Menu
 > レビュワー
 > R&A さんの口コミ一覧。6ページ目
R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
   「」

   
     










    


  










  


 












表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12345678
投稿日付順12345678
変更日付順12345678
>> カレンダー表示
>> 通常表示
101.  下妻物語
うむ、面白い。しかしこの作品の面白さは非常に危険です。映画が映画でなくなる危険をはらんでいます。この作品が映画じゃない、というわけではなく、この作品の魅力が映画とは違うところにあるということ。典型的なのが個人的に一番ウケた尼崎ネタ(めちゃ笑った)。画ではなくネタが強烈に楽しい。 それでも「パチンコはイヤ」の次の場面にパチンコ店にいて、「出るわけない」の次の場面にジャラジャラ出てる、という喜劇における古典的演出は冴えに冴え、アニメを交えたデジタル映像は新しさこそ無いものの、洗練されたイヤミのない奇抜さを演出しているし、個性を過大に表現したキャラクター造形は言うまでもなく素晴らしいの一言、、ということでコレはやっぱり映画であって、なんだかんだ言っても一応私の中ではOKな作品でした。
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-18 11:24:50)(良:2票)
102.  新・仁義なき戦い。(2000)
『トカレフ』までの坂本監督の作品には画面にも人物にも得体の知れないパワーを感じましたが、その後の作品ではそういったものが感じられなくなった。しかし、この作品は布袋寅泰の元来備わっているカリスマ性が加担しているのだろうか、そこそこの怪しげなパワーを感じた。深作の『仁義なき戦い』シリーズとは時代が違うのでドンパチの少ないいかにもビジネスライクなヤクザになっているのは仕方のないところ。それでも主人公たちの少年時代の描写なんか風景といい、暴力描写といい、オリジナルとはまた違った味と衝撃があります。そしてオリジナルがキャラが活きまくっていた群像劇なのに対し、こちらはあくまで布袋と豊川の二人をメインにし、それ以外のキャラをあえて淡白に描いているところがある(個人的にはもっと淡白に描いてもよかった)。これは近代ヤクザの跡目相続抗争を描いた作品ではなく、抗争に翻弄される二人を通して暴力の根源を描き出そうとした作品である。
[DVD(字幕)] 6点(2005-12-07 14:02:15)
103.  Jam Films
新進気鋭として名の知れた監督7人による短編集。 ■「the messenger」 世にも奇妙な物語か?スタイリッシュな映像だけが売り。 ■「けん玉」 逃げる、追っかける、のスピード感と山崎、篠原のゆったりまったりの日常のテンポ、、このリズムが絶妙。そこに二人の心の揺れを絡ませる。うまい。 ■「コールドスリープ」 これも世にも奇妙な物語だ。設定が安っぽい。中途半端。 ■「Pandora ~Hong Kong Leg」 これも世にも奇妙な物語から脱しきれていないような。独特な世界を作りやすい設定なのに勿体無い。 ■「HIJIKI」 独特の映像と独特の間の笑いが特徴的な監督だと思うんですが、期待を外しました。短編に持って来いの小人数密室劇にしたせいでしょうか。それでも“二十歳”には爆笑。 ■「JUSTICE」 これも「けん玉」同様リズムがいい。ブルマーの色、にやける妻夫木、先生の英語、パラパラ絵、“右”っぽい生徒、、と次々に映し出される画がものすごくいいリズムを作っている。で、JUSTICE!!って、、そう来るか! ■「ARITA」 こういうものを考えちゃう人って頭柔らかいんでしょうね。だいたい名前がARITAですよ(笑)。考えつかないですよ、ふつう。広末の語りだけであそこまでのものを作っちゃうんだから、センス感じます。  総評、単品だときついのもありますが、日本では馴染みの薄い短編映画をこんな形で見せてくれたことにまず感謝。それぞれの監督の個性も出ていたと思います。このシリーズ、これからもあるようですが、新人監督・・うーん、まあそれもアリですが、できれば個性を既に見せている監督でお願いしたい。
6点(2005-03-10 13:03:44)
104.  シカゴ(2002)
