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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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1.  切腹 《ネタバレ》 
噂に違わぬ名作だと思いました。武士の所作として最も尊ばれるべき切腹。それを真ん中に置いて展開する武家社会の「体質」の話だったと思います。 どんな事情があろうとも押しかけてきて「ここで死なせろ」と云うのは、言われた方には大迷惑なお話です。序盤は井伊家側に同情しました。仲代達也が語る実情を聞いても、それは浪人を増やす幕政の問題で、井伊家の責任では無いと思いました。なのでラストの大立ち回りは必要なのかとも思いました。そこまでの口上に照らすと潔くない。でも、その斬り合いで出た死傷者に対する家老の態度でテーマがハッキリしました。 自分たちの対応から生じた不都合を手際よく「隠蔽」する。不都合が生じた原因は、大きな組織体が持つ「傲り」や「慢心」です。幕府に露見すれば譜代筆頭である井伊家も処分を免れないと云う事情があるのでしょう。ならば、そうなる事を事前に察知し、回避するのが大藩の知恵ではないかと思います。たぶん、井伊家の人達が個人で対応していれば、あんなことにはならなかったような気がします。大きな組織に帰属することによって、自分が偉くなったと感じる錯覚。それが組織体を蝕む根本かな、とも思いました。 仲代達也の堂に入った演技には見応えがありました。この時、彼はまだ30歳。その若さで爺さん役まで演じている訳ですが、まったく違和感がない。眼差しだけで弱々しい表情から毅然と力強い顔つきまでを演じ分ける。モノクロ画像のシャープな陰影が見事にそれを切り取っていました。 余談ですが、事実を隠すことによって事を荒立てない作法は「嘘も方便」という言葉があるように全否定はしません。何を守るために嘘を付くのかが焦点だと思います。大きな社会的責任を負った組織が隠蔽した事実が明るみに出ると反動は大きい。それを、記者会見で頭を下げる「行事」で落着にする習慣は新たな悪しき体質と思えるこの頃です。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-07-21 14:34:38)
2.  セッション 《ネタバレ》 
評判は聞いていましたが、なかなか凄かった。この種の作品は、全く同じではないけど「アマデウス」以来でした。 本作を見る限り、「美」を創造・受容する能力と人間性は全く相関が無い。一芸に秀でた人が人間的にも優れているか云うと、そんな保証はどこにも無いってことですね。ウンウン、その通りだと思う。 彼らは「美」を追及する為なら何をやっても許される。許されるは言い過ぎだけど、やっている本人の視界に常識が入り込む余地や余裕は無い。天才同士、あるいはキチガイ同士、分かる者だけに分かる特別な次元のコミュニケーションがある。そんな映画だったと思います。 本作は音楽を題材にしていますが、おそらくヒトの営みが及ぶ全ての領域で同様の次元がある気がします。経営者なんて人間性を疑うような人の方が成功していますものね。タイムリーにはト○ンプ氏。 こんな奴らには近づきたくない。そう思いつつも、何かひとつでいいから分かる力を授かりたかったと意識している自分もいるみたいです。持たざる者を羨望させる恍惚感が漂う結末でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-07-20 19:47:59)(良:1票)
3.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
「慣性の法則」に支配された空間描写が圧巻でした。凄いです。人類って、かなり無理して宇宙空間に挑んでいることが良く分かりました。 「重力」とは星の中心に向かって落ちてゆく力。地面があればそこで落下は止りますが、同時に自分の足で立たないと何処へも行けません。奇跡的に拾った「命の重さ」の意義をシンプルに訴えるラストカットが素敵でした。 地元での3D上映は吹替え限定のため、泣く泣く2Dで鑑賞。
[映画館(字幕)] 8点(2013-12-16 17:19:05)(良:3票)
4.  ゼロの焦点(2009) 《ネタバレ》 
