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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  実録!?ドキュメント その時… 上島が動いた
上島竜兵は、その存在自体が「芸」なのだと思います。計算では生み出せない、神の与え賜うた“間”を持つ男。笑わせる技術を持った芸人はゴマンといます。でも、笑われる才能を持った芸人はほとんどいません。そういう意味で、上島は間違いなく天才だと思います。そんな上島竜兵の全てが本作には詰まっていました。イチイチ会話に入るテロップ。ただ言いたいだけの「暴走田んぼ」に「38ダッチ」。体を張っているようで、実は全く張っていないのも上島スタイルでしょう。予想を裏切らないグダグダぶりを存分に味わいました。好きな人にはたまらない、そうでない人には1銭の価値もない「上島竜兵の真髄」を見せつけられました。スタッフクレジットは上島竜兵の文字ばかり。まさしく竜ちゃんの、竜ちゃんによる、竜ちゃんのためのロングコント。暇を持て余している上島竜兵ファンなら必見!そうでない方は完全スルーで問題ありません。4点満点で4点。これ、結構マジにホメてます。 竜ちゃん、またね!
[DVD(邦画)] 5点(2022-05-11 22:02:32)(良:2票)
2.  湿地 《ネタバレ》 
作品登録の際に知ったのですが、原作小説は「このミステリーが凄い」選出だそう。なるほど言われてみればそんな感じ。濃い人間模様あり。社会派の一面もあり。一筋縄ではいかない構成のトリッキーさも勿論あります。ほどほどに胸糞なところも、らしいなあと。ただし、観終えてみればストーリーは明快で、消化不良はありません。日本人にとっては、馴染みがない人名を覚えるのが一番厄介かもしれません。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-06-15 21:21:17)
3.  地獄の変異 《ネタバレ》 
顔はカール・ルイス似。手足は長く均整の取れた幅跳び選手。観客に手拍子を要求し、軽やかにステップを踏み出した。いかにも跳びそう。8mくらい軽い。序盤の印象を例えるならこんな感じ。滑り出しの雰囲気は抜群でした。たぶん洞窟というシチュエーションが良いのだと思います。人類未開の地という意味では、海底や山奥の秘境も同じ。だけどワクワク度では洞窟に軍配が上がります。物理的に密閉されているところにそそられるワケです。アクシデントで閉じ込められ、脱出口を捜す探険が始まります。お約束の展開。序盤30分くらいは大満足でした。クリーチャーが登場してからは、ごく一般的なモンスター系パニック映画へ。寄生虫が原因で生物が変異するという発想は面白いですが、設定が活かされているとは言いがたいと感じます。お兄ちゃんの扱いがもったいないです。寄生されてしまった兄。もはや洞窟で生きていくしかない。彼らを襲った化け物と同じように。その切なさをもっと全面に押し出して良かったと思いました。ややドラマ性が淡白だったかと。でも類似作品数々あれど、出来は良いほうでは。ちゃんと脱出できましたしね。
[DVD(字幕)] 6点(2018-10-21 09:04:40)(良:1票)
4.  下妻物語 《ネタバレ》 
本作をとても心地よく、そして清々しく感じるのは、主人公に思い入れが出来たからだと思います。自分も2人と同じ。もちろん、かつて美少女だったわけでも、ヤンキーやゴスロリファッション愛好者だったわけでもありません。同じなのは孤独だということ。人は誰かと共にいることを願う生き物。飾りなく言うなら「社会生活を営む動物の性」。その願いの形が「友人」です。強制的に所属する「家族」や、生殖活動を伴う「恋人」とは少し違います。しかしこの願いは、なかなか叶いません。望む友には簡単に出会えません。でも一人ではいられません。ですからとりあえず数多くの友を得ようとします。質より量で勝負。でも本作の主人公2人はそれをしません。そういう生き方をしてこなかったのです。不器用なのでしょう。桃子はファッションに、イチゴは単車と族に傾倒することで、心のバランスを保っていました。でもそれは代替手段でしかありません。イチゴのいた族も彼女の心を満たすものではなくなりました。やはり心の隙を埋められるのは友達。それも本当に信じられる友なのだと思います。親友、いや真友とめぐり合えた2人。清々しくも羨ましいお話でした。独創的な青春コメディを見事に体現した主役2人。土屋アンナは確かに良かったですが、個人的には深田恭子の方が印象に残りました。まだ役を選びますが、はまった時の爆発力が深田にはあります。今後の日本映画界に必要不可欠な女優になってくれることでしょう。笑って感動でき、何度も観たいと思う作品にはなかなか出会えないもの。オッサンが年端の行かない小娘に共感してしまう。それだけで結構凄いことだと思います。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2018-03-24 21:25:06)(良:3票)