現実の世界とミュージカルの世界を完全に分けることでミュージカル映画特有の違和感を排除し、同時に舞台で見るミュージカルの豪華さを堪能させるというのは、舞台が本業の人間らしいアイディアで、又、本領も発揮できるつくりと言える。個人的にはソコが不満だったりするんですが、見ているうちに知らず知らず足がリズムをとりだし、ミュージカルを堪能している自分がいました。でも映画を楽しんだのではなく、ショーを楽しんだにすぎないことも事実。もちろん映画がショー的な要素を多分に含んでいるものであることを否定しません。それにショーを映画で見せる、というのがそもそも監督の狙いだと思うので、ショーを楽しむ、という見方で正解なのでしょう。  ずるい者勝ちという中身が人によっては受け入れ難いものになっているようですが、「ショー」だと思って見ればかえって爽快ですらあります。キャサリン・ゼタの豪快なダンスとレニーのマペットが見所です。
6点(2004-09-17 13:08:53)
105.  紳士は金髪がお好き(1953)
当時、歌は吹き替えが当たり前だった中、素晴らしい歌声を披露してくれたモンローと新人モンローをささえる側にまわりきっちりと役をこなしたラッセルは評価したい。二人の対比も面白い。でもモンローありきの作品です。 お金がすべてと言い放つ女に「私だったらこう言ってやりたい!」と思い観ていたら、最後のフィアンセの父親に言った言葉にグゥの音も出なかった。妙に納得してしまう。いや、納得はしてないが、「ま、いっか」となる。モンローじゃなかったらそうはいかないだろう。
6点(2004-07-23 11:32:35)
106.  シェルブールの雨傘
戦争がもたらした悲劇というより、若い遠距離恋愛カップルにありがちな話って感じで、そんな悲しい音楽で盛り上げなくても~!と思ってしまった。セリフが全部「歌」ってのは良いんだけど、明るく楽しい歌をもっと聴きたかった。あと、私がミュージカルを苦手とする原因のひとつに”セットです~!!”って感じのセットでニコニコ踊り歌うというのがあるんですが、この作品は全然それが無くて、情景だけはすごくリアルなんです。ミュージカルという非現実の世界がリアルな情景に見事にマッチしてます。ですが、個人的にはこの両者の見事なミスマッチを観たかった。こういうふうに思うのって、ひねくれてるんでしょうね。解かってます。でも、こんなひねくれた自分が好きなんです。フォローじゃないですけど、オープニングの傘が一列に並ぶシーンは大好きです。このシーンが私の言うところの見事なミスマッチなんです。
6点(2004-04-13 12:11:16)(良:1票)
107.  シェーン
「シェ--ン 髪バー-ック」という育毛剤のCMを思い出す。そんなことはさておき、この作品で悪として描かれる農場主の言い分を聞くともっともな言い分で、なぜ入植者が悪とならないか不思議に思う。しかしこれがアメリカなのだろう。インディアンから土地を奪い盗っても侵略者ではなく開拓者なのである。前進する者が正義となる国。主人公シェ-ンもこの新しい正義の波に乗り遅れた一人にすぎない。つまり農場主と同じ立場の人間。ただのヒーローものに終わらせず「努力したが変われなかった」と言わせたところがこの映画の素晴らしいところ。だから余計に、一見ヒーローものに見えるつくりが気に入らない。
6点(2004-03-18 12:22:55)(良:1票)
108.  ジュラシック・パーク
スピルバーグ得意の恐怖の演出は本来ならもっと効いているはずなのだろうが、これまで提示してきた「どこにでもある恐怖」と違い、対恐竜という異空間での恐怖の為、またCG恐竜があまりに素晴らしすぎた為今ひとつ演出の効果が出ていないような気がする。「恐竜がリアル」この思いが強すぎて、それを堪能したいのなら別だがそうじゃなかったら、ちょっと面白みに欠ける。
6点(2003-11-10 19:53:38)
109.  勝利への脱出
脱走計画にスタローンが必要ということでキーパーにするため正キーパーの足を折るシーンに強引さを感じつつ、サッカーシーン、とりわけペレのバイシクルシュートに感動。(今見ても感動できるかはわかりませんが)観客のビクトリーコールで最高に盛り上がったのだが、後日テレビ初放送で吹き替え版を見たらなんと観客の声援までも吹き替えている。「しょーり しょーり」って。しかもたぶん数十人、いやそんなにいないかも。興ざめとはまさにこのこと。映画館で見たときの感動をテレビで、と思ったのが間違いでした。こういうこともあるので、吹き替え版しか見たことがない作品はReview しないようにしております。
6点(2003-09-11 17:18:22)
110.  ジャッキー・ブラウン