原作を読みオリジナル版も観ているが、これは上手くまとめたと思います。もともと、松本清張作品の映画化は事件の社会背景を問題視するあまりに、犯行の動機や犯人の心理描写に無理矢理感が否めないものが多かったのだが、これほどスムーズに観られたのは初めて。オリジナルは「パンパンの悲哀」がテーマだったが、本作は「新しい時代に生きる」に変わっている。それは原作にもないコンセプト。それによって、オリジナルでは不可解だった、憲一が田沼久子との生活から離れようとした動機がすっきりと解決されました。戦地で傷を負った者と国内で戦災に遭った者の代表が憲一と佐知子。憲一から10歳年下の禎子は戦争による暗さを持たない世代として劇中では捉えられる。彼女が「新しい時代」の象徴です。あの時代、生年が10年違うことが、本当はどのような意味を持ったのかは想像するしかないが、戦争によって辛い時間を過ごした憲一が禎子と共に新しいスタートを切りたいと願ったことには頷けました。オリジナルでは、若い子に乗り換えたとしか思えなかったので、このアレンジは高く評価したい。並行して、佐知子にも女性市長の誕生というサイドストーリーを用意した。そちらも「新しい時代」に繋がります。オリジナルは「パンパン」だった過去をひた隠しにするために事件が起こったが、本作では明るい未来を掴もうとして起こった事件と解釈できて、現代的な問題意識にも適合するように工夫されていると思います。木村多江が演じる田沼久子のおっとりした薄幸女性の献身ぶりは、オリジナルで評価の高い有馬稲子に比べて遜色ないと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-12-19 19:10:29)(良:3票)
5.  ゼロ・ダーク・サーティ 《ネタバレ》 
「ビンラディン殺害」をニュースで知った時、とても違和感がありました。なぜ「確保」や「拘束」でなく、いきなり「殺害」なのかと云う点。さらに、戦争や紛争が起こっていない独立国家で他国の軍隊が大っぴらに行動できるのかと云う点。本作はその二つの疑問にまとめて回答していて、内実を知る意味ではスッキリしました。 <籠の小鳥をお隣の飼い猫に殺された。その猫が昼寝をしている縁側を急襲し、寝首を搔いて逃げた。隣人に抗議するような精神的余裕は無かった。次の一羽がいつ殺されるとも知れないから…> 「ビンラディン殺害」はそんな感じでした。 ビンラディンを追いかけた女性分析官の視点に絞った切り口は、作戦遂行後の虚しさを表現する段で最も効果を発揮していました。大きなミッションを達成した後の脱力と云うよりは、虚しさです。そこにはいくつもの意味が含まれていると思います。「人殺し」と云う非建設的な目的。ひとつの命を奪っても、失われた多くの命は戻って来ない道理。そして、これで終ったと言えない憂苦。劇中には一切描写されませんが、欧米を標的とするテロの端緒が、過去に欧米が一部のイスラム国家に対して行った利己的な所業であることにも言及している気がします。 この監督には「ハート・ロッカー」のブレブレ映像で酷い目に遭わされた苦い体験があり劇場で観ることを諦めたのですが、本作は観やすかったです。タイトルは隠れ家に突入した午前0時30分を表す軍事用語らしいです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-03-25 01:00:54)(良:1票)
6.  世界最速のインディアン 《ネタバレ》 
実話を基にフィクションで味付けしたようです。善人しか出てこない(笑)。爺さんがスピードに挑むだけで十分な映画的見応えがありますが、その挑戦が生を受けた意義や人生を意味づける営みに昇華されていて心地良いです。ユタ州の塩の平原で、同じくスピードに挑む者たちが主人公を讃えます。同じ地平に立つ者だけが分かる偉大さや勇気があるのだと思いました。 鑑賞中に「いい歳した大人が…」と云うたしなめの言葉が浮かびました。本作を観ていると、それは凡庸を肯定したツマラナイ言葉とも思えます(もちろんルールを外れて他人に迷惑をかけることは除く)。やりたいことがあるなら、真摯に、貪欲に、我儘に。年齢は関係無いのだと思います。世間体や常識に捉われているいい歳した大人たちに示唆と勇気をくれる映画です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-09 21:12:00)(良:1票)
7.  世界侵略:ロサンゼルス決戦 《ネタバレ》 
