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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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21.  美しすぎる母
ジュリアン・ムーアは四十の半ばを過ぎた今なおきれいな女優だと思う。この作品で彼女は一人の女の20年ぐらいを演じていると思うのだけど、はじめの方、つまり若い頃はそれなりの若作りをしているんだろうけどどうもこれがうまくいってない。後半は本来のジュリアン・ムーアで当然美しい、だから歳をとっていくごとに美しくなっているようにも見える。そういう演出ならいいのだが、ストーリー上では美貌だけで貧困からセレブへとのし上がった女が歳とともにその美貌にかげりを見せ、夫は若い女に乗り換えてしまうということだから、どんどん美しくなってるように見えてはいけないということになる。細かいようだけど気になった。この作品は実話だそうで、実際にあったある事件がこの映画のラストシーンになっている。これはそのある衝撃的な事件の原因を紐解いてゆくサスペンス映画でもあるわけだ。でも何も知らされずにこの映画を見てもそこに気付けない。事件(ラストシーン)を知ったうえでもう一度見ればこの映画の本来の良さが分かるかもしれない。でも再見する気が起こらないのが難儀である。
[DVD(字幕)] 5点(2009-03-10 16:51:44)
22.  海の上のピアニスト 《ネタバレ》 
原作は知らないんだけど、これって思いっきりファンタジーですよね。作中に「伝説」という言葉があるように、1900という名の男の物語は全てトランペット吹きの楽器屋での語りだけで、実際にそんな男がいたかどうかすら実は謎なんですよね。現在の世界で再会するのもこのトランペット吹きだけで、他の人は見てないし。それなのに現実感が無いという批判は的外れ。仮にこの男が語る話が作り話じゃないとしたって一人の男の回想にいちいち突っ込んだってしょうがない。1900は厳しい社会からの現実逃避から生まれたトランペット吹きのもう一人の人格だったのかもしれない。音楽を奏でることに幸せを感じた男の最も楽しい一時を送った船内の思い出への逃避。そして現実の世界を(まさに)地に足つけて生きるために1900というもう一人の自分を船と共に葬り去ったのだ。と、えらそうに言ってはいるが見た直後の感想は「別の船に乗り換えればいいじゃん」だったりする。
[DVD(字幕)] 6点(2009-01-23 14:11:06)
23.  Vフォー・ヴェンデッタ 《ネタバレ》 
ここの評価の高さに驚いている。というか戸惑っている。思ってたのと違ったってのも災いしてるかとも思うんだけど、何が良いのかさっぱり分からない。ナタリー・ポートマンのロリータファッション&パンチラだろうか。それとも中田英寿をモデルにしただろうセンスある仮面だろうか。他に思い当たらない。Vさんは一貫して自分を酷い目にあわせた人物を一人一人殺してゆくので本人も言ってる通り「復讐」をしているに過ぎないのにたまたまその復讐するべき相手の一人が国家のトップだからって「革命」になるのか?もちろんコヤツはとんでもない悪党なわけだが、このとんでもないことが映画内であきらかにされるから「革命」っぽく見えるだけに過ぎないのだ。個人的にはこういう小難しい「革命」でもって復讐とかテロを容認したり言い訳するんじゃなく、堂々と復讐を見せてくれたほうが断然いい。原作ありきで仕方ないのかもしれないけど。どのみち、この映画とは最初の取っ付きが悪かった。こういうのを不幸な出会いと言うのだろう。
[DVD(字幕)] 3点(2008-12-08 17:12:12)(良:1票)
24.  ウォー・ゲーム(1983)
冒頭の緊迫したシーンからB級感が漂う。最先端なものを映しているはずなのにセットがことごとくチープ。場面が変わって音楽が鳴り出すと画面はもうB級感で満たされる。けして時代のせいではなくてあきらかなB路線。そのうえシナリオはちゃんとしてるから気楽に楽しめる。ちょっとダラダラしてる部分があって、そのダラダラしてる無駄なシーンにはいつもバカ女がいるのだが、こいつの能天気なキャラにはイライラさせられる。こいつさえいなければ90分くらいの最良の上映時間に収まったのに。それかもっとB級にありがちな学園一の美人かクールな才女かエロ専門かにしてくれたほうが良かったぞ。