選曲とキャスティングはタランティーノならではなんですが、題名からもわかるようにこの作品は他のタランティーノ作品と違って主人公一人に焦点を当てた作品のため、らしさが無くなり、いわゆる普通の作品になっている。ただ、らしさと言ってもそれは見る側が勝手にパルプやレザボアを期待して見たからであって、先入観無しで見ればそれなりに楽しめると思う。まぁ、そう言う私もパルプ、レザボアにデニ-ロがプラスじゃ見ないわけにはいかないと、見たくちなんでがっくりしたのは確か。映像にも斬新さが無いし..これも期待したものと違ったというだけのことなんですが。
6点(2003-09-09 16:08:09)
111.  ショーシャンクの空に
以前見たはずだが、ここの評価の高さに「他の作品と勘違いしてるかも」と再度見ました。以前見たものでした。あまり印象に残らなかったということ。確かにいい作品だとは思います。刑務所内の出来事をたんたんと描いているが、決して退屈させずに見せている点が特にすばらしい。人物には、多少、20年の時の経過を感じさせようとしているのがわかるが、全体的には伝わってこない。ラストは良かった。バスのシーンで終わるのかと思わせてあのラストへ持っていくなんて、にくい!あの爽快感がなければ評価がここまで上がることはなかったんじゃないでしょうか。  ★(04.11.22追加投稿)★この作品がなぜ絶大な支持を得るのかを再考してみました。ココだけではないようです。以前友人に面白い映画紹介してと言われ「どんなんがええの?」と返すと「ショーシャンクが良かった」と。ウチのオカンもBSで観たらしく「久しぶりにいい映画観た、シャーションクの空」と。「ショーシャンクや!」と心の中でつっこんどきました。このように私のまわりでも高評価です。一因に解かり易いナレーションがあると思います(映像の手抜きを補ってるところもある)。そして【南浦和で笑う三波】さんの書かれているとおり復讐劇にしている所でしょう。原作では備えあれば憂い無しというか、ひたすらに用意周到な主人公が描かれます。所長の裏金を横領したりしません。元々捕まる前から準備しているのです。無実を証明し得る囚人も殺されません。映画ではとことん所長を悪人にし、その後でしっかり懲らしめるのです。あざとい脚色ですが静かなトーンから一変するドラマチックな復讐劇に観客は満足感を得るのでしょう。静かな語りと復讐劇、二者の相乗効果と浪花節好きな日本人にはたまらないレッドとの友情の行く末を描いたことで奇跡的な評価を得たのではないでしょうか。
6点(2003-05-13 15:44:48)(良:1票)
112.  十兵衛暗殺剣
柳生は確かに将軍の犬だったかもしれないし新陰流は剣術である前に兵法だったのかもしれないが、少なくとも柳生十兵衛三厳は優れた剣士として知られているのだし、テレビや小説によって強固となった「政治よりも剣」という豪放なイメージもあるわけで、それなのにこの展開はどうなのよ。殿の前で勝負をしなかったのはなんらかの理由があるのだと信じて見てた私はいつまでたってもその理由が語られないことにイライラし、もしや逃げてるのではあるまいなと憤り、逃げてたのかよと呆れかえるのであった。そもそも敵方の描き方もいただけない。最強の敵であることは前半ではっきりとした。ならば最強同士で勝負するだけで面白いのになぜに海賊ならぬ湖賊を使って悪どい戦術を使うのか。いや、敵キャラとしてはその悪辣は悪くはないのだが、ならば剣術で十兵衛より勝っているような前半の展開が邪魔。やはり僅差で十兵衛が強いのであって前半の勝負の躊躇いにはしっかりとした理由がなくちゃならん。ま、私の勝手な十兵衛像を理由にけなすのもなんだが。
[映画館(邦画)] 5点(2011-11-21 14:00:21)
113.  潮騒(1975)
百恵ちゃんが脱いでる!!少女だけど大人顔の山口百恵なので『伊豆の踊り子』よりもキャラ的には合ってるかとは思うんだけどまさか脱いでるとは思わなかった。もちろん大事なところは映らないんだけど。海女さんたちの乳の見せ合いで「処女の乳」を皆に見られる百恵ちゃん。もちろん映らないんだけど。想像しちまったぜ。ここまでくるともうアイドル映画じゃないな。かといって主演二人があまりに正しい人間。あまりに清く美しい。やっぱアイドル映画か。ちょいエロストーリーを爽やかに改変するその手腕は評価されてもよいと思う。屋内から外に出たときに違和感あり。繋がってない。たぶん屋内シーンの照明のせい。
[DVD(邦画)] 5点(2011-11-18 15:28:42)
114.  自転車吐息