異星からの侵略を臨場感を持って描く。本作のテーマはそれに尽きると思います。誰の視点で描くかによって見え方は変わる。本作は米国海兵隊の小隊に視点を固定しそこから動かさない。この姿勢が秀逸だと思います。特に冒頭部分。侵略が始まっても情報が無ければ事態を把握できない。断片的にテレビの報道などを挟み、状況の認識と共に緊張感が募って行く。この感覚は約10年前、いつものように起床してテレビをつけたら9/11の報道が飛び込んできたときの状況に近似する。世界の主要都市が同様の状況にあると云う認識を植え付けた後は、逃げ遅れた民間人の救出に向かう海兵隊の視点だけに絞って描写を続ける。苦戦を続ける海兵小隊の戦闘の背後に、世界中で起こっている事態がイメージされる。海兵たちが得る情報の少なさが観客の情報量にリンクし、世界が征服される危惧を抱きながら鑑賞を続けることになる。戦闘描写のリアルさもさることながら、この不安感の醸成がなかなかリアルでした。過去に無かった切り口だと思います。小隊が人類反攻のきっかけをつかむ終わらせ方は最小限のご都合でしょう。感動する類いの作品では無いけれど、別種の興奮がありました。
[試写会(字幕)] 7点(2011-08-11 23:51:31)(良:2票)
8.  ゼブラーマン 《ネタバレ》 
内容はバカバカしいのですが、かなり真面目な作品に思えました。中年男が部屋に籠もってコソコソとコスプレ衣装を縫う風景は情けないんだけど、「あの自販機まで行ってみようかな」って台詞が情けなさもバカバカしさも帳消しにするくらい響きました。あれがこの映画の全てですね。考えてみれば、その後の展開も自販機まで辿り着く道程の延長上にあったように思える。人生に閉塞した中年の逆転劇と云うような大げさなものでは無く、成り行きのヒーローです。本作を観たからって物理法則に反することを信じようとは思いません。でも、コスプレでも何でも、自分の好きなことを大切にしている姿勢が心地良かったです。ゼブラナースの色香にはときめきましたね。出番が少なかったことにだけは正式に抗議します。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-05-06 23:57:31)
9.  戦場からの脱出 《ネタバレ》 
ベトナム戦争映画でもなければ、反戦映画でもない。余分なものを削ぎ落とし、役者の体重を削ぎ落とし、人の生存欲求の本質に迫ろうという試みと解釈しました。死にたくない。そんな魂の戦いの物語です。この実話の映画化には、相当の役者魂が必要だったことは一目瞭然。主人公が母隊である空母へ帰還するシーンには、素直に感動させてもらいました。奇人ヘルツォークは「東京画」の中で、映画のテーマを見つけるためなら戦場へだって行く、と息巻いていましたが、その具現がこれなのかと納得しました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-03-30 00:04:43)
10.  セント・オブ・ウーマン/夢の香り 《ネタバレ》 
ラストで何かをやらかすんだな、と途中からバレバレだったが、そのラストが想像を越えて素晴らしかった。実はそこまでの展開に少々辟易していたところに、特大のカウンターが飛んできた。思い浮かんだ諺が「○○とハサミは使いよう」。でも、素行の良し悪しは別にしても、正しい「道」を示してあげるのが大人の仕事。戦場で最も必要とされる精神を元軍人らしく展開して若い「戦友」を救う。もの凄い局地戦で大勝利を収めたという印象だ。あの演説だけで、平均点が2~3点は上がってるんじゃないかな。私は年齢的にはいい大人だけど「正しい選択ができることは、魂の高潔である」という訓示は重く受け取りました。タイトルは「女性の香り」です。たぶん「女好き」という意味です。劇中のアル・パチーノがまさにそうだが、これって歳をとっても精気盛んな男であれ、ということだろう。そして、たまにはそのエネルギーを若者を導くことに使え、と…。作品世界を象徴しているかどうかは別にして、ユーモアが効いた面白いタイトルです。ベタなラブストーリーを想像させて損してるけど…。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-14 13:30:35)(良:2票)
11.  セブン
サスペンスの秀作。暴食・強欲・怠惰・色欲・傲慢・嫉妬・憤怒。イエスさんにはひとつも無かったとしたら、確かに聖人だ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-07-24 16:49:47)
12.  世界の中心で、愛をさけぶ
数年前ですが、結構素直に感動しました。勢いで原作も買って読みました(笑)。初めての長澤まさみが瑞々しかった。自分が若かった頃の、ピュアな恋心を思い出させるパワーがありました。
