1. シンデレラ(1976)
シンデレラ物語というとシンデレラ自身が主役で王子は脇役なのだが、この映画ではシンデレラと王子が対等というかむしろ王子の方が主役といった感じがする。王室内も描かれ、国王や皇太后など他の映画ではあまり見られない役もコミカルに登場する。そして重要なテーマとなるのが政略結婚、王子の結婚は国と国の争いを避けるための問題として扱われる、つまり単純なロマンティックなファンタジーでないのが他の映画と違うところだ。しかし何だかんだといっても、シンデレラと王子が踊るダンスシーンは印象に残る。ところで主役のジェマ・クレイブンだけど、この映画で突然現れてその後どうなったのだろう。まさにシンデレラだ。 [DVD(字幕)] 6点(2017-10-21 17:41:33)(良:1票) |
2. ジュリア
「噂の二人」でリリアン・ヘルマンを知り、そのリリアン・ヘルマンとなればこの映画を見ずにはいられなかった。恋愛関係にある男性と女性の友人ジュリアの三人ともなれば「噂の二人」とも共通するし、事実その原作「子どもの時間」も映画の中で執筆され世間に認められるようになる。ここまでは実話に基づく伝記映画かと思っていたら、ジュリアの使いの者が現れると様相は一変、サスペンスタッチの緊迫した映画となったのには驚いた。ユダヤ人のリリアンが反ナチスの活動資金を運ぶシーンとジュリアとの再会シーンはすごく印象に残る。 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-12 09:33:48) |
3. シャーロットのおくりもの(1973)
どんなに小さくても弱くても生きものには皆命があり、その命には限りがあることを子供たちにもやさしくそっと教えてくれる良い映画。限りある命だからこそ、やさしくいたわり助け合うことが大切になってくる。母親が子どもといっしょに見るアニメとしては最適であり、子どもが大人になっても優しい気持ちは忘れないでいてほしいと思う。それにしても蜘蛛を主人公にする発想など思いも寄らぬことだ。豚を主役にした映画はいくつかあったけど・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2015-05-23 07:40:03) |
4. 春琴抄(1976)
脚本がよくしっかりした構成で「春琴抄」という小説がわかりやすく表現されている。しかし百恵友和によるこの映画は純愛映画であって、新藤兼人監督の「讃歌」を見た後では肩すかしを食らった感じだ。奉公人の三浦友和が立派すぎで百恵の師匠は貫禄不足。昔この役は田中絹代、京マチ子、山本富士子という名だたる女優が演じたそうだが、見ていないでいうのも何だが、京マチ子が一番ではないかと思う。津川雅彦の利太郎はさすがにいい。 [DVD(邦画)] 5点(2015-05-16 07:37:36) |
5. 忍ぶ川
最初は年食った大学生の加藤剛に違和感を感じていたが、志乃が死を間近にした父親の元へ旅だったあたりから俄然物語に引き込まれてしまった。栗原小巻はとても美しく、加藤剛とともに清純派カップルの純愛ぶりが凄く良い。 [DVD(邦画)] 7点(2014-09-30 20:18:10) |
6. ジャガーノート
昔見たときはおもしろい映画だと思ったのだが、DVDで見直してみると結構穴がある。(7つともまったく同じ構造なのかなど)それとタイタニックやポセイドンと較べても人物描写が薄いし、人命をどうも軽んじている。映画だからかそれとも英米流の考えからなのか、多少犠牲者が出ても構わないというのは好きでない。(1200人は多少ではない) [映画館(字幕)] 5点(2014-01-08 09:00:58) |
7. 衝動殺人 息子よ