あ、詩の世界だ。と思った。ということは苦手ってことだ。きっとそっち方面の感性に乏しいのでしょう。でも監督のイメージを映像化しているわけだけど、好き嫌いは置いといて、なかなかにビビッとくるものがあるのも確か。かっこいいと思ってやってたことが映像化されることでそのかっこ悪さが露呈する。言葉ではなく映像だとこんなにも青臭いのか、と。これって映画の欠点なのかもしれない。その欠点を利用して青臭い青春の一コマを見せ付けている。イメージの映像化といえば「透明ランナー」の出現なんてもろにイメージの映像化だ。イメージを可視化できるのが映画の利点。または欠点。
[DVD(邦画)] 5点(2011-11-17 14:32:05)(良:1票)
115.  主婦マリーがしたこと 《ネタバレ》 
シャブロルの映画で初めて見たのがこれ。かなり前だ。正直、イマイチだと思った。去年シャブロルが亡くなったことで追悼の意もあるのか最近になってシャブロルの映画がたくさん上映されるようになったがこれがどいつもこいつも面白い。なので見直そうと思ったんだけど近所のレンタル店に置いてませんでした。残念。ナチス占領下のフランスで戦地から帰ってきた夫の無職状態、それでも子供二人を育てなければならない状況、堕胎が違法という女性困難の時代等を鑑みても主人公の行動は肯定すべきものとしては描かれていない。どちらかというと悪女として描かれていたはず。女性のための堕胎ではなく金のための堕胎。生活のための金ではなく歓楽のための金。だから「彼女に罰を」と思って見てたら死刑という結末に唖然となったのを覚えている。結局のところ、女が欲望のままに罪を繰り返す犯罪映画で、その根源に戦争があったという描き方なら良かったのだが、犯罪映画である以上に国家の犠牲者としての側面がクローズアップされすぎていて私にとっては面白くなりそうで面白くならないってことになってる。一般的には傑作ということのようです。
[ビデオ(字幕)] 5点(2011-08-29 14:45:06)(良:1票)
116.  自虐の詩
『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』『TRICK』といったテレビ作品では冴えまくっていたジャンプカットがようやく映画においてもそれなりの効果を発揮できるようになったのは、この作品が極めてテレビに近いからということだったりするのかもしれないが、基本的にはコメディパートにしか使っていないことを考えれば、テレビで通用した武器を映画で使う場合のコツを掴んだということなのかもしれない。ということで久々に堤幸彦らしさを垣間見たような気がした。が、せっかくの宮城・気仙沼と大阪・新世界という魅力的な場所を活かせないというのは決定的にダメだと思う。気仙沼は熊本さんと丘の上で仲直りする直前あたりに見えた海の見える背景が良かったぐらい(ここは震災後の今見ればまた別の感慨もあるかもしれない)。新世界にいたってはあまりに漫画チック。徹底的に漫画チックならソレもまた良しなんだけど、どうもそのあたりが中途半端。
[DVD(邦画)] 5点(2011-08-02 15:24:10)
117.  ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男 Part 2 ルージュ編
反体制の風潮が後押しし、悪事に悪事を重ねるメスリーヌが徐々に時代の流れから外れてゆく。というか、そもそも世間とメスリーヌのあいだには端からズレがあって、そのズレがどんどんとあからさまになってゆく。ただたんに自分勝手で残忍な犯罪者にすぎない男が世間にまんまとのせられただけ。くどくどと語らずにそんな時代背景が見え隠れする構成でじっくりと見せてくれる。あいかわらず俳優頼みの演出だが。ようやく魅力的な女が登場するも、サニエの女優としての力がそうさせているにすぎない。結末は先に映されているので、そこに行くまでをいかに堪能させるかがこの作品のポイントとなるはずなのだが、その肝心のクライマックスとなるべきシーンの演出に呆れた。あの分割映像になんの意味があるんだ?分割にするなら別のアングルで別のもんを映そうよ。隠れている捜査官のびくつきをセリフでしか表現できない情けなさ。えらく長引かせたわりにドキドキしないサイテーなクライマックス。ここはどう考えてももうちょっと面白くできるだろ。
[映画館(字幕)] 5点(2010-02-17 14:09:56)
118.  ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男 Part 1 ノワール編
