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1.  TAKESHIS’
近年の映画に限らずハリウッド映画(日本映画)は「映画=感動」「映画=涙」「映画=恐怖」「映画=笑い」というわかりやすさが映画会社の宣伝・CM等で前面に押し出されています。いくつかのパターンがあっても結局は「映画=○○」としなければ気がすまないような風潮。それに対して強烈なパンチをお見舞いする作品だということは(おもしろい・おもしろくないは置いといて)誰の目からしても明らかなわけです。大スターたけしの前に無名俳優のたけしが現れて、その後ふたつの世界が滅茶苦茶に重なり合います。混沌状態に慣れ「わからなさをわかりかけた」頃、唐突にエンドロール。「映画=○○」のかたちで観ようとしたら溜め息しか出ません。アンチメジャーだからイイ、メジャーだからダメ(あるいはその逆)…なんて不毛なことを今さら言うつもりは毛頭ありません。ただ「○○は◇◇である」という決め付けがどれだけ可能性を縛ってきて、その可能性を頭打ちにさせているのかという部分に着目すれば、この映画を理解できない人でもこの映画を許せるのではないでしょうか。「現代はわかりにくい時代」なんて言われて久しいですが、本当かなぁと思います。価値観は多様化されていると言われながらも、民族意識やむら社会から脱却できない部分は危機感を煽り煽られるような退廃感の中で、益々先鋭化されているとも感じられます。「セカチューはスゲー感動できるよ」とか「全米が泣いた」なんて会話やフレーズを聞くと不安な時代だからこそ、みんなは個を捨てて帰属意識の中で安心したいんだなぁと妙に納得してしまうのです。「エンターティメントだからわかりやすくていいんじゃない?」と言う方がいるのはもっともです。伝統が生き続ける能や落語というものは型が制約されている中で、それぞれを演じる人が個性を100%放出しています。でも映画は「泣ける!」「感動した!」のスタンダードなものほど出揃っているので、このように万人受けしないような作品があってもいいと思うのです。個人が選択する幅があればあるほど、その奥行きは広がっていくのは事実でしょう。わかりやすいのがあってもいいんです。わかりにくいのがあってもいいんです。それぞれの作品がそれぞれのニーズを代表しながらの価値がある。そのような多様性が認識されることを北野武は狙っているのではないかな?…と僕は勝手に思っているんですけど(全然違うかもですね)。
[映画館(字幕)] 10点(2005-12-11 15:56:59)(良:5票)
2.  ターミナル
 しっかしトム・ハンクスはいろんな役をこなすのう。それとゼタ=ジョーンズがかわいい!! ああいうふうに世の中の女性は歳をとって欲しいですね(ハイ、余計な一言。   監督はスピルバーグでハリウッド万歳映画なんですけど、素直に映画の面白さを再認識させてくれる作品です。でも「(自称)映画好き」に言わせると「スピルバーグぅ?」というリアクションが返ってくることが多々ありますね。あれは何なんでしょう。商業的な映画産業へのアンチテーゼとして、いちファンのレジスタンス活動に酔っているんちゃうんかと。型に当てはめる必要はないですよね。ラベルを消して観れば映画の持つ魅力なんて違いはない筈だから。高級フレンチが食いたいときもあるし(食ったことないけど)、ファストフードが食いたいときもある。スピルバーグのような安定した「手軽な感動」を作れる才能を評価すべきですよ。「(自称)映画好き」の人たちもね。それを好みといえばそれまでなんだろうけどさ。外的要素によって雰囲気(スタイル)で嫌いになるのは勿体ないです。僕はどんなものでも美味しいと感じる人のほうが幸せだとは思います。うはは・・・って全然『ターミナル』とは関係ない話になってしまいましたね。。
7点(2005-03-22 15:13:30)
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