5.  しんぼる 《ネタバレ》 
自分が最初に笑った場面は「マグロの握りが出てきたところ」です。小皿に醤油が無くてクスッ。どうですか?このシチュエーションを字面から想像して笑えますか?笑えないですよね。これが可笑しいのは、これまでの前フリ(物語の流れ)を知っていることが前提。さらに観客側に「鮨は醤油に付けるもの」という常識が必要です。視覚、聴覚を初めとする五感を活かし、想像力をフル稼動させ、自身の知識・経験と照らし合わせます。場の空気も影響しますし、タイミングは命です。様々な要素が刹那に融合し、笑いが生まれる理屈。送り手と受け手が共同で創り出す緻密で豊かな感情表現が「笑い」だと考えます。主導権は送り手が握っていますが、決定権は受け手に在ります。どんなに的確でセンスの良いネタでも、客に受け入れる度量が無かったら意味がありません。そのような観点で本作を捉えてみると、鑑賞中に自分が抱いたモヤモヤの正体が見えてきました。「今の笑うところだよな」「これは何のメタファー?」客が監督の意思を慮っているうちは、笑いも湿りがち。当然です。笑いは瞬発力ですから。ただ、これは松本監督の狙い通り。そもそも正解を設定していない映画なら、戸惑って当たり前です。この手法を不親切・手抜きと取るか、モヤモヤ自体を楽しめるかは、観客次第。自分は後者のタイプなので不満はありませんが、“答えなんか無くても正解が在る素振をする”のも監督の仕事のうちかなと。ちなみに最後に出て来た巨大しんぼるが大人のそれだったら+2点でした。(10/3なんばシネマパークスにてレイトショー鑑賞)
[映画館(邦画)] 6点(2016-10-30 21:37:00)
6.  シベリア超特急3 《ネタバレ》 
新日本プロレスが『キングオブスポーツ』、私立恵比寿中学が『キングオブ学芸会』なら、シベリア超特急シリーズはさしずめ『キングオブ茶番劇』でしょうか。ツッコミどころ満載、いやツッコミどころしか見当たらないトリック?の数々や、ドンデン返しの為のドンデン返しに、脳内麻薬が出っ放し。『瀬戸内海事件の真相とラスト2つのドンデン返しは決して人に話さないでください』とこれ以上ないネタバレを冒頭にアナウンスしてしまう監督のセンスには、もはや狂気すら宿っています。河崎実監督のように“狙ってつくるB級映画職人”は時々見かけますが、水野監督のような“本物”にはなかなかお目にかかれません。虎は死して皮を留め、水野は死して『シベ超』を残す。監督の生き様が心から羨ましいです。普段は名作文芸作品しか鑑賞しない私ですが、今日くらいは『シベ超』シリーズで、不世出のバカ映画、もとい映画バカ監督の“シネマ愛”を偲びたいと思います。合掌。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-06-10 21:49:24)
7.  7月24日通りのクリスマス 《ネタバレ》 
少女マンガ的世界観に裏打ちされたおとぎ話。本作のメインターゲットは女性でしょう。主人公に感情移入して、どうぞ夢の世界をお楽しみくださいという趣向です。ただ、それは相当に困難な作業と思われました。大人の女性なら鼻で笑うほどお話は浅く、夢見る少女が自身を投影するには、中谷の年齢は高すぎました。中谷を主役に据える以上、彼女と同年齢層の女性が一番楽しめないとオカシイのに。でも多分真逆だと思われます。彼女に近い境遇にある人ほど、現実との違いに打ちひしがれるのではないかと。実際、中谷と同じようなパーソナリティの人は結構います。女も男も。かくいう自分もそう。買ってもいない宝くじが当たるのを夢見ているのです。中谷は拾った宝くじで1等を当て、私は今日も一人寂しく夜を過ごす。何処が違うの?と虚しくなります。結局のところ、「自分は中谷美紀じゃない」という残酷な結論に行き着いてしまうのです。ですから、主人公には頑張ってもらわないと。ちゃんと花を咲かすために種を植え、水をやって世話して欲しいのです。努力の末に幸せを手に入れる物語を望みます。それでこそファンタジー。そういうご都合主義なら歓迎します。