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-14 12:38:42)
25.  うなぎ
いつからか邦画というと、ストーリーはマジメに進行しながらも何気にコメディタッチというものが多くなったような気がする。シリアスな中にユーモアが顔を出すといったものじゃなく、あくまで全編でコメディタッチ。この軽さがどうも苦手で、この作品もこの系統に属すると思うんだけど、他の多くのこの系統の駄作とは異なりコメディの部分にあざとさがなく、ちゃんと作品の世界に馴染んでいる。「軽い」というより「ゆるい」。このゆるい感じを損なうような無理な笑いとか無理な感動とかは入れない。ゆるい笑いとゆるい感動があるだけ。この押さえ加減が良い。今村監督の初期作品のようなエネルギッシュさは無いかもしれないが、こういうのもたまにはいい。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-10-10 16:54:45)
26.  ヴェラ・ドレイク 《ネタバレ》 
男が作った社会の中でどうしても犠牲になってしまう女たち。その時代の社会がどうであれ、社会と程よく付き合っていこうとする人間ほどヴェラを凶弾する。取調べに当たった二人の警官の態度の違いがそうであり、息子と娘の態度の違いがそうであり、旦那の弟とその妻の態度の違いがそうである。最も分かりやすいのが裁判官の言い渡す重い判決。ヴェラが寸分違わない善行の人であることは時代背景をよーく理解しないと納得してもらえないところかもしれないがマイク・リーはその時代性をさりげなく語っている。ここはドラマ成立のために手を抜けないところなのだが、ドラマの成立に反比例して映画は退屈になってゆく。全体的に暗い色調は伝統的なイギリス映画臭と同時に暗雲とした結末を予感させるのだが、退屈に感じているうえに暗いとなったら、もうお手上げ。ただ、イメルダ・スタウントンの涙にはやられた。まるで自分の母親が泣かされてるような感覚を覚えた。
[DVD(字幕)] 5点(2008-07-31 18:21:10)
27.  ヴァンダの部屋
ペドロ・コスタ初体験。のせいもあるかもしれないけど、こんな映画観たことない。根底の部分において今まで観た映画とは別次元にある。作品の舞台となるスラム街が何故取り壊されるのかはどうでもいいとして(開発の過程で壊されてるんだろうけど)、ギリギリまで立ち退かず、また立ち退いても行く当てのない人たちの日常を切り取っている作品の中で、「何を言いたい」ではなく、ただひたすら切り取ったものを見せているという感じ。こんなにも何も語らないドキュメンタリーを観たことがない。多くは家々が壊される映像と音、ヴァンダという名の女性をメインにとらえた会話、そしてヴァンダも含めた住民のドラッグまみれの日常の描写が占める。朝、昼、晩と順繰りに映される日常に家々が徐々に壊されるという変化以外何も起こらない。たしかに美しい画が時折飛び込んでくる。部屋の光の当たらない片隅は「影」というより「闇」と言ったほうが正しく、そのうち全てのものを被ってしまうのではないかと錯覚するくらいに「闇」自身が自己主張しているかのようだ。その恐るべき「闇」があるから明るい場所がなんとも言えない美しさを勝ち得ている。でも、観ているうちに不安になる。この映画、いつ終わるの?と。なぜならいっこうに終わる気配が無いから。結局のところ、唐突に(映画の)終わりは来て安堵したのだが、いったいなんだったんだろう、、、と。何かを「観た」という手応えだけがあって、何を見たのかさっぱり解からない。私はいったい何を観て、何故手応えを感じたのか、、それを理解するにはもっと映画を観なければならないのだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2008-05-12 15:48:40)
28.  運命を分けたザイル
九死に一生スペシャルじゃないけど、実際に起こった山岳事故を俳優を使って再現するというテレビでよくある再現ドラマの体を成しているのだけど、本物の山に登ってるってところが本格的。実際、CGでは太刀打ちできない絶景を拝める。ただしイチイチ今の本人たちが映し出され解説をしてくれるんだけど、おそらく実際に起こったことに対しより生々しく伝えたかったのだろうが、はっきり言ってくどい。本人たちがそのときどう思っていたのかを必死に説明をすればするほど、リアルな映像が無意味なものになってゆく。本人たちは特典映像で登場してくれればじゅうぶん。