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-22 00:28:36)
13.  瀬戸内少年野球団 《ネタバレ》 
視点が二つあります。ひとつは戦争が終わった直後の混乱期の地方の島(淡路島)の生活を多角的に描写していて興味深いこと。乱立する価値観のなかで、先生は子供たちにひとつでも確かなものを与えて足元を固めさせようとした。それが野球。だから、試合の勝敗なんて関係ないですね。もうひとつは夏目雅子さんです。本作を最初に観た当時、彼女を特筆した記憶はない。つまり私は彼女の良さが理解できないガキでした。今回は彼女に目を奪われっぱなしだった。凛とした芯の美しさが際立つ女優です。現在の彼女を見られないことが、当時の彼女を美化している傾向はあるかもしれない。それでもこの映画が彼女の麗しい姿を写し取っていることに感謝したい。
[映画館(邦画)] 6点(2011-08-18 22:23:22)
14.  青春の蹉跌
1974年の青春映画。確かこの年か前年に中東戦争が起こって石油危機が叫ばれ、高度成長に終止符が打たれた。戦後から青春映画と云うと、健全な上昇志向や内面の葛藤を扱ったもの主流だったはずで、こんな「だるい」映画は斬新だったと思える。豊かでもないが貧困でもない世の中と、経済成長の終焉がもたらした空気感が「だるさ」なのでしょう。その後、この種の「だるさ」は日本社会を捉える際の常識的な側面のひとつになって行く。その意味で、桃井かおりが発散する「だるさ」は、そのままこの映画のテーマだ。蹉跌とは辞書によると「つまずくこと。失敗し行きづまること。挫折」とある。この主人公は何かに挫折したのか? 学園紛争の時期と被ってるし、その類いの先輩もいたが、さほど気合を入れて活動していたように見えない。必死に何かをやっていた姿がもう少し描写されれば、タイトルらしい映画になったと思えるが、自分の見立てはただのナマケモノだ。目の前にあることに背を向けた「えんやーとっとぉー」は解り易い心の声で面白かった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-07-25 23:18:12)(良:1票)
15.  戦場にかける橋 《ネタバレ》 
第一ラウンドは士官が労役に就くかどうかで、これはニコルスンの圧勝だった。捕虜になりながらも、自分のプライドと信念を貫いた。 そこで止めておけば良かったのに、自分の勝利に酔って調子に乗り過ぎた。架橋に積極的に取り組むことで兵士の統制だとか自覚を促すだとか、色々とお題目を並べていたが、日本軍に対して自分たちの民族の優位性を誇示したがっている意図がありありだった。しかし、破壊工作に現れたシアーズと視線を合わせた数秒間に、自分がやったことの意味を一気に反芻する。まだ彼が幸せだったのは、近くに着弾した擲弾筒のおかげで自己嫌悪に至る前に意識を失くしたことだろう。ということで、第二ラウンドは斉藤の勝ちというよりは、ニコルスンの負けでしょう。 そして両司令官の意地の張り合いは、創造と破壊の意味を問いかけるテーマにも直結している。人はモノを創ることに喜びを見い出すように作られている。なのに戦時下では破壊行為が主目的として是認される。今作ではその矛盾が、ラストシーンで浮き彫りにされる。既存のモノが破壊されるのではなく、苦労して作ったモノが完成直後に製作者たちの目の前で破壊される。その虚しさは反戦という題目以上に、人の営みの意義を問いかけている。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-04-15 04:13:20)(良:1票)
16.  全然大丈夫
楽しかったです。でも、自問してしまった。どこにも繋がって行かない細切れエピソードのどこが楽しかったのか…。たぶん、すべてのシーンにしっかりと感情を絡ませているからだと思う。派手さは無いんだけど、微妙な喜怒哀楽がちゃんと演出されているので、見ていて飽きないのでしょう。かなりしっかり計算されてるってことですね。ご大層に構えている割に、何が言いたいのか伝わってこない映画より全然大丈夫です。そして、この映画の中の彼らは不器用でもバカやってても、全然大丈夫って思いました。みんなちゃんと生きてますよ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-03-07 23:51:40)