[DVD(邦画)] 4点(2016-05-11 23:21:56)
8.  死にぞこないの青 《ネタバレ》 
スケープゴートを利用した集団統制手法は、費用対効果に優れています。僅かな犠牲で強固な団結。隣国では国策として採用していますし、日常生活の中でも多かれ少なかれ目にするはずです。残念ながら。おそらく先生の「誰でもよかった」「人の目が怖かった」は真実でしょう。ただし蛮行に至った原因を“幼少期のトラウマ”に求めるのは誤りです。“辛い経験をした者は犯罪に走る”なんて失礼な理論が通用するものですか。トラウマの仕業にすれば自我が守られるから。自分を善人と思い込みたいから。それだけです。それに彼は歯向かう山羊に業を煮やして、本気で殺そうと(!)しました。これは挫折を知らぬ完璧主義者の思考。クラス運営の試行錯誤なく、赴任当初から生贄を選んでいる点からも、彼に情状酌量の余地は無いと考えます。教師主導で生贄政策を取られた場合、被害者が抗うのはほぼ不可能です。さらにあの年頃では、親の問題介入を拒むもの。狭い了見と閉じた世界で、全てが完結してしまう恐ろしさが在りました。そんなマサオの大ピンチを救ったのが“アオ”と名乗る少女。正体は亡くなった姉。幽霊か、少年の心が作り出した幻か。いずれにしても彼は、孤独から逃れました。今回はお姉ちゃんが助けてくれましたが、次回はありません。窮地に陥った時助けを請う人を確保しておくのは、人生の重要課題のひとつ。もし、両親がアテにならないのなら、他に頼れる人を探しておかなくはいけません。結末について。初めは生温い決着に憤りました。社会的に抹殺してやれと。しかし、マサオがイジメの被害を立証するのは意外と困難です。それに追い込むと暴発する輩なのは実証済み。心理的に優位に立った今、あえて奴に逃げ道を与えたのは賢明だったかもしれません。修羅場を潜り抜け、少年は自信を得たでしょう。全てが好転した様子。ただし今回は相手が愚かでした。ツキもありました。ですから決して大人を驕ることなかれ。一人で問題を解決する事が自立ではありません。狡猾な悪人は掃いて捨てるほどいますから。
[DVD(邦画)] 7点(2014-08-21 18:58:07)(良:1票)
9.  実験室KR-13 《ネタバレ》 
『es』と『CUBE』を足して面白味を差し引いた感じ。爽快感が低いのは、タネ明かしが加害者(科学者)サイドで行われたから。バッドエンドだとしても、被害者側から真相に辿り着いていたら多少はスッキリしたと思います。
[DVD(字幕)] 4点(2014-03-21 22:09:14)
10.  G.I.ジョー(2009)
中身ゼロ。子供向け。だが、それが素晴らしい。アメリカのブロックバスターはこうあるべし。パリ市内、エッフェル塔へ向かうカーチェイスの見応えは抜群でした。このシークエンスだけでも本作を観る価値があるというもの。劇場の大スクリーンで観られた方は勝ち組ですね。これだけ製作費をかけた“映像のご馳走”を頂戴出来ることがどんなに幸せなことか。映画ライフが豊かになります。有難うございます。
[地上波(吹替)] 6点(2013-06-19 21:43:18)
11.  シベリア超特急2 《ネタバレ》 
うわー面白いです。冗談や皮肉じゃなく、本当に面白い。いや“楽しい”と言った方が正しいかもしれません。豪華過ぎるキャストでお送りする、素晴らしき懐かしの土曜ワイド劇場の世界。イッツ、ザ・チープサスペンス!『コント山口君と竹田君』の竹田君のガチホ…失礼、存在感が圧倒的でした。こりゃボンちゃんも嫉妬でウズウズしちゃうでしょうね。もっともっと評価されていい映画だと思います。平均点3点台はいくらなんでも低過ぎます。でも4点台だと高過ぎです。もちろん今回も閣下に敬意を表し、アメリカンポリスの制服を着て、しかも後ろ手錠でこの感想を書いています。偉大なる映画バカを忘れないため、今日この日に祈りを込めて…合掌。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-06-10 19:27:02)(笑:2票) (良:1票)
12.  少林少女 《ネタバレ》 