この映画を見たときの衝撃は大きく、震えが止まらなかったことを今でも覚えている。「犯罪被害者等給付金の支給に関する法律」はこの映画が製作されたとき(映画を見たとき)はまだ制定されていなかった。しかし私と同様、多くの人が絶対に制定しなければならない法律だと思ったことだったろう。そして映画が一役も二役も貢献したことは言うまでもない。映画では吉永小百合さんなど主役を演じてもよさそうな大物スターが何人も脇役で出演しているが、これはおそらく運動に共鳴し引き受けたものと思われる。映画は加害者側を描くことによって問題を複雑にすることなく、ひとえに川瀬周三とその周辺を中心に描いたのが良かったし、訴える力になったのではないかと思う。 [映画館(邦画)] 9点(2013-01-29 08:49:25) |
8. 新幹線大爆破(1975)
東京五輪に間に合わせるかのように作られた新幹線、当初の東京から新大阪までの区間が岡山まで伸び、1975年には博多までの区間として誕生した。JRがまだ国鉄と言った頃の話である。その1975年に日本で作られた映画が「新幹線大爆破」であり、ハリウッドのパニック映画旋風に乗ったものだ。しかし、映画を見ればすぐわかるように欧米のパニック以上に情緒面を重んじ、犯人側の人間ドラマも加えたいかにも邦画らしいパニック映画になっている。 そもそも新幹線は高速運転を目標にした高度経済成長の粋であるのだが、高速面だけでにとどまらず、自動列車停止装置(ATS)を備えた安全面もまた重視されたものだった。何らかの異常が少しでもあれば自動的に列車を止める、この安全第一の設計が速度を落とせば爆発する犯人側の策略によって危機に陥る。まさに高度成長を皮肉った映画でもあるのだ。 [映画館(邦画)] 8点(2012-10-01 06:00:49) |
9. しびれくらげ
どうも見てもエロティックな映画というより、ヤクザ映画という印象が強い。もともとヤクザ映画は嫌いだし、暴力をふるう映画だとなおさらなのだが、幸か不幸か見るまではヤクザが絡んでくるとは思わなかった。 しかしヤクザが出てきて暴力をふるう映画なのだが、見ているときはそんなに嫌ではなかった。みどりや健次など登場人物の個性が強いし、見る者を引きつける。みどりのダメ親父など最高である。 このダメ親父を演じている玉川良一だが、前作でんきくらげではただのスケベ親父だったがこの映画ではまさにキーマン。この人はもともと浪曲師で当時はコメディアンとしてテレビで活躍していた。その印象とまったく同じななのだが、妙に愛着がある。 そして主役の渥美マリ、この人の演技は一本調子で決して上手とは言えないのだが、こういう役にはぴったりという感がある。 [映画館(邦画)] 7点(2012-07-28 19:12:53) |
10. 思春の森
《ネタバレ》 登場人物は正真正銘3人のみ、しかも1人の少年と2人の少女だ。物語は主人公の少女ラウラの語りによって進行していく。 ラウラは少年の心をつなぎ止めようと必死だし、少年ファブリツィオはそういう彼女を子どもっぽいとからかい、悪戯をエスカレートさせる。美少女シルヴィアもまた顔に反比例して高慢であり、残酷である。このあたりのいびつな描写が実に見事、なかなかのドラマである。 映画は児童ポルノだとか陰湿だとか妙に騒がれもしたが、表面だけしか見ないとこうなるのかもしれない。 [映画館(字幕)] 6点(2012-05-17 23:35:24) |
11. JAWS/ジョーズ2
1を見たら2が見たくなる。2を見たら3は見たくなくなる。監督も役者も内容もすべて下回って、人食い鮫が出てきても慣れてしまっておもしろくない。 [映画館(字幕)] 4点(2012-05-01 17:31:41) |
12. JAWS/ジョーズ
前半のそれぞれの人物描写、後半の化け物鮫との格闘劇、どちらもすばらしい。昔大型スクリーンで見たときの大迫力は、言葉で表現できないほどだった。 それにしても安全より金儲けという考えは、昔も今も同じ。想定外の大津波と原発事故が起こった今も。 [映画館(字幕)] 8点(2012-04-30 17:44:33) |
