション映画」を観たかったというところからきているのも大きいので、寒いギャグや登場人物の絡みなどは好きな部類で普通に面白かったです。 欲を言えば、もう少し時間が短くてもいいのかな、とも思いますが、それでも観ていてとても楽しい作品でした。 [映画館(邦画)] 6点(2021-06-27 02:36:53)(良:1票) |