本広監督の前作『UDON』同様、実質2部構成となっている作品。前半はラクロス主体のスポーツ感動系。後半は格闘アクション映画でした。まず前半の感想から。テーマは“チームワークの大切さ”。ワンマンプレーで試合を壊し、チームメイトの信頼を失った柴咲。彼女が周囲に再度受け入れられていく過程が物語の肝です。ところがその処理がサッパリ。尺にして僅か10分ほどで、なんとなく収まってしまいます。淡々と前半戦終了。後半は格闘シーンが満載でした。『キル・ビル』とか『死亡遊戯』のパロディみたいなノリ。柴咲のアクションは満足出来るものではありませんが、我慢はできます。カワイイ娘は得です。でもその他の役者はいけません。全く動けない。江口と仲村はミスキャストでした。岡村が一番上手いってのは問題です。極めつけはラストバトル。この破綻ぶりは超ド級。ちょっとお目にかかれない程。結局バカ負けして笑ってしまったので、こういうオチもアリだとは思いますが、劇場で観ていたら多分呆れたと思います。どうせなら『少林サッカー』みたいに仲村と柴咲がカップルに納まれば良かったのに。なお劇場ポスター(先行版)の図柄がエンドロールバックってのは、流石に詐欺なんじゃないかと。
[地上波(邦画)] 3点(2012-02-14 00:10:49)
13.  シェルター 《ネタバレ》 
(いきなりネタバレあります。ご注意ください。)  『シェルターさんが「あなたは神を信じますか?」と訊ねてきたなら、「私は神の僕です」と答えなければならない。もし無神論者だと告げようものなら、背中を斬られ、口から泥を吐き、7日以内に魂を吸い取られてしまうだろう。シェルターさんは若い男。又は少女とする説もある。』物語を都市伝説風に言うならこんな感じ。牧師は婆さんに操られているだけなので、主人公が呪術主の婆さんに救いを求めた方向性は正しいです。でも婆さんがすんなり術を解くはずもありません。そんなタマじゃない。ここで婆さんを殺していたらどうだったでしょうか。術が解除されれば勿論OKだし、死後も呪いが継続するようなら、もう打つ手はありません。ここが娘救出のラストチャンスだったと考えます。牧師から娘へデビッドの魂の移動が確認された今、主人公の対応は大変難しいものとなりました。呪いは解除されたのか?娘の魂は残っているのか?この後味の悪さは、悪くありません。
[DVD(字幕)] 6点(2011-12-24 23:41:30)(良:1票)
14.  女子高生サバイバル・ドライブ 《ネタバレ》 
家庭用ビデオカメラの映像に、人物目線に固定したカメラアングル。本作は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』に代表されるフェイク・ドキュメンタリー(モキュメンタリー)を髣髴とさせます。機材や人手不足を逆手に取り、登場人物に撮影を委ねる“記録映像”方式。臨場感とリアリティで好評を博し、後発の類似作品を多数排出しました。本作もそういった作品群の1作には違いないのでしょうが、“記録映像”との体裁は取っていません。そういう意味では『ブレア』より、むしろ『宇宙戦争(2005)』や『世界侵略・LA決戦(2011)』に近いと考えます。ただ、巨視的なアプローチを避け、あえて視点をミクロに絞ることで臨場感を煽る意図があったこれらの作品に対し、本作の舞台は至って限定的です。あのようなカメラアングルであり続ける必然性はありません。この不自然さを払拭する免罪符が“記録映像”方式だったのですが…。ですから歪なカメラワークに、観客はカメラマンの存在を意識せずには居られないのです。どうして女子高生の傍から離れないんだ。うらやま…もとい、もっと動け、いい画を押さえろ、と思ってしまいました。ところで話は変わりますが、DVDパッケージの女の子が誰一人として本編に出演していない事実にお気づきでしたでしょうか?表紙の写真は単なるイメージ。“KY殺人鬼”という煽り文句にも驚きましたが(空気を読めたら殺人鬼じゃないよ!)、胡散臭さ&インチキ度120%。流石のアルバトロス印でありました。
[DVD(字幕)] 3点(2011-12-12 18:58:30)(良:1票)
15.  呪怨 黒い少女 《ネタバレ》 