13. 死刑台のメロディ
《ネタバレ》 第1次世界大戦後の米国の不景気は、イタリア移民の労働問題、赤狩りという左翼弾圧など暗黒社会をもたらした。(この映画の中でも「米国はアメリカ人のものだ」とプラカードが目立った) その中で起こった銀行襲撃事件、たれ込みによってサッコとヴァンゼッティというイタリア移民のアナーキストが逮捕される。人種差別と偏見によって歪められた裁判、その不正に対して米国や欧州各地で抗議の声が上がるが、二人の被告は死刑になってしまう。 映画はカラーとモノクロの映像の対比が見事だ。そしてジョーン・バエズの歌が涙を誘う。 日本にも松川事件を初めとする冤罪事件が多々あった。しかし米国のような陰謀がらみの冤罪には驚くばかりである。 [映画館(字幕)] 9点(2012-04-18 00:07:56) |
14. 幸福の黄色いハンカチ
この映画と比較的よく似た「遥かなる山の呼び声」を見るまでは感動的で大変良い映画だと思っていた。しかし、「遥かなる山の呼び声」を見てからは、「幸福の黄色いハンカチ」がずいぶんつまらない映画に思えてきた。高倉健はよしとしても、お供の二人がどうしても鼻についてしようがない。倍賞さんの出番も少ないし・・・。 [映画館(邦画)] 6点(2012-02-10 21:42:37) |
15. シーラ号の謎
昔見たときは細かいところがよくわからないままだったが、DVDが出てようやく謎が解けた。映画館ではさすがに無理、巻き戻してみることが不可能だから。改めて手の込んだストーリーということに気づいた。 [映画館(字幕)] 6点(2012-01-14 15:34:18) |
16. 昭和枯れすすき
「貧しさに負けた~」映画の前年に出た「昭和枯れすすき」 演歌は好きでない私ですら、覚えてしまったほど大ヒットした。そのイメージとはちょっと違う格好いい刑事とヤクザな妹の映画、同時上映された「球形の荒野」が目当てで、たまたま見た映画だったが、こっちの方がおもしろかった。 「私は大人よ、ほっといて」という秋吉久美子が役ぴったりの印象だった。 [映画館(邦画)] 6点(2011-12-23 18:48:07) |
17. 潮騒(1975)
百恵ちゃん、清純でかわいいのはいいのだか、やはり上品すぎてとても島の娘には見えない。なまこやおこぜを料理するのは無理じゃないかな。それに婿をとるような年にも見えないし・・・。アイドル映画なのはわかるが。 [映画館(邦画)] 4点(2011-12-05 21:21:10) |
18. 白い家の少女
すごい緊迫感だ。これを演じた13歳のジョディ・フォスターは見事というほかない。。ラストのショパンのピアノ協奏曲は、とても印象的だ。 [映画館(字幕)] 7点(2011-10-08 13:50:55) |
19. 女王蜂(1978)
《ネタバレ》 中井貴恵に対する評価が一般には厳しいが、私は当時はそうは思わなかった。当時は化粧品CM出演などもあり、期待の大型新人と騒がれていたように思う。ただ佐田啓二の娘ということで、本人はたいそうプレッシャーを受けていたようだ。 映画は原作を読んで熟知していたのでまずまずだった。 [映画館(邦画)] 6点(2011-10-08 01:39:34) |
20. 新・個人教授
前作の純愛ラブロマンスから一転して、ナタリーが恋の手ほどきをする年上の女性を演じる映画となる。裸体シーンが増え、表現も官能的でストレートになっていて、その点前作とは対照的でもある。(私は断然前作が好き) 「脱ぐの?」「やめて息ができない」「痛い、優しくして」とさも意味深長に聞こえて、洋服のサイズを寸法を測るシーンには笑えた。 [映画館(字幕)] 4点(2011-07-30 09:27:07) |