17.  セルフレス/覚醒した記憶 《ネタバレ》 
記憶を他者に転写して死滅する体からの自由になる。不死を得る方法としては既視感があります。私が過去に見た創作物では魔術のような神秘的手法に頼ったものがほとんどだったけど、本作は純粋に科学によってそれ成していました。そんな技術が確立されたら商売にする輩が現れる訳だけど、倫理面が未解決なので闇マーケットの話になる。生死に関わることなので莫大な金額が動く。本作はそのあたりを上手にサスペンスにしていました。 死にたくない。しかし、自分と無関係の者を犠牲にして良いのか? 主人公はその辺りに常識的な判断が出来る人でした。自身の意識を殺すことにはかなりの葛藤があったはずだけど、そこは映画的にサラッと時間を飛ばして表現していました。無難にまとめたと云う意見です。 監督のターセム・シンは絵作りに特異な才能を持っている方と評価していましたが、前作あたりからそれが希薄になり、本作ではフツーの人になってしまったと思いました。その意味では期待した映画では無かったです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-01 10:27:08)
18.  千年女優 《ネタバレ》 
ある女優が演じた映画的視覚記号の永続性を映画愛に絡めているようです。それは分かります。私にも永遠のヒロインはいます。「千年」は女優が演じた舞台の時代の変遷。普通の人生はいいところ100年ですけど、大昔から未来まで、様々な役柄を演じることでそれぞれの時代の空気と人生を疑似体験できる職業の素晴らしさにも触れています。経済社会の流れに乗らずに「役者」を続けている方はそんな魅力から離れられないのだと思います。 で、本作の評価ですがさほど面白くなかったです。女優が演じた時代によって目先の見え方は変わりますけど、やっていることはどの時代でもさほど変わらず。それに単調を覚えて少し眠くなりました。映画のテーマがメッセージとして強く響いて来なかった。映画人が映画愛を語る映画としては、私はイケてない方に分類しました。 「追いかけている自分が好き」は印象に残る台詞でした。ストーカーの話じゃないことは容易に想像がつきます。女優業に限らずですが、生涯を通して追いかけるものがある人生って憧れます。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2017-05-14 00:35:48)
19.  先生を流産させる会 《ネタバレ》 
PTAをやったことの無い自分には、学校で起こっていることを凝縮して見せてもらった印象でした。これがホントの現場なら、最近盛り上がった体罰議論では解決する問題でないことが分かります。学校で起こる事件の原因の多くは家庭にあるというのが私見です。問題のある家庭→バランスを崩した生徒→野放しにするバカ教師→問題の本質から離れたところで騒ぐ周囲、という図式ですが、それを確認するような内容だったと思います。劇中、妊娠した女性教師を「キモチワルイ」と形容する女子生徒の言葉にハッとしました。「好きなものへの執着」と「嫌いなものへの排斥」に非常識に率直&素直で、自分の頃とはブレーキの掛り具合が違うと思いました。 「お腹の子供を殺されたら、そいつを殺す」と言い放つ教師に期待しましたが、あの終わらせ方はダメでしょう。過激なことを言いますが、お腹の子供を殺された訳ですから、イカレタ母親と一緒に女子生徒をリンチするくらいの思い切りを見せて欲しかったです。そこまで突き詰めないと、映画としては次のステージに進めないと思います。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-05-05 23:14:20)(良:1票)
20.  青年の椅子
真っ直ぐで爽やかなサラリーマンのお話でした。主人公の同僚でリベートを受け取ったとして策略の犠牲になる男の奥さんが言う「そんなことが出来る亭主なら、上司にゴマすってもっと昇進してる」って台詞が妙に心に残りました。初代黄門様の東野英治郎って、毒のある役が似合う人だったんですね。ただ、嫌味のない毒なので物語のアクセントには敵役。最近は全く観ていないけど、黄門様も潜在的にアンチヒーロー的な魅力を持った人物だったような気がします。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-03-02 20:58:26)
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