『呪怨』10周年記念2作品のうち、『白い老女』の方はオリジナルの系譜を継ぐものでしたが、本作『黒い少女』はだいぶテイストが違いました。メインとなる登場人物の名前を冠して小節を区切るスタイルはオリジナルを踏襲しているものの、あくまで形式を採用しているだけ。小節ごとに律儀にオチを付けていた『白い老女』と比べると、その違いは歴然です。本来であれば、毎回黒い少女が姿を露にして驚かせてこその呪怨。ところが芳賀ゆい並に、姿を客前に現そうとしません。本作は『呪怨』であって、『呪怨』にあらず。はてさて、コレはどういう意味なのか。それでは“空手”を例に考えてみましょう。日本怪談の原点は、出るぞ出るぞと観客を煽る部分に意味がある、言うならば“寸止め式の伝統空手”。一方『呪怨』は出し惜しみせず、直接お化けが脅かしに来るフルコンタクト制。素人でも分かり易いのは、後者の方でしょう。呪怨式ホラーがウケたのも、考えてみれば納得なのです。では何故本作で下手な寸止め空手を見せたのか。伝統空手の凄みに気付き始めた観客への牽制なのか、はたまたフルコンタクトの進化形を提示しようとして失敗したのか。自分には分かりませんが、下手な寸止めより、派手なフルコンタクトの方が観ていて面白いのは間違いないです。というワケで2作品を比較した場合、自分のジャッジでは『白い老女』に軍配が上がります。
[DVD(邦画)] 5点(2011-11-30 18:31:47)
16.  呪怨 白い老女 《ネタバレ》 
驚きに感情が付帯するメカニズムを考えた場合、「笑い」と「恐怖」は実は近い関係にあることが分かります。ご指摘のレビュワー様もおられるように、物語の体裁はギャグ・コメディと酷似しています。例えば老女が手にするアイテムが“包丁”“蝋燭”“日本人形”であれば、判り易く「恐怖」サイドに寄りますし、“へちま”“カツ丼”“週刊大衆”ならば「笑い」で問題ないでしょう。匙加減一つで、ホラーにもコメディにも化ける。そういう意味では、“バスケットボール”を選択したセンスは悪く無いと感じました。とりあえず観客は戸惑います。純粋に意図が分からない。いわゆる、不条理です。『呪怨』は、この不条理を恐怖に転化することを基本様式とした作品だったと考えます。第1エピソード、「は~い。今手が放せないの。すぐ行きますから」は、条理が次第に不条理へと変化していくパターン。上手いし、怖い。ただし不条理描写に特化した結果、奥行きの無い恐怖しか生まなくなったのが『呪怨』の弱点でもありました。本作では“白い老女”の役割についてあまり考慮されていないのが難点です。単なる驚かし要員に見えてしまう。本当は違うのに。老女は孫を気に掛けていました。一度ロリコン男から少女を救っています。その思いをちゃんと観客に届けられれば、老女の登場場面に付加価値が出ます。痴呆による徘徊と見紛うのは、あまりに不憫な話。バスケットボールにしても、ロリコン男の所有物、切断した頭部のメタファー以外に、もう一つ観客の心動かす意味づけが欲しいところ。ワンランク上のホラー目指すなら、物語で観客を魅了する必要があると考えます。
[DVD(邦画)] 6点(2011-11-27 19:25:02)(良:3票)
17.  11:46 《ネタバレ》 
邦題からも推測できるように、ヒット作(?)『0:34』と同じく地下鉄構内を舞台としたホラーサスペンス。有名作品あやかり系ゆえ、正直期待値は低かったのですが、それが幸いしたのか予想外に楽しめました。脅かしや無闇な血飛沫等、恐怖演出自体は平凡ですが、“狂集団から逃れて地下鉄構内から脱出しろ!”という目的が単純明快なので感情移入し易い。体裁としては『ゾンビ』と変わりませんが、敵がカルト教団というところがミソ。信者の中には年端のいかない子供も多く、敵の主な武器は短剣。殺傷能力は高くない。「危険だから戦いたくない」というより、「殺したくないから戦いたくない」という心理が働きます。このあたりの微妙な差異が、物語に綾を生みます。本作では比較的アッサリ処理されている部分ですが、もっと膨らませても面白かったと思いました。すわ予言は真実だったのか?!というラストですが、これは見事なミスリード。詳しくは↓【いぬきよ】さんが丁寧に解説して下さっていますので割愛しますが、初見だと真相に気づかないかもしれない。なかなか手が込んでいます。個人的には『0:34』より本作の方が面白かった。掘り出しものでした。
[DVD(吹替)] 7点(2011-03-27 20:20:29)
18.  シャッフル(2007) 《ネタバレ》 