[DVD(字幕)] 4点(2008-01-16 14:43:11)
29.  ウィスキー 《ネタバレ》 
おもいっきりアキ・カウリスマキだった。ただ、一つ一つの口数の少ない会話がカウリスマキよりもちょっとリアル感を持っている。パターン化された朝の仕事始めの繰り返しもコメディでありながら妙に生々しい。なので最後はちょいと残酷に思えてならない。カウリスマキの映画のようにもっと虚構性を帯びてくれればこのオチでもいいのだが、なんだかこの変われない男が哀れで・・。奇妙な三人の奇妙な旅がもたらしたものが結局主人公の男には何も無かったというオチはある意味その辛辣さにおいて斬新かもしれないし、ある意味至極当然ともいえるのだが、マジメな男にもほんの少しの光を与えてほしかった。博打はその伏線だと思って見てたもので。
[DVD(字幕)] 6点(2007-12-10 15:28:33)
30.  ヴァージン・スーサイズ
デビュー作にしていきなり独自の世界観を画面にしっかりと残したソフィア・コッポラの作家性には恐れ入る。けして生々しすぎる人物造形はせず、あくまで虚構の人物造形に徹しながらも、女の子の「不思議」と「キュートさ」にはどこか生々しいものを内包させており、そういえばこの人、元写真家なのだそうですが、たしかにまるで写真の中にしか存在しないような加工された美と、けして映るはずのない被写体の中にある何かを、同時に写しだような画という印象を受けました。ただ、映し出される被写体が男の子たちになると、途端に凡庸以下なものになっているような気がする。内容からして確信犯なのかもしれませんが。監督のその後の映画を観ても、女の子を可愛らしく撮ることにかけては長けていると思われる。これはかなり大きな武器だと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2007-09-05 12:12:43)(良:1票)
31.  浮雲(1955)
成瀬巳喜男の最高傑作らしいという前知識をもって鑑賞したのですが、その最高傑作という言葉にかなりの違和感を持ったことをよく覚えています。これ観たとき、『夫婦』とか『妻』、その他いろいろをいっしょに観たのですが、この『浮雲』よりもその他の映画のほうが良かったと思ったし、他の作品に感じた成瀬的なものをこの作品に見出すことが出来なかった。私が当時思っていた成瀬映画(現代劇)の世界観というのはもっと些細な出来事を、あるいは物語とは別のところで見せる小さなやりとりをこそ映し出す、その繊細な感覚というのがまずひとつあるのですが、『浮雲』は「出来事」が作品を支配し、男女の大河ドラマ風になっている。でもね、時がたつとともにおかしな現象が私を襲いました。成瀬映画を思い出そうとすると、まず一番に出てくるのがこの作品の高峰秀子のアンニュイで愚痴っぽい語り口。そして旅先での歩き姿だったり、男の部屋に立っている姿だったり、病床に伏せっている姿だったり、、。他の作品を押しのけて頭に浮かぶのはこの作品の風景ばかり。実のところまだ一回しか観ていないのですが、頭の中では何十回と上映されております。そしていつのまにか傑作だと思うに至ってしまったという稀な映画となりました。
[映画館(邦画)] 8点(2007-04-25 13:25:48)(良:1票)
32.  有頂天時代
アステアとロジャースのコンビで作られた作品ってのはそもそもダンスと歌を見せる作品なわけだから、当然超一流のダンスが拝めるのは当たり前で、それだけで満足できる方も当然おられるだろうし、おられるのも納得の華麗なダンスが満載なのですが、もともとダンスなり歌の鑑賞なら断然生(ナマ)でしょ!と思う私にとって、また特別にアステアとロジャースのファンでもない私にとってはイマイチ高揚感を得られなかったりする。それはこの作品に限らないのですが。とは言うもののコメディとしてのノリもよく、展開のテンポもよいので、ダンスシーン以外でけっこう楽しめました。ダンスシーンではなんといっても影とのダンス。あそこは魅せてくれます。
[DVD(字幕)] 6点(2007-03-19 19:06:05)
33.  海猫
伊東美咲のセリフが棒読みに聞こえるのだが、あれは棒読みに聞こえる方言なのだろうかと思ったのは仲村トオルも三田佳子もちょっと棒読みなもんだからなんだけど、佐藤浩市が方言らしい方言をしゃべっているのでやっぱりただの棒読みだったのだろうが、小学生の本読みでももうちょっと感情豊かに話してくれるぞと思うと、これは演技なのかもと思ったりもしながら観ていると映画は終わってしまった。お話は女としての自分の気持ちに正直に生きた女の悲劇なのだが、やたらとそうならざるを得ない状況の描写に固執し、その正直な気持ちというものが見えてこないのが痛い。『近松物語』を観て勉強しなさい。それからセックスシーンが生々しくもなければ美しくもない、ただの宣伝のためにしか存在しない最悪なものだった。足を縛られているシーンが最もエロティックで衝撃的だった。そのすぐ後の雨の中、佐藤の追いかける様もなかなかのもの。それだけの作品。
[DVD(字幕)] 2点(2007-02-15 13:01:57)
34.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 
前作の『サイン』で宇宙人の影に隠れてしまった現実社会の描写。汚染された水、隣人の嫌がらせ、過酷な労働条件、それゆえに起こった理不尽な交通事故、食べたいものはジャンクフード、そしてテレビだけを信じる家族。そんな病んだ社会から逃れて閉じた空間で暮らす面々が『ヴィレッジ』の住人。まるで『サイン』のあの家族が外の世界を見えないように窓を覆い隠したように。盲目のヒロインが盲目ではないかのように暮らす姿は現実を見ないように見ないようにしているヴィレッジの住人たちがヒロイン以上に盲目であることを提示している。年寄りだけでなく若者たちも目先のものしか見ていない。スーツのしわを気にする男もその典型的な描写といえる。『サイン』のあの家族たちは奇跡を信じたが住人たちには何も見えない。その結果の悲劇。そして外を見ようとする二人の若い男女がいずれ奇跡を体現するのだろう。この映画はそんなわずかな光を残して静かに終わる。うまいなぁと思ったんですが、、。ビジュアル的にも森の中の赤と黄色が強烈な印象を残していてけっこう気に入ってます。
[DVD(字幕)] 7点(2006-10-27 14:26:16)(良:1票)
35.  動くな、死ね、甦れ! 《ネタバレ》 
たしかにギャーギャーとまくしたてている。でもアレクセイ・ゲルマンの『フルスタリョフ、車を!』(こっちはさらに喧しい)でも思いましたがこの喧騒こそが当時の旧ソ連の社会情勢を表しているようでもあります。この喧騒に自然の音が重なり、音楽が重なり、さらに喧騒が重なり、強烈な印象を伴いながら当時の「生活」と「社会」を露にしてゆく。子供も大人も本気でたたきまくるわ、好き勝手にしゃべるわで、まるでドキュメンタリーさながらのリアル感で覆われており、一方でその中で生まれる少年と少女の幼い恋愛模様や劇的な逃走劇といういわゆる劇映画らしい劇映画が展開される。カメラがどこを映そうと、一見リアル、それでいて美しい画面を構築している。すさんだ社会になんとか適応する強い人間たちが映され、それでも限界があるという悲劇が飛び込んでくる。参りました。完璧にやられました。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2006-09-21 11:08:50)(良:1票)
36.  牛泥棒 《ネタバレ》 
舞台は、無法地帯から急激に法治国家へと変貌してゆく中で時代に取り残された西部の町であることを、町を出た女によって我々に知らしめている。そんな時代、そんな場所で日常的にあっただろう私刑という一方的な正義の行いの理不尽さを通して、法のあるべき姿、群集心理の恐怖、民主主義への疑問を投げかけてくる。製作の年からすればヨーロッパに吹き荒れたファシズムの恐怖、あるいはアメリカを襲った赤狩りがこの作品の根底にあるような気がする。悲しい結末まで一気に見せるドラマは大いに見応えがあり、大いに考えさせてくれる。ただ手紙の朗読はくどい。かなりくどい。なくてもじゅうぶん伝わるのに。手紙の内容がさらにくどい。不自然なまでにくどい。これがなけりゃ高得点だったんですが・・。
[DVD(字幕)] 5点(2006-09-13 11:57:21)
37.  歌行燈(1943)
