1. ザ・マスター
この作品はどこに向かいたいのか、何が言いたいのか。フレディには何があって、どう変わったのか。ランカスターは、教団はどこへ向かいたいのか。与えられる情報があまりに少なすぎる割りに、モチーフだけが次々と投入され消化不良を起こす。自分には理解しようという気力の湧くことのない作品でした。マグノリア、ゼア・ウィル・ビー・ブラッドという傑作を経て、この監督はますます自分のやりたい放題作品を作るようになっている気がする。でも、そこに観客は存在しているのだろうか? 良く言えば「多様な解釈のできるとんでもない映画」。悪く言えば「監督のエゴ丸出しの自主映画レベルの映画」。主人公がどんな熱演を振るおうが、私に届くものはありませんでした。 [映画館(字幕)] 3点(2013-04-12 00:23:22) |
2. 最強のふたり
《ネタバレ》 潔いまでのドラマ性のなさ。あくまでも「貧困層の黒人と裕福層の障害者が出会った」ことで起こるギャップや食い違いの事実を次から次へと並べてゆく映画。がしかし、それぞれのエピソードが楽しめるので一切飽きることはない。終わった後に何が残ったかと尋ねられると微妙な作品。 [映画館(字幕)] 7点(2012-10-17 14:20:19) |
3. 殺人者はライフルを持っている!
DVD収録のボグダノヴィッチへのインタビューに感動しました。およそ相容れない「必要絶対条件」を、ライフル魔の登場という物語設定で見事にくっつけるという発想が素晴らしすぎる。人生、ここぞという場面でのやる気とアイディアで決まるということか。 とはいえ、映画単体で見た場合、一つの場面場面で盛り上げ切れず、肩すかしを喰らったようなシーンが続くばかりで、演出力の弱さは否めません。ガンショップでライフルを300発購入する場面なんて、もっとハラハラさせられそうなもの。せめて音楽があればなぁ...「パニック・イン・スタジアム」はこれを何十倍にも進化させた映画なんですね。 [DVD(字幕)] 5点(2012-02-21 01:39:09) |
4. 叫
《ネタバレ》 いつも通りコワかったのですが、今更黒沢清が撮る必要があったのだろうか。人間の二面性、黒い服の女、どれもこれも凄いデジャヴ。後半になると、幽霊の出しゃばりに食傷気味になってくる辺りまで… [DVD(字幕)] 4点(2009-03-04 01:26:14) |
5. THE 有頂天ホテル
普通の脚本家なら大抵は途中で挫折するであろう、このキャストの多さに仰天し、それなりに使いこなしているのにも感心した。まぁ、後には残らないが笑えた記憶があります。どんな役でも器用にこなしきる篠原涼子が健在だったのも覚えている。 [映画館(邦画)] 7点(2009-03-02 03:22:08) |
6. 三十九夜
全体のストーリー、カット割り共に荒削りもいいところなんですが、テンポの良さだけでぐいぐいと引っ張りきる手腕に脱帽。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-17 10:27:55) |
7. サイコ(1960)
《ネタバレ》 中学一年生の時、衛星チャンネルでこの映画のCMを偶然観てしまい、恐怖にかられながらも鑑賞。サスペンス映画の魅力に完全に引き込まれてしまったのを、今でもよく覚えている。練りつくされたカット割り、二つの殺人シーン、神々しさすら覚える音楽、何もかもがすさまじい衝撃だった。 あれから、スリラーを中心に映画を観続けること10年…。この作品ほどゾクゾクさせてくれたのは「ミザリー」「隣人は静かに笑う」……つまり他に数本だけである。 [ビデオ(字幕)] 9点(2008-12-11 01:28:21) |