「何故シャッフルが起きたのか?」という疑問については、サンドラとの会話の中で神父が答えてくれています。「この世には不思議な事がある。それは神の力だ」と。神様はサンドラに猶予を与えた。大切なものに気づくための1週間の時間。“失う前に気づけ“ということです。結果、彼女は夫の気持ちを取り戻す事が出来ました。ただ残念なことに、神様は悲しい結末までは変えてくれなかった。しかしこれは仕方がないこと。覆水は盆に返らないのだから。それは解る。けれど、事故の間際は奇跡を信じて止みませんでした。辛かった。死ぬ前に夫の愛を取り戻しただけで、感謝しなくてはならないのでしょう。夫も十分なお金を残してくれました。そう、シャッフルを経験したのは、サンドラだけではなかったのかもしれない…。そもそも、主人公の不思議な体験は、現実に起きたことでしょうか。実は判断ができないと思う。デジャブや夢、妄想の可能性も多分に在る。でも、そこが本作の長所です。重要なのは「気づく」こと。別に奇妙な経験をしなくても、その気になれば誰だって、大切なものに気づけるのです。この映画を観た人はそのキッカケを掴んだはず。それが本作の隠された希望であり、メッセージだと感じました。運命の最終日の緊張感は上々だったものの、それ以外は意外なほど淡白に過ぎていきます。彼女の身になってみれば納得できますし、「何も出来ない」事自体に意味があるものの、観ている方のテンションは上がり難い。それが本作の評価が芳しくない一因かと。
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-14 19:15:25)
19.  13日の金曜日(2009)
オリジナル1作目は観ました。2作目は観たはず。3作目以降は記憶がない。そんな立場での感想です。一言で言えば、可もなく不可もなし。インパクトのある殺し方は散見されるのですが、全体的に大人しめ。そもそもジェイソンに狂気が感じられません。ごくごく普通のマザコンレベル。あれなら正直怖くない。ただ、あの武器(刀みたいな鉈)は悪くなかった。チェーンソーや斧のような武器に迫力では劣りますが、実戦的な殺傷能力は抜群です。でも大勢生き残っているうちに逃げずに戦えば、負けはないなと冷静に考えられるようでは、ホラーとしては物足りないのでしょうね。
[DVD(字幕)] 5点(2010-07-21 18:47:07)
20.  守護天使 《ネタバレ》 
寺島しのぶ、佐々木蔵之介、柄本佑は出色の出来ばえ。文句なしの見事な人物造形でした。俳優が本職でない日村や主演の竹山も持ち味を発揮してくれました。本作に見応えを感じられるのは、役者の頑張りがあったればこそ。これで脚本がスマートだったら傑作に化けたのではないかと。作品の体裁は、ラブサスペンスコメディ。ハラハラ、ゲラゲラ、最後にキュンがお約束。ところが、どうにもお話の波に乗れません。最初のつまづきは、竹山の恋に説得力が無いことです。“たまたま電車で見かけた気になる女子高生が、自分にも親切にしてくれた”だけでは、動機としては物足りない。現実逃避の恋愛だとしても、観客が彼を応援したくなる仕掛けが欲しい。サスペンス要素もイマイチです。連続女子バラバラ殺人なんて、コメディには荷が重い。汐里ちゃんが暴漢に拉致されてから居所を発見するまでの時間は長過ぎました。結果的に無事ならOKという話ではありません。手をこまねいていた時間は、自らの無力さを知らされる時間。辛いです。新聞配達員を捜索に使うアイデアは良いのですから、繋ぎの努力を主人公にさせて欲しかった。クライマックスは竹山がヒーローだと判明する場面。胸のケイタイはカラータイマー、被ったポリ袋はウルトラマンのボディの見立てでしょう。でも、ちょっと判り辛い。やはり芸人の正装は素っ裸。白ブリーフ一丁で勝負して欲しかった。そもそも何故竹山はウルトラマンが好きなのか説明が欲しい。自分の採点基準では4~5点相当が妥当。でも最後の最後で、うっちゃられました。「あの人は私の初恋の人です」。嫁の告白に涙しました。現実にはこんなクサイ台詞を吐く人などいない。でも物語的には、この台詞以外考えられない。難病の子供の守護者は汐里ちゃんで、汐里ちゃんの守護者は竹山で、そして竹山の守護者は嫁さんだった。みんな誰かに、護り護られ、恋し恋され、生きている。グッときました。終わり良ければ全てよしってことで。まあ結局は、寺島しのぶがオイシイところを全部持っていっちゃったワケなんですが。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-09 21:21:38)
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