芸の道に生きる男の波瀾に満ちた物語の中で、未熟さゆえに人を自殺に追い込んだことによる心の葛藤と父との絆、そして女との純愛が見事にラストの大団円で収束してゆく様は圧巻。個人的にはこの大作感が成瀬らしからぬ作風だと感じましたが、「能」という伝統芸能を娯楽色豊かに、それこそ誰にでも楽しめ得る作品に仕上げた脚本演出が素晴らしいと感じた。しかしなんといっても一番の見せ所は山田五十鈴の「舞い」ではなかろうか。能の舞いを知らないので実際のところどうなのかはよくわかりませんが、事実あの「舞い」は、もう美しいとしか言い様がないし、ごまかし無しの長回しでじっくりと見せてるんだからきっと能の舞いとしても素晴らしいんですよ、きっと。私のような素人をウットリさせたのは成瀬の演出によるところが大なのかもしれませんが、その演出も山田五十鈴の「舞い」そのものの美しさがあってこそだと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2005-10-04 14:25:40)(良:1票)
38.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 
宇宙人襲来という非現実的な設定を「身近な恐怖」にまで昇華させたリアルな映像が圧巻。なにかが起こっていることを父の言動に察知し、不安の絶頂で、そのなにかを見てしまったときの娘の赤くなった目から伝わる恐怖感。娘を守りぬかねばならないボストンまでの過酷なロードムービーの序章として上々のすべりだし。棘が刺さっていても身体が自然に押し出すのを待つという娘の言葉がそのままこの作品のストーリーにリンクするというニクイ伏線といい、父と息子のキャッチボールで見せる二人の関係とお互いの適性の見せ方もスピルバーグらしい芸の細かさ。結果的に妹を危険にさらさせた兄の行動や、家族を殺されて家に立てこもる男の異様な思考は、戦うことを美徳と考えることへの警笛か?また圧倒的な軍事力を持ってしてもその地が侵略を許さないという結末は、現アメリカへの警告か?・・とすれば、娘が捕まって助けに行ってドカーン!とか、既に死に体の敵にミサイルを撃ってビジュアル的に相手が倒れる様を見せるのはいらないんじゃないだろうか。前半のように、宇宙人とかポッドの中とか見せないほうがぜったい良いってのもありますが、実際私の隣にいたカップルがこんなあり得ない会話をしていました。 女「なんで宇宙人、死んだん?」男「トム・クルーズが爆破させたやろ。たぶんあれが親玉ちゃうか」女「あ、やっぱ、そーなんや。やっと謎がとけた」・・・オマエらが謎や。
[映画館(字幕)] 6点(2005-08-12 12:19:33)(笑:3票) (良:1票)
39.  美しき諍い女
舞台がパリではなく、陰謀も無いせいか、これまでのリヴェットの映画とは作風が違う(長尺という部分はリヴェットらしい)ように感じる。それがダメというわけではなく、コレはコレで良かったのですが、初見時はちょっと戸惑いました。 ひたすらに絵を描く風景が描かれる中で、音楽を消し去り、絵を描く音だけを響かせて、画家とモデルの間に生まれる緊張感、そして画家とモデルの間に築かれる関係の微妙な変化を際立たせる。とくに何度も見たいとは思わない作品なのですが(長いし..)、なぜか既に4回見ている。何度見ても絵を描く風景の独特な緊張感には引きつけられます。画家は容姿ではなく内面を描く。内面を見られることは裸を見られることよりも辛いことなのかもしれません。無意識的に目を背けていたものが人間の奥底に潜み、それが暴かれたら..。そしてそれを暴くことが芸術だとしたら、芸術とはなんて残酷なのだろうと思わずにはいられない。完成した絵が画商の手に渡らなかった結末に、映画が芸術であるための何がしかのメッセージととるのは考えすぎでしょうか?リヴェットってそういうことしそうなんですけど。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-11 15:19:40)(良:1票)
40.  浮き雲(1996)
アキ・カウリスマキ、この人の映画はサイレント映画のごとき会話が無いのですが、ここまで徹底されると笑えてきます。冒頭のレストランでコックが騒動を起こす場面なんて騒動から解決までずっと会話なしですから。で、会話があっても実に単純。「飲むのに付き合ってくれ」「今日はやめておくわ」「ぜひ付き合ってくれ」「わかったわ」(笑)。「許してくれ」「許せないわ」「帰ってきて欲しい」「帰るわ」(笑)。なんて駆け引きのない会話なんだ。言い訳だとか策略だとかが一切無い会話が心地の良い世界を作り上げています。出来すぎのエンディングはいわばこの監督のこだわりでありスタイルと言えましょう。この独特の“味”を活かして違うスタイルのものも観てみたい気もしますが、一生貫き通してほしかったりもします。
7点(2005-02-24 18:38:19)
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