1. ウルフ・オブ・ウォールストリート
《ネタバレ》 そりゃあスコセッシなんで映像的には面白いですけどね、他の要素に関してはひどい映画。 まず題材がひどい。犯罪者の書いた本をそのまま映画化しちゃったら、美化されたキャラが出来るに決まってるじゃないか。アプローチとしてはマイケルルイスとかが書いたWall Streetへの批判的な本を取り入れつつ、アンタッチャブルのようにFBIとベルフォードとのキャット・マウスゲームを通して描くべきだっと思う。 さらには犯罪がどうやって行われたのかわかりづらい。 金持ちは頭が良いって言ってた通り、普通だまされたら気づくでしょ。大量にペニーストックを売りさばかれた金持ちたちが黙っているとは思えない。その辺をどうやってよけて行ったのかがよく分からない。 ディカプリオ(演じるベルフォード)にはカリスマ性も感じられなかった。ぶっちゃけ最初にちょびっと出てくるマシューマコノヒーの方が合っていた。演技がうまけりゃなんでもいいってもんじゃないでしょ。スコセッシと仲良いかもしれんが、全部主演にしなくたっていいのに。。。とにかくベルフォードに受ける印象が馬鹿でしかない。口がうまいだけという印象。 大体セックスとドラッグだけでWall Streetを描くっていうのがひどい。 そりゃあコケインやってた(やってる)バンカーは多いだろうけど、そればっか集中しすぎ。 2時間ぐらいセックスとドラッグだけじゃないかと思ったくらい。ドラッグシーンが出るたび、またかよ・・・。とあきれてしまった。 謎のしきたりとか、部署ごとの縄張り意識、ヘッドハンティング、一つのディールの額の多さ・・・とかWall Streetには色々面白いトピックがあるのに、ドラッグとセックスだけで語るのは馬鹿すぎる。 結末もひどいもんで、仲間意識があったはずが簡単に全員仲間を売り、とても真っ当とは思えないスピーチビジネスで金を儲けるベルフォードに、可哀そうだなみたいな目を送る刑事・・・よく分からん。 問題提起したいのか、こうやって金儲けるんだぜヒャッハーとしたいのか、何がしたかったのか・・・? まさかドキュメンタリー風にやりたかったわけでもないだろうし。。 ま、この映画を観た時点で、視聴者もベルフォードの詐欺に合ってるってことなんですかね。 [DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2014-05-18 12:51:53) |