うーん、微妙。アルジェリア戦争のくだりとか父との葛藤とかを手短に見せてるところなんかは良かったんだけど、だからといってそのぶん犯罪の世界が重厚に語られるわけでもない。だいたい主人公のメスリーヌがやたらと軽いノリなので、例えば妻よりも仲間のほうを選ぶシーンにも「家族よりファミリーを選んだマイケル・コルレオーネの孤独」みたいなのは出てこないわけで、じゃあ、このメスリーヌというフランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男をどう描くかというと、チンピラが軽犯罪を軽いノリで犯すように大犯罪を犯しちゃうこの男の軽快さを見せてゆくしかないわけだ。それは大方成功はしてるんだろうけど、軽快さの裏には重いものがあるもんだ。それが全く無いもんだから、例えば彼に関わった女たちがせっかく重要な役どころとして配置されているにもかかわらずメスリーヌの人生に深く関わっているように見えない。というか多くの登場人物たちのうちの一人としてしか描けていない。主人公以外で唯一存在感を示したジェラール・ドパルデューにしたって俳優ドパルデューその人の力でなんとか格好をつけたようなもの。また、刑務所襲撃がお話的には最も盛り上がるところなのだが、肝心の銃撃戦がしょぼい。カメラが何を撮りたいのかさっぱりわからん。その前の脱走シーンにしたってなんであんなにも緊迫感の無いものになっちゃうんだろう。この作品はとにかくメスリーヌというフランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男がなぜにフランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男となったのかを分りやすく示してみせただけの映画である。
[映画館(字幕)] 5点(2010-02-16 16:25:19)
119.  17歳のカルテ 《ネタバレ》 
特別異常とも思えない若く美しい女が半ば強制的に精神病院に送り込まれる。妻子ある男との不倫と自殺未遂のシーンがフラッシュバックで映される。女は精神的ショックと薬物による一時的な情緒不安定状態なだけで病気ではないのではないかとまず思わせているように思う。そして時代が60年代であることを告示する。60年代であることにどんな意味があるのかは知らないが、とにかく「今」ではなく「昔」の話であることが告示されたわけである。当然、『カッコーの巣の上で』を想起する人は多いだろう。私もその一人で、この映画は過去にこんな人権侵害甚だしい病院があったのだという告発映画、もしくはそんな酷い病院と戦った患者たちの感動話、あるいは・・・どちらにしろ「病院は敵」という構図の映画かと思ったのだ。今なら、名前も教えてもらえない薬を毎晩飲まされるシーンなんてアンジーが虐げられた『チェンジリング』を想起するはずでいっそうこの構図は明確なものになるはずだ。しかし終わってみれば病院は敵どころかむしろ味方に近い。確信犯的ミスリードだと思うのだが、けして意外な展開を楽しむ作品などではなく、ミスリードすることによって得るものより損失のほうが大きいように思う。主人公の回復と成長というメインのドラマが丁寧にされているぶん、とくにそう思う。確信犯じゃなかったら単なる私の早とちりなのだが・・。 昨年末に若くして急逝したブリタニー・マーフィーに謹んで哀悼の意を表します。
[DVD(字幕)] 5点(2010-02-05 16:05:58)
120.  60セカンズ
オリジナルの『バニシングIN60”』のレビューでも触れてるんだけど、今の映画はどうでも「ストーリー」にしなきゃ収まらんようだ。どうでも車を盗まなきゃならない理由が必要で、そのために出来の悪い弟が必要で、息子思いの母親が必要で、血も涙もない依頼人が必要となる。こういう堅苦しい辻褄併せに翻弄しなきゃならない映画環境を嘆く。『60セカンズ』は精一杯につまらないセッティングをしながらもなんとか楽しませようと頑張ってる。凄腕の車泥棒だった過去のシーンを映さないだけまだ良心的だとも言えよう。実際、車を盗むシーンも派手なカーアクションもそれなりに洗練されていて楽しい。ただしオリジナルとコレを見比べるまでもなく、見た目の派手さと観てるこちらの感情の起伏は比例しない。相変わらずクールでセクシーなちょいワルがすこぶる似合うアンジェリーナ・ジョリーが映画に華を添えているのは悪くない。
[DVD(字幕)] 5点(2009-10-30 13:03:15)
010.05%
1140.65%
2301.39%
3743.42%
41687.77%
535416.37%
663629.42%
762929.09%
81999.20%
9411.90%
10160.74%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS